117 / 118
特別編-催眠彼女-
『紙一重』
しおりを挟む
特別編-催眠彼女-
6月19日、火曜日。
今週末に生徒総会があるので、今日からはその準備をメインで生徒会活動を行なうことに。高校でも生徒総会ってあるんだな。中学のときは一般生徒だったので、授業がなくなってラッキーくらいにしか思っていなかったけど、実際に運営する立場になると準備段階からなかなか大変。それもあってか、あっという間に時間が過ぎていった。
「とりあえず、今日はこのくらいにしておきましょうか」
「そうだね。お疲れ様、沙奈ちゃん、逢坂君。やっぱり3人でやるといいね。今年は体力のある男子の逢坂君もいるし」
「そう言ってくださると嬉しいです、副会長さん」
庶務係として、沙奈会長と副会長さんの役に立てれば何よりだ。
家に帰ったら、さっさと宿題を終わらせて、テレビでワールドカップの日本代表戦を観ることにしよう。今日が初戦なのでドキドキしている。
「ねえ、玲人君」
「何ですか? 一緒にワールドカップを観たいんですか?」
「明日も学校があるし、それについてはちょっと考えておくね。それよりも、玲人君って催眠術に興味はない?」
「藪から棒に何を言うかと思えば催眠術ですか。……全くありません」
本当はちょっと興味があるけれど、沙奈会長のことだから僕に何か変なことをしてくる可能性が高い。
「興味ないの? せっかく五円玉の振り子を作ってきたのに」
「最初っから僕に催眠をかけるつもりだったんですね」
「昨日の夜にバラエティーに出ていたアイドルが、催眠術が得意だから五円玉の振り子を使って実演していたね。その影響?」
「樹里先輩も観ていたんですね。玲人君は観た?」
「僕はレンタルしたアニメのDVDを観ていたので、そのバラエティーは観ていないですね」
「そうなんだ。じゃあ、ちょうどいいね。催眠術に興味のない玲人君に、催眠術の面白さを実演してみせるよ! これが初めてだけど」
そう言って、沙奈会長はスカートから財布を取り出し、五円玉の振り子を手に取った。
結局、沙奈会長の催眠術に付き合わなきゃいけないのか。あと、初めてなのによく実演すると言ったな。どうせかからないだろうから、今回は付き合うことにするか。
「分かりました。では、沙奈会長の催眠術に付き合いましょう」
「……これで玲人君は掌握したと同然……」
ふふっ、と沙奈会長は不気味な笑みを浮かべている。自分の思うままに僕のことを動かしたいのかな。段々と恐くなってきたぞ。
「じゃあ、玲人君。この五円玉をよーく見てね」
「はい」
「面白そうだから、隣で逢坂君の様子を見ようっと」
副会長さんは興味津々な様子で僕のすぐ側まで近づいてくる。
僕は沙奈会長の言うとおりに、糸に吊された五円玉をじっと見つめる。
「じゃあ、手始めに玲人君を眠らせるね。あなたは段々眠くなる。ねむくなーる」
沙奈会長が呪文を唱える中で、僕は左右に揺れる五円玉をじっと見つめる。集中しているからか、眠くなるどころかむしろ目が冴えてきている。
「ねむく……なーる。ねむく……」
――ドン。
鈍い音が聞こえたので沙奈会長の方を見ると、彼女は机に突っ伏している。
「会長!」
「沙奈ちゃん!」
僕と副会長さんはすぐに沙奈会長の側に行くと、会長から可愛らしい寝息が聞こえてくる。
「……寝てますね」
「そうね。自分も五円玉をじっと見ていたのか、逢坂君に催眠をかける前に自分がかかっちゃったんだね。それで、睡眠しちゃったと。……ふふっ」
「僕、全く眠くなりませんでした。むしろ、五円玉を見ることに集中したり、会長が急に寝たことに驚いたりしたので目が冴えたほどです。どうやら、沙奈会長は催眠かけるよりもかかる才能の方がありそうですね」
「そうだね。……あははっ!」
今の沙奈会長の様子がよほどツボにハマったのか、副会長さんは大きな声で笑っている。その笑いは止まらず、彼女の頬が真っ赤になってしまうほど。
ただ、副会長さんがこんなに笑っているにも関わらず、沙奈会長は全く起きる気配がないぞ。これが催眠術の力なのか?
