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特別編6-星空に願う夏の夜編-
エピローグ『星空に願う夏の夜』
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ラムネを飲み終わった頃には、みんなと約束していた集合時間の数分前になっていた。そのため、俺達は待ち合わせ場所である短冊コーナーへ向かう。4人はもう短冊コーナーにいるだろうか。
短冊コーナーは、会場内からよく見える大きな笹の近くにある。そのため、笹を目印に歩いていくと、
「あっ、大輝先輩と文香先輩が来ましたよ!」
待ち合わせ場所には既に4人全員がいた。最初に気付いたのは杏奈のようで、杏奈は元気な声でそう言うと、こちらに向かって大きく手を振ってきた。一紗、羽柴、小泉さんも手を振ってくる。
サクラと俺も4人に手を振りながら、彼らのところに向かった。
「文香、速水君、お祭りデートはどうだった?」
小泉さんがいつもの明るい笑顔で俺達にデートの感想を訊いてくる。
「凄く楽しかったよ! 一緒にラムネを飲んだり、輪投げではダイちゃんが猫のぬいぐるみを取ってくれたりして」
「楽しいデートの時間になったよ。みんなありがとう」
「ありがとう!」
「いえいえ! 楽しめたなら良かったよ!」
「青葉さんの言う通りね」
「提案した甲斐がありましたね」
「そうだな。この七夕祭りは年に一日だけだから、速水と桜井が楽しめて良かったぜ」
4人とも、優しい笑顔でそう言ってくれる。4人の優しさのおかげで、サクラと俺は楽しいお祭りデートの時間を過ごせたと思っている。4人には感謝の気持ちでいっぱいだ。
「青葉ちゃん達はどうだった? 4人で廻ったの?」
「4人で廻ったよ! 食べ歩いた!」
「かき氷とかリンゴ飴とかスイーツ系の屋台を中心にね。いっぱい食べたわ」
「甘いものをたくさん食えて満足だぜ」
「一紗先輩と青葉先輩は何でもよく食べますし、羽柴先輩は甘いものが大好きですからね。あたしは段々お腹がいっぱいになってきたので、途中からは一紗先輩や青葉先輩のを一口いただきました」
「あ~んしたときの杏奈さんがとても可愛かったわ!」
興奮気味に話す一紗。杏奈に一口食べさせてあげる一紗の様子が容易に頭に思い浮かぶ。2年生3人のペースに合わせようとしたら、杏奈が途中でお腹いっぱいになるのも納得かな。途中から一口もらう形にして正解だろう。
食べ歩きの形で、4人もこのお祭りでの時間を楽しんだみたいで良かった。
「じゃあ、無事に会えたし、このお祭りは七夕祭りだから、みんなで短冊に願いごとを書いて笹に飾るか」
俺がそう言うと、みんな「そうしよう」と賛同してくれた。
それから、俺達は短冊コーナーの待機列の最後尾に並ぶ。短冊コーナーはこのお祭りのメインコーナーとも言えるので、列は結構長い。この長さだと……10分は掛かりそうかな。
また、列は2列で並ぶ形。なので、羽柴と小泉さん、一紗と杏奈、サクラと俺という順番で並んでいる。俺の前には一紗がいる。
「これまで、一緒にお祭りに来たときには、こうして隣同士で並んだよね」
「そうだな。それで毎回、俺はここで並んでいる間に短冊に何を書くのか考えるんだよな。毎年来ていたのに。ちなみに、今も考えてる」
「ふふっ」
「ちなみに、サクラはもう書くことは決まっているのか?」
「うん、決まってるよ。みんなでこのお祭りに来ようって決まってすぐに」
「マジか」
サクラが書くことが決まっていると知ると、何だか焦ってくるな。待機列が長くて良かった。
「一紗先輩。雲が取れて星が見えていますよ」
「……あら、本当ね。綺麗だわ」
杏奈と一紗がそんな会話をして、笑顔で夜空を見上げている。なので、俺も見上げてみると……杏奈の言う通り、雲が取れて星がいくつも見えている。
「杏奈ちゃんの言う通りだね! 綺麗……」
横から、サクラのそんな言葉が聞こえてくる。どうやら、サクラも今の2人の会話をきっかけで星空を見上げているようだ。
「俺も見てる。綺麗だよな」
「うん。今日の天気予報は曇りで、夕方に家を出発したときも雲の切れ間から青空が見えていたけど……まさか、お祭り中に星空が見られるなんて」
「運がいいよな。今日は七夕当日じゃないけど、これから書く願いごとは何でも叶いそうな気がする」
「それ言えてる」
肝心の願いごとはまだ決まっていないけど。
「ちょっと明るく見えるところがあるね。あれが天の川かな?」
「きっとそうだろう」
「あそこらへんに織姫と彦星がいて、あともう少しで一年ぶりに再会できるんだね」
「そうだな」
ただ、会えるのは七夕の日の一日限りなんだよな。会えるのは嬉しいだろうけど、一日しかないと思うと寂しい気持ちにもなってしまう。もし、サクラと俺がそのような関係だったら。そう思うと、寂しい気持ちが膨らむ。サクラとは会うことはできていたけど、距離があった時期が3年ほど続いたからだろうか。
見上げるのを止めると、そこには俺の顔を見てニコッと笑っているサクラの笑顔があった。その瞬間に、短冊に書きたい願いごとが決まった。
その後もサクラを中心に会話が弾んだので、俺達の番になるまではあっという間だった。
短冊コーナーには、長机がいくつも置かれている。そこには黒の油性マジックと、様々な色の短冊が用意されている。俺はサクラと隣同士で短冊に願いごとを書くことに。
水色の短冊を1枚手に取り、俺はマジックで願いごとを書く。
『大好きな恋人との日々を一緒に楽しめますように。 速水大輝』
中2の春から3年近く、サクラとは距離ができていた。
ただ、今年の春休みに親の転勤でサクラがうちに引っ越してきて。仲直りして。恋人にもなれて。サクラと一緒に過ごす日々は本当に楽しい。サクラと離れたくない。だから、今のような日々がずっと続きますようにと願いを込めて書いた。
「ダイちゃんは書き終わった?」
サクラに問いかけられたのでそちらを向くと、サクラはピンク色の短冊を持っていた。
「ああ、書き終わったよ。サクラは?」
「私も書き終わったよ。じゃあ、笹に飾りに行こうか」
「そうしよう」
サクラと一緒に笹のある方へ行くと、そこには短冊を持った4人がいた。俺達が書き終わるのを待ってくれていたのかな。
「みんなで近くに飾らない?」
「いいね、青葉ちゃん」
「いいと思う」
近くに飾りたいから、俺達のことを待っていてくれたのか。
小泉さんの言う通りに、俺達6人は願いごとを書いた短冊を笹に飾っていく。一紗は赤、杏奈は黄色、羽柴は緑、小泉さんは青だから俺達の短冊だけを見てもカラフルな印象だ。
みんな願いごとを見てもいいということなので、俺はみんなの書いた願いごとを見ていく。
『大好きな恋人と仲良く一緒に過ごせますように。 桜井文香』
『素敵な物語と出会えますように。書けますように。 麻生一紗』
『高校最初の夏をたっぷりと楽しみたい! 小鳥遊杏奈』
『二次元の世界にもっと浸りたい! 羽柴拓海』
『テニスをもっと頑張る! 小泉青葉』
みんな……それぞれ、らしさを感じるいい願いごとだと思う。あと、サクラの願いごとが俺の書いた願いごとと重なる部分があるのが嬉しい。
「ダイちゃんと私の願いごと……似ているね」
「ああ。サクラと一緒に暮らして、恋人として付き合っている日々が楽しいから。それに心理的に距離のある時期もあったし」
「そうなんだ。……私も同じ想いでこの願いごとを書いたの」
「そうだったんだ」
文言はちょっと違うけど、願いごとを書いたときの気持ちがピッタリと重なっていたことが分かって嬉しいな。
「願いごとが叶うように頑張ろうな、サクラ」
「うんっ!」
サクラは元気良く返事をすると、ちゅっ、と唇にキスしてきた。触れたのは一瞬だったけど、唇からはサクラの唇の柔らかさと優しい温もりが確かに感じられた。
唇を離すと、サクラは俺に可愛らしい笑顔を向けてくれる。そのことに頬が緩む。いつまでも、サクラとキスして笑い合える関係でありたいな。握っているサクラの手を今一度しっかりと握った。
みんなの書いた願いごとの写真を撮りたいと一紗が申し出たので、俺達はみんな快諾した。一紗はスマホで6枚の短冊の写真を撮影し、LIMEの俺達のグループトークに送ってくれた。
