ウォーキング・オブ・ザ・ヒーロー!ウォークゲーマーの僕は今日もゲーム(スキル)の為に異世界を歩く

まったりー

文字の大きさ
6 / 102
希望のファーストステップ

6歩目 モンスター玉遭遇

しおりを挟む
「みんなちょっと止まって!?」


パルマと繋いでいた手を引き、ミケーラたちのいる後ろに下げました、そして僕は前方を警戒したんだ、ゲームだと正面に敵が出現するからです。
でも、いつまで経ってもモンスターは出てきません、後ろや左右も見たけどいませんでした。


「アユムどうしたです?」


パルマが二人に抱きかかえられ、すごく不安そうな顔をして聞いて来たよ、ミケーラたちも不安そうです、どうして出てこないのだろうと思ってログに目がいきました、ログには確かにモンスターが現れたと表示がされています、そこでやっと分かったんです、画面にスライム3匹が映っていたんだ、画面の中に【戦う】と【道具使用】と【逃げる】が縦に並び、矢印が横に小さくあります。


「と言う事は、これってゲームと同じで画面の中だけって事?」


今考えれば、アイテム玉や壺玉もログだけが流れ、アイテム欄に入っていました、つまりゲームとあまり変わらないって事です。


「アユム?」

「あ、いや何でもないよパルマ、驚かせてごめんね・・・(となると、ちょっと戦ってみようかな)」


3人が不安そうなので安心させる為に頭を撫でました、気持ち良さそうにして歩き始めたのを見てホッと一息です。
僕は早速画面を念じて操作を始め、歩きながらスライム3匹と戦い勝利しました、僕の予想は大当たりです、ゲームと同じで画面の中だけの戦いが起きるんだ、クエストもクリアできましたよ。


《モンスターと戦闘しよう》
※報酬
・ウォークポイント1000
・ジェム500
※スキル取得
・モンスター使役


「サブクエストもクリアして、モンスター使役が出来るようになったけど、画面のキャラが武器を装備していない僕なのが、なんか変な感じだね」


鎧だけを着けた僕は、スライムから7回攻撃され1のダメージを受けました、ログでは6回の攻撃はダメージを受けなかったと表示がされたんです。


「1だから痛くないのか、それとも画面の僕だからか分からない、どこからも血は出てないけど、鎧を装備してなかったら・・・もしかしてまずかったのかも」

「ここです」


画面でのダメージを体を触り確認していると、パルマが正面のお店を指差していました、とんがり帽子にウサギ耳が出ている看板です、僕はやっぱりと思いながら言いましたよ。


「じゃあ入ろうか、先にお願いねパルマ」

「はいです」


パルマに先頭を行って貰い、僕は更に遭遇した5体のスライムを倒し、経験値とアイテムを手に入れます、僕は回復が必要なのかとステータス画面を見ましたが、1戦闘毎に回復するようで全快しています。

つまり、本当の僕がダメージを受けないと減らないのかもです、そして気になる選択欄が増えました【仲間にする】です、ゲームでもあったんですよ。


「となるとやっぱり、こちらでモンスターを倒さなくてもレベルが上がったり、モンスターの使役が出来る?」


僕は配達をそっちのけで試したくなりました、でもお店に入ってさっきと同じ状態です、お店の人はピンクのウサギミミをしたちょっと可愛い子です、年齢もクマテラと同じくらいですね。


「そうピョンか、まぁご贔屓にしてくれるなら考えるピョン」

「ピンク、平気にゃよ」

「そうみゃそうみゃ、アユムも何か買うみゃ」


ミミにそう言われたので、僕はお店を見渡しました、薬草よりも上の回復アイテム、ポーションが15本棚に置いてあります、僕はそれの中で2本を手に取り受付に置きました。


「ど、どうしてその2本を取ったピョン!?」

「え?だってこの2本だけ回復量が高かったから」


僕は、売っている物でもなんでも触ると【アイテム欄に入れますか】と選択が出ます、その時にどういった物なのか詳細が出ます、他のポーションは回復量が10パーセントだったのに、この2本は15パーセントでした。

