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最終章
第12話『水着姿のご披露タイム』
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両隣に座るあおいと愛実とアニメや漫画などで話が盛り上がったり、去年の海水浴の話が8人全員で弾んだりしたのもあり、移動の時間はとても楽しいものに。その間も、あおいは俺の腕を抱きしめていたり、俺に寄り添っていたりしていて常に笑顔だ。
高速道路も使って1時間ほど走ると、車窓から湘南地域の海が見えるように。晴れているので、海はとても青くて綺麗だ。風光明媚とはこういう景色のことを言うのかな。ジョギングを再開して、定期的に川を見るようにはなった。だけど、海を見ることは滅多にないので感激する。あおいと愛実は目を輝かせながら海を眺めていた。
また、海が見え始めてすぐ。鈴木の発案で、8人一緒に、
『海だー!』
と叫んだ。そのことで、車の中は笑いに包まれた。
みんなで海だと叫ぶのは漫画やアニメ、ラノベではよくあるけど、実際に叫ぶのは初めてだ。車の中で叫んだけど爽快な気分になれる。
また、創作での夏の定番シーンを俺達と再現できたからか、あおいは結構喜んでいた。
海が見え始めてから10分ほどして、目的地である海水浴場に到着する。これまでに何度も来たことがあるから、ちょっと懐かしい気分になる。愛実や道本達と遊んだときのことを思い出す。
海水浴場の近くには広めの駐車場がある。今は午前10時近いけど、夏休み中の日曜日なのもあって、駐車場には多くの車が駐まっている。ただ、空車となっているエリアはいくつもあったので、無事に車を停めることができた。
「はい、到着だよ」
俺達は車から降りる。
1時間半ほど涼しい車内にいたから、外が結構暑く感じる。ただ、海に近いのもあり、潮の匂いが感じられて。さすがに調津とは空気が違うな。
トランクから荷物を取り出し、俺達は海水浴場に向かう。
歩道から海水浴場を見ると……日曜日でよく晴れているのもあり、多くの人が海水浴を楽しんでおり賑わっている。去年までと変わらない風景だ。
「うわあっ……綺麗なところですね! 人もいっぱいいます! 西の方を見ると富士山も見えますし!」
あおいはテンション高めにそう言う。そんなあおいは目を輝かせながら海を見ていて。そういえば、昔、家族ぐるみで海水浴場に行ったときも、あおいは凄く楽しそうに海を見ていたっけ。見た目の雰囲気は変わったけど、海を見る笑顔は当時と変わらず可愛いな。
「この地域ではかなり人気のある海水浴場なんだ」
「そうなんですね! そういえば、この海水浴場……夏になるとニュースで見たりしますね」
「海開きのニュースとか、バラエティでもここで撮影されることがあるな」
「あと、関東だけかもしれないけど、天気予報とか気象関連のニュースのときもこの海水浴場が映ることがあるんだよ、あおいちゃん」
「そうなんですか! 人気の海水浴場だと分かってもっとテンション上がりますね!」
「ははっ、そうか」
この様子なら、あおいは関東での久しぶりの海水浴も大いに楽しめそうだ。
その後、俺達は海水浴場に入り、海水浴場の中に設けられている更衣室の前まで向かう。
「では、更衣室で水着に着替えよう。着替え終わったらここに集合ね」
『はーい』
佐藤先生の言葉に、高校生7人全員が返事する。須藤さんという他校の生徒がいるけど、こうしていると部活とかサークルの合宿やミニ臨海学校な感じがするな。もしそうだとしても、このメンバーなら楽しく過ごせそうだ。
女性陣とは一旦別れて、俺は道本と鈴木と一緒に男性用の更衣室に入った。