「副会長さん。沙奈会長も観たというそのバラエティーでは、眠くなる催眠術もやっていたんですか?」
「うん、やってたよ」
「じゃあ、どうやって起こすんですか? 催眠術のせいかぐっすりと眠っていますけど」
「普通に声をかけたり、体を叩いたりして起こしていたよ」
「そうなんですね。……沙奈会長、起きてください」
そう言って、僕は沙奈会長の肩を叩く。
すると、沙奈会長はゆっくりと体を起こして体を伸ばした。その姿を見てほっとする。
「あぁ、よく寝た。スッキリした」
「数分も寝ていなかったのにそうなるって凄いですね。これも催眠術の効果ですかね」
「そうかもね。それにしても、眠くなるって言い続けて五円玉を見続けたら、急に眠くなっちゃった」
「寝るまであっという間だったよ、沙奈ちゃん。それに比べて逢坂君は眠くなるどころか、むしろ目が冴えたって」
「そうだったんですか。玲人君は催眠術にかからない体質なのかもね」
「それは分かりませんけど、沙奈会長が催眠術にかかりやすいことは確かでしょうね。今後は気を付けた方がいいと思います」
ただ、催眠術にかかりやすいということを知ることができて良かった。沙奈会長が暴走をしたときに鎮める手段にいい。これからは常に五円玉の振り子を携帯しておくか。
「玲人君、リベンジしたい! きっと、五円玉を見なければ大丈夫だと思うから。念のために私のネクタイを巻いて見えなくさせよう」
「分かりました。じゃあ、僕が結びますね」
きっと、催眠術にはかからないだろうけど、その諦めない姿勢はとてもいいと思う。そういうところも好きだ。
沙奈会長の両眼を塞ぐようにして彼女のネクタイを結び付ける。今の姿は本当にアホっぽい。そして、それが面白いのか副会長さんはクスクスと笑っている。
会長に五円玉の振り子を持たせて、僕は自分の席に座った。
「じゃあ、玲人君。この五円玉を見て」
「はい。見てます」
「私が証人になるよ。逢坂君はしっかりと五円玉を見てる」
「ありがとうございます。じゃあ、始めるね。あなたは段々眠くなる。この五円玉を見て段々と眠くなる……」
再びゆらゆらと揺れる五円玉を見るけれど、全く眠くならない。沙奈会長がここまで一生懸命だと眠気が来てほしいと思うけれど、眠気の気配すらない。このまま五円玉を見続けているよりも、目を瞑った方がよっぽど眠りに落ちやすいんじゃないかと思うほどだ。
「ねむくなーる。ねむくなーる。……あれ、さっきほどじゃないけれど、段々眠くなってきた。おかしいな、視界は真っ暗なのに」
どうやら、眠くなると復唱しているせいで、沙奈会長に自己暗示がかかってしまっているようだ。そのことでまた副会長さんは笑っているし。
「沙奈会長、そのくらいにしましょう。僕、全く眠くならないので」
「そっか。残念だけど、このくらいにしておくよ」
僕は沙奈会長のネクタイを解く。
沙奈会長は僕が全く眠くないように見えたのか、露骨にがっかりしている。
「催眠術を使えれば、色々と楽しいと思ったんだけどな」
「僕はともかく、副会長さんは結構楽しんでいましたよね」
「うん。まさか、催眠術をかけようとした沙奈ちゃんが催眠術にかかっちゃうとは思わなかったからさ。昨日のバラエティーよりも楽しかった」
「そうですか。でも、自分に催眠術を掛けることができるなら、催眠術の才能があるかもしれないってことですよね。ということは、練習をすれば玲人君や樹里先輩にも……」
「練習なんてしなくていいと思いますよ。ただ、揺れる五円玉を見ればあっという間に眠ることができると分かったんですから、これからはなかなか眠れない日にやるといいんじゃないですか?」
「……それもそうだね! たまに寝付きの悪い日があるし」
うんうん、と沙奈会長は満足げな様子。あと、沙奈会長はたまに眠れない日があるのか。お悩みを解決できそうで何よりだ。
「じゃあ、今日はこれで生徒会の活動は終わります!」
「お疲れ様!」
「お疲れ様でした」
催眠術という予想外の出来事もあったけれど、今日も無事に生徒会活動が終わるのであった。
ちなみに、ワールドカップの中継が始まる20分ほど前に、沙奈会長から一緒に観たいと連絡が来て、僕の家で一緒に観ることに。
