高嶺の花の高嶺さんに好かれまして。

桜庭かなめ

文字の大きさ
59 / 279
本編

第58話『猫になっていた。』

しおりを挟む
 高嶺さん、福王寺先生、芹花姉さんという俺への想いが濃い女性達が俺の部屋に集まった。だけど、先生と姉さんの再会もあってか、穏やかに時間が過ぎていった。

「はい、ユウちゃん。あ~ん」
「……あーん」

 高嶺さんと福王寺先生が帰った後、俺は母さんの作った温かいうどんと、先生が買ってきてくれたプリンを芹花姉さんに食べさせてもらった。熱がまだあるから、高校生になった今でも、誰かに食べさせてもらうのも悪くないと思える。
 夕食を食べ終わり、自分の部屋に戻った俺は、スマホで昨日の深夜に公開した新曲『天上人』の反応を見る。Tubutterでの呟きや、YuTubu、ワクワク動画のコメント欄を見ると概ね好評のようだ。ちなみに、YuTubuでは再生回数が500万回、ワクワク動画でも100万回を突破していた。
 いつもなら、これからメッセンジャーで桐花さんと話すけど、

「朝よりはマシになったけど、パソコンを使うのは辛いな……」

 今はこうしてベッドで横になるのが一番楽だ。今日はチャットできないと連絡していないから、何かメッセージを送らないと桐花さんが心配するかも。
 知り合った直後のように、Tubutterのダイレクトメッセージ機能から桐花さんにメッセージを送っておこう。

『こんばんは、桐花さん。風邪を引いてしまいました。パソコンチェアに座るのが辛いので、スマホからここにメッセージを送ります』

 というメッセージを桐花さんに送った。これで、桐花さんにも状況が伝わるだろう。ちなみに、桐花さんからダイレクトメッセージが届いたら、スマホに通知するようになっている。
 お見舞いに来た高嶺さんや福王寺先生の相手をして、夕ご飯を食べて、薬を飲んだら眠くなってきたな。熱もまだあって、喉や鼻がおかしいから辛さもあるけど、眠たいって思えるのは幸せなことなのだろう。
 ベッドライトを消して、ゆっくりと目を瞑る。高嶺さんや華頂さん達の優しい顔が浮かんできて。もし、夢を見られるなら、彼女達が出てくるのんびりとした夢がいいな。
 ――プルルッ。
 おっ、さっそく桐花さんからメッセージが来たのかな。
 ベッドライトを点けて、スマホを確認してみる。すると、予想通り、Tubutterに桐花さんからダイレクトメッセージが来たと通知が届いていた。

『風邪引いちゃったんだね。中間試験があって、バイトがあって、新曲の制作をして疲れが溜まっちゃったのかな。ゆっくり休んでね。お大事に。早いけど、おやすみなさい』

 桐花さんのそのメッセージを見て、気持ちが安らいだ。毎日の習慣をこういう形でもできるからだろうか。

『ありがとうございます。おやすみなさい』

 桐花さんに返信を送って、俺は再び目を瞑った。さっきよりもベッドが気持ち良く感じる。
 それから程なくして、眠りに落ちていった。



 5月28日、火曜日。
 ゆっくりと目を覚まし、体を起こすと、昨日の朝とは違ってだるさや頭の痛みがなくなっていた。ただ、まだ熱っぽくて、喉や鼻がおかしい。
 ナイトテーブルに置いてある体温計で体温を測ると、

「37度5分か……」

 これじゃ、今日も学校は休みだな。バイトも無理か。学校だけじゃなくて、バイト先にも休む連絡をしないと。
 リビングに行き、両親と芹花姉さんに学校とバイトを休むことを伝える。今日も姉さんが大学を休みたいと言い始めたけど、昨日よりも体調が良くなっているから大丈夫だと説得し、何とか学校へ行く気にさせることができた。学校へ行く代わりに、朝食のお粥も姉さんに食べさせてもらった。
 学校には母さんに連絡してもらい、俺は大垣店長と中野先輩にバイトを休むと連絡をした。
 また、昨日と同じように、高校生5人のグループトークと福王寺先生に、今日も学校を欠席する旨のメッセージを送った。
 メッセージを送った瞬間、既読のマークがついて、既読人数のカウンターが上がっていく。高嶺さんや華頂さん達から『お大事に』とメッセージが。そのことに安心感を覚えた。
 また、その後に高嶺さんから、

