高嶺の花の高嶺さんに好かれまして。

桜庭かなめ

文字の大きさ
60 / 279
本編

第59話『愛をこめてカステラを』

しおりを挟む
「ふああっ……」

 目を覚ますと、朝よりも部屋の中が明るくなっていた。カーテンの隙間から陽の光が入っているからかな。
 壁に掛かっている時計を見ると、今は正午過ぎか。数時間ほど眠っていたんだな。
 体を起こすと、熱っぽさや怠さはなくなっていた。だけど、喉や鼻の調子がまだ悪い。きっと、これは現実なのだろう。
 ナイトテーブルに置かれている体温計で体温を測ってみると、

「36度8分か」

 熱っぽさを感じないだけあって、37度よりも下になっていたか。ここまで良くなって一安心だ。このまま処方された薬を飲んで、ゆっくりと過ごしていれば、明日には学校へ行けるようになるだろう。
 体調が良くなってきたことを家族や高嶺さん達、福王寺先生にメッセージで伝えておいた。
 父さんは仕事、母さんはパート、芹花姉さんは大学でいないため、昼ご飯は自分で作った素うどんを食べた。昨日に比べて、食事もだいぶ美味しく感じられるように。
 体調も良くなってきたので、薬を飲んだ後は、録画していたけど観ていなかったアニメをベッドに横になりながら観る。結構な数が溜まっていたから、とても早く時間が過ぎたのであった。



 ――ピンポーン。

 午後6時20分。
 昼よりも喉や鼻の調子が良くなってきた中、家のインターホンが鳴る。10分ほど前に高嶺さん達から『今からお見舞いに行く』という旨のメッセージをもらったので、きっと高嶺さん達だろう。高嶺さんと華頂さん、伊集院さんだけではなく、バイト終わりの中野先輩も一緒に来るとのこと。
 モニターで来客を確認しようとベッドを降りたとき、部屋の外から賑やかな声が聞こえてきた。母さんが応対して、高嶺さん達が家の中に入ったのかな。
 ――コンコン。
 程なくして、部屋の扉からノック音が。

「どうぞ」
「悠真君! 今日もお見舞いに来たよ! 杏樹先生はどうしても今日中に終わらせなきゃいけない仕事が残っているから来られないって」
「お邪魔します、ゆう君。部活で作ったカステラを持ってきたよ」
「こんばんは、低田君」
「おっ、悠真。今日は起きていたね。顔色も良さそうで安心した」

 扉が開くと制服姿の高嶺さん、華頂さん、伊集院さん、中野先輩が部屋に入ってくる。4人の姿を見ると安心するし、気持ち的に元気になれる。

「悠真君、具合はどうかな? お昼に体調が良くなってきたってメッセージをくれたけど」
「処方された薬のおかげで、お昼よりも良くなったよ。みんな、お見舞いに来てくれてありがとう。嬉しいよ」
「悠真君……!」

 俺の名前を口にすると、高嶺さんはとても嬉しそうな様子で俺を抱きしめ、胸元に頭をスリスリしてくる。ほどよい感触に温もり、シャンプーの甘い匂いのせいで、熱がぶり返してしまいそうだ。
 あと、こうされると、高嶺さんと華頂さんが猫化した夢を思い出す。あの2人も可愛かったけど、現実には敵わないな。そんなことを思いながら、高嶺さんの頭を撫でた。

「悠真は変わらず高嶺ちゃんに愛されてるねぇ」
「結衣は低田君と一緒にいるときが一番元気ですね」
「そうだね、姫奈ちゃん。今日の部活動では、ゆう君のためにカステラを頑張って作るんだって張り切っていたよね」
「ですね。ただ、胡桃も結衣に負けないくらいに張り切っているように見えましたが」
「……せ、せっかく食べてもらうんだもん。美味しいカステラをゆう君に食べてほしいよ。だから、あたしも一緒に頑張ったの」

 頬を紅潮させて、俺のことをチラチラと見てくる華頂さんも可愛らしい。そんな華頂さんを中野先輩がニヤニヤしながら見ていた。

「朝に高嶺さんが部活で作ったカステラを持ってきてくれるって言っていたな。俺のために作ってくれてありがとう。お昼ご飯に素うどんを食べてから何も口に入れていないし、カステラの話を聞いたらお腹空いてきたよ」
「じゃあ、さっそく食べて。今日の部活で胡桃ちゃんと姫奈ちゃんと一緒に愛を込めて作ったから。私、何か飲み物を持ってくるよ。何がいい?」
「温かいブラックコーヒーで」
「了解!」

 敬礼のポーズを取ると、高嶺さんは張り切った様子で部屋を後にした。
 俺はベッドから降りて、一番近くにあるクッションに腰を下ろした。俺の左斜め前に華頂さん、テーブルを挟んだ正面には伊集院さん。中野先輩は伊集院さんの近くまでパソコンチェアを動かして座った。
 華頂さんはランチバッグからタッパーを取り出し、

「はい、ゆう君」

 と、タッパーの蓋を開ける。中には緑色のカステラが入っていた。香ってくる匂いからして、抹茶味のカステラだろうか。

「美味しそうだ。抹茶味かな」
「うんっ! 部長のアイデアで抹茶味も作ることになって。出来立てを部活中に食べたけど、とても美味しかったよ。あと、結衣ちゃんが普通のカステラを持ってきてくれているよ」
「そうなんだ。2種類あるのは嬉しいな」
「あと、あたしからも。今日はみんなでお見舞いに行くと決めていたので、旅行のお土産の温泉饅頭を。これからカステラを食べますから、あとで食べてほしいのです」
「ありがとう、伊集院さん」

 伊集院さんから温泉饅頭をもらい、それをナイトテーブルの上に置いておく。夕ご飯の後にでもいただこう。

「ブラックコーヒーとフォークを持ってきたよ~」

 フォークと湯気の立ったマグカップを持った高嶺さんが部屋の中に入ってくる。いつも飲んでいるコーヒーの香りがすると気持ちが落ち着くなぁ。
 高嶺さんは俺の目の前にコーヒーの入ったマグカップとフォークを置く。さっそくコーヒーを一口飲んでみる。

「……美味い。俺好みの濃さだ」
「ふふっ、良かった。……はい、カステラだよ」

 高嶺さんは俺の右斜め前にあるクッションに腰を下ろすと、俺の目の前にタッパーを置いた。蓋を開くと、そこにはプレーンカステラが。

「今日の部活動では、胡桃ちゃんのタッパーに入っている抹茶カステラと2種類作ったの」
「そうみたいだな。……抹茶カステラの方から食べていいか。どんな感じなのか興味がある」
「もちろんだよ、悠真君」
「ど、どうぞ、ゆう君」
「3人で作りましたので食べてみてほしいのです。あと、低田君にも届けるからか、杏樹先生があたし達の班だけたくさん味見をしていたのですよ」

 福王寺先生らしいな。

「……いただきます」

 フォークを使って一口サイズに切り分けた抹茶カステラを、俺は口の中に入れた。作ってあまり時間も経っていないからか、ふわふわしているけれど、しっとりもしているな。抹茶の味と香りが口の中に広がっていく。

「……美味しい。甘いけれど、抹茶の苦味も感じられて。抹茶カステラを食べたのは初めてだけど、これはいいな」
「良かった、悠真君にそう言ってもらえて」
「ほっとしたよ。ゆう君が甘いもの好きだって分かっていても、自分の作ったものを食べてもらうのって緊張する」
「ですね」
「……次はプレーンカステラをいただきます」

 抹茶カステラと同じく、フォークで一口分に切り分けて口の中に入れる。あぁ、ふんわりしっとりとしたカステラから優しい甘味が。華頂さんの言うように、甘いもの好きだから口元が緩んでしまうな。

「凄く美味しい」

 素直な感想を言うと、高嶺さん、華頂さん、伊集院さんは嬉しそうな様子になる。それだけ、心を込めてカステラを作ってくれたってことだろう。味見をした福王寺先生を含めて。高嶺さんの言葉を借りれば、愛を込めて……かな。

「3人とも、カステラを作ってくれてありがとう」

 後で、福王寺先生にもお礼のメッセージを送っておくか。

「みんな、悠真に美味しいって言ってもらえて良かったね。……そういえば、悠真。高嶺ちゃんから聞いたよ。昨日は悠真が先生で、あたし達や芹花さんや柚月ちゃんが園児になる夢を見たんだって?」
「ええ。みんなが幼児化したり、福王寺先生と結婚していたりして色々と凄かったです」
「幼児化は笑えたけど、福王寺先生と結婚したっていうのはちょっと頷けたけどね。悠真に可愛く微笑む姿を前に見たから」

 そういえば、前にバイトをしているときにそんな話をしたっけ。福王寺先生、最近は2人きりではない場所でも微笑むくらいのことはするようになったな。
 俺の夢の話を高嶺さんから聞いたのか、華頂さんも伊集院さんも楽しげな様子だ。ただ、高嶺さんだけはぎこちない笑みを見せていた。昨日、お見舞いのときに、先生が「結婚については正夢にしよっか?」と俺に言ったのを思い出したからだろうか。

「ねえ、悠真。今日も何か面白い夢は見なかったの?」
「午前中にぐっすり寝たので見ましたよ。実は……」

 俺は猫化した高嶺さんと華頂さんが登場した夢について話した。先週末に猫カフェに行ったことを絡めて。

「あははっ! 幼児化の次は猫化か!」
「低田君は土曜日に2人と一緒に猫カフェに行ったのですよね。猫耳カチューシャを付けたそうですし、その記憶が夢に反映されたのでしょうね。幼稚園の夢もそうですけど、是非眺めてみたかったのです」

 中野先輩と伊集院さんは楽しく笑っている。高嶺さんのことを撫でたり、2人に両手を使ってキャットフードを食べさせたりしたことも話したけど、引かれずに済んで良かった。

「悠真君に直にお腹を撫でてもらったり、手に乗せたキャットフードを食べたりするなんて。夢の中の私、なかなかやるじゃない。これは正夢にしたい! さすがに食べるのはキャットフードとは別のものにしたいけど」
「ううっ、夢の中でしかも猫化していたとはいえ、ゆう君の手に乗ったキャットフードを食べていたなんて……」

 高嶺さんは目を輝かせて興奮しており、高嶺さんとは対照的に華頂さんは顔を真っ赤にして恥ずかしそうにしている。それぞれ、俺のイメージ通りの反応で安心する。もし、逆の反応を示していたら、今は夢なんじゃないかと疑い始めるところだった。

「悠真君! 手にカステラ乗せて! 食べたいから」
「断る。それに、これはみんなが俺に作ってくれたカステラじゃないか。凄く美味しいから、誰にもあげたくないな」

 俺がそう言うと、元々顔を赤くしていた華頂さんだけでなく、高嶺さんと伊集院さんまで頬を赤くして俺を見てくる。

「今の悠真君の言葉、凄くキュンとなった」
「不覚にもかなりキュンときたのです」
「と、とても嬉しいよ。ゆう君」
「……素敵な言葉のお礼に、私の手の上に乗せたカステラを食べていいよ」
「それも断る」

 たとえ、これが夢でもそんなことはしたくないな。凄く恥ずかしいから。
 高嶺さんはつまらないと言いたげな表情を見せる。……むくれても食べないぞ。ちょっと可愛いけど。

「しょうがないね。じゃあ、フォークでカステラを食べさせてあげる! 悠真君は今日も病欠したんだし、夢の中でお腹を撫でてくれたお礼に!」
「そ、そういうことならあたしも。恥ずかしい内容だけど、夢の中であたしのお願いを聞いてくれたから」
「……じゃあ、食べさせてもらおうかな」

 そういった様子を伊集院さんと中野先輩に見られるのを含めて経験済みなので。
 それからすぐに、高嶺さんにプレーンカステラ、華頂さんに抹茶のカステラを食べさせてもらった。さっき、自分で食べたときよりも甘味が深まったように思える。カステラを食べさせてくれる高嶺さん達の優しさが詰まったからだと思っておこう。
しおりを挟む
感想 6