放課後に催眠術で少し眠ったからなのか、それとも日本代表が勝って興奮しているからなのか、試合が終わっても沙奈会長は全く眠そうではなかった。なので、試しに五円玉を使って沙奈会長に催眠術をかけてみると、会長はあっさりと眠るのであった。
特別編-催眠彼女- おわり
6月19日、火曜日。
今週末に生徒総会があるので、今日からはその準備をメインで生徒会活動を行なうことに。高校でも生徒総会ってあるんだな。中学のときは一般生徒だったので、授業がなくなってラッキーくらいにしか思っていなかったけど、実際に運営する立場になると準備段階からなかなか大変。それもあってか、あっという間に時間が過ぎていった。
「とりあえず、今日はこのくらいにしておきましょうか」
「そうだね。お疲れ様、沙奈ちゃん、逢坂君。やっぱり3人でやるといいね。今年は体力のある男子の逢坂君もいるし」
「そう言ってくださると嬉しいです、副会長さん」
庶務係として、沙奈会長と副会長さんの役に立てれば何よりだ。
家に帰ったら、さっさと宿題を終わらせて、テレビでワールドカップの日本代表戦を観ることにしよう。今日が初戦なのでドキドキしている。
「ねえ、玲人君」
「何ですか? 一緒にワールドカップを観たいんですか?」
「明日も学校があるし、それについてはちょっと考えておくね。それよりも、玲人君って催眠術に興味はない?」
「藪から棒に何を言うかと思えば催眠術ですか。……全くありません」
本当はちょっと興味があるけれど、沙奈会長のことだから僕に何か変なことをしてくる可能性が高い。
「興味ないの? せっかく五円玉の振り子を作ってきたのに」
「最初っから僕に催眠をかけるつもりだったんですね」
「昨日の夜にバラエティーに出ていたアイドルが、催眠術が得意だから五円玉の振り子を使って実演していたね。その影響?」
「樹里先輩も観ていたんですね。玲人君は観た?」
「僕はレンタルしたアニメのDVDを観ていたので、そのバラエティーは観ていないですね」
「そうなんだ。じゃあ、ちょうどいいね。催眠術に興味のない玲人君に、催眠術の面白さを実演してみせるよ! これが初めてだけど」
そう言って、沙奈会長はスカートから財布を取り出し、五円玉の振り子を手に取った。
結局、沙奈会長の催眠術に付き合わなきゃいけないのか。あと、初めてなのによく実演すると言ったな。どうせかからないだろうから、今回は付き合うことにするか。
「分かりました。では、沙奈会長の催眠術に付き合いましょう」
「……これで玲人君は掌握したと同然……」
ふふっ、と沙奈会長は不気味な笑みを浮かべている。自分の思うままに僕のことを動かしたいのかな。段々と恐くなってきたぞ。
「じゃあ、玲人君。この五円玉をよーく見てね」
「はい」
「面白そうだから、隣で逢坂君の様子を見ようっと」
副会長さんは興味津々な様子で僕のすぐ側まで近づいてくる。
僕は沙奈会長の言うとおりに、糸に吊された五円玉をじっと見つめる。
「じゃあ、手始めに玲人君を眠らせるね。あなたは段々眠くなる。ねむくなーる」
沙奈会長が呪文を唱える中で、僕は左右に揺れる五円玉をじっと見つめる。集中しているからか、眠くなるどころかむしろ目が冴えてきている。
「ねむく……なーる。ねむく……」
――ドン。
鈍い音が聞こえたので沙奈会長の方を見ると、彼女は机に突っ伏している。
「会長!」
「沙奈ちゃん!」
僕と副会長さんはすぐに沙奈会長の側に行くと、会長から可愛らしい寝息が聞こえてくる。
「……寝てますね」
「そうね。自分も五円玉をじっと見ていたのか、逢坂君に催眠をかける前に自分がかかっちゃったんだね。それで、睡眠しちゃったと。……ふふっ」
「僕、全く眠くなりませんでした。むしろ、五円玉を見ることに集中したり、会長が急に寝たことに驚いたりしたので目が冴えたほどです。どうやら、沙奈会長は催眠かけるよりもかかる才能の方がありそうですね」
「そうだね。……あははっ!」
今の沙奈会長の様子がよほどツボにハマったのか、副会長さんは大きな声で笑っている。その笑いは止まらず、彼女の頬が真っ赤になってしまうほど。
ただ、副会長さんがこんなに笑っているにも関わらず、沙奈会長は全く起きる気配がないぞ。これが催眠術の力なのか?
