ウォーキング・オブ・ザ・ヒーロー!ウォークゲーマーの僕は今日もゲーム(スキル)の為に異世界を歩く

まったりー

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希望のファーストステップ

5歩目 お仕事内容

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「そう、気にしない人なのね」

「そうです、なので今後も店に来ると思うです」


パルマと一緒にコンロンさんが見てきたので、反射的に頭を下げて礼をしました、コンロンさんも頭をペコリと下げ、ちょっと申し訳なさそうな顔をしていますよ。

きっと今の僕の心境を理解してくれてるんだ、助けてよコンロンさん。


「なるほど、確かに変わっていますね・・・では、こちらにご記入ください」


変わっていると一言言って普通の笑顔になってしまい、僕は心の中で『助けてくれないんですね』ってガックリです、コンロンさんが受付の下から紙を出してくれたので、僕はそれを見て必要事項を記入しましたよ。
内容は名前と種族、それと使う武器です、僕は武器に剣と書きます、周りの人の装備を見て、さすがに銃はまずいと思ったからです。


「記入漏れはありませんね、では少々お待ちください」


紙を受け取ったコンロンさんが奥に行くと、パルマが僕に冒険者の事を説明してくれたんだ、最初は星1つの新米冒険者から始まり、10つ星の英雄冒険者まであるそうです。


「星を上げるには試験の申請をするです、それに合格すると星が上がるです」


試験は毎月1回受けることが出来ます、手数料は銀貨5枚とそれなりに掛かるそうですよ、試験内容は試験官によって違い、受けれる星の依頼から選択されるそうです。


「受けれる依頼と言う事は」

「そうですアユム、2つ上の依頼まで範囲になるのです、なので試験官によって難しい時とそうでない時があるです」


僕はギルド側の新人育成なのだと理解しました、試験をすぐに受けて経験を積まないで上がると危険って事ですね。


「なるほどね、それでモンスターを仲間にした場合、ギルドの申請ってどうやるのかな?」

「モンスターをテイムするです?それなら自分のだと分かるようにすればいいのです、モンスターは武器と同じ扱いです」


パルマが首輪やアクセサリーを着けるのが普通と教えてくれます、希少なモンスターは盗まれる可能性があるそうで、気を付ける様に言われましたね。


「冒険者同士は話し合いが基本です、報酬の額とか分ける時にかなり揉めるです」

「なるほど・・・それで話し合いで決まらなかったら」

「戦いになるです、ギルドを通してもいいです、決闘は確定です」


パルマが爪を出し、手をワキワキさせています、怖い世界だから、僕みたいな変わり者はやられちゃうと、忠告してくれてるんです、でも僕は仲間を作らない方なので問題はないですね。


「お待たせしました」


ある程度パルマの説明が終わると、やっとコンロンさんが出てきました、手のひらサイズのカードを銀のトレイに乗せています。


「このカードに触ってください、光りますので驚かないように、光が収まりましたら手を離しても結構ですよ」


カードに右手を添えると、説明通りカードが光り30秒くらいで収まりました、僕が手を離すとあの音が鳴りました、僕は直ぐに確認しましたよ。


《冒険者登録をしよう》
※報酬
・ウォークポイント1000
・ジェム1000


「おめでとうございます、これで申請は終わりです、冒険者の心得をお聞きになりますか?」


僕は報酬が少し高い事を嬉しく思いながら、コンロンさんの説明を断り、パルマに大体教えて貰ったので要らないと伝えました。


「それでは私、コンロンがご案内を務めさせて頂きました、これから頑張ってくださいアユム様」

「はい、よろしくお願いしますコンロンさん」


僕は頭を下げてお礼を言いました、そして今まで静かだった子ネコ二人を見ると、後ろでクエストの紙を何枚も持っていましたよ。


「これがオススメにゃ」

「どれでも好きなのを選ぶみゃ」


どうしてそこまでしてくれるかと、頭の片隅に思って僕は紙を選びます。


「うにゃっ!?どぶ掃除に荷物の配達にゃ!」

「それに外壁修理みゃか、またまた人気みゃいのを選んだみゃ~」


3枚の紙を選ぶと、二人が呆れている顔をしています、僕としてはこれが良いんだ、モンスター玉に当たらないで街の中でクエストをする為にね、他にも薬草納品とかがあるけど、それはもう少し手元で薬草が増えてからです。

