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特別編-沙奈会長は甘えられたい-
前編
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特別編-沙奈会長は甘えられたい-
6月7日、木曜日。
衣替えした夏服にも段々と慣れ始めてきた。数日前に引いてしまった風邪も治って絶好調。夏は体調を崩さずに、玲人君と一緒に楽しい時間を過ごしたいな。
今日も放課後は玲人君や樹里先輩と一緒に生徒会のお仕事。
玲人君が生徒会に入り始めてもうすぐで2ヶ月になるけれど、本当に頼もしくなったなぁ。仕事中の玲人君を見ていると安心できる。あと、半袖になったから、筋肉が程良く付いた彼の腕に興奮してくる。しゃぶりつきたい。
「会長。見守ってくれているとは思うんですけど、何か企んでいるように思えるのは気のせいですか?」
「そんなことないよ。ただ、夏服の玲人君もいいなって思っていただけ」
「それならいいんですけど」
そう言って、玲人君は微笑みながら仕事を続けていく。例の事件について解決して、私と恋人になってから、彼は笑みを見せることが格段に多くなった。ゴールデンウィークが過ぎてから、玲人君に興味を持つ女の子も増えてきたし、その前に彼と恋人という関係になれて本当に良かったと心底思った。
そんな安堵と幸せな気持ちを抱きつつ、今日も生徒会の仕事を終わらせた。
「沙奈会長、副会長さん、終わりました」
「うん、お疲れ様! ご褒美だよ!」
私は玲人君のことを抱きしめて、彼に口づけをする。彼にご褒美だと言っているけれど、本当は私のご褒美でもあるんだ。これがあるから頑張れると言えるくらい。
「ふふっ、生徒会終わりの2人の口づけもやっと見慣れてきた。あと、逢坂君がしっかりしているからか、どっちが年上なのか分からなくなってくるね。沙奈ちゃんが逢坂君に甘えることも結構多いし」
「そ、そうですね。樹里先輩」
「確かに、付き合い始めてから甘えてくることがより多くなった気がします。沙奈会長なのでいいですけど」
玲人君は優しい笑みを浮かべながら私の頭を撫でてくれる。
ただ、2人の言う通り、私、玲人君に甘えてばかりだな。胸がチクっと痛む。思い返してみると、玲人君って私に甘えてきたことって全然ないかも。
恋人だけれど、先輩でもあるんだから玲人君に甘えられたい! 甘えてきてほしい! そんなことを考えながら下校するのであった。
ただ、どうすれば、玲人君って私に甘えてくれるんだろう。
家に帰ってから考えてみるけれど、なかなか思いつかない。玲人君が甘えてきたらこうなるんだろうなっていう妄想は簡単にできるんだけれど。あっ、よだれ出ちゃった。
「誰かに相談してみよう」
1人で考えて答えが出ないなら、誰かと話すのが一番いいもんね。
スマホの連絡帳に入っている人の中で、玲人君と一番付き合いが長いのはお姉様。玲人君のことはもちろんよく知っていると思うけれど、お姉様の性格上うっかり玲人君に喋っちゃうかもしれない。やめておこう。
となると、玲人君の幼なじみの琴葉ちゃんに相談するのがいいかな。小さい頃からよく遊んでいたそうだし、玲人君の甘えやすいポイントを知っているかも。
そうと決まれば、琴葉ちゃんにさっそくメッセージを送ろう。
『琴葉ちゃん。玲人君のことで相談したいんだけど、今から電話してもいいかな』
というメッセージを送る。
すると、すぐに『既読』マークが付いて、
『いいですよ! いつでも連絡ください』
そんなメッセージと『OK!』というスタンプが届いた。スタンプが可愛くて思わず笑ってしまう。
琴葉ちゃんから大丈夫だっていうメッセージが来たので、さっそく電話してみよう。
『はい、琴葉です』
「沙奈です。突然ごめんね、琴葉ちゃん」
『いえいえ、気にしないでください。メッセージでは、レイ君のことで相談したいって書いてありましたけど』
「うん。実は今日も生徒会のお仕事が終わったときに、玲人君のベッタリくっついて。そうしたら、樹里先輩に私が甘えることが多いからどっちが先輩か分からないねって言われちゃって」