「副会長さん。沙奈会長も観たというそのバラエティーでは、眠くなる催眠術もやっていたんですか?」
「うん、やってたよ」
「じゃあ、どうやって起こすんですか? 催眠術のせいかぐっすりと眠っていますけど」
「普通に声をかけたり、体を叩いたりして起こしていたよ」
「そうなんですね。……沙奈会長、起きてください」
そう言って、僕は沙奈会長の肩を叩く。
すると、沙奈会長はゆっくりと体を起こして体を伸ばした。その姿を見てほっとする。
「あぁ、よく寝た。スッキリした」
「数分も寝ていなかったのにそうなるって凄いですね。これも催眠術の効果ですかね」
「そうかもね。それにしても、眠くなるって言い続けて五円玉を見続けたら、急に眠くなっちゃった」
「寝るまであっという間だったよ、沙奈ちゃん。それに比べて逢坂君は眠くなるどころか、むしろ目が冴えたって」
「そうだったんですか。玲人君は催眠術にかからない体質なのかもね」
「それは分かりませんけど、沙奈会長が催眠術にかかりやすいことは確かでしょうね。今後は気を付けた方がいいと思います」
ただ、催眠術にかかりやすいということを知ることができて良かった。沙奈会長が暴走をしたときに鎮める手段にいい。これからは常に五円玉の振り子を携帯しておくか。
「玲人君、リベンジしたい! きっと、五円玉を見なければ大丈夫だと思うから。念のために私のネクタイを巻いて見えなくさせよう」
「分かりました。じゃあ、僕が結びますね」
きっと、催眠術にはかからないだろうけど、その諦めない姿勢はとてもいいと思う。そういうところも好きだ。
沙奈会長の両眼を塞ぐようにして彼女のネクタイを結び付ける。今の姿は本当にアホっぽい。そして、それが面白いのか副会長さんはクスクスと笑っている。
会長に五円玉の振り子を持たせて、僕は自分の席に座った。
「じゃあ、玲人君。この五円玉を見て」
「はい。見てます」
「私が証人になるよ。逢坂君はしっかりと五円玉を見てる」
「ありがとうございます。じゃあ、始めるね。あなたは段々眠くなる。この五円玉を見て段々と眠くなる……」
再びゆらゆらと揺れる五円玉を見るけれど、全く眠くならない。沙奈会長がここまで一生懸命だと眠気が来てほしいと思うけれど、眠気の気配すらない。このまま五円玉を見続けているよりも、目を瞑った方がよっぽど眠りに落ちやすいんじゃないかと思うほどだ。
「ねむくなーる。ねむくなーる。……あれ、さっきほどじゃないけれど、段々眠くなってきた。おかしいな、視界は真っ暗なのに」
どうやら、眠くなると復唱しているせいで、沙奈会長に自己暗示がかかってしまっているようだ。そのことでまた副会長さんは笑っているし。
「沙奈会長、そのくらいにしましょう。僕、全く眠くならないので」
「そっか。残念だけど、このくらいにしておくよ」
僕は沙奈会長のネクタイを解く。
沙奈会長は僕が全く眠くないように見えたのか、露骨にがっかりしている。
「催眠術を使えれば、色々と楽しいと思ったんだけどな」
「僕はともかく、副会長さんは結構楽しんでいましたよね」
「うん。まさか、催眠術をかけようとした沙奈ちゃんが催眠術にかかっちゃうとは思わなかったからさ。昨日のバラエティーよりも楽しかった」
