【運命】と言われて困っています

桜 花音

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3.瀬戸くんの秘密と”守護石のカケラ”

3-6

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『アタシはぜぇぇぇぇったい! 認めないけどね!』
 サラちゃんがわたしの顔の前にやってきて、ビシッと指をさす。

『こんなヤツがソーゴの<運命>なんて、ありえないっ』
 サラちゃんがぷんぷんと怒っているけれど、わたしの頭の中はぐちゃぐちゃ。
 瀬戸くんは、なんて言ったっけ?
 まず、瀬戸くんが守護石というのを持っていて。
 そのカケラをなぜかわたしが持っていて?
 それを持っているから、わたしの額にはしるしが現れたって、言ったよね?

「この……しるしが誰にも見えないのって」
「うん。守護石を持っている人間にしか、このしるしは見えないからね」
 そっか。だからパパにもママにも見えなかったんだ。
 不思議に思っていたことが、少しだけ納得できた気がする。
 それもサラちゃんという存在を目にしたからかな。
 そのサラちゃんは、まだちいさなほっぺをぷうっと膨らませて怒っている。 

「ねぇ、瀬戸くん。この守護石のカケラって返せないの?」
「え?」
「だって、わたしには必要ないものだし」

 多分、サラちゃんが怒っている理由ってそれだよね?
 だったら返しちゃえばいいんだ。
 もともと欲しくて持っているものじゃないし。
 そもそも持っているということさえ知らなかったものだもん。

「ごめんね、それはできないんだ」
 まさかの拒否!
「なんで?」
 いい案だと思ったのにー。

「守護石のカケラはね。たった一人、<運命の人>に渡せるものなんだ。それは一度渡したら、もう戻すことはできない……死ぬまでね」
 死ぬ? 今、死ぬまでって言った?
 いきなり物騒なワードが飛び出してきたの、気のせい……じゃ、ないね。
 瀬戸くんはなんてことないように笑っている。

「どういう、こと?」
 知っちゃいけないような気もする。
 でも、知らないままも怖い気がするのっ。

「<運命の人>は生涯に一人。だから渡せるのは一度きりだし、渡したらそのままその人のものになるってこと」
 ……重っ! めちゃくちゃ重いじゃん!
 軽々しく<運命>なんて言葉使っているのに、内容が重すぎるよ。

「か、勘違いだったらどうするの? 取り返しつかないじゃん」
「平気。だって、勘違いじゃないから」
「なんでそんな言い切れるの?」
「それは、今、僕がこうしていられるのは、キミのおかげだから、かな」
「え……?」

 わたしのおかげって、どういうこと?
 そう聞き返したかったのに、木々の隙間から零れる日差しを受けて、柔らかな笑顔を浮かべる瀬戸くんを見たら何も言えなくなった。
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