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二.学園ものらしい学園生活
悪役の男に就いて
しおりを挟む吾輩は陰キャである。
名前はもうある。その名もローソ。
という感じで。
俺は陰キャになることにした。
それは簡単。
学校では太陽のように明るく家では冷凍庫(業務用)のように冷たいと、私を愛し学校でも噂とかできいてくる俺の生徒像にマイディアブラザーが悲しみにくれて家中をまるで白鳥の湖のように水浸しにしてくれては困るからだ。
陰キャは陰キャで心配されそうだが。
まぁまぁ素性が疑われることはないわけで。
そんなこんなで俺は陰キャとして入学式に参加、新入生代表挨拶をし、そしてクラスに入ってオリエンテーションやら何やらを行い、放課後、
いじめられたぁぁぁぁあ(泣)
俺がぁぁぁぁぁぁあ(泣)
闇魔法使えるからってぇぇぇぇぇえ(泣)
こんな汚いのいらないってぇぇぇぇぇえ(泣)
まだどうやら偏見やら何やらは残っていたようだ。
残念無念。
しかし闇魔法は言わば全ての属性魔法(光以外)を組み合わせた結構最強に値する魔法なわけで。
警戒しながらも俺のことを殴ったりするのは結構滑稽だった。
精神的に追い詰めていけばいいものを。
どうして人間は俺の動きひとつでビクビクしながら俺のことを殴るほど愚かなのだろうか。しかも1人じゃ怖いからといって10数名集めてきて。ヤンキーかよ。やれやれ。
まぁでもアザが出ないように殴るのは結構巧妙だとは思う。
俺は暴力を知らない健気な人間であるから、それを受け止めて、終えた後に静かに服を整え、退散した。
家へ帰るために無駄に豪華で本当にとても無駄に廊下を歩いていく。
すると曲がり角で誰かとぶつかった。
と、思った。
しかし俺も相手もそのスレスレで身を引いて華麗にかわした。
おおおおおおおおお!!!!!
え!
今の動きめっちゃ絵になるんじゃない?
すげー!!!!!!!!
ぶつかりそうになる気配察知して2人で無言でスッと避けるとか!!!!!!!!!
もうかっけーじゃん!!!!!!!!!!!
やばー!!!!!!!!!!!
これぞ一心同体!!!!!!!!!!!!
楽しー!!!!!!!!!!!!
えもっかいしたい!!!!!!
「すみません。」
心で興奮して運動場をジェット機つけて走るみたいな感覚でいると急に謝られたので反応に遅れてしまった。
「………いえ。こちらこそ。」
ひゃー!!!!!!
え、もっかいしたい!!!!!!!!
今度から廊下歩いている時曲がり角曲がりまくるか!!!!!!!
と興奮がおさまらないでいると、
「…あれ?」
と、かっこいい避け方した生徒が俺のことを見た。
おやおや。これはイケボではないか。
顔を上げる。
「…あれ?」
俺も同じ言葉を発した。
「もしかして…ローソ…?」
そういう彼の顔を見上げる。
その瞬間、俺は息を呑んだ。
こいつ!!!!!!
イケメンだ!!!!!!!!!
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