「そうですか。でも、自分に催眠術を掛けることができるなら、催眠術の才能があるかもしれないってことですよね。ということは、練習をすれば玲人君や樹里先輩にも……」
「練習なんてしなくていいと思いますよ。ただ、揺れる五円玉を見ればあっという間に眠ることができると分かったんですから、これからはなかなか眠れない日にやるといいんじゃないですか?」
「……それもそうだね! たまに寝付きの悪い日があるし」
うんうん、と沙奈会長は満足げな様子。あと、沙奈会長はたまに眠れない日があるのか。お悩みを解決できそうで何よりだ。
「じゃあ、今日はこれで生徒会の活動は終わります!」
「お疲れ様!」
「お疲れ様でした」
催眠術という予想外の出来事もあったけれど、今日も無事に生徒会活動が終わるのであった。
ちなみに、ワールドカップの中継が始まる20分ほど前に、沙奈会長から一緒に観たいと連絡が来て、僕の家で一緒に観ることに。
放課後に催眠術で少し眠ったからなのか、それとも日本代表が勝って興奮しているからなのか、試合が終わっても沙奈会長は全く眠そうではなかった。なので、試しに五円玉を使って沙奈会長に催眠術をかけてみると、会長はあっさりと眠るのであった。
特別編-催眠彼女- おわり
0
あなたにおすすめの小説
隣の家の幼馴染と転校生が可愛すぎるんだが
akua034
恋愛
隣に住む幼馴染・水瀬美羽。
毎朝、元気いっぱいに晴を起こしに来るのは、もう当たり前の光景だった。
そんな彼女と同じ高校に進学した――はずだったのに。
数ヶ月後、晴のクラスに転校してきたのは、まさかの“全国で人気の高校生アイドル”黒瀬紗耶。
平凡な高校生活を過ごしたいだけの晴の願いとは裏腹に、
幼馴染とアイドル、二人の存在が彼の日常をどんどんかき回していく。
笑って、悩んで、ちょっとドキドキ。
気づけば心を奪われる――
幼馴染 vs 転校生、青春ラブコメの火蓋がいま切られる!
俺を振ったはずの腐れ縁幼馴染が、俺に告白してきました。
true177
恋愛
一年前、伊藤 健介(いとう けんすけ)は幼馴染の多田 悠奈(ただ ゆうな)に振られた。それも、心無い手紙を下駄箱に入れられて。
それ以来悠奈を避けるようになっていた健介だが、二年生に進級した春になって悠奈がいきなり告白を仕掛けてきた。
これはハニートラップか、一年前の出来事を忘れてしまっているのか……。ともかく、健介は断った。
日常が一変したのは、それからである。やたらと悠奈が絡んでくるようになったのだ。
彼女の狙いは、いったい何なのだろうか……。
※小説家になろう、ハーメルンにも同一作品を投稿しています。
※内部進行完結済みです。毎日連載です。
小さい頃「お嫁さんになる!」と妹系の幼馴染みに言われて、彼女は今もその気でいる!
竜ヶ崎彰
恋愛
「いい加減大人の階段上ってくれ!!」
俺、天道涼太には1つ年下の可愛い幼馴染みがいる。
彼女の名前は下野ルカ。
幼少の頃から俺にベッタリでかつては将来"俺のお嫁さんになる!"なんて事も言っていた。
俺ももう高校生になったと同時にルカは中学3年生。
だけど、ルカはまだ俺のお嫁さんになる!と言っている!
堅物真面目少年と妹系ゆるふわ天然少女による拗らせ系ラブコメ開幕!!