間違って【はい】と押しちゃうと泥棒になるから、気を付けないとね。


「そ、そうピョンか、鑑定持ちピョンね」

「それで代金は書いてある通り、穴あき銅貨5枚で良いの?普通はその倍はすると思うんだけど」


ポーションはウォークレベルを上げた事で交換が可能になっています、そして交換が可能な物は細かく相場の値段が表示されています。

この王都での値段は銀貨1枚、その上の中級ポーションは金貨1枚です、買い取ってもらう場合は売値の半額で穴あき銅貨3枚から5枚、高品質だったら7枚となっています、このポーションは穴あき銅貨7枚はします。


「そ、それは・・・作っても売れないから、安くしているピョン」

「じゃあこれは作ったばかりだね、品質が良い」


僕は性能も良いし品質も抜群だから買おうとしています、でもピンクって店員は、料金を提示しているので値上げは出来ないって諦めているみたいだよ、僕は良い物にはそれ相応の対価を払うようにしるんだ、なのでどうしようか悩んでいるようなので受付に定額を置きましたよ。


「ほ、ほんとに良いピョン?」

「仕事をしっかりとこなしているんだから当然でしょ、これが逆に売れないっておかしいと思うよ、この王都はどうなってるのさ」


僕がそう思っていると、ピンクさんがしょげた顔をして耳が倒れました、僕はクエストの名称を思い出しちょっと納得がいきました。


「仕方ないピョン、ここは人種族の街ピョン、しかも王都ピョンから店を持てるだけでもすごいピョン」


耳を折りたたみ、ひょこひょこと動かしてかなり悲しそうに話してくれました、店を持っても売れなければ意味がないです、逆に借金とかを抱えてしまいますよね。

でも僕はちょっと違和感があります、店を持つ前から分かるはずです、もしかしたらここの人たちは何人かいるあれが原因かもです、黒いモヤを纏っている人、あれがきっと悪い事をしているんです、その人たちは他種族と仲が悪い様に見えました、ひょっとしたらそれを取り除けばメインクエストはクリアかもですよ。


「他の街とかもこんななのかな?」


僕は情報を貰う為に問いかけました、ピンクさんは頷きとても悲しそうです、少女組みも同じです、だから店にあんな男たちが入ってくるんだと言っています、それを聞いてモヤの退治を考えます、ゲームでもそう言った物は定番だし、情報を少しずつ集めることでクエストが進むんだ。

これはちょっとワクワクしてきたね、もっと情報を集めないとだよ。


「他の街でも同じ・・・メインだけど、この王都だけじゃないのかな?これは先が長そうだよ」


僕はまだ確証が無いままにそう思いました、そして作戦を立てることにしたんです。

僕はかなりやる気になっていますよ、やはりゲームは楽しいです、絶対に達成させて見せますよ。


「何を考えてるピョン?」

「いえいえ、こっちの話だから気にしないで、それよりも残りも買わせてもらうよ、13000メローだから金貨1枚と銀貨3枚ね」


ニヤニヤしていたからでしょうね、ピンクさんがちょっと気になったようです、僕は受付にお金を乗せて誤魔化しました、獣人たちを贔屓にして話を聞けばもっと情報が手に入ります、そうすれば何か分かるかもしれません。


「あ、ありがとうピョン」

「商品を買っただけだよ、僕はそれ以外特別な事はしてません気にしないで」


僕は心の中で『するのはこの後だよ』って言いました、本来のウォークゲームでも、モンスターが村人に憑依したりしていました、それと似たような物かもです、情報を集め変な事をしている人を元に戻し親玉を出現させる、これが大体の流れです。

戦うことになるだろうから、それまでにはレベルを上げておかないとね。


「アユムは勇者です?」


店を出ると、パルマが突然僕に聞いてきました、下を見るとパルマは僕の顔を覗き込んでいたんだ、僕は違うと言ったけど、ミケーラとミミも同じ感じで気になっている様です、僕は良い商品にはそれ相応の対価を渡す主義だと話して分かってもらいました。


「良く分からないのです」

「まぁ良いじゃん、それよりも先を急ごうよ」


僕は3人の背中を押して強引に進みました、そしてしばらくするとモンスター玉が出現している場所に来て、モンスターと画面内で戦って行きます、ここで戦う以外の選択も試してみますよ。


「まずは弱らせたスライムに【仲間にする】を選択っと」


ゲームでは、ある程度攻撃をしてモンスターを弱らせれば仲間になる可能性があります、僕はそれをしてみたんです、もしゲーム通りなら、モンスターたちはカードになりメニュー画面の【モンスター配置】にセットできます。


