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特別編-Re:Lovely Sick-
『初夏』
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特別編-Re:Lovely Sick-
6月1日、金曜日。
今日から6月が始まり、季節も春から夏に変わった。月野学園の制服も冬服から夏服へと衣替え。夏服は9月末まで続く。
今朝は取り締まりこそはしなかったけれど、登校してくる生徒達がちゃんと夏服を着ているかどうかチェックした。予想通り、大半の生徒はしっかりと夏服を衣替えしていたけれど、うっかりと冬服を着てきてしまった生徒もいた。
よって、月曜日も服装チェックを行なうことに決まった。月曜日から早く登校しなければいけないのは嫌だけれど、今回は特別とのことなので我慢しよう。
また、高校生活の定期試験は今日までに全教科が返却され、どの科目も90点以上の高得点を取ることができた。高校生活がスタートし、特に4月中は色々とあったけれど、勉強という意味でも好スタートを切ることができたかな。
ただ、定期試験後に体調を崩してしまったので、期末試験のときは体調のことも考えながら勉強しないと。
季節が夏になって最初の生徒会の仕事はそこまで多くなかった。沙奈会長と副会長さんの教えもあって、庶務係としての仕事も段々と慣れてきた。これで少しは2人の仕事が楽になっていたら嬉しいな。
「副会長さん。玲人君。今週もお疲れ様でした……けほっ、けほっ」
沙奈会長の顔色がいつもと違って青白くなっていた。今日はずっと元気そうだったのに。生徒会の仕事が終わってどっと疲れが襲ってきたのだろうか。
「沙奈ちゃん、大丈夫?」
「ちょっと寒気がしますね。夏服に衣替えしたからでしょうかね。いつもよりも冷房がよく効いているなって思います」
「確かに、昨日までよりも校内が涼しく感じるよね。ちょっとごめんね」
そう言って、副会長さんは沙奈会長と額を合わせる。
「結構熱いね。今日は衣替えによる服装チェックで朝早かったもんね。今週の疲れが溜まって、一気に体調が悪くなったのかも」
「僕もそんな感じがします。俺も先週体調を崩したときは定期試験があって、その疲れが溜まっていましたから。……もしかして、僕の風邪が移ってしまったとか? 会長、この前の土日はずっと俺の側にいてくれましたし」
「それはないと思うよ」
沙奈会長は苦笑いをしながらそう言う。
ただ、体調の悪い沙奈会長を見ると、どうしてもアリスさんのミッションに挑んでいたときのことを思い出してしまう。
僕は沙奈会長の側に近寄って、
「まさか、アリスさんに何かミッションを課せられたってことはありませんか?」
彼女の耳元でそう囁いた。
「ううん、それはないよ。あと、玲人君の吐息が耳にかかって気持ちいいな」
そう言うと、沙奈会長は頬を赤くして僕にニッコリとした笑みを浮かべる。この様子ならアリスさんのミッションが絡んでいることはなさそうだな。
「恥ずかしい話……最近は夜も暑くなってきたじゃない。それで、昨日の夜も暑かったから、冷房をしていて、タイマーをかけてから寝たんだ。ただ、寝ている間にまた暑くなったのかふとんを剥いじゃって、目が覚めたときはお腹を丸出しにしていたの。それに気付いた瞬間、寒気がして」
「あるある、そういうこと。今みたいに季節の変わり目や、気温の変化が大きい時期って風邪引きやすいよね。私もそうだった」
「ですよね。今朝はそんなに具合が悪くなかったんですけど、朝早くから服装チェックがあって、夏服になったから学校も涼しくて。金曜日ということもあって疲れも溜まっていたから、今になって体調が崩れちゃったのかもしれません」
