高嶺の花の高嶺さんに好かれまして。

桜庭かなめ

文字の大きさ
233 / 279
2学期編2

エピローグ『おかえり』

しおりを挟む
 9月12日、木曜日。
 今日も結衣達と一緒に学校生活を送っていく。授業の合間の10分休みや昼休みに、芹花姉さんから送られてきたメッセージや写真を見ながら。
 芹花姉さんは月読さん達と一緒にグルメを楽しんだり、最終日なのでお土産を買ったりしているという。
 芹花姉さんが送ってきてくれる写真は、楽しそうにしている姉さんや美味しそうな料理やスイーツが写っているから癒やされて。それは結衣達も同じようだった。



 午後8時頃。
 夕食を食べ終わった俺は、自分の部屋で読みかけのラノベを読んでいる。
 また、事前に芹花姉さんから、今くらいの時間に帰宅する予定だと聞いている。1時間半ほど前に姉さんから、

『東京に戻ってきたよ! 電車で家に帰るね!』

 というメッセージと、羽田空港での月読さんとの自撮り写真が送られてきたので、電車の遅れや運転見合わせがなければそろそろ帰ってくると思われる。
 アイスコーヒーをたまに口にしながら、ラノベを読んでいると、

「ただいまー!」

 と、部屋の外から芹花姉さんの声が聞こえてきた。姉さん……帰ってきたか。火曜日の朝以来に直接聞く姉さんの声はいいなって思う。
 読んでいるラノベをローテーブルに置き、俺は自分の部屋を出る。
 1階に降りてリビングに行くと、スラックスに長袖のブラウス姿の芹花姉さんの姿が。俺の足音に気付いたのか、俺が声を掛ける前に姉さんはこちらに振り向く。

「ユウちゃん、ただいま!」

 芹花姉さんは満面の笑顔でそう言ってくれる。そのことに心が温まり、頬が緩んでいくのが分かった。

「おかえり、芹花姉さん」
「うんっ! 火曜日以来のユウちゃんだー!」

 そう言うと、芹花姉さんは俺のことをぎゅっと抱きしめてくる。帰ってきて早々抱きしめるところが姉さんらしい。
 芹花姉さんに抱きしめられることで、姉さんの優しい温もりや甘い匂い、柔らかさが感じられて。それが心地いいなと思いながら、芹花姉さんの頭を優しく撫でた。

「北海道旅行は楽しかったか?」
「うんっ! サークルでの旅行は初めてだったけど、彩乃ちゃんとか友達が何人もいたから凄く楽しめたよ! それに、ユウちゃんにメッセージや写真を送って、夜には電話をしたからね」
「そうか。旅行を楽しめたみたいで良かったよ」

 メッセージや写真、夜の電話で旅行を楽しめていることは分かっていたけど、こうして実際に顔を合わせながら言われると嬉しい気持ちになる。旅行に行く前は寂しそうにしていたからかな。

「悠真の言う通りね。北海道旅行を楽しめたみたいで良かったわ」
「そうだな、母さん。あと、芹花が無事に帰ってきて良かった。おかえり、芹花」
「おかえりなさい」
「おかえり、姉さん」
「うんっ! みんなただいま!」

 と、芹花姉さんは可愛い笑顔で改めて「ただいま」と言った。姉さんの笑顔を見ると、無事に帰ってきて良かったと父さんが言ったのも納得だ。

「北海道のお土産、たくさん買ってきたよ!」
「そっか。どんなものか楽しみだな」

 リビングには芹花姉さんのスーツケースやバッグの他にも、紙の手提げが2つあって。たくさん買ってきたのは本当のようだ。
 芹花姉さんはスーツケースを開ける。ケースの中にはお店の袋と思われるものがいくつも入っていて。荷物になるから、スーツケースの中にも入れておいたのだろう。

「色々買ってきたんだな、姉さん」
「うんっ! これでも、自分や家族や明日バイト先に持って行くお土産だけを持って帰ってきたの。たくさん買ったからね。夏に一緒に旅行へ行った結衣ちゃん達や大学や高校時代の友達へのお土産は宅配便でうちに届けるように頼んだよ。土曜日のお昼過ぎに届く予定になってる」
「分かったわ。土曜日なら、ずっと誰かは家にいるから大丈夫よ」
「ありがとう」

 俺と芹花姉さん以外に夏の伊豆旅行に行ったメンバーは6人いるし、姉さんは友達が多い。だから、かなりの量のお土産を買ったと思われる。今日や明日渡したいわけじゃなければ、宅配便でうちに届けるのは賢明な判断だろう。

「ユウちゃんとお母さんとお父さんには、真っ白な恋人にキャラメルにバームクーヘンに……」

 と言いながら、芹花姉さんは俺達家族に買ってきてくれたお土産をローテーブルに出していく。
 真っ白な恋人にキャラメル、バームクーヘン、イカの塩辛、鮭フレーク。食べ物以外だとミルク石けん、俺に向けてシマエナガという白い鳥のストラップ、母さんにはハンドクリームとシマエナガのイラストが描かれたエコバッグ、父さんには北海道で有名なお店のおちょこを買ってきてくれた。
 ちなみに、真っ白な恋人というのは北海道のとても有名なお菓子で、チョコレートを挟んだクッキーだ。何年か前に、父さんが同僚の方からもらったものを食べて美味しかったことを覚えている。

「俺達家族にこんなに買ってきてくれたんだな。ありがとう、姉さん。シマエナガのストラップ、可愛いな。学校のバッグに付けるよ。お菓子や塩辛、鮭フレークも美味しそうだ」
「ありがとう、芹花。これからの季節はハンドクリームを特に使うし。お買い物ではエコバッグを使うから、これからはより買い物が楽しくなりそう」
「おちょこ嬉しいな。日本酒を呑むときに使わせてもらうよ。ありがとう、芹花」
「いえいえ! 喜んでくれて嬉しいよ!」

 そう言うと、芹花姉さんはニコッと笑った。
 芹花姉さんがたくさんお土産を買ってきてくれて嬉しいな。お菓子や魚介類系も好きだし、シマエナガのような可愛い雰囲気の鳥や動物も好きだから。母さんも父さんもお土産を嬉しそうに見ている。
 ――ぐうっ。
 近くから、誰かの腹の虫が鳴った。俺と母さんと父さんはさっき夕食を食べたので、この音の発生源は、

「お腹鳴っちゃった。お昼ご飯の後に口にしたのは、ペットボトルのお茶くらいだから」

 あははっ、と芹花姉さんは朗らかな笑顔で言った。移動もあったし、お昼以降に何も食べていなかったらお腹も空くか。

「新千歳空港でお弁当を買ってきたから、それを夕食で食べるよ」
「分かったわ、芹花」
「みんなもお土産をさっそく食べていいからね」
「じゃあ、夕食のデザートにさっそく何か食べるか。悠真、何がいい?」
「真っ白な恋人がいいな。北海道のお菓子といえばこれだから」
「分かった」

 その後、キッチンの食卓で芹花姉さんは夕食として新千歳空港で買った鮭&いくら弁当、俺と母さんと父さんは食後のデザートとして真っ白な恋人を食べる。俺達3人は母さんが淹れてくれたアイスティーと一緒に。
 真っ白な恋人を食べるのは久しぶりだけど、クッキーとチョコが合っていてとても美味しい。さすがは有名なだけある。姉さんがたくさん買ってきてくれたから、しばらくはこれを食べられると思うと嬉しいな。
 また、芹花姉さんは俺に鮭といくらが乗ったご飯を一口食べさせてくれた。それも凄く美味しくて。北海道で買ったものなのもあり、姉さんの旅行気分をお裾分けしてもらった感覚になった。

「ねえ、ユウちゃん。今夜も一緒にお風呂に入って、一緒に寝てもいい? 寝るまで一緒にいてもいい? 2日以上会えなかったから……」

 芹花姉さんは夕食を食べ終わったとき、俺にそんなお願いをしてくる。姉さんならお願いすると思っていたよ。離れていた分、今夜はずっと俺と一緒にいたいのだろう。

「いいよ、姉さん」
「ありがとうっ!」

 とても嬉しそうにお礼を言って、芹花姉さんは俺のことを抱きしめてきた。
 芹花姉さんの旅行の荷物を少し整理した後、俺達は一緒にお風呂に入ることに。
 月曜日と同じく、髪と背中は芹花姉さんと洗いっこした。
 芹花姉さん曰く、宿泊したホテルの大浴場で月読さん達と一緒に初めて入浴したので、月読さんと髪と背中を洗いっこしたのだという。月読さんがとても優しく洗ってくれたので気持ち良かったそうだ。月読さんも姉さんに洗ってもらうときは気持ち良さそうにしていたとのこと。
 芹花姉さん、俺の順番で髪と体と顔を洗った。

「芹花姉さん、入るよ」
「どうぞ~」

 全て洗い終わった俺は、芹花姉さんが浸かっている湯船に入る。姉さんと向かい合う形で浸かった。

「あぁ、温かくて気持ちいいな」
「そうだね。こっちも夜になると涼しくなってきたから、温かいお風呂が気持ちいいよ」
「そうだな。電話でも言ってたけど、北海道は日が暮れると肌寒くなったんだよな」
「うん。だから、ホテルの大浴場はとても気持ち良かったよ。露天風呂は特に」
「そっか」
「でも、ユウちゃんと一緒に入るうちのお風呂が一番気持ちいいよ!」
「ははっ! 姉さんらしいな」

 旅行から帰ってきた直後なのにそう言えるとは。しかも満面の笑顔で。さすがは芹花姉さんだ。思わず大きめの声で笑ってしまった。
 一番気持ちいいお風呂に入っているからか、芹花姉さんの笑顔が幸せそうなものになっていって。火曜日の朝から会っていなかったから、姉さんの笑顔を見ると嬉しい気持ちになるよ。

「ユウちゃん、何だかずっといい笑顔をしてるね。お姉ちゃんが帰ってきたから?」
「……そうだな。一緒に住んでいる家族が無事に帰ってきて嬉しいんだ。正直……ちょっと寂しいときもあったし」
「ふふっ、そっか。ユウちゃんがそう思ってくれて嬉しいよ。お姉ちゃんも彩乃ちゃん達と一緒にいて楽しかったけど、ユウちゃんがいないのが寂しく思うこともあったから」

 芹花姉さんは落ち着いた優しい笑顔でそう言う。
 正直な気持ちを言ったけど、芹花姉さんが笑顔で受け止めてくれて、嬉しいと言ってくれたことが嬉しい。

「芹花姉さん。改めて……おかえり」
「……ただいま、ユウちゃん!」

 芹花姉さんは帰ってきてから一番の笑顔でそう言った。
 それからは芹花姉さんとの約束通り、寝るまでずっと姉さんと一緒にいた。その中で姉さんは北海道旅行でのことをいっぱい話してくれて。笑顔で話すから、今回の旅行がとても楽しかったことが分かって。行く前は寂しそうにしていたから、楽しい旅行になって本当に良かった。



2学期編2 おわり



次のエピソードから2学期編3になります。
しおりを挟む
感想 6

あなたにおすすめの小説

俺を振ったはずの腐れ縁幼馴染が、俺に告白してきました。

true177
恋愛
一年前、伊藤 健介(いとう けんすけ)は幼馴染の多田 悠奈(ただ ゆうな)に振られた。それも、心無い手紙を下駄箱に入れられて。 それ以来悠奈を避けるようになっていた健介だが、二年生に進級した春になって悠奈がいきなり告白を仕掛けてきた。 これはハニートラップか、一年前の出来事を忘れてしまっているのか……。ともかく、健介は断った。 日常が一変したのは、それからである。やたらと悠奈が絡んでくるようになったのだ。 彼女の狙いは、いったい何なのだろうか……。 ※小説家になろう、ハーメルンにも同一作品を投稿しています。 ※内部進行完結済みです。毎日連載です。

敵に貞操を奪われて癒しの力を失うはずだった聖女ですが、なぜか前より漲っています

藤谷 要
恋愛
サルサン国の聖女たちは、隣国に征服される際に自国の王の命で殺されそうになった。ところが、侵略軍将帥のマトルヘル侯爵に助けられた。それから聖女たちは侵略国に仕えるようになったが、一か月後に筆頭聖女だったルミネラは命の恩人の侯爵へ嫁ぐように国王から命じられる。 結婚披露宴では、陛下に側妃として嫁いだ旧サルサン国王女が出席していたが、彼女は侯爵に腕を絡めて「陛下の手がつかなかったら一年後に妻にしてほしい」と頼んでいた。しかも、侯爵はその手を振り払いもしない。 聖女は愛のない交わりで神の加護を失うとされているので、当然白い結婚だと思っていたが、初夜に侯爵のメイアスから体の関係を迫られる。彼は命の恩人だったので、ルミネラはそのまま彼を受け入れた。 侯爵がかつての恋人に似ていたとはいえ、侯爵と孤児だった彼は全く別人。愛のない交わりだったので、当然力を失うと思っていたが、なぜか以前よりも力が漲っていた。 ※全11話 2万字程度の話です。

10年ぶりに再会した幼馴染と、10年間一緒にいる幼馴染との青春ラブコメ

桜庭かなめ
恋愛
 高校生の麻丘涼我には同い年の幼馴染の女の子が2人いる。1人は小学1年の5月末から涼我の隣の家に住み始め、約10年間ずっと一緒にいる穏やかで可愛らしい香川愛実。もう1人は幼稚園の年長組の1年間一緒にいて、卒園直後に引っ越してしまった明るく活発な桐山あおい。涼我は愛実ともあおいとも楽しい思い出をたくさん作ってきた。  あおいとの別れから10年。高校1年の春休みに、あおいが涼我の家の隣に引っ越してくる。涼我はあおいと10年ぶりの再会を果たす。あおいは昔の中性的な雰囲気から、清楚な美少女へと変わっていた。  3人で一緒に遊んだり、学校生活を送ったり、愛実とあおいが涼我のバイト先に来たり。春休みや新年度の日々を通じて、一度離れてしまったあおいとはもちろんのこと、ずっと一緒にいる愛実との距離も縮まっていく。  出会った早さか。それとも、一緒にいる長さか。両隣の家に住む幼馴染2人との温かくて甘いダブルヒロイン学園青春ラブコメディ!  ※特別編6が完結しました!(2026.1.21)  ※小説家になろう(N9714HQ)とカクヨムでも公開しています。  ※お気に入り登録や感想をお待ちしております。

疎遠だった叔父の遺産が500億円分のビットコインだった件。使い道がないので、隣の部屋の塩対応な美少女に赤スパ投げまくってる件

月下花音
恋愛
貧乏大学生の成瀬翔は、疎遠だった叔父から500億円相当のビットコインが入ったUSBメモリを相続する。使い道に困った彼が目をつけたのは、ボロアパートの薄い壁の向こうから聞こえる「声」だった。隣人は、大学で「氷の令嬢」と呼ばれる塩対応な美少女・如月玲奈。しかしその正体は、同接15人の極貧底辺VTuber「ルナ・ナイトメア」だったのだ! 『今月ももやし生活だよぉ……ひもじい……』 壁越しに聞こえる悲痛な叫び。翔は決意する。この500億で、彼女を最強の配信者に育て上げようと。謎の大富豪アカウント『Apollo(アポロ)』として、5万円の赤スパを投げ、高級機材を即配し、彼女の生活を神の視点で「最適化」していく。しかし彼はまだ知らなかった。「金で買えるのは生活水準だけで、孤独は埋められない」ということに。500億を持った「見えない神様」が、神の座を捨てて、地上の女の子の手を握るまでの救済ラブコメディ。

陰キャ幼馴染に振られた負けヒロインは俺がいる限り絶対に勝つ!

みずがめ
恋愛
★講談社ラノベ文庫新人賞佳作を受賞しました!  杉藤千夏はツンデレ少女である。  そんな彼女は誤解から好意を抱いていた幼馴染に軽蔑されてしまう。その場面を偶然目撃した佐野将隆は絶好のチャンスだと立ち上がった。  千夏に好意を寄せていた将隆だったが、彼女には生まれた頃から幼馴染の男子がいた。半ば諦めていたのに突然転がり込んできた好機。それを逃すことなく、将隆は千夏の弱った心に容赦なくつけ込んでいくのであった。  徐々に解されていく千夏の心。いつしか彼女は将隆なしではいられなくなっていく…。口うるさいツンデレ女子が優しい美少女幼馴染だと気づいても、今さらもう遅い! ※他サイトにも投稿しています。 ※表紙絵イラストはおしつじさん、ロゴはあっきコタロウさんに作っていただきました。

天才天然天使様こと『三天美女』の汐崎真凜に勝手に婚姻届を出され、いつの間にか天使の旦那になったのだが...。【動画投稿】

田中又雄
恋愛
18の誕生日を迎えたその翌日のこと。 俺は分籍届を出すべく役所に来ていた...のだが。 「えっと...結論から申し上げますと...こちらの手続きは不要ですね」「...え?どういうことですか?」「昨日、婚姻届を出されているので親御様とは別の戸籍が作られていますので...」「...はい?」 そうやら俺は知らないうちに結婚していたようだった。 「あの...相手の人の名前は?」 「...汐崎真凛様...という方ですね」 その名前には心当たりがあった。 天才的な頭脳、マイペースで天然な性格、天使のような見た目から『三天美女』なんて呼ばれているうちの高校のアイドル的存在。 こうして俺は天使との-1日婚がスタートしたのだった。

イケボすぎる兄が、『義妹の中の人』をやったらバズった件について

のびすけ。
恋愛
春から一人暮らしを始めた大学一年生、天城コウは――ただの一般人だった。 だが、再会した義妹・ひよりのひと言で、そんな日常は吹き飛ぶ。 「お兄ちゃんにしか頼めないの、私の“中の人”になって!」 ひよりはフォロワー20万人超えの人気Vtuber《ひよこまる♪》。 だが突然の喉の不調で、配信ができなくなったらしい。 その代役に選ばれたのが、イケボだけが取り柄のコウ――つまり俺!? 仕方なく始めた“妹の中の人”としての活動だったが、 「え、ひよこまるの声、なんか色っぽくない!?」 「中の人、彼氏か?」 視聴者の反応は想定外。まさかのバズり現象が発生!? しかも、ひよりはそのまま「兄妹ユニット結成♡」を言い出して―― 同居、配信、秘密の関係……って、これほぼ恋人同棲じゃん!? 「お兄ちゃんの声、独り占めしたいのに……他の女と絡まないでよっ!」 代役から始まる、妹と秘密の“中の人”Vライフ×甘々ハーレムラブコメ、ここに開幕!

恋人、はじめました。

桜庭かなめ
恋愛
 紙透明斗のクラスには、青山氷織という女子生徒がいる。才色兼備な氷織は男子中心にたくさん告白されているが、全て断っている。クールで笑顔を全然見せないことや銀髪であること。「氷織」という名前から『絶対零嬢』と呼ぶ人も。  明斗は半年ほど前に一目惚れしてから、氷織に恋心を抱き続けている。しかし、フラれるかもしれないと恐れ、告白できずにいた。  ある春の日の放課後。ゴミを散らしてしまう氷織を見つけ、明斗は彼女のことを助ける。その際、明斗は勇気を出して氷織に告白する。 「これまでの告白とは違い、胸がほんのり温かくなりました。好意からかは分かりませんが。断る気にはなれません」 「……それなら、俺とお試しで付き合ってみるのはどうだろう?」  明斗からのそんな提案を氷織が受け入れ、2人のお試しの恋人関係が始まった。  一緒にお昼ご飯を食べたり、放課後デートしたり、氷織が明斗のバイト先に来たり、お互いの家に行ったり。そんな日々を重ねるうちに、距離が縮み、氷織の表情も少しずつ豊かになっていく。告白、そして、お試しの恋人関係から始まる甘くて爽やかな学園青春ラブコメディ!  ※夏休み小話編2が完結しました!(2025.10.16)  ※小説家になろう(N6867GW)、カクヨムでも公開しています。  ※お気に入り登録、感想などお待ちしています。

処理中です...