写真で改めて見てみると……みんな、いい願いごとを書いているな。どうか、みんなと俺の願いが叶いますように。そう願って星空を見上げると、並んでいる間に見たとき以上に綺麗に見えたのであった。
特別編6-星空に願う夏の夜編- おわり
次の話から特別編7です。
短冊コーナーは、会場内からよく見える大きな笹の近くにある。そのため、笹を目印に歩いていくと、
「あっ、大輝先輩と文香先輩が来ましたよ!」
待ち合わせ場所には既に4人全員がいた。最初に気付いたのは杏奈のようで、杏奈は元気な声でそう言うと、こちらに向かって大きく手を振ってきた。一紗、羽柴、小泉さんも手を振ってくる。
サクラと俺も4人に手を振りながら、彼らのところに向かった。
「文香、速水君、お祭りデートはどうだった?」
小泉さんがいつもの明るい笑顔で俺達にデートの感想を訊いてくる。
「凄く楽しかったよ! 一緒にラムネを飲んだり、輪投げではダイちゃんが猫のぬいぐるみを取ってくれたりして」
「楽しいデートの時間になったよ。みんなありがとう」
「ありがとう!」
「いえいえ! 楽しめたなら良かったよ!」
「青葉さんの言う通りね」
「提案した甲斐がありましたね」
「そうだな。この七夕祭りは年に一日だけだから、速水と桜井が楽しめて良かったぜ」
4人とも、優しい笑顔でそう言ってくれる。4人の優しさのおかげで、サクラと俺は楽しいお祭りデートの時間を過ごせたと思っている。4人には感謝の気持ちでいっぱいだ。
「青葉ちゃん達はどうだった? 4人で廻ったの?」
「4人で廻ったよ! 食べ歩いた!」
「かき氷とかリンゴ飴とかスイーツ系の屋台を中心にね。いっぱい食べたわ」
「甘いものをたくさん食えて満足だぜ」
「一紗先輩と青葉先輩は何でもよく食べますし、羽柴先輩は甘いものが大好きですからね。あたしは段々お腹がいっぱいになってきたので、途中からは一紗先輩や青葉先輩のを一口いただきました」
「あ~んしたときの杏奈さんがとても可愛かったわ!」
興奮気味に話す一紗。杏奈に一口食べさせてあげる一紗の様子が容易に頭に思い浮かぶ。2年生3人のペースに合わせようとしたら、杏奈が途中でお腹いっぱいになるのも納得かな。途中から一口もらう形にして正解だろう。
食べ歩きの形で、4人もこのお祭りでの時間を楽しんだみたいで良かった。
「じゃあ、無事に会えたし、このお祭りは七夕祭りだから、みんなで短冊に願いごとを書いて笹に飾るか」
俺がそう言うと、みんな「そうしよう」と賛同してくれた。
それから、俺達は短冊コーナーの待機列の最後尾に並ぶ。短冊コーナーはこのお祭りのメインコーナーとも言えるので、列は結構長い。この長さだと……10分は掛かりそうかな。
また、列は2列で並ぶ形。なので、羽柴と小泉さん、一紗と杏奈、サクラと俺という順番で並んでいる。俺の前には一紗がいる。
「これまで、一緒にお祭りに来たときには、こうして隣同士で並んだよね」
「そうだな。それで毎回、俺はここで並んでいる間に短冊に何を書くのか考えるんだよな。毎年来ていたのに。ちなみに、今も考えてる」
「ふふっ」
「ちなみに、サクラはもう書くことは決まっているのか?」
「うん、決まってるよ。みんなでこのお祭りに来ようって決まってすぐに」
「マジか」
サクラが書くことが決まっていると知ると、何だか焦ってくるな。待機列が長くて良かった。
「一紗先輩。雲が取れて星が見えていますよ」
「……あら、本当ね。綺麗だわ」
杏奈と一紗がそんな会話をして、笑顔で夜空を見上げている。なので、俺も見上げてみると……杏奈の言う通り、雲が取れて星がいくつも見えている。
「杏奈ちゃんの言う通りだね! 綺麗……」
横から、サクラのそんな言葉が聞こえてくる。どうやら、サクラも今の2人の会話をきっかけで星空を見上げているようだ。
「俺も見てる。綺麗だよな」
「うん。今日の天気予報は曇りで、夕方に家を出発したときも雲の切れ間から青空が見えていたけど……まさか、お祭り中に星空が見られるなんて」
「運がいいよな。今日は七夕当日じゃないけど、これから書く願いごとは何でも叶いそうな気がする」
「それ言えてる」
肝心の願いごとはまだ決まっていないけど。