「そういうことね。じゃあ、週末はゆっくり休んで。月曜日の朝の服装チェックも、私と逢坂君がいれば大丈夫だから、沙奈ちゃんは無理しないでね。できれば、日曜日の夜までに一言、私達に連絡してくれると嬉しい」
「ええ、分かりました。すみません、ご迷惑をお掛けします」
「気にしないで。最近は逢坂君も頼もしくなってきて、服装チェックならもう一人前にできくらいだし。ね、逢坂君」
「はい。服装チェック、副会長さんや風紀委員会の方達と一緒に頑張ります。なので、無理はせず、まずはゆっくりと休んでください」
「……うん」
沙奈会長さんは嬉しそうな笑みを浮かべて、俺に寄り掛かってきた。会長が少しでも安心できるように、月曜日の服装チェックを含めしっかりと生徒会の仕事をしないと。
「沙奈会長。今日は俺と一緒にお家に帰りましょう。それで、この週末は沙奈会長がいてほしいと思うときにはずっと側にいますから」
「で、でも……」
「……この前、俺が風邪を引いてくれたとき、沙奈会長はずっと俺の側にいてくれたじゃないですか。俺はそれが凄く嬉しかった。ですから、会長が俺にいてほしいときにはずっといます」
風邪を引いていると不安な気持ちを抱きやすくなる。会長がたまにお手洗いとかで部屋を出ていったときは凄く寂しかった。数分のことだったのに。
すると、沙奈会長は俺の着るワイシャツをそっと掴んで、
「じゃあ、玲人君の気持ちに甘え……ちゃおうかな。玲人君に風邪を移したくない気持ちもあるけれど、玲人君がそう言ってくれるなら、許される限り、この週末を玲人君と一緒に過ごしたいな」
上目遣いをしながらそう言う沙奈会長はとても可愛らしい。今すぐに口づけをして、会長を苦しめるものを吸ってしまいたいくらいだ。
「分かりました。では、会長の体調が悪化しないように心がけながら、できるだけ会長の側にいますね」
「うん、ありがとね」
「じゃあ、ひとまずは逢坂君に沙奈ちゃんのことを頼むね。ただ、逢坂君まで具合悪くなっちゃったってことにはならないよう気を付けて」
「分かりました」
先週は沙奈会長が僕の看病をしてくれた。その恩返しも込めて、沙奈会長の看病をしっかりしていこう。
僕は沙奈会長と一緒に下校し、彼女の自宅に向かってゆっくりと歩く。
「ごめんね、玲人君。私に肩を貸してくれた上にバッグまで持ってもらって」
「気にしないでください。生徒会の庶務係として会長を支える立場ですし、何よりも会長の恋人ですから。会長の役に立つことができて嬉しいです」
「……そう言ってくれると心が軽くなるな。玲人君が恋人で本当に良かった。一緒にいてほしいし、離れないためにもずっと玲人君と体を繋げていたいな。あっ、玲人君の血が入ったお粥を食べたら早く元気になれるかも……」
えへへっ、と沙奈会長はニヤニヤと笑っている。体調が悪くても、考えていることは普段と変わらないな。
「今の言葉を聞いて一安心しました。僕の血の入ったお粥はもちろん食べさせませんし、体云々については、沙奈会長が元気になったら思う存分にしましょう」
「……約束だよ」
「ええ」
これで、看病中に沙奈会長から変なことを要求されることはなくなるかな。
そんなことを考えていると、沙奈会長の家に到着した。
家まで歩いて疲れてしまってしまったのか、学校のときと比べて沙奈会長の体がとても熱くなっていた。寝間着に着替えるのを手伝い、ベッドに寝かせた。
智子さんに沙奈会長の体調について話すと、空腹での飲むことができる風邪薬と水、体温計をもらった。
沙奈会長の部屋に戻り、体温計で彼女の体温を測る。
「38.2℃ですか。立派な風邪ですね。寒気がすると言っていましたけど、他に体調が悪いところはありますか?」
「少し頭が痛いかな。喉も痛い。お腹の調子はいつもと変わらないかな」
「分かりました。智子さんから空腹でも飲める市販の風邪薬をもらったので、まずはそれを飲んで寝ましょうか」