サクラブストーリー
桜庭かなめ
恋愛
高校1年生の速水大輝には、桜井文香という同い年の幼馴染の女の子がいる。美人でクールなので、高校では人気のある生徒だ。幼稚園のときからよく遊んだり、お互いの家に泊まったりする仲。大輝は小学生のときからずっと文香に好意を抱いている。
しかし、中学2年生のときに友人からかわれた際に放った言葉で文香を傷つけ、彼女とは疎遠になってしまう。高校生になった今、挨拶したり、軽く話したりするようになったが、かつてのような関係には戻れていなかった。
桜も咲く1年生の修了式の日、大輝は文香が親の転勤を理由に、翌日に自分の家に引っ越してくることを知る。そのことに驚く大輝だが、同居をきっかけに文香と仲直りし、恋人として付き合えるように頑張ろうと決意する。大好物を作ってくれたり、バイトから帰るとおかえりと言ってくれたりと、同居生活を送る中で文香との距離を少しずつ縮めていく。甘くて温かな春の同居&学園青春ラブストーリー。
※特別編8-お泊まり女子会編-が完結しました!(2025.6.17)
※お気に入り登録や感想をお待ちしております。
天才天然天使様こと『三天美女』の汐崎真凜に勝手に婚姻届を出され、いつの間にか天使の旦那になったのだが...。【動画投稿】
田中又雄
恋愛
18の誕生日を迎えたその翌日のこと。
俺は分籍届を出すべく役所に来ていた...のだが。
「えっと...結論から申し上げますと...こちらの手続きは不要ですね」「...え?どういうことですか?」「昨日、婚姻届を出されているので親御様とは別の戸籍が作られていますので...」「...はい?」
そうやら俺は知らないうちに結婚していたようだった。
「あの...相手の人の名前は?」
「...汐崎真凛様...という方ですね」
その名前には心当たりがあった。
天才的な頭脳、マイペースで天然な性格、天使のような見た目から『三天美女』なんて呼ばれているうちの高校のアイドル的存在。
こうして俺は天使との-1日婚がスタートしたのだった。
【R18】幼馴染がイケメン過ぎる
ケセラセラ
恋愛
双子の兄弟、陽介と宗介は一卵性の双子でイケメンのお隣さん一つ上。真斗もお隣さんの同級生でイケメン。
幼稚園の頃からずっと仲良しで4人で遊んでいたけど、大学生にもなり他にもお友達や彼氏が欲しいと思うようになった主人公の吉本 華。
幼馴染の関係は壊したくないのに、3人はそうは思ってないようで。
関係が変わる時、歯車が大きく動き出す。
手が届かないはずの高嶺の花が幼馴染の俺にだけベタベタしてきて、あと少しで我慢も限界かもしれない
みずがめ
恋愛
宮坂葵は可愛くて気立てが良くて社長令嬢で……あと俺の幼馴染だ。
葵は学内でも屈指の人気を誇る女子。けれど彼女に告白をする男子は数える程度しかいなかった。
なぜか? 彼女が高嶺の花すぎたからである。
その美貌と肩書に誰もが気後れしてしまう。葵に告白する数少ない勇者も、ことごとく散っていった。
そんな誰もが憧れる美少女は、今日も俺と二人きりで無防備な姿をさらしていた。
幼馴染だからって、とっくに体つきは大人へと成長しているのだ。彼女がいつまでも子供気分で困っているのは俺ばかりだった。いつかはわからせなければならないだろう。
……本当にわからせられるのは俺の方だということを、この時点ではまだわかっちゃいなかったのだ。
恋人、はじめました。
桜庭かなめ
恋愛
紙透明斗のクラスには、青山氷織という女子生徒がいる。才色兼備な氷織は男子中心にたくさん告白されているが、全て断っている。クールで笑顔を全然見せないことや銀髪であること。「氷織」という名前から『絶対零嬢』と呼ぶ人も。
明斗は半年ほど前に一目惚れしてから、氷織に恋心を抱き続けている。しかし、フラれるかもしれないと恐れ、告白できずにいた。
ある春の日の放課後。ゴミを散らしてしまう氷織を見つけ、明斗は彼女のことを助ける。その際、明斗は勇気を出して氷織に告白する。
「これまでの告白とは違い、胸がほんのり温かくなりました。好意からかは分かりませんが。断る気にはなれません」
「……それなら、俺とお試しで付き合ってみるのはどうだろう?」
明斗からのそんな提案を氷織が受け入れ、2人のお試しの恋人関係が始まった。
一緒にお昼ご飯を食べたり、放課後デートしたり、氷織が明斗のバイト先に来たり、お互いの家に行ったり。そんな日々を重ねるうちに、距離が縮み、氷織の表情も少しずつ豊かになっていく。告白、そして、お試しの恋人関係から始まる甘くて爽やかな学園青春ラブコメディ!
※夏休み小話編2が完結しました!(2025.10.16)
※小説家になろう(N6867GW)、カクヨムでも公開しています。
※お気に入り登録、感想などお待ちしています。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる