【運命】と言われて困っています

桜 花音

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5.サラちゃんのSOS

5-7

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 広い運動公園には、いつもの芝生広場のベンチ以外にも、休憩するためのスペースがいくつかある。
 その一つであるテーブル付きの休憩スペースで、わたしたちは腰をおろした。
 わたしと愁人は横に並んで、向かい合わせて蒼梧くんが座る。
 ちなみに愁人には見えてないけど、テーブルの真ん中でサラちゃんが腕を組んで、『えっへん』とポーズをとっている。

「さて、どこから話したらいいかな?」
「じゃ、単刀直入に。サラってなんだ?」
 いきなり確信! ストレートに聞いてくるの、愁人だなぁ。
『アタシよ、アタシ!』なんてサラちゃんは愁人の顔の前で飛び回っているけど、当然愁人には見えていない。
 その様子に思わず笑いそうになるのをこらえる。
 だって、笑ったらサラちゃん、不機嫌になりそうだもん。

「サラは僕の大切な友達で、僕の守護精霊だよ」
「守護精霊?」
 愁人が眉をピクリと動かして、蒼梧くんを見る。
 そりゃそうだよね。はじめて聞くと守護精霊ってなんだって思うよね。
 わたしだってそうだったし。
 しかも愁人は守護石のカケラを持っているわけじゃないから、サラちゃんの姿を見ることは出来ない。どうやって説明するんだろう?

「ちょっと待ってね」
 蒼梧くんはテーブルの上に両手を出して、お椀のような形で念じるように目をつむる。
 え? これって、ひょっとして……。
 やっぱり! 眩しい光が放たれたと思ったら、蒼梧くんの手のひらには守護石が現れた。
 蒼梧くんの守護石を見るのはこれで二度目。
 やっぱりキレイだなぁ……。
 愁人も驚いたみたいで、目をぱちくりとさせている。
 ふふっ。愁人のこんな顔、久々だ。

「え? どうなってんの? なに、この石」
 愁人がわたしと蒼梧くんの顔を、首振り人形みたいに何度もみる。
 うんうん。その気持ち、よくわかる!
「守護石って言うんだ。僕の家系はこれを持って生まれることが多くてね。持って生まれると、精霊が見えて、仲良くなることが出来るんだ」
 守護石に顔を近づけて、まじまじと覗きこむ愁人。
 はじめてみるもん。興味津々になるよね。
 いまだにわたしも、これが身体の中にあるって不思議な気持ち。
 まったく実感ないし、わたし自身は自分のカケラを見ることもないし。

「これを持って生まれるって? どういうこと?」
「正しくは身体に秘めて持って生まれるんだけどね。普段は僕の中にあるものなんだ。外に出す必要がないしね」
「こんなのが身体の中に⁉ はーっ、すげえな」
 素直な反応の愁人に思わず笑ってしまう。
 それはわたしだけじゃなくて、なんだかサラちゃんが楽しそう。

「で、さっきの質問の答えになる、サラなんだけどね。見てもらう方が早いと思うんだ」
「え? 見れんの⁉」
 わたしもびっくりしちゃう。
 だって精霊を見るには守護石がないと見られないって。
 わたしは蒼梧くんのカケラを持っているから見られるんだって。
 愁人は持っていないのに、どうやって?
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