「まぁメニュー画面の装備欄にその枠があるんだから、きっと出来るんだよね」


そう思っていると、最初のモンスターであるスライムが仲間になりました、そして現実に出てこないでアイテム欄にカードとして入っています、僕は予想通りとニヤ付きました。


「となると、本物のモンスターはカードにならないかもね、倒してアイテム欄に入れることになりそうだよ」


先の事を予想しながら次のお店に向かいます、途中の玉は全部回収していますよ。


《モンスターを仲間にしよう》
※報酬
・ウォークポイント1000
・ジェム500
※スキル取得
・モンスター合成
しおりを挟む
感想 43

あなたにおすすめの小説

『異世界庭付き一戸建て』を相続した仲良し兄妹は今までの不幸にサヨナラしてスローライフを満喫できる、はず?

釈 余白(しやく)
ファンタジー
 毒親の父が不慮の事故で死亡したことで最後の肉親を失い、残された高校生の小村雷人(こむら らいと)と小学生の真琴(まこと)の兄妹が聞かされたのは、父が家を担保に金を借りていたという絶望の事実だった。慣れ親しんだ自宅から早々の退去が必要となった二人は家の中で金目の物を探す。  その結果見つかったのは、僅かな現金に空の預金通帳といくつかの宝飾品、そして家の権利書と見知らぬ文字で書かれた書類くらいだった。謎の書類には祖父のサインが記されていたが内容は読めず、頼みの綱は挟まれていた弁護士の名刺だけだ。  最後の希望とも言える名刺の電話番号へ連絡した二人は、やってきた弁護士から契約書の内容を聞かされ唖然とする。それは祖父が遺産として残した『異世界トラス』にある土地と建物を孫へ渡すというものだった。もちろん現地へ行かなければ遺産は受け取れないが。兄妹には他に頼れるものがなく、思い切って異世界へと赴き新生活をスタートさせるのだった。 連載時、HOT 1位ありがとうございました! その他、多数投稿しています。 こちらもよろしくお願いします! https://www.alphapolis.co.jp/author/detail/398438394

『召喚ニートの異世界草原記』

KAORUwithAI
ファンタジー
ゲーム三昧の毎日を送る元ニート、佐々木二郎。  ある夜、三度目のゲームオーバーで眠りに落ちた彼が目を覚ますと、そこは見たこともない広大な草原だった。  剣と魔法が当たり前に存在する世界。だが二郎には、そのどちらの才能もない。  ――代わりに与えられていたのは、**「自分が見た・聞いた・触れたことのあるものなら“召喚”できる」**という不思議な能力だった。  面倒なことはしたくない、楽をして生きたい。  そんな彼が、偶然出会ったのは――痩せた辺境・アセトン村でひとり生きる少女、レン。  「逃げて!」と叫ぶ彼女を前に、逃げようとした二郎の足は動かなかった。  昔の記憶が疼く。いじめられていたあの日、助けを求める自分を誰も救ってくれなかったあの光景。  ……だから、今度は俺が――。  現代の知恵と召喚の力を武器に、ただの元ニートが異世界を駆け抜ける。  少女との出会いが、二郎を“召喚者”へと変えていく。  引きこもりの俺が、異世界で誰かを救う物語が始まる。 ※こんな物も召喚して欲しいなって 言うのがあればリクエストして下さい。 出せるか分かりませんがやってみます。

神の加護を受けて異世界に

モンド
ファンタジー
親に言われるまま学校や塾に通い、卒業後は親の進める親族の会社に入り、上司や親の進める相手と見合いし、結婚。 その後馬車馬のように働き、特別好きな事をした覚えもないまま定年を迎えようとしている主人公、あとわずか数日の会社員生活でふと、何かに誘われるように会社を無断で休み、海の見える高台にある、神社に立ち寄った。 そこで野良犬に噛み殺されそうになっていた狐を助けたがその際、野良犬に喉笛を噛み切られその命を終えてしまうがその時、神社から不思議な光が放たれ新たな世界に生まれ変わる、そこでは自分の意思で何もかもしなければ生きてはいけない厳しい世界しかし、生きているという実感に震える主人公が、力強く生きるながら信仰と奇跡にに導かれて神に至る物語。

酒好きおじさんの異世界酒造スローライフ

天野 恵
ファンタジー
酒井健一(51歳)は大の酒好きで、酒類マスターの称号を持ち世界各国を飛び回っていたほどの実力だった。 ある日、深酒して帰宅途中に事故に遭い、気がついたら異世界に転生していた。転移した際に一つの“スキル”を授かった。 そのスキルというのは【酒聖(しゅせい)】という名のスキル。 よくわからないスキルのせいで見捨てられてしまう。 そんな時、修道院シスターのアリアと出会う。 こうして、2人は異世界で仲間と出会い、お酒作りや飲み歩きスローライフが始まる。

はずれスキル『本日一粒万倍日』で金も魔法も作物もなんでも一万倍 ~はぐれサラリーマンのスキル頼みな異世界満喫日記~

緋色優希
ファンタジー
 勇者召喚に巻き込まれて異世界へやってきたサラリーマン麦野一穂(むぎのかずほ)。得たスキルは屑(ランクレス)スキルの『本日一粒万倍日』。あまりの内容に爆笑され、同じように召喚に巻き込まれてきた連中にも馬鹿にされ、一人だけ何一つ持たされず荒城にそのまま置き去りにされた。ある物と言えば、水の樽といくらかの焼き締めパン。どうする事もできずに途方に暮れたが、スキルを唱えたら水樽が一万個に増えてしまった。また城で見つけた、たった一枚の銀貨も、なんと銀貨一万枚になった。どうやら、あれこれと一万倍にしてくれる不思議なスキルらしい。こんな世界で王様の助けもなく、たった一人どうやって生きたらいいのか。だが開き直った彼は『住めば都』とばかりに、スキル頼みでこの異世界での生活を思いっきり楽しむ事に決めたのだった。

キャンピングカーで走ってるだけで異世界が平和になるそうです~万物生成系チートスキルを添えて~

サメのおでこ
ファンタジー
手違いだったのだ。もしくは事故。 ヒトと魔族が今日もドンパチやっている世界。行方不明の勇者を捜す使命を帯びて……訂正、押しつけられて召喚された俺は、スキル≪物質変換≫の使い手だ。 木を鉄に、紙を鋼に、雪をオムライスに――あらゆる物質を望むがままに変換してのけるこのスキルは、しかし何故か召喚師から「役立たずのド三流」と罵られる。その挙げ句、人界の果てへと魔法で追放される有り様。 そんな俺は、≪物質変換≫でもって生き延びるための武器を生み出そうとして――キャンピングカーを創ってしまう。 もう一度言う。 手違いだったのだ。もしくは事故。 出来てしまったキャンピングカーで、渋々出発する俺。だが、実はこの平和なクルマには俺自身も知らない途方もない力が隠されていた! そんな俺とキャンピングカーに、ある願いを託す人々が現れて―― ※本作は他サイトでも掲載しています

~最弱のスキルコレクター~ スキルを無限に獲得できるようになった元落ちこぼれは、レベル1のまま世界最強まで成り上がる

僧侶A
ファンタジー
沢山のスキルさえあれば、レベルが無くても最強になれる。 スキルは5つしか獲得できないのに、どのスキルも補正値は5%以下。 だからレベルを上げる以外に強くなる方法はない。 それなのにレベルが1から上がらない如月飛鳥は当然のように落ちこぼれた。 色々と試行錯誤をしたものの、強くなれる見込みがないため、探索者になるという目標を諦め一般人として生きる道を歩んでいた。 しかしある日、5つしか獲得できないはずのスキルをいくらでも獲得できることに気づく。 ここで如月飛鳥は考えた。いくらスキルの一つ一つが大したことが無くても、100個、200個と大量に集めたのならレベルを上げるのと同様に強くなれるのではないかと。 一つの光明を見出した主人公は、最強への道を一直線に突き進む。 土曜日以外は毎日投稿してます。

インターネットで異世界無双!?

kryuaga
ファンタジー
世界アムパトリに転生した青年、南宮虹夜(ミナミヤコウヤ)は女神様にいくつものチート能力を授かった。  その中で彼の目を一番引いたのは〈電脳網接続〉というギフトだ。これを駆使し彼は、ネット通販で日本の製品を仕入れそれを売って大儲けしたり、日本の企業に建物の設計依頼を出して異世界で技術無双をしたりと、やりたい放題の異世界ライフを送るのだった。  これは剣と魔法の異世界アムパトリが、コウヤがもたらした日本文化によって徐々に浸食を受けていく変革の物語です。

処理中です...