器量なしのオメガの僕は

いちみやりょう

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「ゃ、やだ!! やめろっ」

父親に命令された男たちの手が、千秋の体を這う。

「千秋ちゃん。今は嫌がっているけれど、気持ちよくなれる薬をあげようね」
「ひっ、いらない! やめろ!」

必死に抵抗しても、縄でがんじがらめにされている状態では、男たちに何の影響も与えない。
3人がかりで縄越しに服を脱がされ、その肌に注射の針を突き立てられた。

ドクン

途端、心臓が大きく脈打つような感覚が走る。
グワングワンと目が回るような、脳味噌が回るような奇妙な気分だった。

「ぁ、ゃ……」

千秋自身は、嫌で嫌で仕方がないのにも関わらず、後孔が勝手に潤っていくのを感じた。
助けを求めるように部屋を見渡しても千秋と3人の男たちの他に誰もいない。いつの間にか父親は部屋を出ていっていた。

ドクン……ドクン……。

心臓が大きな音を立てて脈打つのに合わせ、千秋の後孔からはジュクジュクと愛液が溢れ出てくる。

「ゃだぁ。助け……晴臣ぃ」
「俺らとやろうってのに、他の男の名前なんか出したらダメじゃん? マナーがなってないよ」
「お前らとなんかっ、やらない……やだ!!」
「大丈夫。千秋ちゃんが俺らのちんこ欲しいって懇願しない限り、入れたりしないよ」

男の一人が、千秋のぼやけた視界の中で笑顔でそう言った。

「ぅぁっ……ほんと……、ぁ、言わない、僕、ぃわな」
「うんうん。でも、辛くなったらいつでも言って。そしたら俺らが思う存分手伝ってあげるからね」

千秋の後孔は、男を欲してジクジクと甘く痺れていたけれど、男たちの言葉に少しだけ安心した。

ーーそれなら、大丈夫。僕は頼んだりしない

けれど、部屋はいつの間にか甘い匂いで満たされ、その匂いは、千秋の体をさらに発情させた。

「ふ……んん、ぁ」

あれから随分と時間が経ったのか、それとも時間が経つのが遅く感じるのか、千秋の感覚から言えば、かなり時間が経ったように感じていた。

「ねぇ……そろそろ助けて欲しいんじゃない?」
「ひっ……ぃゃっ、ぁっ」

意識は朦朧として、後ろを慰めてほしくて、頭が狂いそうだった。
けれど、男たちに懇願してはいけないという意識は残っていて、千秋は必死に抵抗した。

「ぁっ……ァあっ、なんでっ」

今までただ眺めるだけだった男たちは、千秋の様子に痺れを切らしたのか、後孔に指を突き入れていた。

「えー? だって暇なんだもん。でも俺はちゃーんと言ったでしょ? 懇願しない限りちんこは入れないって」 
「ひっ、やだぁ、抜いて! 抜いてよ」
「でもさ、腰動いてるよ? 気持ちいんでしょ? もう言っちゃいなよ。ちんこほしーって」

男たちの言うように、千秋の体は欲していた刺激に勝手に腰を揺らしていた。
けれど千秋は必死に首を振った。

「強情だなぁ……。仕方ない、薬追加しちゃおうか」
「っ!! やだ! 嫌だぁ」

今でさえこんなに辛いと言うのに、薬を追加されてしまったら、千秋は自分がどうなるのか想像も出来なかった。

千秋の拒否を男たちに受け入れてもらえるはずもなく、首元にプスリと注射を刺された。

「ァ!!」


その時、ふわりと四宮の匂いを感じた気がして千秋は一気に理性を失った。

「あっ、ぁっ、入れてぇ……ぁあんはるおみぃ、入れてぇ」
「愛しの晴臣とやらはここにはいねぇよ。だが、そんなに頼むなら俺らが入れてやるから」
「入れて!! ぁあ!! いれて!!!」

千秋の後孔に、男のそれが当てがわれ、もう挿入される。そう思った瞬間だった。

バギャン!!!

扉が凄まじい音を立てて破壊され、扉だったものは小さい木片になり散らばっていた。

扉を蹴破った人物は千秋が必死で助けを求め続けた四宮だったけれど、四宮はいまだかつてない程怒った顔をしていた。
千秋に怒っているのだろう。意識が朦朧としていてもそれだけは分かった。
けれど、四宮がどれだけ怒っていても、四宮の顔は千秋を安心させるのには十分で、緊張していた体は力が抜け千秋は意識を失った。

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