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第1章
63.ぶつかる焔と邪②
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唐突な言葉にギョッとしたアマーリエだが、曲がりなりにも聖威を使えるようになったことで分かる。
今、天の向こうで何柱かの神々が動こうとした。
そちらに聖威を集中させて意識を凝らすと、炎の気配を纏う神々が天界から身を乗り出してこちらを注視している。フレイムがラミルファを見据えたまま言葉を継いだ。
『従神が参加したら、神同士の諍いになる。こっちのことは放っとけ、俺とラミルファが二人でキーキー騒いでるだけなら、私的なじゃれ合いで済むからな!』
その言葉で、どうやらあの神々はフレイムの従神らしいと悟る。ラミルファの従神が動きそうなので、自分たちもフレイムを助太刀に来ようとしたのだろう。
『ああ、その通りだ。天まで巻き込むつもりはない。お前たちは退がれ』
頷いたラミルファが言う。悪神の従神たちは顔を見合わせ、素直に後ろに退いた。
アマーリエは慄然とした。フレイムとラミルファにとっては、この程度は少し騒いでいるだけのじゃれ合い……遊びでしかないのだ。今は互いに対してのみ放っている力を少し外に向ければ、地上全体がたちまち灰と化してしまうほどの威力だというのに。
『しかし、我が主フレイム様!』
天から見ている神々の一柱が声を落として来た。
『私も久々に暴れとうございますぞ。邪神様の従神ならば相手十分、腕が鳴るというもの! まぁ私が得意なのは脚技なんですがな!』
『腕も脚も鳴らさんでいい! とにかく来んな!』
すげなく断るフレイムだが、彼の従神たちはめげない。
『ですが、我らが主の愛し子にも挨拶いたしたく!』
『うぃっす、ぜひ親睦を深めたいっす!』
『フレイム様の宝は私どもの宝!』
『お願いします、紹介して下さい!』
半眼で聞いていたフレイムがやれやれと呟くと、一転して嬉しそうな笑顔になった。
『そんなに俺のユフィーに会いたいのか。そんならしょうがねえな~! よし、来い!』
「待って待って待って」
アマーリエは全力でツッコむ。
「それはまずいわフレイム。私との挨拶目的だとしても、今来たら絶対ラミルファ様の従神方と乱闘になるわよ!」
『あー、まぁそうかもな。おいお前ら、やっぱ後にしとけ!』
『『えぇ~!?』』
『えぇ~じゃねえ! またちゃんと紹介してやるから』
ぶーぶー異論を唱える従神たちに、アマーリエも訴えた。
『あ、あの、また後日きちんとご挨拶いたします! 落ち着いてゆっくりお話しできる時にしたいのです!』
それを聞いた従神たちが残念そうに引き下がる。
『そうか、本人が言うなら仕方ない』
『残念、また今度っすねー』
『楽しみは後に取っておくか』
(よ、良かったわ……あら?)
ホッとしたアマーリエがふとラミルファを見ると、彼は興醒めしたように黒い剣を下ろしていた。
『何だ、もう終わりか?』
フレイムも剣を一回転させて構えを解く。その剣筋に沿って舞い散る赤い花弁が美しい。
『……お前たちのやり取りを聞いていたら馬鹿馬鹿しくなって来た』
はぁ~ぁと溜め息を吐き、ラミルファはポイと剣を投げ捨てる。虚空を舞った黒剣はスゥッと大気に溶け、地面に落ちる前に消えた。それを確認したフレイムの手からも、炎の剣が煙と化して消失した。
二神が放っていた甚大な闘気がふっと凪ぎ、平穏な空気が戻って来た。
今、天の向こうで何柱かの神々が動こうとした。
そちらに聖威を集中させて意識を凝らすと、炎の気配を纏う神々が天界から身を乗り出してこちらを注視している。フレイムがラミルファを見据えたまま言葉を継いだ。
『従神が参加したら、神同士の諍いになる。こっちのことは放っとけ、俺とラミルファが二人でキーキー騒いでるだけなら、私的なじゃれ合いで済むからな!』
その言葉で、どうやらあの神々はフレイムの従神らしいと悟る。ラミルファの従神が動きそうなので、自分たちもフレイムを助太刀に来ようとしたのだろう。
『ああ、その通りだ。天まで巻き込むつもりはない。お前たちは退がれ』
頷いたラミルファが言う。悪神の従神たちは顔を見合わせ、素直に後ろに退いた。
アマーリエは慄然とした。フレイムとラミルファにとっては、この程度は少し騒いでいるだけのじゃれ合い……遊びでしかないのだ。今は互いに対してのみ放っている力を少し外に向ければ、地上全体がたちまち灰と化してしまうほどの威力だというのに。
『しかし、我が主フレイム様!』
天から見ている神々の一柱が声を落として来た。
『私も久々に暴れとうございますぞ。邪神様の従神ならば相手十分、腕が鳴るというもの! まぁ私が得意なのは脚技なんですがな!』
『腕も脚も鳴らさんでいい! とにかく来んな!』
すげなく断るフレイムだが、彼の従神たちはめげない。
『ですが、我らが主の愛し子にも挨拶いたしたく!』
『うぃっす、ぜひ親睦を深めたいっす!』
『フレイム様の宝は私どもの宝!』
『お願いします、紹介して下さい!』
半眼で聞いていたフレイムがやれやれと呟くと、一転して嬉しそうな笑顔になった。
『そんなに俺のユフィーに会いたいのか。そんならしょうがねえな~! よし、来い!』
「待って待って待って」
アマーリエは全力でツッコむ。
「それはまずいわフレイム。私との挨拶目的だとしても、今来たら絶対ラミルファ様の従神方と乱闘になるわよ!」
『あー、まぁそうかもな。おいお前ら、やっぱ後にしとけ!』
『『えぇ~!?』』
『えぇ~じゃねえ! またちゃんと紹介してやるから』
ぶーぶー異論を唱える従神たちに、アマーリエも訴えた。
『あ、あの、また後日きちんとご挨拶いたします! 落ち着いてゆっくりお話しできる時にしたいのです!』
それを聞いた従神たちが残念そうに引き下がる。
『そうか、本人が言うなら仕方ない』
『残念、また今度っすねー』
『楽しみは後に取っておくか』
(よ、良かったわ……あら?)
ホッとしたアマーリエがふとラミルファを見ると、彼は興醒めしたように黒い剣を下ろしていた。
『何だ、もう終わりか?』
フレイムも剣を一回転させて構えを解く。その剣筋に沿って舞い散る赤い花弁が美しい。
『……お前たちのやり取りを聞いていたら馬鹿馬鹿しくなって来た』
はぁ~ぁと溜め息を吐き、ラミルファはポイと剣を投げ捨てる。虚空を舞った黒剣はスゥッと大気に溶け、地面に落ちる前に消えた。それを確認したフレイムの手からも、炎の剣が煙と化して消失した。
二神が放っていた甚大な闘気がふっと凪ぎ、平穏な空気が戻って来た。
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