器量なしのオメガの僕は

いちみやりょう

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20ー1 ※

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「さあ、脱いでください」
「えっと……本当に」

四宮に会った時からその匂いに当てられ後孔はジュクジュクと濡れていて、千秋は恥ずかしくなりモジモジとした。
四宮はそんな千秋の態度も気にする様子はなく、一度ため息をついて財布を取り出しその中からお札を全て抜き取った。

「どうぞ、先払いのほうがお互い安心してできるでしょう」
「い、いいです! もらえません! そんな」

四宮の手に握られているのは先ほど払うと言っていた5万を優に越しているように見える。

「良いから受け取ってください。これから俺は千秋君にひどいことをしようと思っているんですから。もらってもらわないと目覚めが悪い」
「ひ、ひどいこと?」

千秋が恐る恐る聞いても四宮は微笑むだけで何も答えてくれず、千秋の手にお札を握らせた。有無を言わせない冷たい冷たい瞳と態度だ。

「し、四宮様……?」
「なんですか?」
「なんでこんなこと。だって、四宮様が本気になれば、その好きな相手の方だってきっと気持ちを分かってくれるはずなのに……僕なんかとこんなことしても」
「甘いですね。千秋君も……そして俺も。そうなる可能性だって十分にあったのに余裕ぶっこいて逃してしまった。こうなるくらいだったら初めから奪っておけばよかったかな」

四宮はボソボソと呟くようにそう言った。

「四宮様?」
「相手にはもう、番がいるんですよ」
「え……」
「だからね、俺がいくらその子に本気でも、その子は俺の前から姿を消し、俺のことなんてまるで気にしていない」

スーッと四宮の手が千秋の胸元を撫でた。

「ぁっ、しのみや、さま」
「そのくせ番ったアルファ以外と関係を持つことに躊躇もしていないようだ」
「え」

四宮は千秋の上着を脱がし、次にその手はズボンに手をかけた。
千秋はするりとズボンを下げられ羞恥で顔を赤くした。

「へぇ。下着までビショビショだ」
「四宮、様っ……んぁっ」

四宮は千秋の濡れそぼったそこに指を突き入れた。

「中、熱いですね。気持ちよさそうだ」
「ひ、んんぁ……ぁっ」

千秋が四宮の顔を見ると、四宮は熱をもった目で千秋のことを見ていた。
真剣で、まるで千秋のことを愛しているかのような顔に見え、千秋の後孔からはドクリと愛液が溢れ出た。
四宮からフッと息が漏れるような笑い声が聞こえて、千秋はまた恥ずかしさで顔が熱くなるのを感じた。

ーー笑われた、四宮様に笑われた。はしたないと思われた

「やっぁ、見ないで、ぁ……ッ」

背後から熱い塊を押し付けられ、千秋は身を硬くした。

「入れますよ」

次の瞬間にはそれは千秋の中を押し入ってきた。

「ああぁあッッ!!!」
「っ、はぁ、きついな」
「ぁ、っんんぁ、待って! ぁ、うご、待って」

十分に慣らしもせずに入れられたそれは、濡れていたおかげで千秋を傷つけることはなかった。けれど、圧迫感が押し寄せる。

「ん、千秋君の中、気持ちいいです。中がうねって、俺を歓迎してるみたいだ」
「ぁぁんん、あッ……ぁ、はぁ、んんっ」

いくら懇願しても四宮が動きを止めることはなく、千秋は揺さぶられた。
しばらく揺さぶられ続け、四宮の動きが早くなる。

「はぁ、そろそろ1回目を出しますよ」

中に。と続けた四宮に、千秋のフワフワしていた思考は一気に現実に戻された。

「だ、だめですっ、んん、ぁっ、止まって! 中はっダメ!」
「俺の子、孕んでください」

千秋は四宮の子供が欲しかった。けれど千秋のことを好きでもない四宮との子がもし出来たとしても、責任を取ってほしくない。子供だってそんな冷め切った家庭にいたくはないだろう。
四宮と暮らせて喜ぶのは千秋一人だ。

「暴れないでください。そんなに中に出されるのは嫌? つまり相手のアルファとの間に子供はいないのかな?」

少しだけ弾んだような声でそう言った四宮の心を千秋は理解できなかった。

「あぁッ!!」

深く奥まで突き上げられ、千秋は一際高い声をあげた。
ズンッズンッと中を突き上げられて千秋は息も絶え絶えになりながら、それでもこれからの四宮の幸せの為に千秋は拒否の言葉と抵抗を必死で続けた。

「だ、めっ……んんぁ、ぃゃぁ…はぁ、しの、さんッ……んん!!!」
「はぁ、はぁ……ああ。あんまりひどいことはしたくなかったんですが、そんなに嫌嫌、ダメダメ言われると僕も気分が良くありません」

わかってくれた。千秋はそう思った。
けれど四宮は近くにあったタオルを千秋に噛ませ頭の後ろで結んでしまった。

「んんっ!!」
「君の相手のアルファはどんな人なんだろう。いくらで引いてくれるかな。あとでその方について詳しく聞かせてくださいね」
「んー! んん!!」
「ああ、イくっ」

千秋のうつ伏せの体を、四宮の体で押しつぶすように押さえつけ一際奥まで挿入された瞬間、千秋の中で何かが弾けたような感覚があった。
その間、何回も何回もうなじに舌を這わされて千秋はその度にそこからビリビリとした快感を感じ取った。

「千秋……愛してる。ね? だから俺の子を孕んでください」
「んっー!!」

千秋の頭を優しく撫でる四宮の手は暖かかった。
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