更衣室の中には水着に着替えている人達がちらほらと。俺達のような学生グループもいれば、親子と思われる男性と小さな子供もいる。今日は日曜日だし、夏休み中だもんな。
空いている場所に行き、俺達も水着に着替え始める。
「おっ、麻丘! 去年よりも全体的に筋肉が付いた気がするな!」
「確かにそう見えるな」
「ジョギングを再開して3ヶ月くらい経つからな。それで筋肉が付いたんだろう」
最近は走る量を多くしたり、速く走ったりしてもあまり疲れなくなったし。ジョギングを再開し始めた頃よりも筋肉や体力が確実に付いたと実感する。友人に体の変化を指摘されると嬉しいもんだな。そう思いながら、俺は緑の海パンを穿いた。
道本と鈴木を見てみると……道本は変わらず細マッチョで、鈴木は上半身中心にTheマッチョだな。道本は青い海パンで、鈴木は黒い海パンを穿いている。記憶が違わなければ2人も去年と同じ水着だ。
「どうした? オレと道本のことをじっと見て」
「2人は去年と変わらず筋肉付いていると思ってさ」
「ははっ、そうか! たくさん練習して、たくさん飯を食って、たくさん寝ているからな! インターハイが決まってからはもっと練習してるぜ!」
「期末試験が終わってからは特に凄いよな。鈴木に刺激を受けて、俺も練習量を増やしたよ」
「そうか。インターハイも近いもんな。ただ、無理はするなよ。下手したら、4月の俺みたいに過労で風邪を引くから」
それに、健康な状態で臨むことが、インターハイでいい結果を出せる一番の方法だと思うから。
自虐を含めて注意したからか、道本も鈴木も声に出して朗らかに笑う。
「おう、気をつけるぜ!」
「気をつけないとな。ありがとう」
鈴木は明るい笑顔でサムズアップをして、道本は爽やかな笑顔を浮かべながらそう言った。今日の海水浴がインターハイ前のいいリフレッシュになれば何よりだ。
水着に着替え終わったので、俺達は荷物を持って男子更衣室を後にする。
外に出ると……さすがに女性陣は誰もいないか。女性陣の水着姿を楽しみにしながらここで待っていよう。
水着姿になり、ビーチサンダルを履いているから、海水浴場に来たとより実感する。日差しは暑く感じるけど、海の方からたまに吹く風が直接肌に当たって気持ちがいい。
「いやぁ、みんなの水着姿が楽しみだな! 特に美里!」
「俺も女性陣の水着姿は楽しみだ。麻丘はどうだ?」
「俺も楽しみだよ。特に……あおいと愛実は」
「そうか。幼馴染だもんな」
「ああ」
あおいも愛実も今日のために水着を新調したそうだし。あおいは11年ぶりに水着姿を見るからな。
「更衣室前にいるあの男の子達かっこいい~」
「金髪の子と茶髪の子はイケメンだし、黒髪の子は超マッチョだもんね! でも、みんな彼女いそう」
「3人ともモテそうだもんね」
といった女性達の会話が聞こえてくる。人数や髪の色からして俺達のことを言っているんだろうな。
周りを見てみると、こちらを見ている水着姿の若い女性がちらほらといる。俺は分からないけど、道本はイケメンだし、鈴木は明るい雰囲気で筋肉が物凄いからな。自然と女性の視線が集まるのかも。
また、当の本人達は全然気にしていない様子。鈴木に至っては須藤さんの水着姿がもうすぐ見られるからかワクワクしているし。
「みなさん、お待たせしました!」
更衣室からあおいの声が聞こえてきたので、そちらの方に視線を向けると……水着に着替えた女性陣が目の前に立っていた。
あおいは青い三角ビキニか。シンプルで王道なデザインだけどよく似合っている。色のチョイスもあおいらしく、爽やかだ。以前から、スタイルがいいと思ったことは何度もあった。ただ、水着姿のあおいを見てその想いがより強まる。愛実の存在もあり、本人は自分の胸が小さいと思っているけど、Dカップの胸はしっかりと存在感を放っている。
愛実は赤い三角ビキニで、ボトムスはミニスカートの形になっている。それもあって、愛実らしい可愛らしさがある。ただ、5人の中で最も大きな胸はかなりの存在感であり、谷間が物凄いことになっている。去年よりも大きくなっていないか? 女性陣の中で一番背が低いけど大人っぽさを感じられる。
海老名さんは水色のホルタービキニか。ボトムスはパレオ付き。爽やかな雰囲気がありつつも落ち着いた印象だ。海老名さんも均整の取れたスタイルだ。
佐藤先生は黒のクロスホルタービキニ。スタイルが抜群で、女性5人の中では最も背が高く、水着の色も黒いので大人の色気が物凄く感じられる。先生の水着姿は初めて見たけど……学校でより人気が出そう。そう思えるほどに魅力的だ。
須藤さんは白いホルタービキニ。鈴木の彼女なのであまり見てはいけないが……彼女のスタイルの良さが際立ち、鈴木がとても喜びそうな感じだ。
「みんな水着姿いいっすね! 美里は今年も水着最高だぜっ!」
興奮した鈴木は歓喜の雄叫びを上げて、須藤さんのことをぎゅっと抱きしめる。予想通りの反応なので、2人を見ていると微笑ましくなるよ。
「ありがとう、力弥君。今年もその黒い水着が似合っているわ!」
須藤さんはとても嬉しそうに言い、両手を鈴木の背中へと回した。
「鈴木の言う通り、みんなよく似合っていますね」
道本は持ち前の爽やかな笑顔でそう言った。魅力的な5人の水着姿の女性を目の前にしても爽やかな雰囲気でいられるのはさすがである。
「涼我君。今日のために新しい水着を買ったのですが……どうですか?」
そう言うと、あおいは俺のすぐ目の前まで近づいてくる。そのことで、あおいから甘い匂いが感じられて。車に乗っていたときよりも濃く。
互いに水着姿なのもあってか、あおいは頬をほんのりと赤くして俺をチラチラと見てくる。そんなあおいがとても可愛らしくて。
「凄く似合っているよ。水着の色が青いから爽やかな雰囲気だし。それに、11年ぶりに水着姿を見るから……あおいが大人の女性になったんだって実感するよ。素敵だね」
あおいに水着姿の感想を正直に言う。ただ、みんながいる前だし、こういう感想で良かったかどうか。
「そう言ってくれて嬉しいです! ありがとうございますっ!」
あおいは顔を赤くしながらも、嬉しそうな笑みを浮かべる。それもあって、水着姿がより可愛らしく見えて。正直に感想を言って良かったのだと安心する。
「涼我君も緑色の水着姿が素敵です! あと、4月にお見舞いに言ったときに比べて、筋肉が付いている気がします」
「ジョギングのおかげだろうな。ありがとう、あおい」
水着姿を褒めてくれるだけでなく、筋肉の変化についても言ってくれるところが嬉しい。お見舞いのときは少し遠くから俺の体を見ていたけど、今は俺の目の前でじっと見つめている。
「愛実も赤いビキニがよく似合っているな。下もスカートで可愛いよ」
「ありがとう、リョウ君! この水着にして良かったよ」
えへへっ、と愛実は声に出して笑っている。俺と目が合うと愛実はニコッと笑ってくれて。こういう笑顔はたくさん見てきたけど、今は水着姿だからだろうか。今の愛実の笑顔を見るとドキッとする。
「リョウ君もその緑色の水着似合ってるよ。去年と同じ?」
「ああ。緑色が好きだし、この水着のデザインも気に入っているからな。今年も穿けて良かった」
「そうだったんだ。穿けて良かったね。また見られて嬉しいよ」
愛実は可愛らしい笑顔でそう言ってくれる。
去年と同じ水着だけど、愛実に似合っていると言ってもらえて嬉しいな。
「海老名さんもパレオビキニ似合ってるな。去年とは違うから、今日のために新調したのか?」