『部活が終わった後にみんなでお見舞いに行くね! 今日の部活でカステラを作るから持って行くよ!』

 というメッセージを受け取った。カステラは好きなスイーツの1つだ。ちょっと元気出たな。

『分かった。カステラを楽しみにしているよ』

 と返信を送った。薬を飲んで寝れば、高嶺さん達がお見舞いに来る頃には、今よりも体調が良くなっているだろう。そんな期待をしながら、俺は眠りにつくのであった。



「うんっ……」

 目を開けて、ゆっくりと体を起こすと……体の重さやだるさは全く感じない。熱っぽさもないし。きっと、薬を飲んですぐに寝たから効いたんだろうな。これなら、明日は学校に行けそうだな。
 薄暗い中、部屋にかかっている時計を見ると、今は午後2時過ぎか。結構ぐっすりと眠ったなぁ。

「ふあああっ……」

 大きなあくびをしてしまうけど、それがとても気持ち良く感じる。これも元気になった証拠なのかな。

 ――コンコン。
「はい、どうぞ」

 誰だろう。今の時間だと母さんかな。それとも、午前中しか講義がなくて、芹花姉さんが早く帰ってきたのかな。

「悠真君!」
「ゆう君のあくびが聞こえたから入ってきたよ~」
「……えっ」

 何と、部屋の中に入ってきたのは、私服姿の高嶺さんと華頂さんだった。まさかの来訪者で目を疑ってしまう。

「あれ?」

 変なものが見えた気がしたので、2人の姿をよく見てみると、

「……高嶺さんと華頂さん、猫のような耳としっぽが生えてない?」

 普通の人間にはないものが生えていたのだ。でも、部屋の中は薄暗いし、病み上がりだから幻覚を見ているのかも。
 高嶺さんが部屋の電気を点けたので、もう一度、2人をよーく見てみると……やっぱり、猫のような耳としっぽが生えている。
 2人は不思議そうな様子で俺を見て、

「耳としっぽが生えているのは当たり前だよね、胡桃ちゃん」
「うん。だって、あたし達は猫だもんね」
「ね~。悠真君が飼ってくれているんだよね~」

 高嶺さんと華頂さんは笑い合う。しっぽが可愛らしく動く。本人達は猫だと言っているけれど、猫耳としっぽが生えていること以外はほぼ人間だな。
 本物の高嶺さんと華頂さんは人間だから……今は夢か。せっかく、体調が良くなったと思って喜んでいたのに。

「……夢なのか」

 はあっ、と思わずため息が出てしまった。
 それにしても、猫耳としっぽが生えた高嶺さんと華頂さんが登場する夢を見てしまうとは。土曜日に猫カフェに行ったし、2人の猫耳カチューシャ姿を可愛いと思ったからだろうか。
 高嶺さんと華頂さんの耳としっぽが生えた姿は似合っているし可愛いけど、2人を見ていると何だか罪悪感が。2人をペットとして飼っているからだろうか。

「ねえ、悠真君。風邪は治った?」
「……今の俺はな」
「良かった。じゃあ、久しぶりに私のことをなでなでしてほしいな。悠真君が風邪を引いている間は、悠真君になでなでしてもらうのは禁止って芹花お姉様に言われていたから」

 姉さんなら言いそう。
 高嶺さんはベッドの中に入ってきて、俺の胸元で頭をスリスリしてくる。甘えん坊な猫だなぁ。あと、高嶺さんのしっぽが、太もものあたりを撫でてくるのでくすぐったい。

「結衣ちゃんの後でいいから、その……ご飯を食べさせてほしい」

 そのご飯ってどんなものなんだろう。人間と変わらないのだろうか。それとも、キャットフードとかかな。

「分かったよ、華頂さん。まずは高嶺さんを撫でるね」

 俺は高嶺さんの頭を撫でる。

「あぁ、気持ちいい」

 柔らかな笑みを浮かべながらそう言う高嶺さん。人間のとき以上に気持ち良さそうにしているな。しっぽが立ち、ゆらゆらと動かしている。
 そういえば、頭から生えている耳ってどんな感じになんだろう。試しに触ってみると、