思い返せば、私が玲人君に甘えることはたくさんあったけれど、玲人君が私に甘えてくることってあまりなかった。玲人君はしっかりしている子で、性格的な部分もあるのかもしれないけれど。
「だから、玲人君に甘えてほしいなって思って。ほら、私の方が1年お姉さんだし。それで、玲人君がどうすれば甘えてきてくれる琴葉ちゃんに相談しようと思ったの」
『ふふっ、そういうことだったんですね。例の事件があるまでは、あたしはレイ君とずっと一緒にいましたけど、あたしの方から甘えちゃう方が圧倒的に多かったですね。レイ君、落ち着いていてしっかりしていますから。それに、何だかんだで……あたしや麻実ちゃんの我が儘をきいてくれましたし』
「……最後の一言、凄く分かる」
内容によっては、最初は嫌がるけれど、最終的に妥協点を見つけて聞き入れてくれる。そう考えると、本当に玲人君って大人だなぁ。
『レイ君は昔から我が儘を言わないタイプですね。麻実ちゃんにも我が儘は言わなかったかなぁ。あたしや麻実ちゃんの我が儘に嫌だって言うことはありましたけど。何々がしたいとか、してほしいっていうのは全然なかったですね……』
「そうなんだね」
『ただ、沙奈さんは恋人ですし、したいことやしてほしいことはきっとあるんじゃないかなって思います。我が儘を言うのが恥ずかしいっていう可能性もありますから、まずは我が儘を言っていいんだってことをレイ君に伝えるのがいいんじゃないかと思います』
「なるほどね! 我が儘を言ってくれていいんだって伝えるのは大切だよね」
今後のためにもかなり重要だな。ただ、恥ずかしそうに我が儘を言ってくる玲人君も見てみたい気持ちもあるけれど。
『甘えてくるレイ君ってあまり想像できませんね。小さい頃ならともかく、今のレイ君では。それだけ、あたし達もレイ君に甘えてきちゃったからかもしれませんが』
「あははっ、そっか。でも、甘えていいんだって玲人君に伝えてみるよ」
『頑張ってくださいね。それで、レイ君がもし甘えてきたら、そのときの話をこっそりと教えてください』
「うん、分かった」
私の方から通話を切った。
まずは明日、玲人君に甘えていいんだよってことを伝えよう。それで、玲人君が甘えてくる可愛らしい姿を……ふふっ、見られるといいな。
6月7日、木曜日。
衣替えした夏服にも段々と慣れ始めてきた。数日前に引いてしまった風邪も治って絶好調。夏は体調を崩さずに、玲人君と一緒に楽しい時間を過ごしたいな。
今日も放課後は玲人君や樹里先輩と一緒に生徒会のお仕事。
玲人君が生徒会に入り始めてもうすぐで2ヶ月になるけれど、本当に頼もしくなったなぁ。仕事中の玲人君を見ていると安心できる。あと、半袖になったから、筋肉が程良く付いた彼の腕に興奮してくる。しゃぶりつきたい。
「会長。見守ってくれているとは思うんですけど、何か企んでいるように思えるのは気のせいですか?」
「そんなことないよ。ただ、夏服の玲人君もいいなって思っていただけ」
「それならいいんですけど」
そう言って、玲人君は微笑みながら仕事を続けていく。例の事件について解決して、私と恋人になってから、彼は笑みを見せることが格段に多くなった。ゴールデンウィークが過ぎてから、玲人君に興味を持つ女の子も増えてきたし、その前に彼と恋人という関係になれて本当に良かったと心底思った。
そんな安堵と幸せな気持ちを抱きつつ、今日も生徒会の仕事を終わらせた。
「沙奈会長、副会長さん、終わりました」
「うん、お疲れ様! ご褒美だよ!」
私は玲人君のことを抱きしめて、彼に口づけをする。彼にご褒美だと言っているけれど、本当は私のご褒美でもあるんだ。これがあるから頑張れると言えるくらい。
「ふふっ、生徒会終わりの2人の口づけもやっと見慣れてきた。あと、逢坂君がしっかりしているからか、どっちが年上なのか分からなくなってくるね。沙奈ちゃんが逢坂君に甘えることも結構多いし」
「そ、そうですね。樹里先輩」
「確かに、付き合い始めてから甘えてくることがより多くなった気がします。沙奈会長なのでいいですけど」
玲人君は優しい笑みを浮かべながら私の頭を撫でてくれる。
ただ、2人の言う通り、私、玲人君に甘えてばかりだな。胸がチクっと痛む。思い返してみると、玲人君って私に甘えてきたことって全然ないかも。
恋人だけれど、先輩でもあるんだから玲人君に甘えられたい! 甘えてきてほしい! そんなことを考えながら下校するのであった。
ただ、どうすれば、玲人君って私に甘えてくれるんだろう。
家に帰ってから考えてみるけれど、なかなか思いつかない。玲人君が甘えてきたらこうなるんだろうなっていう妄想は簡単にできるんだけれど。あっ、よだれ出ちゃった。
「誰かに相談してみよう」
1人で考えて答えが出ないなら、誰かと話すのが一番いいもんね。
スマホの連絡帳に入っている人の中で、玲人君と一番付き合いが長いのはお姉様。玲人君のことはもちろんよく知っていると思うけれど、お姉様の性格上うっかり玲人君に喋っちゃうかもしれない。やめておこう。
となると、玲人君の幼なじみの琴葉ちゃんに相談するのがいいかな。小さい頃からよく遊んでいたそうだし、玲人君の甘えやすいポイントを知っているかも。
そうと決まれば、琴葉ちゃんにさっそくメッセージを送ろう。
『琴葉ちゃん。玲人君のことで相談したいんだけど、今から電話してもいいかな』
というメッセージを送る。
すると、すぐに『既読』マークが付いて、
『いいですよ! いつでも連絡ください』
そんなメッセージと『OK!』というスタンプが届いた。スタンプが可愛くて思わず笑ってしまう。
琴葉ちゃんから大丈夫だっていうメッセージが来たので、さっそく電話してみよう。
『はい、琴葉です』
「沙奈です。突然ごめんね、琴葉ちゃん」
『いえいえ、気にしないでください。メッセージでは、レイ君のことで相談したいって書いてありましたけど』
「うん。実は今日も生徒会のお仕事が終わったときに、玲人君のベッタリくっついて。そうしたら、樹里先輩に私が甘えることが多いからどっちが先輩か分からないねって言われちゃって」
思い返せば、私が玲人君に甘えることはたくさんあったけれど、玲人君が私に甘えてくることってあまりなかった。玲人君はしっかりしている子で、性格的な部分もあるのかもしれないけれど。
「だから、玲人君に甘えてほしいなって思って。ほら、私の方が1年お姉さんだし。それで、玲人君がどうすれば甘えてきてくれる琴葉ちゃんに相談しようと思ったの」
『ふふっ、そういうことだったんですね。例の事件があるまでは、あたしはレイ君とずっと一緒にいましたけど、あたしの方から甘えちゃう方が圧倒的に多かったですね。レイ君、落ち着いていてしっかりしていますから。それに、何だかんだで……あたしや麻実ちゃんの我が儘をきいてくれましたし』
「……最後の一言、凄く分かる」
内容によっては、最初は嫌がるけれど、最終的に妥協点を見つけて聞き入れてくれる。そう考えると、本当に玲人君って大人だなぁ。
『レイ君は昔から我が儘を言わないタイプですね。麻実ちゃんにも我が儘は言わなかったかなぁ。あたしや麻実ちゃんの我が儘に嫌だって言うことはありましたけど。何々がしたいとか、してほしいっていうのは全然なかったですね……』
「そうなんだね」
『ただ、沙奈さんは恋人ですし、したいことやしてほしいことはきっとあるんじゃないかなって思います。我が儘を言うのが恥ずかしいっていう可能性もありますから、まずは我が儘を言っていいんだってことをレイ君に伝えるのがいいんじゃないかと思います』
「なるほどね! 我が儘を言ってくれていいんだって伝えるのは大切だよね」
今後のためにもかなり重要だな。ただ、恥ずかしそうに我が儘を言ってくる玲人君も見てみたい気持ちもあるけれど。
『甘えてくるレイ君ってあまり想像できませんね。小さい頃ならともかく、今のレイ君では。それだけ、あたし達もレイ君に甘えてきちゃったからかもしれませんが』
「あははっ、そっか。でも、甘えていいんだって玲人君に伝えてみるよ」
『頑張ってくださいね。それで、レイ君がもし甘えてきたら、そのときの話をこっそりと教えてください』
「うん、分かった」
私の方から通話を切った。
まずは明日、玲人君に甘えていいんだよってことを伝えよう。それで、玲人君が甘えてくる可愛らしい姿を……ふふっ、見られるといいな。
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