「ええ。1年ぶりの海水浴だし。今年も麻丘君に似合っているって言ってもらえて嬉しいわ。麻丘君も似合ってる」
海老名さんはそう言うと、白い歯を見せながら俺に笑顔を向けてくれる。普段は落ち着いた笑顔を見せることが多く、今のような笑顔は珍しい。大人っぽさだけでなく可愛らしさも感じられる。
「須藤さんも似合ってるな。鈴木に喜んでもらえて良かったね」
「ええ!」
須藤さんは鈴木と抱きしめ合いながら、幸せそうに答える。
「男性陣はみんな筋肉がついていて。女性陣はみんなスタイルが良くて可愛くて。いやぁ、みんな水着姿が素晴らしいねぇ。眼福眼福眼福。絶景なり!」
満面の笑顔で、佐藤先生は俺達の水着の感想を述べている。どこにいても先生らしさは変わらないな。去年も学生時代のご友人と会う約束がなければ、俺達のことを喜んで連れてきてくれたのかも。
「佐藤先生の水着姿も素敵ですよ。水着の色が黒だからかもしれませんが、とても大人の女性って感じがします」
「ありがとう、涼我君。海水浴は久しぶりだったから、昨日この水着を買ったんだ」
「そうだったんですか」
「着替えているときに、愛実ちゃんやあおいちゃん達から褒めてもらえて嬉しかったけど、涼我君から褒めてもらえるのが一番嬉しいよ。ありがとう」
そう言うと、佐藤先生は俺の目を見つめながら、いつもの落ち着いた笑顔を見せてくれる。ただ、今の言葉があったり、頬がほんのりと赤かったり、水着姿だったりするのもあって妖艶な雰囲気を纏っていて。大人の女性だから出すことのできる色っぽさがある。
女性5人の水着姿はみんな素敵で魅力的だ。想像以上だ。そんな俺の感覚は間違っていないようで、男性中心にこちらを見てくる人が多い。俺と道本と鈴木で、女性5人のことを守らないと。
「みんな水着に着替え終わったから、どこかいい場所を確保しようか」
佐藤先生がそう言い、先生を先頭に俺達は海水浴場の中を歩き始める。
歩き始めてすぐに、あおいは俺の右手をそっと掴んでくる。あおいをチラッと見ると、あおいは微笑みかけてくれて。今は水着姿なのもあり、車の中で腕を抱かれたとき以上にドキドキするのであった。
高速道路も使って1時間ほど走ると、車窓から湘南地域の海が見えるように。晴れているので、海はとても青くて綺麗だ。風光明媚とはこういう景色のことを言うのかな。ジョギングを再開して、定期的に川を見るようにはなった。だけど、海を見ることは滅多にないので感激する。あおいと愛実は目を輝かせながら海を眺めていた。
また、海が見え始めてすぐ。鈴木の発案で、8人一緒に、
『海だー!』
と叫んだ。そのことで、車の中は笑いに包まれた。
みんなで海だと叫ぶのは漫画やアニメ、ラノベではよくあるけど、実際に叫ぶのは初めてだ。車の中で叫んだけど爽快な気分になれる。
また、創作での夏の定番シーンを俺達と再現できたからか、あおいは結構喜んでいた。
海が見え始めてから10分ほどして、目的地である海水浴場に到着する。これまでに何度も来たことがあるから、ちょっと懐かしい気分になる。愛実や道本達と遊んだときのことを思い出す。
海水浴場の近くには広めの駐車場がある。今は午前10時近いけど、夏休み中の日曜日なのもあって、駐車場には多くの車が駐まっている。ただ、空車となっているエリアはいくつもあったので、無事に車を停めることができた。
「はい、到着だよ」
俺達は車から降りる。
1時間半ほど涼しい車内にいたから、外が結構暑く感じる。ただ、海に近いのもあり、潮の匂いが感じられて。さすがに調津とは空気が違うな。
トランクから荷物を取り出し、俺達は海水浴場に向かう。
歩道から海水浴場を見ると……日曜日でよく晴れているのもあり、多くの人が海水浴を楽しんでおり賑わっている。去年までと変わらない風景だ。
