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第7章
70.今の時間を大切に
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◆◆◆
「ふぅ、今日の会議も終わりね」
参列していた神会議が終わり、退席する神々を見送ったアマーリエは、緊張を解いて部屋を出た。
(滞留の件に決着が付いたから、聖威師に直接関係ある議題は少ないのだけれど……会議を通じて天界や神々のことを学べるから、とても良い機会だわ)
『お疲れさん。この後はどうする?』
同様に参加していたフレイムが聞く。アマーリエはリーリアたちと顔を見合わせた。
「神器の開発の続きを……いえ、少し休もうかしら。今日はこのまま、フレイムの神域でのんびりしても良いかもしれないわ」
「そうですわね。主神といられる貴重な時間ですもの。存分に活用するべきですわ」
真っ先に賛同したのはリーリアだ。フロースも大きく頷く。
『地上に戻れば私たちはまた離れ離れだ。神器開発の協力神として、あなたたちに関われる範囲はかなり広がったけど。でも、特別降臨していた時や天界にいる今みたいに、いつも一緒にいることはできなくなる』
「僕も賛成ですー。初っ端から走り過ぎるとすぐにバテますしね。休憩も大事ですよー」
ヘラリと笑ったランドルフに、他の聖威師と主神たちも追随した。
『んじゃ、今日は休養日にしようぜ』
まとめたフレイムの号令が解散の合図となった。軽く別れを述べた皆が、転移でかき消える。
『俺たちも行こう、ユフィー』
「ええ。天界の景色を眺めたいから、歩きで戻ろうかしら」
『お前がそうしたいんなら』
快諾してくれた夫と並んで、共有領域の回廊をトコトコ進む。
「遊運命神様ともお話しできて良かったわ。先日お訪ね下さった時は驚いたけれど」
『レシスの神罰を天恵に反転させる、か。あのクソ厄介なウルトラ天罰がそっくりそのまま天恩に変わったら、確かに無敵だろうな』
「同席して下さったフルード様とアリステル様も、胸を撫で下ろしておられたわよね」
『結局、遊運命神様の提案を呑んだんだよな。ユフィーが昇天する時、神罰を天恵に反転させて体から取り出して、次代の聖威師に継がせる予定になったんだったか』
「ええ。私は天に昇るまでずっとくじ引きはハズレばかりになるけれど、それくらい我慢するわ」
明るく返したアマーリエは、ケロリとした顔で続けた。
「私がハズレれば、他の誰かが当たりを引くことができるでしょう。誰かの喜びに少しでも貢献できるなら本望よ。それに私は、フレイムたちがいてくれれば十分に幸せだもの。……実はこれ、フルード様の受け売りなの。フルード様も地上にいた頃、そう仰っていたわ」
アマーリエもそれに強く共感したため。フルードの後継者という面からも彼の考え方を踏襲することにした。そう話せば、山吹色の眼差しが柔らかく細まった。
『お前ららしいな。まあ任しとけ、俺がお前を幸福にしまくって、みみっちい不幸なんざ消し炭にしてやるぜ』
「神罰本体まで燃やさないでね、未来で使うんだから」
夫婦で冗談めかして笑い合う。昇天するまでずっと、くじも福引も当たらない。地味に不遇だが、それで葬邪神の守護と接点をキープできるなら安いものだと、神々は口を揃えて述べた。
(ついでに、今後は遊戯中で引き籠もっていても気兼ねせず念話してくれて良い、怒らないからと許可をいただけたのよね。おかげで、迂闊に呼びかけてゲームを中断させてしまって大砲を撃ちまくられたら……という心配も無くなったわ)
「あの時は新情報を盛りだくさん聞かされてビックリしてばかりだったわよ。イデナウアー様が遊運命神様の妻だったとかね。まさか夫婦神だったなんて」
「お前、ずっと目が点になってたもんな」
フレイムが思い出し笑いをするように肩を震わせた。アマーリエもつられて唇を綻ばせる。
(アリステル様ともお会いできたから、エアニーヌと慧音の様子を聞いてみたら、まあまあ使えそうだと仰っていたし)
私も神使を持つのは初めてだから、色々と試してみる。そう言って微笑んでいたアリステル。聖威師であるアマーリエとしては、そうですか、としか返事のしようがなかった。葬邪神からあの2人のことは気にするなと命を受けている以上、さらに掘り下げては聞けない。
(彼らのことは考えてもどうしようもないわ……)
どのみち、あの2人はもう神官ではなく、アリステルの神使だ。気がかりな思いが残っていようとも、アマーリエにできることはほぼない。意識を切り替え、微笑みを浮かべる。
「そうだわ。この後だけれど。またフレイムの神苑でお茶をしたいわ」
『特製スイーツ作ってやるよ。何が良い?』
「いつもありがとう。うーん、クリームたっぷりのワッフルケーキかしら。トッピングはイチゴとチョコレートソースが良いわ」
『カスタードとダブルクリームにしてやろうか。神苑のテラスにプレート用意して、出来立てホカホカを食わせてやるよ』