正直、薬草はその上の上薬草に変えて、更に上の特上薬草にしてしまいゲームのは残ってないんだ、今は薬草で充分だから溜めておきたいんだよ。


「これでいいんだよ、持って来てくれてありがとねふたりとも」

「にゃ!?」「みゃみゃ!?」


2人の頭を撫でると、2人は驚いた後、気持ち良さそうに鳴きました、とても可愛いって思ってしばらく撫でましたよ、パルマとコンロンさんの存在を忘れていて、振り向くとふたりはジト目をしていました。


「な、なんでしょうか?」

「別に、何でもないのです」

「そうね、いちゃつくなら依頼の受付を済ませてから、他でっ!やってくださいねアユム様」


コンロンさんが受付で手を出してきました、受付にカードを通さないといけないんですねと、僕はカードと紙をコンロンさんに渡しました、コンロンさんは受付の横にある機械を操作しカードを入れます、そしてすぐにカードが出てくると僕に返してきました。


「これでいいですね、それでは頑張ってください」


依頼の詳細の紙を貰い僕はギルドを出ました、そしてまずは配達です、子猫たちがちょっとフニャフニャしていますが、そこはスルーです。


「さてと、一番近いのは」

「道具屋のテラーラです、こっちにあるです」


パルマが僕の見ていた紙を横から覗き込んできて言ってくれます、そして僕の手を引っ張り小道に入ってしまったんです、僕はちょっと警戒しました、だけどモンスターの玉は無いので良かったです。


「どうしたです?」

「いや、なんでもないよパルマ、このまま真っすぐ行くの?」


パルマに導かれ僕たちは小道を歩きます、大通りと違って、ちょっとゴミが落ちていたりと気になりました、でも汚いって程ではないですよ、上を見ると建物同士に紐が伸びていて、そこには洗濯物が干してあります、どこかの映画に出てきそうです。


「ここがそうです」


小道を少し進むと、クマの手が書いてあるお店の前に来ました、僕はもしかしてと思って店に入ったんだ、そしたら予想通り、獣人の人が受付に座っていましたよ。


「おうおうパルマじゃないか、それにミケーラにミミか、相変わらず仲がいいな・・・だが、そいつはなんだ?」


耳が丸く、顔の黒い人が立ち上がり僕を睨んできました、身長は高く歳は僕と同じ位に見えます、服の上から分かるくらい筋肉がすごくて、手もちょっと大きくゴツゴツしてます、肘までもじゃもじゃと毛が生えていて強そうですよ。

パルマとえらい違いのクマ獣人さんですよ。


「クマテラ、この人は例の人です」

「例の人って?・・・もしかして来訪者か!?」


クマの人がそう言って大声で叫び、パルマが口を塞ぎに飛び付きました、僕は今までの事がそれだと分かり、ミケーラたちはそれを見て焦っています、そして荷物の話を急いでし始めました。

僕としては、依頼を進める事が第一です、なので見て見ぬふりをします、案内も普通に歩くよりも楽しいから、正直助かってるしね。


「なるほど・・・じゃあこの荷物を魔導ウサウサ店に届けてくれ、割れ物だからくれぐれも頼んだぞ」


かなりの大荷物を受付に乗せて注意されました、僕は返事をして荷物に触りアイテム欄にしまいます。


「それはアイテムボックスにゃ?」

「まぁそんな感じかなミケーラ」

「こいつはすげぇ、他にも頼めるか?報酬は割増しで出すからよ」


報酬が増えるし、歩けるからとクマテラの提案を受けました、荷物を追加で2つ、アイテム欄に入れて配達する場所を確認です、その2つは武器屋と道具屋だそうで名前は、鉄血屋とそよ風道具店だそうです。


「さて、まずはどこが近いかなパルマ」


マップで場所は分かっていますが案内をしてくれると思って聞きました、そしてパルマは胸を張り、当然と言った感じで手を引っ張ってくれます、僕はそれを楽しく思い油断していました、モンスター玉に触れてしまったんですよ。
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