「ふにゃっ」

 くすぐったかったのか、高嶺さんはそんな可愛らしい声を漏らす。高嶺さんはほんのりと赤くなった顔に不機嫌そうな表情を浮かべる。

「急に耳を触られるとビックリしちゃうよ、もう」
「ご、ごめんね。高嶺さん」
「……お腹も撫でてくれたら許してあげる」

 高嶺さんはベッドの上で仰向けになり、着ているTシャツをめくって綺麗なお腹を見せてくる。てっきり、服の上からだと思っていたのに。

「ゆ、結衣ちゃん……地肌を触ってもらうなんて。大胆だよ」
「耳を触られたのがくすぐったかったけれど、興奮もしちゃって」

 頬を赤く染めながら俺達を見る華頂さん。今の話からして、普段は服越しに撫でてもらうのだろう。
 お腹を撫でるくらいなら……だ、大丈夫だろう。これは夢なんだし。俺は勇気を出して高嶺さんのお腹を撫でる。

「ふあっ……気持ちいい……」
「……そ、それは良かった」

 高嶺さんのお腹、スベスベしていてとても撫でやすい。現実では未経験なので、実際の高嶺さんのお腹がどうなのかは定かではないが。

「えへへっ、幸せ」

 高嶺さんは言葉通りの幸せそうな笑みを見せてくれる。夢の中だけど、高嶺さんがこういった表情をしてくれるのは嬉しいものだな。お腹の後は背中なども撫でてあげた。たまに「にゃあ」と猫らしく声を挙げるのも可愛らしかった。

「高嶺さんへのなでなではこのくらいにしようか。次は華頂さんだね。ご飯を食べさせてほしいって言っていたけれど」
「うん。……キャットフードなんだけど」

 すると、スカートのポケットの中から、キャットフードの入った小袋を取り出す。

「ゆう君が風邪を引いているときは、もちろん自分で食べていたんだけど、元気になったから、ゆう君の手に乗せたものを食べたくて」
「そ、そうなのか」

 そういえば、現実で猫カフェに行ったとき、手に乗せたキャットフードを猫に食べさせたっけ。その影響があるのだろう。

「分かったよ」

 俺はベッドから降りて、ベッド近くにあるクッションに座る。
 華頂さんから受け取った袋を開け、キャットフードを右手の上に出す。

「華頂さん、お食べ」
「……いただきます」

 俺が華頂さんの目の前にキャットフードの乗った右手を差し出すと、華頂さんはすぐにキャットフードを食べ始める。
 耳としっぽがついているから猫っぽさは感じられるけど、キャットフードを食べているのはシュールな光景だな。あと、たまに手に生温かい感触を感じるけど、これは華頂さんの舌だろうか。くすぐったいと同時にドキドキもしてくる。

「うぅ、胡桃ちゃんが羨ましいよ。私も悠真君の手からキャットフードを食べたい!」
「……じゃあ、左手を貸すから、自分でキャットフードを置いて食べてくれ」
「うんっ!」

 俺が左手を出すと、高嶺さんは袋に残っていたキャットフードを全て左手に出して食べ始めた。華頂さんよりも勢い良く食べているので、高嶺さんの姿を見ていてもドキドキはしないな。
 こんな状況、周りの人が見たらどう思われるんだろう。女の子に猫コスプレをさせ、キャットフードを食べさせている重度の変態だろうか。夢で本当に良かったと思う。

「美味しかった」

 華頂さんはキャットフードを食べ終わると、柔和な笑顔を見せてくれる。可愛いのはもちろんのこと艶やかさも感じられて。

「あぁ、美味しかった!」

 華頂さんよりもたくさん食べたのに、高嶺さんもう食べ終わったのか。満足そうな笑みを浮かべている。

「キャットフードを食べたから、あたし眠くなってきちゃった」
「私も。悠真君もベッドで一緒に寝よう?」
「さすがに3人一緒は寝られないよ。2人はベッドで寝てくれ。俺は手を洗ってくるよ」

 俺は一旦部屋を出て、洗面所で手を洗う。
 高嶺さんと華頂さんは猫になっていたけど、それ以外の人はどうなっているんだろう。ちょっと興味がある。
 手洗いが終わり、自分の部屋に戻ると、高嶺さんと華頂さんは俺のベッドで寄り添って眠っていた。夢じゃなかったら、写真とかで2人の可愛らしい姿を残しておけるのに。