「まぁ、素敵!」
大変に魅惑的な提案だ。アマーリエは心の底から歓声を上げた。
「ふぅ、今日の会議も終わりね」
参列していた神会議が終わり、退席する神々を見送ったアマーリエは、緊張を解いて部屋を出た。
(滞留の件に決着が付いたから、聖威師に直接関係ある議題は少ないのだけれど……会議を通じて天界や神々のことを学べるから、とても良い機会だわ)
『お疲れさん。この後はどうする?』
同様に参加していたフレイムが聞く。アマーリエはリーリアたちと顔を見合わせた。
「神器の開発の続きを……いえ、少し休もうかしら。今日はこのまま、フレイムの神域でのんびりしても良いかもしれないわ」
「そうですわね。主神といられる貴重な時間ですもの。存分に活用するべきですわ」
真っ先に賛同したのはリーリアだ。フロースも大きく頷く。
『地上に戻れば私たちはまた離れ離れだ。神器開発の協力神として、あなたたちに関われる範囲はかなり広がったけど。でも、特別降臨していた時や天界にいる今みたいに、いつも一緒にいることはできなくなる』
「僕も賛成ですー。初っ端から走り過ぎるとすぐにバテますしね。休憩も大事ですよー」
ヘラリと笑ったランドルフに、他の聖威師と主神たちも追随した。
『んじゃ、今日は休養日にしようぜ』
まとめたフレイムの号令が解散の合図となった。軽く別れを述べた皆が、転移でかき消える。
『俺たちも行こう、ユフィー』
「ええ。天界の景色を眺めたいから、歩きで戻ろうかしら」
『お前がそうしたいんなら』
快諾してくれた夫と並んで、共有領域の回廊をトコトコ進む。
「遊運命神様ともお話しできて良かったわ。先日お訪ね下さった時は驚いたけれど」
『レシスの神罰を天恵に反転させる、か。あのクソ厄介なウルトラ天罰がそっくりそのまま天恩に変わったら、確かに無敵だろうな』
「同席して下さったフルード様とアリステル様も、胸を撫で下ろしておられたわよね」
『結局、遊運命神様の提案を呑んだんだよな。ユフィーが昇天する時、神罰を天恵に反転させて体から取り出して、次代の聖威師に継がせる予定になったんだったか』
「ええ。私は天に昇るまでずっとくじ引きはハズレばかりになるけれど、それくらい我慢するわ」
明るく返したアマーリエは、ケロリとした顔で続けた。
「私がハズレれば、他の誰かが当たりを引くことができるでしょう。誰かの喜びに少しでも貢献できるなら本望よ。それに私は、フレイムたちがいてくれれば十分に幸せだもの。……実はこれ、フルード様の受け売りなの。フルード様も地上にいた頃、そう仰っていたわ」
アマーリエもそれに強く共感したため。フルードの後継者という面からも彼の考え方を踏襲することにした。そう話せば、山吹色の眼差しが柔らかく細まった。
『お前ららしいな。まあ任しとけ、俺がお前を幸福にしまくって、みみっちい不幸なんざ消し炭にしてやるぜ』
「神罰本体まで燃やさないでね、未来で使うんだから」
夫婦で冗談めかして笑い合う。昇天するまでずっと、くじも福引も当たらない。地味に不遇だが、それで葬邪神の守護と接点をキープできるなら安いものだと、神々は口を揃えて述べた。
(ついでに、今後は遊戯中で引き籠もっていても気兼ねせず念話してくれて良い、怒らないからと許可をいただけたのよね。おかげで、迂闊に呼びかけてゲームを中断させてしまって大砲を撃ちまくられたら……という心配も無くなったわ)
「あの時は新情報を盛りだくさん聞かされてビックリしてばかりだったわよ。イデナウアー様が遊運命神様の妻だったとかね。まさか夫婦神だったなんて」
「お前、ずっと目が点になってたもんな」
フレイムが思い出し笑いをするように肩を震わせた。アマーリエもつられて唇を綻ばせる。
(アリステル様ともお会いできたから、エアニーヌと慧音の様子を聞いてみたら、まあまあ使えそうだと仰っていたし)
私も神使を持つのは初めてだから、色々と試してみる。そう言って微笑んでいたアリステル。聖威師であるアマーリエとしては、そうですか、としか返事のしようがなかった。葬邪神からあの2人のことは気にするなと命を受けている以上、さらに掘り下げては聞けない。
(彼らのことは考えてもどうしようもないわ……)
どのみち、あの2人はもう神官ではなく、アリステルの神使だ。気がかりな思いが残っていようとも、アマーリエにできることはほぼない。意識を切り替え、微笑みを浮かべる。
「そうだわ。この後だけれど。またフレイムの神苑でお茶をしたいわ」
『特製スイーツ作ってやるよ。何が良い?』
「いつもありがとう。うーん、クリームたっぷりのワッフルケーキかしら。トッピングはイチゴとチョコレートソースが良いわ」
『カスタードとダブルクリームにしてやろうか。神苑のテラスにプレート用意して、出来立てホカホカを食わせてやるよ』
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