「……うん。でも、もう横になっているから、玲人君に口移しして飲ませてほしい」
「分かりました。じゃあ、まずは薬を口の中に入れますね。はい、あ~ん」
「あ~ん」
錠剤の風邪薬を沙奈会長の口の中に入れる。
その後、水を俺の口から少しずつ彼女の口の中に移していく。ゴクゴクという音が厭らしく響くのは気のせいだろうか。
沙奈会長の口に水をしっかりと移し終えて、ハンカチで口元を拭くと会長は嬉しそうな笑みを浮かべていた。
「こんなにも薬が美味しいって思えたのは初めてかも。飲みやすかったよ」
「……そうですか」
これはあまり効き目がないかもしれないな。良薬口に苦しって言うくらいだから。ただ、なかなか治らなくてもこの週末はずっと看病していくつもりだけれど。
「ねえ、玲人君。おやすみの口づけをしてほしいの。いいかな?」
「もちろんいいですよ」
「……ありがとう」
そう言うと、沙奈会長はゆっくりと目を瞑った。なので、俺から口づけをする。やはり、口づけは普通にするのが一番気持ちいいな。風邪を引いている沙奈会長から元気をもらってしまった。
ゆっくりと唇を離すと、沙奈会長は優しい笑みを浮かべる。
「ありがとう。何だか、こんな体調だけれどぐっすりと眠れそう」
「そうだといいですね。俺はなるべくここにいますので、いつでも俺に言ってください」
「うん。じゃあ、おやすみ」
「おやすみなさい」
沙奈会長はゆっくりと目を瞑ると、薬の効果なのか、疲れによる眠気が襲ってきたのか、程なくして寝息が聞こえてきた。まずはぐっすり眠って、体調がある程度戻ってくれるといいな。
先週とは逆で、俺は日曜日の夕方までほとんど沙奈会長の部屋で過ごした。
沙奈会長は順調に体調が良くなっていき、日曜日になると普段と変わらない笑みをたくさん見せてくれた。
俺はそのことに安心し、先週、俺のことを看病してくれたときの沙奈会長の気持ちが少しは分かったような気がしたのであった。
特別編-Re:Lovely Sick- おわり
6月1日、金曜日。
今日から6月が始まり、季節も春から夏に変わった。月野学園の制服も冬服から夏服へと衣替え。夏服は9月末まで続く。
今朝は取り締まりこそはしなかったけれど、登校してくる生徒達がちゃんと夏服を着ているかどうかチェックした。予想通り、大半の生徒はしっかりと夏服を衣替えしていたけれど、うっかりと冬服を着てきてしまった生徒もいた。
よって、月曜日も服装チェックを行なうことに決まった。月曜日から早く登校しなければいけないのは嫌だけれど、今回は特別とのことなので我慢しよう。
また、高校生活の定期試験は今日までに全教科が返却され、どの科目も90点以上の高得点を取ることができた。高校生活がスタートし、特に4月中は色々とあったけれど、勉強という意味でも好スタートを切ることができたかな。
ただ、定期試験後に体調を崩してしまったので、期末試験のときは体調のことも考えながら勉強しないと。
季節が夏になって最初の生徒会の仕事はそこまで多くなかった。沙奈会長と副会長さんの教えもあって、庶務係としての仕事も段々と慣れてきた。これで少しは2人の仕事が楽になっていたら嬉しいな。
「副会長さん。玲人君。今週もお疲れ様でした……けほっ、けほっ」
沙奈会長の顔色がいつもと違って青白くなっていた。今日はずっと元気そうだったのに。生徒会の仕事が終わってどっと疲れが襲ってきたのだろうか。
「沙奈ちゃん、大丈夫?」
「ちょっと寒気がしますね。夏服に衣替えしたからでしょうかね。いつもよりも冷房がよく効いているなって思います」
「確かに、昨日までよりも校内が涼しく感じるよね。ちょっとごめんね」
そう言って、副会長さんは沙奈会長と額を合わせる。
「結構熱いね。今日は衣替えによる服装チェックで朝早かったもんね。今週の疲れが溜まって、一気に体調が悪くなったのかも」
「僕もそんな感じがします。俺も先週体調を崩したときは定期試験があって、その疲れが溜まっていましたから。……もしかして、僕の風邪が移ってしまったとか? 会長、この前の土日はずっと俺の側にいてくれましたし」
「それはないと思うよ」
沙奈会長は苦笑いをしながらそう言う。
ただ、体調の悪い沙奈会長を見ると、どうしてもアリスさんのミッションに挑んでいたときのことを思い出してしまう。
僕は沙奈会長の側に近寄って、
「まさか、アリスさんに何かミッションを課せられたってことはありませんか?」
彼女の耳元でそう囁いた。
「ううん、それはないよ。あと、玲人君の吐息が耳にかかって気持ちいいな」
そう言うと、沙奈会長は頬を赤くして僕にニッコリとした笑みを浮かべる。この様子ならアリスさんのミッションが絡んでいることはなさそうだな。
「恥ずかしい話……最近は夜も暑くなってきたじゃない。それで、昨日の夜も暑かったから、冷房をしていて、タイマーをかけてから寝たんだ。ただ、寝ている間にまた暑くなったのかふとんを剥いじゃって、目が覚めたときはお腹を丸出しにしていたの。それに気付いた瞬間、寒気がして」
「あるある、そういうこと。今みたいに季節の変わり目や、気温の変化が大きい時期って風邪引きやすいよね。私もそうだった」
「ですよね。今朝はそんなに具合が悪くなかったんですけど、朝早くから服装チェックがあって、夏服になったから学校も涼しくて。金曜日ということもあって疲れも溜まっていたから、今になって体調が崩れちゃったのかもしれません」
「そういうことね。じゃあ、週末はゆっくり休んで。月曜日の朝の服装チェックも、私と逢坂君がいれば大丈夫だから、沙奈ちゃんは無理しないでね。できれば、日曜日の夜までに一言、私達に連絡してくれると嬉しい」
「ええ、分かりました。すみません、ご迷惑をお掛けします」
「気にしないで。最近は逢坂君も頼もしくなってきて、服装チェックならもう一人前にできくらいだし。ね、逢坂君」
「はい。服装チェック、副会長さんや風紀委員会の方達と一緒に頑張ります。なので、無理はせず、まずはゆっくりと休んでください」
「……うん」
沙奈会長さんは嬉しそうな笑みを浮かべて、俺に寄り掛かってきた。会長が少しでも安心できるように、月曜日の服装チェックを含めしっかりと生徒会の仕事をしないと。
「沙奈会長。今日は俺と一緒にお家に帰りましょう。それで、この週末は沙奈会長がいてほしいと思うときにはずっと側にいますから」
「で、でも……」
「……この前、俺が風邪を引いてくれたとき、沙奈会長はずっと俺の側にいてくれたじゃないですか。俺はそれが凄く嬉しかった。ですから、会長が俺にいてほしいときにはずっといます」
風邪を引いていると不安な気持ちを抱きやすくなる。会長がたまにお手洗いとかで部屋を出ていったときは凄く寂しかった。数分のことだったのに。
すると、沙奈会長は俺の着るワイシャツをそっと掴んで、
「じゃあ、玲人君の気持ちに甘え……ちゃおうかな。玲人君に風邪を移したくない気持ちもあるけれど、玲人君がそう言ってくれるなら、許される限り、この週末を玲人君と一緒に過ごしたいな」
上目遣いをしながらそう言う沙奈会長はとても可愛らしい。今すぐに口づけをして、会長を苦しめるものを吸ってしまいたいくらいだ。
「分かりました。では、会長の体調が悪化しないように心がけながら、できるだけ会長の側にいますね」
「うん、ありがとね」
「じゃあ、ひとまずは逢坂君に沙奈ちゃんのことを頼むね。ただ、逢坂君まで具合悪くなっちゃったってことにはならないよう気を付けて」
「分かりました」
先週は沙奈会長が僕の看病をしてくれた。その恩返しも込めて、沙奈会長の看病をしっかりしていこう。
僕は沙奈会長と一緒に下校し、彼女の自宅に向かってゆっくりと歩く。
「ごめんね、玲人君。私に肩を貸してくれた上にバッグまで持ってもらって」
「気にしないでください。生徒会の庶務係として会長を支える立場ですし、何よりも会長の恋人ですから。会長の役に立つことができて嬉しいです」
「……そう言ってくれると心が軽くなるな。玲人君が恋人で本当に良かった。一緒にいてほしいし、離れないためにもずっと玲人君と体を繋げていたいな。あっ、玲人君の血が入ったお粥を食べたら早く元気になれるかも……」
えへへっ、と沙奈会長はニヤニヤと笑っている。体調が悪くても、考えていることは普段と変わらないな。
「今の言葉を聞いて一安心しました。僕の血の入ったお粥はもちろん食べさせませんし、体云々については、沙奈会長が元気になったら思う存分にしましょう」
「……約束だよ」
「ええ」
これで、看病中に沙奈会長から変なことを要求されることはなくなるかな。
そんなことを考えていると、沙奈会長の家に到着した。
家まで歩いて疲れてしまってしまったのか、学校のときと比べて沙奈会長の体がとても熱くなっていた。寝間着に着替えるのを手伝い、ベッドに寝かせた。
智子さんに沙奈会長の体調について話すと、空腹での飲むことができる風邪薬と水、体温計をもらった。
沙奈会長の部屋に戻り、体温計で彼女の体温を測る。
「38.2℃ですか。立派な風邪ですね。寒気がすると言っていましたけど、他に体調が悪いところはありますか?」
「少し頭が痛いかな。喉も痛い。お腹の調子はいつもと変わらないかな」
「分かりました。智子さんから空腹でも飲める市販の風邪薬をもらったので、まずはそれを飲んで寝ましょうか」
「……うん。でも、もう横になっているから、玲人君に口移しして飲ませてほしい」
「分かりました。じゃあ、まずは薬を口の中に入れますね。はい、あ~ん」
「あ~ん」
錠剤の風邪薬を沙奈会長の口の中に入れる。
その後、水を俺の口から少しずつ彼女の口の中に移していく。ゴクゴクという音が厭らしく響くのは気のせいだろうか。
沙奈会長の口に水をしっかりと移し終えて、ハンカチで口元を拭くと会長は嬉しそうな笑みを浮かべていた。
「こんなにも薬が美味しいって思えたのは初めてかも。飲みやすかったよ」
「……そうですか」
これはあまり効き目がないかもしれないな。良薬口に苦しって言うくらいだから。ただ、なかなか治らなくてもこの週末はずっと看病していくつもりだけれど。
「ねえ、玲人君。おやすみの口づけをしてほしいの。いいかな?」
「もちろんいいですよ」
「……ありがとう」
そう言うと、沙奈会長はゆっくりと目を瞑った。なので、俺から口づけをする。やはり、口づけは普通にするのが一番気持ちいいな。風邪を引いている沙奈会長から元気をもらってしまった。
ゆっくりと唇を離すと、沙奈会長は優しい笑みを浮かべる。
「ありがとう。何だか、こんな体調だけれどぐっすりと眠れそう」
「そうだといいですね。俺はなるべくここにいますので、いつでも俺に言ってください」
「うん。じゃあ、おやすみ」
「おやすみなさい」
沙奈会長はゆっくりと目を瞑ると、薬の効果なのか、疲れによる眠気が襲ってきたのか、程なくして寝息が聞こえてきた。まずはぐっすり眠って、体調がある程度戻ってくれるといいな。
先週とは逆で、俺は日曜日の夕方までほとんど沙奈会長の部屋で過ごした。
沙奈会長は順調に体調が良くなっていき、日曜日になると普段と変わらない笑みをたくさん見せてくれた。
俺はそのことに安心し、先週、俺のことを看病してくれたときの沙奈会長の気持ちが少しは分かったような気がしたのであった。
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