「うわあっ……綺麗なところですね! 人もいっぱいいます! 西の方を見ると富士山も見えますし!」
あおいはテンション高めにそう言う。そんなあおいは目を輝かせながら海を見ていて。そういえば、昔、家族ぐるみで海水浴場に行ったときも、あおいは凄く楽しそうに海を見ていたっけ。見た目の雰囲気は変わったけど、海を見る笑顔は当時と変わらず可愛いな。
「この地域ではかなり人気のある海水浴場なんだ」
「そうなんですね! そういえば、この海水浴場……夏になるとニュースで見たりしますね」
「海開きのニュースとか、バラエティでもここで撮影されることがあるな」
「あと、関東だけかもしれないけど、天気予報とか気象関連のニュースのときもこの海水浴場が映ることがあるんだよ、あおいちゃん」
「そうなんですか! 人気の海水浴場だと分かってもっとテンション上がりますね!」
「ははっ、そうか」
この様子なら、あおいは関東での久しぶりの海水浴も大いに楽しめそうだ。
その後、俺達は海水浴場に入り、海水浴場の中に設けられている更衣室の前まで向かう。
「では、更衣室で水着に着替えよう。着替え終わったらここに集合ね」
『はーい』
佐藤先生の言葉に、高校生7人全員が返事する。須藤さんという他校の生徒がいるけど、こうしていると部活とかサークルの合宿やミニ臨海学校な感じがするな。もしそうだとしても、このメンバーなら楽しく過ごせそうだ。
女性陣とは一旦別れて、俺は道本と鈴木と一緒に男性用の更衣室に入った。
更衣室の中には水着に着替えている人達がちらほらと。俺達のような学生グループもいれば、親子と思われる男性と小さな子供もいる。今日は日曜日だし、夏休み中だもんな。
空いている場所に行き、俺達も水着に着替え始める。
「おっ、麻丘! 去年よりも全体的に筋肉が付いた気がするな!」
「確かにそう見えるな」
「ジョギングを再開して3ヶ月くらい経つからな。それで筋肉が付いたんだろう」
最近は走る量を多くしたり、速く走ったりしてもあまり疲れなくなったし。ジョギングを再開し始めた頃よりも筋肉や体力が確実に付いたと実感する。友人に体の変化を指摘されると嬉しいもんだな。そう思いながら、俺は緑の海パンを穿いた。
道本と鈴木を見てみると……道本は変わらず細マッチョで、鈴木は上半身中心にTheマッチョだな。道本は青い海パンで、鈴木は黒い海パンを穿いている。記憶が違わなければ2人も去年と同じ水着だ。
「どうした? オレと道本のことをじっと見て」
「2人は去年と変わらず筋肉付いていると思ってさ」
「ははっ、そうか! たくさん練習して、たくさん飯を食って、たくさん寝ているからな! インターハイが決まってからはもっと練習してるぜ!」
「期末試験が終わってからは特に凄いよな。鈴木に刺激を受けて、俺も練習量を増やしたよ」
「そうか。インターハイも近いもんな。ただ、無理はするなよ。下手したら、4月の俺みたいに過労で風邪を引くから」
それに、健康な状態で臨むことが、インターハイでいい結果を出せる一番の方法だと思うから。
自虐を含めて注意したからか、道本も鈴木も声に出して朗らかに笑う。
「おう、気をつけるぜ!」
「気をつけないとな。ありがとう」
鈴木は明るい笑顔でサムズアップをして、道本は爽やかな笑顔を浮かべながらそう言った。今日の海水浴がインターハイ前のいいリフレッシュになれば何よりだ。
水着に着替え終わったので、俺達は荷物を持って男子更衣室を後にする。
外に出ると……さすがに女性陣は誰もいないか。女性陣の水着姿を楽しみにしながらここで待っていよう。
水着姿になり、ビーチサンダルを履いているから、海水浴場に来たとより実感する。日差しは暑く感じるけど、海の方からたまに吹く風が直接肌に当たって気持ちがいい。
「いやぁ、みんなの水着姿が楽しみだな! 特に美里!」
「俺も女性陣の水着姿は楽しみだ。麻丘はどうだ?」
「俺も楽しみだよ。特に……あおいと愛実は」
「そうか。幼馴染だもんな」
「ああ」
あおいも愛実も今日のために水着を新調したそうだし。あおいは11年ぶりに水着姿を見るからな。
「更衣室前にいるあの男の子達かっこいい~」
「金髪の子と茶髪の子はイケメンだし、黒髪の子は超マッチョだもんね! でも、みんな彼女いそう」
「3人ともモテそうだもんね」
といった女性達の会話が聞こえてくる。人数や髪の色からして俺達のことを言っているんだろうな。
周りを見てみると、こちらを見ている水着姿の若い女性がちらほらといる。俺は分からないけど、道本はイケメンだし、鈴木は明るい雰囲気で筋肉が物凄いからな。自然と女性の視線が集まるのかも。
また、当の本人達は全然気にしていない様子。鈴木に至っては須藤さんの水着姿がもうすぐ見られるからかワクワクしているし。
「みなさん、お待たせしました!」
更衣室からあおいの声が聞こえてきたので、そちらの方に視線を向けると……水着に着替えた女性陣が目の前に立っていた。
あおいは青い三角ビキニか。シンプルで王道なデザインだけどよく似合っている。色のチョイスもあおいらしく、爽やかだ。以前から、スタイルがいいと思ったことは何度もあった。ただ、水着姿のあおいを見てその想いがより強まる。愛実の存在もあり、本人は自分の胸が小さいと思っているけど、Dカップの胸はしっかりと存在感を放っている。
愛実は赤い三角ビキニで、ボトムスはミニスカートの形になっている。それもあって、愛実らしい可愛らしさがある。ただ、5人の中で最も大きな胸はかなりの存在感であり、谷間が物凄いことになっている。去年よりも大きくなっていないか? 女性陣の中で一番背が低いけど大人っぽさを感じられる。
海老名さんは水色のホルタービキニか。ボトムスはパレオ付き。爽やかな雰囲気がありつつも落ち着いた印象だ。海老名さんも均整の取れたスタイルだ。
佐藤先生は黒のクロスホルタービキニ。スタイルが抜群で、女性5人の中では最も背が高く、水着の色も黒いので大人の色気が物凄く感じられる。先生の水着姿は初めて見たけど……学校でより人気が出そう。そう思えるほどに魅力的だ。
須藤さんは白いホルタービキニ。鈴木の彼女なのであまり見てはいけないが……彼女のスタイルの良さが際立ち、鈴木がとても喜びそうな感じだ。
「みんな水着姿いいっすね! 美里は今年も水着最高だぜっ!」
興奮した鈴木は歓喜の雄叫びを上げて、須藤さんのことをぎゅっと抱きしめる。予想通りの反応なので、2人を見ていると微笑ましくなるよ。
「ありがとう、力弥君。今年もその黒い水着が似合っているわ!」
須藤さんはとても嬉しそうに言い、両手を鈴木の背中へと回した。
「鈴木の言う通り、みんなよく似合っていますね」
道本は持ち前の爽やかな笑顔でそう言った。魅力的な5人の水着姿の女性を目の前にしても爽やかな雰囲気でいられるのはさすがである。
「涼我君。今日のために新しい水着を買ったのですが……どうですか?」
そう言うと、あおいは俺のすぐ目の前まで近づいてくる。そのことで、あおいから甘い匂いが感じられて。車に乗っていたときよりも濃く。
互いに水着姿なのもあってか、あおいは頬をほんのりと赤くして俺をチラチラと見てくる。そんなあおいがとても可愛らしくて。
「凄く似合っているよ。水着の色が青いから爽やかな雰囲気だし。それに、11年ぶりに水着姿を見るから……あおいが大人の女性になったんだって実感するよ。素敵だね」
あおいに水着姿の感想を正直に言う。ただ、みんながいる前だし、こういう感想で良かったかどうか。