「おやすみ」

 2人の頭を優しく撫でると、急に俺も眠気が襲ってきた。ベッドに突っ伏す形で倒れ込む。
 2人の匂いが混ざっているのだろうか。甘くて柔らかな匂いを感じながら眠りに落ちていった。
しおりを挟む
感想 6

あなたにおすすめの小説

俺を振ったはずの腐れ縁幼馴染が、俺に告白してきました。

true177
恋愛
一年前、伊藤 健介(いとう けんすけ)は幼馴染の多田 悠奈(ただ ゆうな)に振られた。それも、心無い手紙を下駄箱に入れられて。 それ以来悠奈を避けるようになっていた健介だが、二年生に進級した春になって悠奈がいきなり告白を仕掛けてきた。 これはハニートラップか、一年前の出来事を忘れてしまっているのか……。ともかく、健介は断った。 日常が一変したのは、それからである。やたらと悠奈が絡んでくるようになったのだ。 彼女の狙いは、いったい何なのだろうか……。 ※小説家になろう、ハーメルンにも同一作品を投稿しています。 ※内部進行完結済みです。毎日連載です。

敵に貞操を奪われて癒しの力を失うはずだった聖女ですが、なぜか前より漲っています

藤谷 要
恋愛
サルサン国の聖女たちは、隣国に征服される際に自国の王の命で殺されそうになった。ところが、侵略軍将帥のマトルヘル侯爵に助けられた。それから聖女たちは侵略国に仕えるようになったが、一か月後に筆頭聖女だったルミネラは命の恩人の侯爵へ嫁ぐように国王から命じられる。 結婚披露宴では、陛下に側妃として嫁いだ旧サルサン国王女が出席していたが、彼女は侯爵に腕を絡めて「陛下の手がつかなかったら一年後に妻にしてほしい」と頼んでいた。しかも、侯爵はその手を振り払いもしない。 聖女は愛のない交わりで神の加護を失うとされているので、当然白い結婚だと思っていたが、初夜に侯爵のメイアスから体の関係を迫られる。彼は命の恩人だったので、ルミネラはそのまま彼を受け入れた。 侯爵がかつての恋人に似ていたとはいえ、侯爵と孤児だった彼は全く別人。愛のない交わりだったので、当然力を失うと思っていたが、なぜか以前よりも力が漲っていた。 ※全11話 2万字程度の話です。

10年ぶりに再会した幼馴染と、10年間一緒にいる幼馴染との青春ラブコメ

桜庭かなめ
恋愛
 高校生の麻丘涼我には同い年の幼馴染の女の子が2人いる。1人は小学1年の5月末から涼我の隣の家に住み始め、約10年間ずっと一緒にいる穏やかで可愛らしい香川愛実。もう1人は幼稚園の年長組の1年間一緒にいて、卒園直後に引っ越してしまった明るく活発な桐山あおい。涼我は愛実ともあおいとも楽しい思い出をたくさん作ってきた。  あおいとの別れから10年。高校1年の春休みに、あおいが涼我の家の隣に引っ越してくる。涼我はあおいと10年ぶりの再会を果たす。あおいは昔の中性的な雰囲気から、清楚な美少女へと変わっていた。  3人で一緒に遊んだり、学校生活を送ったり、愛実とあおいが涼我のバイト先に来たり。春休みや新年度の日々を通じて、一度離れてしまったあおいとはもちろんのこと、ずっと一緒にいる愛実との距離も縮まっていく。  出会った早さか。それとも、一緒にいる長さか。両隣の家に住む幼馴染2人との温かくて甘いダブルヒロイン学園青春ラブコメディ!  ※特別編6が完結しました!(2026.1.21)  ※小説家になろう(N9714HQ)とカクヨムでも公開しています。  ※お気に入り登録や感想をお待ちしております。

疎遠だった叔父の遺産が500億円分のビットコインだった件。使い道がないので、隣の部屋の塩対応な美少女に赤スパ投げまくってる件

月下花音
恋愛
貧乏大学生の成瀬翔は、疎遠だった叔父から500億円相当のビットコインが入ったUSBメモリを相続する。使い道に困った彼が目をつけたのは、ボロアパートの薄い壁の向こうから聞こえる「声」だった。隣人は、大学で「氷の令嬢」と呼ばれる塩対応な美少女・如月玲奈。しかしその正体は、同接15人の極貧底辺VTuber「ルナ・ナイトメア」だったのだ! 『今月ももやし生活だよぉ……ひもじい……』 壁越しに聞こえる悲痛な叫び。翔は決意する。この500億で、彼女を最強の配信者に育て上げようと。謎の大富豪アカウント『Apollo(アポロ)』として、5万円の赤スパを投げ、高級機材を即配し、彼女の生活を神の視点で「最適化」していく。しかし彼はまだ知らなかった。「金で買えるのは生活水準だけで、孤独は埋められない」ということに。500億を持った「見えない神様」が、神の座を捨てて、地上の女の子の手を握るまでの救済ラブコメディ。

陰キャ幼馴染に振られた負けヒロインは俺がいる限り絶対に勝つ!

みずがめ
恋愛
★講談社ラノベ文庫新人賞佳作を受賞しました!  杉藤千夏はツンデレ少女である。  そんな彼女は誤解から好意を抱いていた幼馴染に軽蔑されてしまう。その場面を偶然目撃した佐野将隆は絶好のチャンスだと立ち上がった。  千夏に好意を寄せていた将隆だったが、彼女には生まれた頃から幼馴染の男子がいた。半ば諦めていたのに突然転がり込んできた好機。それを逃すことなく、将隆は千夏の弱った心に容赦なくつけ込んでいくのであった。  徐々に解されていく千夏の心。いつしか彼女は将隆なしではいられなくなっていく…。口うるさいツンデレ女子が優しい美少女幼馴染だと気づいても、今さらもう遅い! ※他サイトにも投稿しています。 ※表紙絵イラストはおしつじさん、ロゴはあっきコタロウさんに作っていただきました。

天才天然天使様こと『三天美女』の汐崎真凜に勝手に婚姻届を出され、いつの間にか天使の旦那になったのだが...。【動画投稿】

田中又雄
恋愛
18の誕生日を迎えたその翌日のこと。 俺は分籍届を出すべく役所に来ていた...のだが。 「えっと...結論から申し上げますと...こちらの手続きは不要ですね」「...え?どういうことですか?」「昨日、婚姻届を出されているので親御様とは別の戸籍が作られていますので...」「...はい?」 そうやら俺は知らないうちに結婚していたようだった。 「あの...相手の人の名前は?」 「...汐崎真凛様...という方ですね」 その名前には心当たりがあった。 天才的な頭脳、マイペースで天然な性格、天使のような見た目から『三天美女』なんて呼ばれているうちの高校のアイドル的存在。 こうして俺は天使との-1日婚がスタートしたのだった。

学校一の美人から恋人にならないと迷惑系Vtuberになると脅された。俺を切り捨てた幼馴染を確実に見返せるけど……迷惑系Vtuberて何それ?

宇多田真紀
青春
学校一の美人、姫川菜乃。 栗色でゆるふわな髪に整った目鼻立ち、声質は少し強いのに優し気な雰囲気の女子だ。 その彼女に脅された。 「恋人にならないと、迷惑系Vtuberになるわよ?」 今日は、大好きな幼馴染みから彼氏ができたと知らされて、心底落ち込んでいた。 でもこれで、確実に幼馴染みを見返すことができる! しかしだ。迷惑系Vtuberってなんだ?? 訳が分からない……。それ、俺困るの?

イケボすぎる兄が、『義妹の中の人』をやったらバズった件について

のびすけ。
恋愛
春から一人暮らしを始めた大学一年生、天城コウは――ただの一般人だった。 だが、再会した義妹・ひよりのひと言で、そんな日常は吹き飛ぶ。 「お兄ちゃんにしか頼めないの、私の“中の人”になって!」 ひよりはフォロワー20万人超えの人気Vtuber《ひよこまる♪》。 だが突然の喉の不調で、配信ができなくなったらしい。 その代役に選ばれたのが、イケボだけが取り柄のコウ――つまり俺!? 仕方なく始めた“妹の中の人”としての活動だったが、 「え、ひよこまるの声、なんか色っぽくない!?」 「中の人、彼氏か?」 視聴者の反応は想定外。まさかのバズり現象が発生!? しかも、ひよりはそのまま「兄妹ユニット結成♡」を言い出して―― 同居、配信、秘密の関係……って、これほぼ恋人同棲じゃん!? 「お兄ちゃんの声、独り占めしたいのに……他の女と絡まないでよっ!」 代役から始まる、妹と秘密の“中の人”Vライフ×甘々ハーレムラブコメ、ここに開幕!

処理中です...