「ちょっと明るく見えるところがあるね。あれが天の川かな?」
「きっとそうだろう」
「あそこらへんに織姫と彦星がいて、あともう少しで一年ぶりに再会できるんだね」
「そうだな」
ただ、会えるのは七夕の日の一日限りなんだよな。会えるのは嬉しいだろうけど、一日しかないと思うと寂しい気持ちにもなってしまう。もし、サクラと俺がそのような関係だったら。そう思うと、寂しい気持ちが膨らむ。サクラとは会うことはできていたけど、距離があった時期が3年ほど続いたからだろうか。
見上げるのを止めると、そこには俺の顔を見てニコッと笑っているサクラの笑顔があった。その瞬間に、短冊に書きたい願いごとが決まった。
その後もサクラを中心に会話が弾んだので、俺達の番になるまではあっという間だった。
短冊コーナーには、長机がいくつも置かれている。そこには黒の油性マジックと、様々な色の短冊が用意されている。俺はサクラと隣同士で短冊に願いごとを書くことに。
水色の短冊を1枚手に取り、俺はマジックで願いごとを書く。
『大好きな恋人との日々を一緒に楽しめますように。 速水大輝』
中2の春から3年近く、サクラとは距離ができていた。
ただ、今年の春休みに親の転勤でサクラがうちに引っ越してきて。仲直りして。恋人にもなれて。サクラと一緒に過ごす日々は本当に楽しい。サクラと離れたくない。だから、今のような日々がずっと続きますようにと願いを込めて書いた。
「ダイちゃんは書き終わった?」
サクラに問いかけられたのでそちらを向くと、サクラはピンク色の短冊を持っていた。
「ああ、書き終わったよ。サクラは?」
「私も書き終わったよ。じゃあ、笹に飾りに行こうか」
「そうしよう」
サクラと一緒に笹のある方へ行くと、そこには短冊を持った4人がいた。俺達が書き終わるのを待ってくれていたのかな。
「みんなで近くに飾らない?」
「いいね、青葉ちゃん」
「いいと思う」
近くに飾りたいから、俺達のことを待っていてくれたのか。
小泉さんの言う通りに、俺達6人は願いごとを書いた短冊を笹に飾っていく。一紗は赤、杏奈は黄色、羽柴は緑、小泉さんは青だから俺達の短冊だけを見てもカラフルな印象だ。
みんな願いごとを見てもいいということなので、俺はみんなの書いた願いごとを見ていく。
『大好きな恋人と仲良く一緒に過ごせますように。 桜井文香』
『素敵な物語と出会えますように。書けますように。 麻生一紗』
『高校最初の夏をたっぷりと楽しみたい! 小鳥遊杏奈』
『二次元の世界にもっと浸りたい! 羽柴拓海』
『テニスをもっと頑張る! 小泉青葉』
みんな……それぞれ、らしさを感じるいい願いごとだと思う。あと、サクラの願いごとが俺の書いた願いごとと重なる部分があるのが嬉しい。
「ダイちゃんと私の願いごと……似ているね」
「ああ。サクラと一緒に暮らして、恋人として付き合っている日々が楽しいから。それに心理的に距離のある時期もあったし」
「そうなんだ。……私も同じ想いでこの願いごとを書いたの」
「そうだったんだ」
文言はちょっと違うけど、願いごとを書いたときの気持ちがピッタリと重なっていたことが分かって嬉しいな。
「願いごとが叶うように頑張ろうな、サクラ」
「うんっ!」
サクラは元気良く返事をすると、ちゅっ、と唇にキスしてきた。触れたのは一瞬だったけど、唇からはサクラの唇の柔らかさと優しい温もりが確かに感じられた。
唇を離すと、サクラは俺に可愛らしい笑顔を向けてくれる。そのことに頬が緩む。いつまでも、サクラとキスして笑い合える関係でありたいな。握っているサクラの手を今一度しっかりと握った。
みんなの書いた願いごとの写真を撮りたいと一紗が申し出たので、俺達はみんな快諾した。一紗はスマホで6枚の短冊の写真を撮影し、LIMEの俺達のグループトークに送ってくれた。
写真で改めて見てみると……みんな、いい願いごとを書いているな。どうか、みんなと俺の願いが叶いますように。そう願って星空を見上げると、並んでいる間に見たとき以上に綺麗に見えたのであった。
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