「そう言ってくれて嬉しいです! ありがとうございますっ!」
あおいは顔を赤くしながらも、嬉しそうな笑みを浮かべる。それもあって、水着姿がより可愛らしく見えて。正直に感想を言って良かったのだと安心する。
「涼我君も緑色の水着姿が素敵です! あと、4月にお見舞いに言ったときに比べて、筋肉が付いている気がします」
「ジョギングのおかげだろうな。ありがとう、あおい」
水着姿を褒めてくれるだけでなく、筋肉の変化についても言ってくれるところが嬉しい。お見舞いのときは少し遠くから俺の体を見ていたけど、今は俺の目の前でじっと見つめている。
「愛実も赤いビキニがよく似合っているな。下もスカートで可愛いよ」
「ありがとう、リョウ君! この水着にして良かったよ」
えへへっ、と愛実は声に出して笑っている。俺と目が合うと愛実はニコッと笑ってくれて。こういう笑顔はたくさん見てきたけど、今は水着姿だからだろうか。今の愛実の笑顔を見るとドキッとする。
「リョウ君もその緑色の水着似合ってるよ。去年と同じ?」
「ああ。緑色が好きだし、この水着のデザインも気に入っているからな。今年も穿けて良かった」
「そうだったんだ。穿けて良かったね。また見られて嬉しいよ」
愛実は可愛らしい笑顔でそう言ってくれる。
去年と同じ水着だけど、愛実に似合っていると言ってもらえて嬉しいな。
「海老名さんもパレオビキニ似合ってるな。去年とは違うから、今日のために新調したのか?」
「ええ。1年ぶりの海水浴だし。今年も麻丘君に似合っているって言ってもらえて嬉しいわ。麻丘君も似合ってる」
海老名さんはそう言うと、白い歯を見せながら俺に笑顔を向けてくれる。普段は落ち着いた笑顔を見せることが多く、今のような笑顔は珍しい。大人っぽさだけでなく可愛らしさも感じられる。
「須藤さんも似合ってるな。鈴木に喜んでもらえて良かったね」
「ええ!」
須藤さんは鈴木と抱きしめ合いながら、幸せそうに答える。
「男性陣はみんな筋肉がついていて。女性陣はみんなスタイルが良くて可愛くて。いやぁ、みんな水着姿が素晴らしいねぇ。眼福眼福眼福。絶景なり!」
満面の笑顔で、佐藤先生は俺達の水着の感想を述べている。どこにいても先生らしさは変わらないな。去年も学生時代のご友人と会う約束がなければ、俺達のことを喜んで連れてきてくれたのかも。
「佐藤先生の水着姿も素敵ですよ。水着の色が黒だからかもしれませんが、とても大人の女性って感じがします」
「ありがとう、涼我君。海水浴は久しぶりだったから、昨日この水着を買ったんだ」
「そうだったんですか」
「着替えているときに、愛実ちゃんやあおいちゃん達から褒めてもらえて嬉しかったけど、涼我君から褒めてもらえるのが一番嬉しいよ。ありがとう」
そう言うと、佐藤先生は俺の目を見つめながら、いつもの落ち着いた笑顔を見せてくれる。ただ、今の言葉があったり、頬がほんのりと赤かったり、水着姿だったりするのもあって妖艶な雰囲気を纏っていて。大人の女性だから出すことのできる色っぽさがある。
女性5人の水着姿はみんな素敵で魅力的だ。想像以上だ。そんな俺の感覚は間違っていないようで、男性中心にこちらを見てくる人が多い。俺と道本と鈴木で、女性5人のことを守らないと。
「みんな水着に着替え終わったから、どこかいい場所を確保しようか」
佐藤先生がそう言い、先生を先頭に俺達は海水浴場の中を歩き始める。
歩き始めてすぐに、あおいは俺の右手をそっと掴んでくる。あおいをチラッと見ると、あおいは微笑みかけてくれて。今は水着姿なのもあり、車の中で腕を抱かれたとき以上にドキドキするのであった。
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