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2学期編2
第2話『ジェットコースター』
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『水車橋。水車橋です。ご乗車ありがとうございます』
午前10時10分。
五ツ谷駅で電車を乗り換え、俺達は東都ドームタウンの最寄り駅である水車橋駅に到着した。遅延や運転見合わせがなく到着して何よりだ。
「水車橋駅に着いたね!」
「着いたな。結衣と話していたからあっという間だった」
「そうだね! 悠真君と話すの楽しかったし」
「俺もだ」
結衣も電車の中での時間を楽しんでいてくれて嬉しいな。
「ねえ、悠真君。最寄り駅に着くとワクワクした気持ちになってこない?」
「分かる。もうすぐ目的地なんだって思えるし」
「だよねっ。じゃあ、行こっか!」
「ああ、行こう!」
俺達は水車橋駅の出口に向かって歩き始める。
日曜日だし、俺達のように東都ドームタウンへ遊びに行く人が多いのか。それとも、ドームタウンの近くにある東都ドームという野球場でコンサートやイベントでもあるのか。水車橋駅で降りた人は結構いる。女性の割合が高いな。
「いっぱい人がいるな。はぐれないように、いつも以上にしっかり手を握ろう」
そう言い、結衣の左手を今一度しっかりと握る。だからか、結衣は俺に向かってニコッと笑いかける。
「ありがとう、悠真君。これだけしっかりと握ってくれれば大丈夫そう」
「そうか」
「悠真君の言う通り、人多いよね。ドームタウンに行く人もいるだろうけど、夕方から東都ドームで男性のK-POPグループのコンサートがあるんだって」
「そうなんだ」
だから、ホームに人がいっぱいいるんだ。女性が多めなのにも納得がいく。
「きっと、物販でグッズを購入するために午前中から来ているんじゃないかな」
「なるほどな。さすがは物販バイト経験者」
「えへへっ」
と可愛い声で笑うと、俺にドヤ顔を見せてくる結衣。そんな姿も可愛くて。
結衣は夏休み中に、伊集院さんと一緒に女性アイドルグループのコンサートの物販バイトをしたことがある。2日間、朝から晩まで物販のテントで接客していたから、今の状況についても推理できたのだろう。
改札を通り、東都ドームタウンに一番近い西口から水車橋駅を出た。
駅を出ると、ジェットコースターのコースや観覧車、東都ドームなどがはっきりと見える。それらを頼りにして、俺達はドームタウンに向かって歩いていく。
「駅を出てすぐに目的地が見えるのっていいよね。迷わないし。ワクワクもするし。コアマに行ったときもそうだったな」
「コアマの会場も駅を出たらすぐに見えたもんな。あのときの結衣、凄くワクワクしていたよな」
「うんっ。今もワクワクしてるよ! ドームタウンは何度も来たことがあるけど、悠真君と来るのは初めてだから新鮮さもあって。悠真君はどう?」
「俺も新鮮さはあるけど……一番は懐かしさだな」
「小学生以来って言っていたもんね」
「ああ。あの後、最後は4年生の頃だって思い出した」
「そうなんだ。4年生ってことは……6年ぶりか。それじゃ、懐かしい気持ちになるのも納得だね」
「ああ。久しぶりのドームタウンで、家族以外の人と初めて行くドームタウンが結衣で嬉しいよ」
「……それを聞いて私も嬉しいです」
ニッコリと笑うと、結衣は俺の右手を握る力を強くした。今日は結衣との初めての遊園地デートを思いっきり楽しむぞ!
それから程なくして、東都ドームタウンの入口に到着する。
日曜日なのもあり、券売機には長い列ができているな。
結衣のお願いで、入口前で結衣のスマホでツーショット写真を自撮りした。その写真を結衣はLIMEで送ってくれた。
結衣が持ってきた1日フリーパス券があるため、券売機の列には並ばずに直接ゲートに向かう。使用期限前なので、ゲートにいる男性スタッフに見せたら、問題なくゲートを通ることができた。
「ドームタウンきたー!」
ゲートを通った直後、結衣はとても嬉しそうな笑顔でバンザイをしながらそう言った。めちゃくちゃ可愛いな。
俺と同じように思っている人がいるようで、男性中心に何人もの人が結衣のことを見ている。プールデートのときはナンパされていたし、彼氏として結衣のことを守っていかないとな。
「ドームタウン来たな!」
「うんっ。悠真君と来られて嬉しいよ!」
「俺も嬉しいよ。6年経ったけど、ここから見える雰囲気はそこまで変わりないな」
「その間に、いくつかのアトラクションはリニューアルしたけど、基本的な雰囲気は昔から変わらないね」
「そうなんだな。それもあって、より懐かしい気分になるよ」
「そっか」
「……結衣。まずはどこのアトラクションから行こうか?」
「そうだね……ジェットコースターがいいな」
「おぉ、ジェットコースターか」
遊園地の王道アトラクションだな。
「絶叫系アトラクションは好きだし、家族とでも友達とでも、最初はジェットコースターに乗ることが多くて」
「そうなんだ。そういえば、俺もこれまで遊園地に行ったときは序盤にジェットコースターに乗ることが多かったな」
「そうなんだ! じゃあ、まずはジェットコースターにしようか!」
「ああ、そうしよう」
俺達は手を繋いで、ジェットコースター乗り場に向かって歩き出す。ドームタウンに何度も来たことのある結衣が俺の手を引く形で。
開園して20分ちょっとだけど、日曜日だからか園内はなかなかの賑わいを見せている。ドームタウンは6年ぶりで、遊園地自体も3年ぶりだからこういう雰囲気も懐かしいなって思う。
ジェットコースターのコースがかなりの存在感を示しているのもあり、乗り場の入口に迷いなく到着することができた。
ただ、乗り場に向かって長い待機列ができている。俺達は待機列の最後尾に並ぶ。2列で並べるので、結衣と隣同士に立って。
「10時開園だけど、結構な列ができてるな」
「そうだね。さすがは人気アトラクション」
「ああ。ただ、夏休みに行ったコアマのときに比べれば、早い時間に俺達の番になりそうだ」
「ふふっ、そうだね。あの列に並んだときは、最初はサークルのスペースなんて見えなかったし。それに、コアマが始まるまで、会場の前で2時間くらい待ったもんね」
「そうだったな」
あのときは早めに出発したので、会場の前で2時間近く待ったな。コアマが開会して、大手サークルに行ったときは1時間以上列に並んだっけ。
今、俺達が並んでいるところから、ジェットコースター乗り場の入口が見える。だから、コアマのときほどは並ばずに済むんじゃないだろうか。
「ジェットコースター楽しみだなぁ」
「結衣がそう言うの納得だな。夏休み中に行ったプールデートでは、ウォータースライダーを5回連続で滑っても楽しそうだったし。あのときも、絶叫系アトラクションが好きだって言っていたけど」
「速さとかスリルを感じられるアトラクションが好きだからね。遊園地に行くと、絶叫系アトラクションをいくつも行ったり、良かったら同じアトラクションを何度も楽しんだりすることもあったよ。プールデートでのウォータースライダーみたいに」
「そうなんだ」
今日の遊園地デートでも、色々な絶叫アトラクションを廻ったり、特に気に入ったアトラクションを何度も乗ったりするかもしれないな。
「悠真君ってジェットコースターはどう? ウォータースライダーを楽しんでいたし、あのときに絶叫系は怖さもあるけど楽しめるって話してはいたけど。遊園地は3年ぶりだし」
「たぶん大丈夫じゃないかなぁ。小さい頃はあんなに立派なジェットコースターは怖くて乗れなかったけど、小学校の3、4年くらいからは乗ってたし。芹花姉さんも絶叫系好きで、そのあたりの年齢くらいからは姉さんに連れて行かされて数はこなしてきたから」
「ふふっ、お姉様らしい。久しぶりのジェットコースターだけど……私が隣にいるから安心してね」
結衣はキメ顔になり、普段よりも落ち着いた低音ボイスで俺にそう言ってきた。そんな結衣の笑顔は凜々しくて、イケメンで。頼りがいも感じられるから、ちょっとときめいてしまったよ。あと、福王寺先生が今の結衣を見たら興奮していたんじゃないだろうか。
「ありがとう、結衣。安心してきたよ」
「良かった」
「あと、今の結衣がかっこよくて、ちょっとキュンとなった」
「ふふっ。キュンとさせられて良かったよ。実はそれを狙って低音ボイスで言ったし」
「まじか。見事に的中したよ。さすがは結衣」
俺がそう言うと、結衣は「あははっ」と楽しそうに笑った。その笑顔が可愛くてまたキュンとなった。付き合い始めて3ヶ月ちょっとだけど、結衣は魅力いっぱいの女性だと改めて思う。
それからも絶叫系アトラクションの話で盛り上がった。それもあって、あっという間に俺達の順番に。並んだのはだいたい30分くらいだった。
女性のスタッフさんの指示で、俺達はマシン後方の座席に隣同士に座る。座った直後に、スタッフさんによって安全バーが下ろされた。
「安全バーが下ろされると、いよいよ始まる感じがするよね」
「分かる。あと、もうすぐ始まるからドキドキしてくる」
「そうだね。私もドキドキするな。ワクワクもする」
「そっか。楽しみにしている結衣が隣にいると心強いよ」
「そう言ってくれて嬉しいな。手、握っているからね」
そう言うと、結衣は俺の右手をぎゅっと握ってきた。右手から伝わる結衣の手の温もりや柔らかさのおかげで、ドキドキが少し収まってきた。
マシンの全席にお客さんが座ったのだろうか。スピーカーから『プー』とチャイムが鳴り、
「それでは、スタートです! いってらっしゃい!」
女性のスタッフさんがそう言い、俺達の乗るマシンはゆっくりと前進し始めた。
ついにジェットコースターがスタートした。
これまでにジェットコースターは何度も乗ったことがあるし、結衣と手を繋いでいるけど……3年ぶりなので緊張する。
結衣の方を見ると……スタートしたからか、さっきよりもワクワクとした様子に。ジェットコースターが本当に好きなんだって伝わってくる。
マシンは登り坂のコースをゆっくりと上がっていく。頂点に着いたら、きっと物凄い勢いで下るだろうから、緊張度合いも高まっていくな。こういう感覚も懐かしい。
そして、頂点近くまで上がったとき、マシンは停止した。
「おぉ、止まった……」
「止まったね」
「こういうところで止まると、本当に緊張するよな」
「そうだね。これから絶叫させるためなんだろうね」
「きっとそうなんだろう――なああっ!」
突然、マシンは高速で動き始めた! そのことにビックリして、動き始めた瞬間から絶叫してしまう!
このジェットコースター、めちゃくちゃ速いぞ! 6年前にもこのジェットコースターに乗ったけど、あのときよりも速くなってないか? だから、
「うわあああっ!」
最初から絶叫しまくりだ!
隣からは、
「きゃあああっ!」
という結衣の黄色い絶叫が聞こえてきて。何とかして結衣のことを見てみると、
「きゃあああっ! はやーい! しゅごおおい!」
と、満面の笑顔で叫んでいた。まったく、俺の恋人はこういうときでも可愛くて最高だぜ! 本当に結衣は絶叫系が好きなんだな。
「悠真くーん! だいじょうぶー?」
結衣は笑顔で俺にそんなことを問いかけてきて。大好きが故の余裕さが感じられる。
「怖いけど! 大丈夫だ! 叫んでるし!」
「それなら良かったー!」
結衣は笑顔でそう言ってくれた。怖さもあるけど、結衣のおかげで楽しい気持ちになってきたぞ!
「うわあああっ!」
「きゃあああっ!」
それからも俺は結衣と一緒に絶叫しまくった。ほぼ垂直で下ったり、一回転したりする場所を通るときは特に大きな声で。
マシンが高速で走り続けて物凄い勢いだけど、俺と結衣は手を離すことはなかった。
午前10時10分。
五ツ谷駅で電車を乗り換え、俺達は東都ドームタウンの最寄り駅である水車橋駅に到着した。遅延や運転見合わせがなく到着して何よりだ。
「水車橋駅に着いたね!」
「着いたな。結衣と話していたからあっという間だった」
「そうだね! 悠真君と話すの楽しかったし」
「俺もだ」
結衣も電車の中での時間を楽しんでいてくれて嬉しいな。
「ねえ、悠真君。最寄り駅に着くとワクワクした気持ちになってこない?」
「分かる。もうすぐ目的地なんだって思えるし」
「だよねっ。じゃあ、行こっか!」
「ああ、行こう!」
俺達は水車橋駅の出口に向かって歩き始める。
日曜日だし、俺達のように東都ドームタウンへ遊びに行く人が多いのか。それとも、ドームタウンの近くにある東都ドームという野球場でコンサートやイベントでもあるのか。水車橋駅で降りた人は結構いる。女性の割合が高いな。
「いっぱい人がいるな。はぐれないように、いつも以上にしっかり手を握ろう」
そう言い、結衣の左手を今一度しっかりと握る。だからか、結衣は俺に向かってニコッと笑いかける。
「ありがとう、悠真君。これだけしっかりと握ってくれれば大丈夫そう」
「そうか」
「悠真君の言う通り、人多いよね。ドームタウンに行く人もいるだろうけど、夕方から東都ドームで男性のK-POPグループのコンサートがあるんだって」
「そうなんだ」
だから、ホームに人がいっぱいいるんだ。女性が多めなのにも納得がいく。
「きっと、物販でグッズを購入するために午前中から来ているんじゃないかな」
「なるほどな。さすがは物販バイト経験者」
「えへへっ」
と可愛い声で笑うと、俺にドヤ顔を見せてくる結衣。そんな姿も可愛くて。
結衣は夏休み中に、伊集院さんと一緒に女性アイドルグループのコンサートの物販バイトをしたことがある。2日間、朝から晩まで物販のテントで接客していたから、今の状況についても推理できたのだろう。
改札を通り、東都ドームタウンに一番近い西口から水車橋駅を出た。
駅を出ると、ジェットコースターのコースや観覧車、東都ドームなどがはっきりと見える。それらを頼りにして、俺達はドームタウンに向かって歩いていく。
「駅を出てすぐに目的地が見えるのっていいよね。迷わないし。ワクワクもするし。コアマに行ったときもそうだったな」
「コアマの会場も駅を出たらすぐに見えたもんな。あのときの結衣、凄くワクワクしていたよな」
「うんっ。今もワクワクしてるよ! ドームタウンは何度も来たことがあるけど、悠真君と来るのは初めてだから新鮮さもあって。悠真君はどう?」
「俺も新鮮さはあるけど……一番は懐かしさだな」
「小学生以来って言っていたもんね」
「ああ。あの後、最後は4年生の頃だって思い出した」
「そうなんだ。4年生ってことは……6年ぶりか。それじゃ、懐かしい気持ちになるのも納得だね」
「ああ。久しぶりのドームタウンで、家族以外の人と初めて行くドームタウンが結衣で嬉しいよ」
「……それを聞いて私も嬉しいです」
ニッコリと笑うと、結衣は俺の右手を握る力を強くした。今日は結衣との初めての遊園地デートを思いっきり楽しむぞ!
それから程なくして、東都ドームタウンの入口に到着する。
日曜日なのもあり、券売機には長い列ができているな。
結衣のお願いで、入口前で結衣のスマホでツーショット写真を自撮りした。その写真を結衣はLIMEで送ってくれた。
結衣が持ってきた1日フリーパス券があるため、券売機の列には並ばずに直接ゲートに向かう。使用期限前なので、ゲートにいる男性スタッフに見せたら、問題なくゲートを通ることができた。
「ドームタウンきたー!」
ゲートを通った直後、結衣はとても嬉しそうな笑顔でバンザイをしながらそう言った。めちゃくちゃ可愛いな。
俺と同じように思っている人がいるようで、男性中心に何人もの人が結衣のことを見ている。プールデートのときはナンパされていたし、彼氏として結衣のことを守っていかないとな。
「ドームタウン来たな!」
「うんっ。悠真君と来られて嬉しいよ!」
「俺も嬉しいよ。6年経ったけど、ここから見える雰囲気はそこまで変わりないな」
「その間に、いくつかのアトラクションはリニューアルしたけど、基本的な雰囲気は昔から変わらないね」
「そうなんだな。それもあって、より懐かしい気分になるよ」
「そっか」
「……結衣。まずはどこのアトラクションから行こうか?」
「そうだね……ジェットコースターがいいな」
「おぉ、ジェットコースターか」
遊園地の王道アトラクションだな。
「絶叫系アトラクションは好きだし、家族とでも友達とでも、最初はジェットコースターに乗ることが多くて」
「そうなんだ。そういえば、俺もこれまで遊園地に行ったときは序盤にジェットコースターに乗ることが多かったな」
「そうなんだ! じゃあ、まずはジェットコースターにしようか!」
「ああ、そうしよう」
俺達は手を繋いで、ジェットコースター乗り場に向かって歩き出す。ドームタウンに何度も来たことのある結衣が俺の手を引く形で。
開園して20分ちょっとだけど、日曜日だからか園内はなかなかの賑わいを見せている。ドームタウンは6年ぶりで、遊園地自体も3年ぶりだからこういう雰囲気も懐かしいなって思う。
ジェットコースターのコースがかなりの存在感を示しているのもあり、乗り場の入口に迷いなく到着することができた。
ただ、乗り場に向かって長い待機列ができている。俺達は待機列の最後尾に並ぶ。2列で並べるので、結衣と隣同士に立って。
「10時開園だけど、結構な列ができてるな」
「そうだね。さすがは人気アトラクション」
「ああ。ただ、夏休みに行ったコアマのときに比べれば、早い時間に俺達の番になりそうだ」
「ふふっ、そうだね。あの列に並んだときは、最初はサークルのスペースなんて見えなかったし。それに、コアマが始まるまで、会場の前で2時間くらい待ったもんね」
「そうだったな」
あのときは早めに出発したので、会場の前で2時間近く待ったな。コアマが開会して、大手サークルに行ったときは1時間以上列に並んだっけ。
今、俺達が並んでいるところから、ジェットコースター乗り場の入口が見える。だから、コアマのときほどは並ばずに済むんじゃないだろうか。
「ジェットコースター楽しみだなぁ」
「結衣がそう言うの納得だな。夏休み中に行ったプールデートでは、ウォータースライダーを5回連続で滑っても楽しそうだったし。あのときも、絶叫系アトラクションが好きだって言っていたけど」
「速さとかスリルを感じられるアトラクションが好きだからね。遊園地に行くと、絶叫系アトラクションをいくつも行ったり、良かったら同じアトラクションを何度も楽しんだりすることもあったよ。プールデートでのウォータースライダーみたいに」
「そうなんだ」
今日の遊園地デートでも、色々な絶叫アトラクションを廻ったり、特に気に入ったアトラクションを何度も乗ったりするかもしれないな。
「悠真君ってジェットコースターはどう? ウォータースライダーを楽しんでいたし、あのときに絶叫系は怖さもあるけど楽しめるって話してはいたけど。遊園地は3年ぶりだし」
「たぶん大丈夫じゃないかなぁ。小さい頃はあんなに立派なジェットコースターは怖くて乗れなかったけど、小学校の3、4年くらいからは乗ってたし。芹花姉さんも絶叫系好きで、そのあたりの年齢くらいからは姉さんに連れて行かされて数はこなしてきたから」
「ふふっ、お姉様らしい。久しぶりのジェットコースターだけど……私が隣にいるから安心してね」
結衣はキメ顔になり、普段よりも落ち着いた低音ボイスで俺にそう言ってきた。そんな結衣の笑顔は凜々しくて、イケメンで。頼りがいも感じられるから、ちょっとときめいてしまったよ。あと、福王寺先生が今の結衣を見たら興奮していたんじゃないだろうか。
「ありがとう、結衣。安心してきたよ」
「良かった」
「あと、今の結衣がかっこよくて、ちょっとキュンとなった」
「ふふっ。キュンとさせられて良かったよ。実はそれを狙って低音ボイスで言ったし」
「まじか。見事に的中したよ。さすがは結衣」
俺がそう言うと、結衣は「あははっ」と楽しそうに笑った。その笑顔が可愛くてまたキュンとなった。付き合い始めて3ヶ月ちょっとだけど、結衣は魅力いっぱいの女性だと改めて思う。
それからも絶叫系アトラクションの話で盛り上がった。それもあって、あっという間に俺達の順番に。並んだのはだいたい30分くらいだった。
女性のスタッフさんの指示で、俺達はマシン後方の座席に隣同士に座る。座った直後に、スタッフさんによって安全バーが下ろされた。
「安全バーが下ろされると、いよいよ始まる感じがするよね」
「分かる。あと、もうすぐ始まるからドキドキしてくる」
「そうだね。私もドキドキするな。ワクワクもする」
「そっか。楽しみにしている結衣が隣にいると心強いよ」
「そう言ってくれて嬉しいな。手、握っているからね」
そう言うと、結衣は俺の右手をぎゅっと握ってきた。右手から伝わる結衣の手の温もりや柔らかさのおかげで、ドキドキが少し収まってきた。
マシンの全席にお客さんが座ったのだろうか。スピーカーから『プー』とチャイムが鳴り、
「それでは、スタートです! いってらっしゃい!」
女性のスタッフさんがそう言い、俺達の乗るマシンはゆっくりと前進し始めた。
ついにジェットコースターがスタートした。
これまでにジェットコースターは何度も乗ったことがあるし、結衣と手を繋いでいるけど……3年ぶりなので緊張する。
結衣の方を見ると……スタートしたからか、さっきよりもワクワクとした様子に。ジェットコースターが本当に好きなんだって伝わってくる。
マシンは登り坂のコースをゆっくりと上がっていく。頂点に着いたら、きっと物凄い勢いで下るだろうから、緊張度合いも高まっていくな。こういう感覚も懐かしい。
そして、頂点近くまで上がったとき、マシンは停止した。
「おぉ、止まった……」
「止まったね」
「こういうところで止まると、本当に緊張するよな」
「そうだね。これから絶叫させるためなんだろうね」
「きっとそうなんだろう――なああっ!」
突然、マシンは高速で動き始めた! そのことにビックリして、動き始めた瞬間から絶叫してしまう!
このジェットコースター、めちゃくちゃ速いぞ! 6年前にもこのジェットコースターに乗ったけど、あのときよりも速くなってないか? だから、
「うわあああっ!」
最初から絶叫しまくりだ!
隣からは、
「きゃあああっ!」
という結衣の黄色い絶叫が聞こえてきて。何とかして結衣のことを見てみると、
「きゃあああっ! はやーい! しゅごおおい!」
と、満面の笑顔で叫んでいた。まったく、俺の恋人はこういうときでも可愛くて最高だぜ! 本当に結衣は絶叫系が好きなんだな。
「悠真くーん! だいじょうぶー?」
結衣は笑顔で俺にそんなことを問いかけてきて。大好きが故の余裕さが感じられる。
「怖いけど! 大丈夫だ! 叫んでるし!」
「それなら良かったー!」
結衣は笑顔でそう言ってくれた。怖さもあるけど、結衣のおかげで楽しい気持ちになってきたぞ!
「うわあああっ!」
「きゃあああっ!」
それからも俺は結衣と一緒に絶叫しまくった。ほぼ垂直で下ったり、一回転したりする場所を通るときは特に大きな声で。
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