204 / 601
第3章
7.属国神官との再会
しおりを挟む
◆◆◆
広く長い廊下を歩くと、すれ違う神官たちが一斉に道を開け、叩頭する。かつてのアマーリエであれば、正面から向き合うことすら覚束なかった高位の神官たちだ。神官府の総本山で繰り広げられるその光景に、聖威師となったばかりの頃は尻込みしていたが、現在はかなり順応できつつある。
「ご苦労様。皆、変わりはないかしら?」
「はい。お気遣いありがとうございます」
「お声かけいただき、光栄にございます」
最初は思い切り頭を下げながら敬語で話しかけてしまい、フルードにやんわりと注意されていたのも良い思い出だ。
『もうアマーリエの方が上位者なのですから、丁寧な言葉は必要ありません。会釈も不要です』
『わ、分かっているのですが、相手は貴族なのでつい……』
『神格を持つ者は人間にへりくだりません。あなたはもう、世界王である帝国と皇国の国王よりも上の存在となりました。皇帝様にも達する身位を持っているのです。そのことを自覚しなくてはいけませんよ』
『はは、いつまで経っても敬語癖が抜けずに苦労してたお前が、いっぱしにそう指導するようになったとはなぁ。月日の流れってのは偉大なもんだ』
『お、お兄……焔神様、それは内緒です!』
懐かしげに笑うフレイムの口をあわあわと塞いでいた大神官を思い出しつつ、府内を闊歩する。下階や地下まで一巡し、聖威師の目があることを言外にアピールする。
(庭園も見ておいた方がいいわよね)
だだっ広い庭をぐるりと回り、一般公開エリアにも足を伸ばす。帝城や神官府に入るには受付を通過する必要があるが、例外として一部区画は解放されているのだ。
紋入りの神官衣を纏うアマーリエの登場に、ちらほらといた一般人が歓声を上げる。神格を持つ聖威師は、皇帝たる天威師と同様に尊敬と崇拝、憧憬の対象だ。
(あまり長くいたら騒ぎが大きくなるわ。早めに切り上げましょう)
自然な笑みで人々の視線と拝礼を受け流し、別の場所に移動する。ここも一般公開エリアだが、この時間はやや日当たりが悪いため、人の気配はなかった。
「ふぅ」
小さく吐息を漏らすと、遠慮がちに声をかけられた。
「あの……」
「え?」
振り向くと、水色の神官衣を着込んだ老人が立っていた。
「あら、どちら様?」
(水色の法衣……属国の神官ね。全然気配に気が付かなかったわ)
内心で驚つつ、相手をざっと確認する。
外見は初老を超えたところか。シワが寄った目元から覗く瞳は淡い青。僅かな金を残して白く染まった頭髪は、ボリュームが寂しい。枯れ木のような腕には杖を携えている。リーリアの祖父たる老侯が持っていた神杖とは異なり、純粋に身体機能を補助するためのものだろう。
(どこかで見た覚えがあるわ。ええと、確か――)
記憶を辿っていると、老人が照れ臭そうに破顔した。笑うとシワの中に目が埋もれ、柔和な印象が強くなる。その顔を見てピンと来た。
(あっ、思い出したわ)
だが、相手が口を開く方が早かった。
「突然声をかけてしまい、申し訳ありません。あなた様をお見かけしまして。追いかけようとしたのですが、この足ですので……転移を使って来てしまいました」
霊威で脚力を増幅するか、一時的に脚を回復させることも考えたが、転移した方が早い上に楽だと思ったらしい。
(後を追って来たのではなく転移して来たから、気配を感じなかったのね)
加齢や老化により自ずと衰えていく身体機能は、霊威をもってしても減退を抑え切れない。強力な霊威を持つ高位神官であれば、若い時の体力を維持することも可能だ。しかし一般の神官であれば、せいぜい有事の際に衰えた分を増強あるいは回復させるくらいだ。
節くれだった手に持っている杖を見て納得しながら、アマーリエは友好的な笑みを向けた。
「照覧祭で挨拶に来て下さった方ね。エイリスト王国の神官、ワイマー・エクドルだったかしら。その節は長い時間並んでいただいてありがとう」
(確かあの長蛇の列にいた人だわ)