あなたにおすすめの小説

クラスメイトの王子様系女子をナンパから助けたら。

桜庭かなめ
恋愛
 高校2年生の白石洋平のクラスには、藤原千弦という女子生徒がいる。千弦は美人でスタイルが良く、凛々しく落ち着いた雰囲気もあるため「王子様」と言われて人気が高い。千弦とは教室で挨拶したり、バイト先で接客したりする程度の関わりだった。  とある日の放課後。バイトから帰る洋平は、駅前で男2人にナンパされている千弦を見つける。普段は落ち着いている千弦が脚を震わせていることに気付き、洋平は千弦をナンパから助けた。そのときに洋平に見せた笑顔は普段みんなに見せる美しいものではなく、とても可愛らしいものだった。  ナンパから助けたことをきっかけに、洋平は千弦との関わりが増えていく。  お礼にと放課後にアイスを食べたり、昼休みに一緒にお昼ご飯を食べたり、お互いの家に遊びに行ったり。クラスメイトの王子様系女子との温かくて甘い青春ラブコメディ!  ※特別編3が完結しました!(2025.12.18)  ※小説家になろうとカクヨムでも公開しています。  ※お気に入り登録、いいね、感想などお待ちしております。

俺を振ったはずの腐れ縁幼馴染が、俺に告白してきました。

true177
恋愛
一年前、伊藤 健介(いとう けんすけ)は幼馴染の多田 悠奈(ただ ゆうな)に振られた。それも、心無い手紙を下駄箱に入れられて。 それ以来悠奈を避けるようになっていた健介だが、二年生に進級した春になって悠奈がいきなり告白を仕掛けてきた。 これはハニートラップか、一年前の出来事を忘れてしまっているのか……。ともかく、健介は断った。 日常が一変したのは、それからである。やたらと悠奈が絡んでくるようになったのだ。 彼女の狙いは、いったい何なのだろうか……。 ※小説家になろう、ハーメルンにも同一作品を投稿しています。 ※内部進行完結済みです。毎日連載です。

天才天然天使様こと『三天美女』の汐崎真凜に勝手に婚姻届を出され、いつの間にか天使の旦那になったのだが...。【動画投稿】

田中又雄
恋愛
18の誕生日を迎えたその翌日のこと。 俺は分籍届を出すべく役所に来ていた...のだが。 「えっと...結論から申し上げますと...こちらの手続きは不要ですね」「...え?どういうことですか?」「昨日、婚姻届を出されているので親御様とは別の戸籍が作られていますので...」「...はい?」 そうやら俺は知らないうちに結婚していたようだった。 「あの...相手の人の名前は?」 「...汐崎真凛様...という方ですね」 その名前には心当たりがあった。 天才的な頭脳、マイペースで天然な性格、天使のような見た目から『三天美女』なんて呼ばれているうちの高校のアイドル的存在。 こうして俺は天使との-1日婚がスタートしたのだった。

友達の妹が、入浴してる。

つきのはい
恋愛
 「交換してみない?」  冴えない高校生の藤堂夏弥は、親友のオシャレでモテまくり同級生、鈴川洋平にバカげた話を持ちかけられる。  それは、お互い現在同居中の妹達、藤堂秋乃と鈴川美咲を交換して生活しようというものだった。  鈴川美咲は、美男子の洋平に勝るとも劣らない美少女なのだけれど、男子に嫌悪感を示し、夏弥とも形式的な会話しかしなかった。  冴えない男子と冷めがちな女子の距離感が、二人暮らしのなかで徐々に変わっていく。  そんなラブコメディです。

まずはお嫁さんからお願いします。

桜庭かなめ
恋愛
 高校3年生の長瀬和真のクラスには、有栖川優奈という女子生徒がいる。優奈は成績優秀で容姿端麗、温厚な性格と誰にでも敬語で話すことから、学年や性別を問わず人気を集めている。和真は優奈とはこの2年間で挨拶や、バイト先のドーナッツ屋で接客する程度の関わりだった。  4月の終わり頃。バイト中に店舗の入口前の掃除をしているとき、和真は老齢の男性のスマホを見つける。その男性は優奈の祖父であり、日本有数の企業グループである有栖川グループの会長・有栖川総一郎だった。  総一郎は自分のスマホを見つけてくれた和真をとても気に入り、孫娘の優奈とクラスメイトであること、優奈も和真も18歳であることから優奈との結婚を申し出る。  いきなりの結婚打診に和真は困惑する。ただ、有栖川家の説得や、優奈が和真の印象が良く「結婚していい」「いつかは両親や祖父母のような好き合える夫婦になりたい」と思っていることを知り、和真は結婚を受け入れる。  デート、学校生活、新居での2人での新婚生活などを経て、和真と優奈の距離が近づいていく。交際なしで結婚した高校生の男女が、好き合える夫婦になるまでの温かくて甘いラブコメディ!  ※特別編6が完結しました!(2025.11.25)  ※小説家になろうとカクヨムでも公開しています。  ※お気に入り登録、感想をお待ちしております。

【完結】育てた後輩を送り出したらハイスペになって戻ってきました

藤浪保
恋愛
大手IT会社に勤める早苗は会社の歓迎会でかつての後輩の桜木と再会した。酔っ払った桜木を家に送った早苗は押し倒され、キスに翻弄されてそのまま関係を持ってしまう。 次の朝目覚めた早苗は前夜の記憶をなくし、関係を持った事しか覚えていなかった。

ルピナス

桜庭かなめ
恋愛
 高校2年生の藍沢直人は後輩の宮原彩花と一緒に、学校の寮の2人部屋で暮らしている。彩花にとって直人は不良達から救ってくれた大好きな先輩。しかし、直人にとって彩花は不良達から救ったことを機に一緒に住んでいる後輩の女の子。直人が一定の距離を保とうとすることに耐えられなくなった彩花は、ある日の夜、手錠を使って直人を束縛しようとする。  そして、直人のクラスメイトである吉岡渚からの告白をきっかけに直人、彩花、渚の恋物語が激しく動き始める。  物語の鍵は、人の心とルピナスの花。たくさんの人達の気持ちが温かく、甘く、そして切なく交錯する青春ラブストーリーシリーズ。 ※特別編-入れ替わりの夏-は『ハナノカオリ』のキャラクターが登場しています。  ※1日3話ずつ更新する予定です。

恋人、はじめました。

桜庭かなめ
恋愛
 紙透明斗のクラスには、青山氷織という女子生徒がいる。才色兼備な氷織は男子中心にたくさん告白されているが、全て断っている。クールで笑顔を全然見せないことや銀髪であること。「氷織」という名前から『絶対零嬢』と呼ぶ人も。  明斗は半年ほど前に一目惚れしてから、氷織に恋心を抱き続けている。しかし、フラれるかもしれないと恐れ、告白できずにいた。  ある春の日の放課後。ゴミを散らしてしまう氷織を見つけ、明斗は彼女のことを助ける。その際、明斗は勇気を出して氷織に告白する。 「これまでの告白とは違い、胸がほんのり温かくなりました。好意からかは分かりませんが。断る気にはなれません」 「……それなら、俺とお試しで付き合ってみるのはどうだろう?」  明斗からのそんな提案を氷織が受け入れ、2人のお試しの恋人関係が始まった。  一緒にお昼ご飯を食べたり、放課後デートしたり、氷織が明斗のバイト先に来たり、お互いの家に行ったり。そんな日々を重ねるうちに、距離が縮み、氷織の表情も少しずつ豊かになっていく。告白、そして、お試しの恋人関係から始まる甘くて爽やかな学園青春ラブコメディ!  ※夏休み小話編2が完結しました!(2025.10.16)  ※小説家になろう(N6867GW)、カクヨムでも公開しています。  ※お気に入り登録、感想などお待ちしています。

処理中です...