照覧祭では、聖威師たちと対面したい神官たちが軒並み列を連ねてやって来た。その中に、目の前の相手もいたはずだ。老人や子どもも列に加わっている光景を見て、長時間並んでもらうのが申し訳ないと思ったので、記憶に引っ掛かっていた。
「恐れ多くも大神官補佐様に覚えていただいておりましたとは、望外の喜びに存じます」
感極まった表情を浮かべた老人――ワイマーはつと姿勢を正すと、目を潤ませながら深々と頭を下げた。最敬礼に近い角度だ。
「大神官補佐様、お礼を申し上げるのはこちらの方でございます」
「顔を上げてちょうだい。脚がお悪いのにそんな体勢を取ってはいけません。――ええと、私はお礼を言われるようなことをしたかしら?」
「先だっての嵐をお鎮め下さったおかげで、私の家族や友人が命をお救いいただきました。ヤクス山脈が崩壊しかけ、まさに間一髪だったそうです」
「……まあ、そうでしたの」
アマーリエはほろ苦さを隠して頷いた。あなたのおかげで救われたという礼をしたためた手紙は、それこそ山のように届いている。国家や王家、神官府からの公式の礼状もだ。だがその陰で、間に合わず零れ落ちていった数多の命もある。
「私はただ、聖威師に許される範囲での支援を行っただけよ」
「そのおかげで多くの命が長らえ、無数の未来が繋がりました。私の大切な者たちも、その中に含まれております」
ワイマーが杖を置き、脚を踏みしめてアマーリエの両手を握りしめた。
「心より感謝申し上げます」
「一人でも多くの命を守ることができたなら、私も本望だわ」
アマーリエは相好を和らげた。ご老体が体勢を崩さないよう支える意味も込め、しっかりと力を入れて握り返す。
「ところで、今日はどうしてここへ? 中央本府にご用が?」
「いいえ、ちょうど私用で帝都に来る用事があったので、足を伸ばして中央本府に寄ったのです」
神官府の総本山は、全ての神官にとって憧れの聖地だ。帝都に来れば立ち寄る者も多い。
「少し内部を見学させていただきまして、帰りに庭園を散策しておりましたら、あなた様をお見かけしました」
「それで来てくれたのね」
「はい。こうして再び見えることができ、至福の極み。今日のことは生涯忘れませぬ。もうお一方の……神官長補佐様にも、どうかよろしくお伝えいただけますと幸いでございます」
「聖威師リーリアね。もちろん私から伝えておくわ。彼女もきっと喜ぶはずよ」
「ああ、ありがとうございます、ありがとうございます」
幾度も繰り返しながら、ワイマーはそっとアマーリエの手を外した。自らの霊威で、地面に置いた杖を浮かせて掌中に取り寄せ、目尻にシワを寄せて微笑した。
「今日はお会いできてようございました。また近い内にお会いしましょう」
次の瞬間、一陣のそよ風を置き土産に、老人の姿は消えていた。
広く長い廊下を歩くと、すれ違う神官たちが一斉に道を開け、叩頭する。かつてのアマーリエであれば、正面から向き合うことすら覚束なかった高位の神官たちだ。神官府の総本山で繰り広げられるその光景に、聖威師となったばかりの頃は尻込みしていたが、現在はかなり順応できつつある。
「ご苦労様。皆、変わりはないかしら?」
「はい。お気遣いありがとうございます」
「お声かけいただき、光栄にございます」
最初は思い切り頭を下げながら敬語で話しかけてしまい、フルードにやんわりと注意されていたのも良い思い出だ。
『もうアマーリエの方が上位者なのですから、丁寧な言葉は必要ありません。会釈も不要です』
『わ、分かっているのですが、相手は貴族なのでつい……』
『神格を持つ者は人間にへりくだりません。あなたはもう、世界王である帝国と皇国の国王よりも上の存在となりました。皇帝様にも達する身位を持っているのです。そのことを自覚しなくてはいけませんよ』
『はは、いつまで経っても敬語癖が抜けずに苦労してたお前が、いっぱしにそう指導するようになったとはなぁ。月日の流れってのは偉大なもんだ』
『お、お兄……焔神様、それは内緒です!』
懐かしげに笑うフレイムの口をあわあわと塞いでいた大神官を思い出しつつ、府内を闊歩する。下階や地下まで一巡し、聖威師の目があることを言外にアピールする。
(庭園も見ておいた方がいいわよね)
だだっ広い庭をぐるりと回り、一般公開エリアにも足を伸ばす。帝城や神官府に入るには受付を通過する必要があるが、例外として一部区画は解放されているのだ。
紋入りの神官衣を纏うアマーリエの登場に、ちらほらといた一般人が歓声を上げる。神格を持つ聖威師は、皇帝たる天威師と同様に尊敬と崇拝、憧憬の対象だ。
(あまり長くいたら騒ぎが大きくなるわ。早めに切り上げましょう)
自然な笑みで人々の視線と拝礼を受け流し、別の場所に移動する。ここも一般公開エリアだが、この時間はやや日当たりが悪いため、人の気配はなかった。
「ふぅ」
小さく吐息を漏らすと、遠慮がちに声をかけられた。
「あの……」
「え?」
振り向くと、水色の神官衣を着込んだ老人が立っていた。
「あら、どちら様?」
(水色の法衣……属国の神官ね。全然気配に気が付かなかったわ)
内心で驚つつ、相手をざっと確認する。
外見は初老を超えたところか。シワが寄った目元から覗く瞳は淡い青。僅かな金を残して白く染まった頭髪は、ボリュームが寂しい。枯れ木のような腕には杖を携えている。リーリアの祖父たる老侯が持っていた神杖とは異なり、純粋に身体機能を補助するためのものだろう。
(どこかで見た覚えがあるわ。ええと、確か――)
記憶を辿っていると、老人が照れ臭そうに破顔した。笑うとシワの中に目が埋もれ、柔和な印象が強くなる。その顔を見てピンと来た。
(あっ、思い出したわ)
だが、相手が口を開く方が早かった。
「突然声をかけてしまい、申し訳ありません。あなた様をお見かけしまして。追いかけようとしたのですが、この足ですので……転移を使って来てしまいました」
霊威で脚力を増幅するか、一時的に脚を回復させることも考えたが、転移した方が早い上に楽だと思ったらしい。
(後を追って来たのではなく転移して来たから、気配を感じなかったのね)
加齢や老化により自ずと衰えていく身体機能は、霊威をもってしても減退を抑え切れない。強力な霊威を持つ高位神官であれば、若い時の体力を維持することも可能だ。しかし一般の神官であれば、せいぜい有事の際に衰えた分を増強あるいは回復させるくらいだ。
節くれだった手に持っている杖を見て納得しながら、アマーリエは友好的な笑みを向けた。
「照覧祭で挨拶に来て下さった方ね。エイリスト王国の神官、ワイマー・エクドルだったかしら。その節は長い時間並んでいただいてありがとう」
(確かあの長蛇の列にいた人だわ)
照覧祭では、聖威師たちと対面したい神官たちが軒並み列を連ねてやって来た。その中に、目の前の相手もいたはずだ。老人や子どもも列に加わっている光景を見て、長時間並んでもらうのが申し訳ないと思ったので、記憶に引っ掛かっていた。
「恐れ多くも大神官補佐様に覚えていただいておりましたとは、望外の喜びに存じます」
感極まった表情を浮かべた老人――ワイマーはつと姿勢を正すと、目を潤ませながら深々と頭を下げた。最敬礼に近い角度だ。
「大神官補佐様、お礼を申し上げるのはこちらの方でございます」
「顔を上げてちょうだい。脚がお悪いのにそんな体勢を取ってはいけません。――ええと、私はお礼を言われるようなことをしたかしら?」
「先だっての嵐をお鎮め下さったおかげで、私の家族や友人が命をお救いいただきました。ヤクス山脈が崩壊しかけ、まさに間一髪だったそうです」
「……まあ、そうでしたの」
アマーリエはほろ苦さを隠して頷いた。あなたのおかげで救われたという礼をしたためた手紙は、それこそ山のように届いている。国家や王家、神官府からの公式の礼状もだ。だがその陰で、間に合わず零れ落ちていった数多の命もある。
「私はただ、聖威師に許される範囲での支援を行っただけよ」
「そのおかげで多くの命が長らえ、無数の未来が繋がりました。私の大切な者たちも、その中に含まれております」
ワイマーが杖を置き、脚を踏みしめてアマーリエの両手を握りしめた。
「心より感謝申し上げます」
「一人でも多くの命を守ることができたなら、私も本望だわ」
アマーリエは相好を和らげた。ご老体が体勢を崩さないよう支える意味も込め、しっかりと力を入れて握り返す。
「ところで、今日はどうしてここへ? 中央本府にご用が?」
「いいえ、ちょうど私用で帝都に来る用事があったので、足を伸ばして中央本府に寄ったのです」
神官府の総本山は、全ての神官にとって憧れの聖地だ。帝都に来れば立ち寄る者も多い。
「少し内部を見学させていただきまして、帰りに庭園を散策しておりましたら、あなた様をお見かけしました」
「それで来てくれたのね」
「はい。こうして再び見えることができ、至福の極み。今日のことは生涯忘れませぬ。もうお一方の……神官長補佐様にも、どうかよろしくお伝えいただけますと幸いでございます」
「聖威師リーリアね。もちろん私から伝えておくわ。彼女もきっと喜ぶはずよ」
「ああ、ありがとうございます、ありがとうございます」
幾度も繰り返しながら、ワイマーはそっとアマーリエの手を外した。自らの霊威で、地面に置いた杖を浮かせて掌中に取り寄せ、目尻にシワを寄せて微笑した。
「今日はお会いできてようございました。また近い内にお会いしましょう」
次の瞬間、一陣のそよ風を置き土産に、老人の姿は消えていた。
21
あなたにおすすめの小説
元侯爵令嬢の異世界薬膳料理~転生先はみんな食事に興味が無い世界だったので、美味しいご飯で人の身も心も癒します~
向原 行人
ファンタジー
異世界へ転生して数日。十七歳の侯爵令嬢、アリスとして目覚めた私は、早くも限界を迎えていた。
というのも、この世界……みんな食事に興味が無くて、毎食パンとハムだけとか、ハムがチーズに変わるとか、せいぜいその程度だ。
料理というより、食材を並べているだけって感じがする。
元日本人の私としては温かいご飯がたべたいので、自分で食事を作るというと、「貴族が料理など下賤なことをするのは恥だ!」と、意味不明な怒られ方をした。
わかった……だったら、私は貴族を辞める!
家には兄が二人もいるし、姉だっているから問題無いでしょ。
宛てもなく屋敷を飛び出した私は、小さな村で更に酷い食事事情を目の当たりにする。
育ち盛りの子供たちや、身体を使う冒険者たちが、それだけしか食べないなんて……よし、美味しいご飯でみんなも私も幸せになろう!
医食同源! 大食いモフモフ聖獣に、胃袋を掴んでしまった騎士隊長と一緒に、異世界で美味しくて身体に良い食材探しだ!
※第○話:主人公視点
挿話○:タイトルに書かれたキャラの視点
となります。
教養が足りない、ですって
たくわん
恋愛
侯爵令嬢エリーゼは、公爵家の長男アレクシスとの婚約披露宴で突然婚約破棄される。理由は「教養が足りず、公爵夫人として恥ずかしい」。社交界の人々の嘲笑の中、エリーゼは静かに会場を去る。
【完結】欲しがり義妹に王位を奪われ偽者花嫁として嫁ぎました。バレたら処刑されるとドキドキしていたらイケメン王に溺愛されてます。
美咲アリス
恋愛
【Amazonベストセラー入りしました(長編版)】「国王陛下!わたくしは偽者の花嫁です!どうぞわたくしを処刑してください!!」「とりあえず、落ち着こうか?(にっこり)」意地悪な義母の策略で義妹の代わりに辺境国へ嫁いだオメガ王女のフウル。正直な性格のせいで嘘をつくことができずに命を捨てる覚悟で夫となる国王に真実を告げる。だが美貌の国王リオ・ナバはなぜかにっこりと微笑んだ。そしてフウルを甘々にもてなしてくれる。「きっとこれは処刑前の罠?」不幸生活が身についたフウルはビクビクしながら城で暮らすが、実は国王にはある考えがあって⋯⋯?
婚約破棄から50年後
あんど もあ
ファンタジー
王立学園の卒業パーティーで、王子が婚約者に婚約破棄を宣言した。王子は真に愛する女性と結ばれ、めでたしめでたし。
そして50年後、王子の孫の王子は、婚約破棄された女性の孫と婚約する事に。そこで明かされた婚約破棄の真実とは。
永遠の十七歳なんて、呪いに決まってる
鷹 綾
恋愛
永遠の十七歳――
それは祝福ではなく、三百年続く“呪い”だった。
公には「名門イソファガス家の孫娘」として知られる少女キクコ。
だがその正体は、歴史の裏側で幾度も国を救ってきた不老の元聖女であり、
王家すら真実を知らぬ“生きた時代遺産”。
政治も権力も、面倒ごとは大嫌い。
紅茶と読書に囲まれた静かな余生(?)を望んでいたキクコだったが――
魔王討伐後、王位継承問題に巻き込まれたことをきっかけに、
まさかの王位継承権十七位という事実が発覚する。
「……私が女王? 冗談じゃないわ」
回避策として動いたはずが、
誕生した新国王アルフェリットから、なぜか突然の求婚。
しかも彼は、
幼少期に命を救われた“恩人”がキクコであることを覚えていた――
年を取らぬ姿のままで。
永遠に老いない少女と、
彼女の真実を問わず選んだ自分ファーストな若き王。
王妃になどなる気はない。
けれど、逃げ続けることももうできない。
これは、
歴史の影に生きてきた少女が、
はじめて「誰かの隣」を選ぶかもしれない物語。
ざまぁも陰謀も押し付けない。
それでも――
この国で一番、誰よりも“強い”のは彼女だった。
婚約破棄したその場から、ざまぁは始まっていました
ふわふわ
恋愛
王国随一の名門、アルファルド公爵家の令嬢シャウラは、
ある日、第一王子アセルスから一方的に婚約を破棄される。
理由はただ一つ――
「平民出身の聖女と婚約するため」。
だが、その“婚約破棄したその場”で、ざまぁはすでに始まっていた。
シャウラは泣かず、怒らず、抗議もしない。
ただ静かに席を立っただけ。
それだけで――
王国最大派閥アルファルド派は王子への支持を撤回し、
王国最大の商会は資金提供を打ち切り、
王太子候補だったアセルスは、政治と経済の両方を失っていく。
一方シャウラは、何もしていない。
復讐もしない。断罪もしない。
平穏な日常を送りながら、無自覚のまま派閥の結束を保ち続ける。
そして王国は、
“王太子を立てない”という前代未聞の選択をし、
聡明な第一王女マリーが女王として即位する――。
誰かを裁くことなく、
誰かを蹴落とすことなく、
ただ「席を立った」者だけが、最後まで穏やかでいられた。
これは、
婚約破棄から始まる――
静かで、上品で、取り返しのつかないざまぁの物語。
「私は何もしていませんわ」
それが、最強の勝利だった。
旦那様。私が悪女ならば、愛人の女は何になるのかしら?
白雲八鈴
恋愛
我が公爵家主催の夜会の最中。夫が愛人を連れてやってきたのです。そして、私を悪女という理由で離縁を突きつけてきました。
離縁して欲しいというのであれば、今まで支援してきた金額を全額返済していただけません?
あら?愛人の貴女が支払ってくれると?お優しいわね。
私が悪女というのであれば、妻のいる夫の愛人に収まっている貴女は何なのかしら?
ローザリンデの第二の人生
梨丸
恋愛
伯爵令嬢、ローザリンデの夫はいつも彼女より仕事を優先させ、彼女を無碍にしている。
彼には今はもういない想い人がいた。
私と結婚したことにいい思いをしていないことは知っていた。
けれど、私の命が懸かっていた時でさえも、彼の精神は変わらなかった。
あなたが愛してくれないのなら、私は勝手に幸せになります。
吹っ切れたローザリンデは自分自身の幸せのために動くことにした。
※投稿してから、誤字脱字などの修正やわかりにくい部分の補足をすることがあります。(話の筋は変わらないのでご安心ください。)
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる