laugh~笑っていて欲しいんだ、ずっと~

seaco

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「……俺も…依存症だよ…もう……」

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帰宅すると慶はさすがに寝てた。

夕方から何をして過ごしたんだろう…。

ふ、と過る過去の事……
1人になるとアイツは泣いてた。

ずっと……

そんな事は無かっただろうか……

そんな事を考えながら、リビングの電気を点ける。


「……?」

ダイニングテーブルの上に紙がある。
鞄と上着をソファに置いて、その紙を見る。


『侑利くん

おかえり~。おつかれさま~。晩ご飯ちゃんと食べたよ~。すごくおいしかった。お風呂、お湯ためてるからね。先にねるけど、さびしかったら起こしてもいいよ~。 慶 』


……何か………叫びたいくらい可愛いって思うのは何故だ。

最後のくだりは、起こせっていうフリか?
逆に悩むわ…。

とにかく、今すぐに慶の顔が見たくて寝室へ入る。

オレンジのルームライトに照らされてる部分だけがシルエットで見える。

布団にほとんど全部潜って、慶が寝てる。
そっと近付き布団をずらしてみる。

俺が手を付いた事で少しベッドが沈んだけど、慶は起きる事無く静かに寝息を立てている。

……何か……やっぱ………好きなんだな、って改めて感じる。

この顔を見ただけで、何故かホッと安心する自分が居て………目を開けて、名前を呼んで欲しいって思ってしまう。

静かに、寝ている隣に滑り込み、慶の髪を何度か撫でた。
少し眉を寄せはしたが、変わらず眠ってる。

そのまま、慶を跨ぐ感じで被さり、その唇にキスをした。

さびしかったら起こしてもいい、って手紙に書いてあった。
だから、起こそうって決めた。


「……ん、…」

慶が小さな声を漏らす。

啄ばむような軽いキスを何度も繰り返してるうちに……少しだけ意識の戻った慶が、そのキスに応えるように、緩く俺の唇を噛む。

ヤバいヤバい…
寝込みを襲ってしまいそうだ……

そんな事したら、流石に怒られるかな…。


「……侑利くん…?」

寝起きの…少し掠れた声。
呼んで欲しかった、自分の名前。

「うん、」

俺以外の誰がこんな事すると思ってんだよ、バカ…。

「……おかえり」

慶の腕が伸びて来て、綺麗な指が俺の髪を梳くように撫でる。

「ただいま」

片方の手で、何度か目を擦った後、ぼんやりと俺に焦点を合わせる。

「…ふふ……さびしかったの?」

……可愛い感じで聞いて来んなよ…襲っちまうぞ、コノヤロー。

「…そ。」

もう一度、ふふっと笑うと、髪を梳いてた手が俺の頭を抱きしめるように後ろに回り、そのまま慶にキスされる。
少しだけ、艶のあるやつをじっくりと。

「侑利くん、かわい」
「…何が」
「さびしかったんでしょ?」

……何とでも言ってくれ。
慶の隣に横になり、慶の細い体を抱き寄せる。

「でも……起こして欲しかったから、嬉しい」
「何だよ…だったら起こしてって書けよ」
「え~…だってぇ~」

遊ばれてんな、やっぱ、俺。
すぐ、罠にハマるからな…。

「何してたの、夜」

気になったので聞いた。

「え~…普通にしてたよ」
「普通って何だよ」
「ご飯食べて、片付けして、テレビ見て、お風呂入って、カフェオレ飲んで、もっかいテレビ見て、歯磨きして、そんで寝た」

……確かに普通だな…。

「1人で大丈夫だった?」

泣いたりしなかったか……それが気になるんだよ。

「大丈夫だよ」

沖縄に行ってた時も、慶はそう言った。
大丈夫だ、って。

だけど……全然大丈夫じゃなかった。

その事があるから……信じてない訳じゃないけど………
心配になってしまう。


「もう、大丈夫」


俺がそんな風に思ってるのを見透かしてるように、慶がゆっくりとそう言った。

「侑利くんが居ないと寂しいし、やっぱり嫌な夢も見る時あるけど………でも、大丈夫。前とは違うよ。………侑利くんが…そう思わせてくれてんだよ」

慶の、優しい声が心地よく体に入って来る。


「俺には、侑利くんが居る。………俺を……好きだって言ってくれる…」


そりゃ、お前の想像の遥かに上を行くぐらい、ハマってますから。


「侑利くん……俺を好きになってくれて、ありがとう」


まただ。

何度……これを言われたか分からない。

慶は、何度も俺にそう言うんだ…。

そんなに、特別な事じゃない。


俺は慶がこの言葉を言う度に……泣きそうになるのを我慢してる。

慶の今までの……辛くて死にたかった人生…………
それでも、死なずに1人で生きて来た俺に出会うまでの日々が……全て正しかったんだって……それは慶にとって、自分の生きて来た事にちゃんと意味があったって思える言葉のような気がして…。

慶はずっと……自分が生きてる事は間違った選択だったって思って来たから……

自分は愛される資格のない人間だって。

慶が俺に「好きになってくれて、ありがとう」と言う度に……自分だって愛される価値のある人間だって思えるようになったんだ、って嬉しくなる。

だから、俺はいつも………泣きそうになるんだ。


「慶、」
「ん?」
「俺を好きになってくれて、ありがとな」


俺だってそう思ってる。
お前の居ない人生は、もう、俺の中に無いからさ。

「……もう……泣いちゃうじゃん」

慶が泣き出した。
久々に見たわ……泣いてんの…。

「好きだ」

泣いてるけど……俺は、勝手に続けた。

「俺と出会ってくれてさ………マジで嬉しい」
「やめてよぉ…」

指の腹で何度も涙を拭うけど……全然止まってないし…

「いや、やめねぇ」

思いっきり却下して俺はそのまま喋る。

「毎日、最後にお前の顔見て声聞かないと落ち着かねぇ……マジで依存症だわ…………俺、お前の事ばっか考えててさ………こんなの今までにねぇから、俺ってこんな奴だったんだなって、自分でも引いてる時あるけど………でも、どうにもなんねぇ」

慶がぎゅうぎゅうと抱き着いて来る。
俺の服に顔を擦りつけてめっちゃ涙拭いてるのも気付いてるけど……それも含めて可愛いからそのままにしておく。


「…お前の事が好きすぎんだけど………どうしたらいい?」


慶は俺の体を思いっきり締め付けて来る。
身動き取れない。


「侑利くんのバカ」


お前ぐらいだよ、俺をバカって言うの。

「俺だって………侑利くんの事…好きすぎて困ってんだからね」

少し力が弱まり…慶の腕が俺の腕に絡まる…。

「侑利くん……」

涙は、だいぶ止まって来てるようだ。


「……俺も…依存症だよ…もう……」


舞い上がりそうだわ……そのセリフ…。


とりあえず……そんな事を言われて、黙って寝かせられる訳も無く………
単純な俺はまた……慶に欲情して……


ほとんど毎日、そんな事してるけど………


やっぱり毎回気持ち良くて……


キレイで……



また、好きになる。







~~~~~~~~



怒涛の週末が終わった。

……さすがに忙しかったけど……BIRTHがこんなにもお客さんに愛されてる店なんだって再確認出来た1週間だった。

勿論、新しいお客さんが多かったけど、この1週間のうちにかなり多くの常連さんも来てくれた。

リニューアルを待ってたって声も多数聞いたし、その中の半分くらいの人が差し入れやお祝いの品を持って来てくれたりして、本当にお客さんあっての仕事だって思わされた。

だから、忙しかったけど充実した日々だった。

先週は全員全日出勤してたけど、今週からはいつも通り平日2日は休みになる。
……まぁ、前にも言ったけど、今週は慶とは休みが全く被らない…。

恋人依存症の俺と慶には少々辛いけど、それはどうしようもない事だ。




「侑利っ」

開店準備が終わって、オープンまでちょっと休憩しようかと思ってた俺に、後ろから飛び付いて来た奴……
確認しなくても、巴流だと分かる。

「急に飛び付くなって、首傷めるわ」
「傷めない程度に加減してるって~」

ベタベタとくっ付いて来る。

「何だよ」
「…侑利と絡みたかった」

巴流は……その後どうなったんだろう。
ふざけた話はよくするけど、あれ以来、友達の可愛い女の子の事も大和の事も言って来ない。

今日は大和が休みだから、何か言いたい事があるのかも…って漠然と思った。

「何か聞いて欲しい事あんの?」
「何で分かんの」
「……お前、分かりやすいし」

あはは、と笑ってやった。

「外行く?」

俺の言葉に素直に頷いた。
何か…先に進む気にでもなったかな。

日が落ちた後は外はけっこう冷えるから、それぞれ上着を羽織って裏口から外へ出る。
壁際に凭れて話すのが、定番。


「…で?」

最短の言葉で聞く。

「行き成りかよっ!しかも、で?って」
「ははっ、何だよ、良いじゃん、簡潔で」
「簡潔すぎるだろっ」

お互い緩く笑う。

俺は、巴流が好きだ。
勿論、みんな好きだけど、巴流は独特の存在感を持ってて、何か居ないと盛り上がらなくて……明るい性格が伝染する感じ。

一番バカだけど。

「大和の事?」

大和というワードを出したら、一気に黙った。

「……お前ってほんと分かりやすいね」

俺がそう言うと、チラッとこっちを見て短いため息を1つ吐いた。

「何かあった?」

無言で頷く。

「ケンカでもしてんの?」

今度は、ううん、と首を振る。

「好きだって言っちゃった?」

地面を見つめてた巴流が、バッと顔を上げて俺を見て来る。
すげぇビックリ顔してる。

「だから分かりやすいって言ってんだよ」
「……そうなの?」
「そう」

巴流は、新たに長めの溜息を吐きながら、壁伝いにしゃがむ。
俺も合わせて同じ様にしゃがんだ。

「…昨日の帰り」
「うん」
「飯食いに行ってさ、大和と」
「あぁ、」
「食った後、車ん中でちょっと喋ってたらさ」
「うん」
「前に話した友達の女の子から電話かかって来てさ」
「あぁ、アイドルね」

前に巴流と話した時、答えは出てるって言ってた。

「出ないでほっといたんだけど……すっげぇ鳴ってさ…大和に出なよって言われてさ」
「あぁ…そりゃ、言うわな」

ずっと鳴ってんのに出ないのも、大和だって気になるし…。

「酔ってんの」
「その子?」
「けっこうベロベロな感じでさ……何であたしじゃダメなの~とかさ……ずっと好きだったの知ってるクセに~とかさ……他に好きな子いるの~とかさ…」
「……あぁ、」
「デカいんだわ、声が…酔ってるから」
「漏れちゃってる感じ?」
「……うん……完璧」

……微妙だな、そりゃ。

「大和にも丸聞こえでさぁ……適当に返事して電話切ったんだけど……何かシーンってなってさ…」

その子とも付き合いは長そうな感じだった。

「俺…前に侑利に、居なくなったら困んのはどっちかって言われた時にさ…………大和だな、って思ったんだ」

俺もそうだと思ってたけどさ。

「だけどまだ、大和に何にも言えてなくてさ……拒否されたらどうしよう、って考えばっか出て来て……」

それは分かる。

「そしたら大和がさ………ずっと好きだったの知ってるのに、何でその子じゃダメなの?って」

思いっきり聞こえてたんだな…。

「他に好きな子いるの?って」

おおぉーーっ!

「お前っ、どう答えたんだよっ」
「ちょっと、すっげぇ食い付いて来てんじゃん」
「え、だってめっちゃ続き気になるし」
「お前、楽しんでるだろ」
「いやいや、心配してんだって」

先がすんげぇ気になるから、早く答えろって。

「で?何て答えたの?」

俺が前のめりに聞くから、ちょっと引き気味だった巴流が何かを決心したように息を吸い込む。



「言った。…大和が好きだって」



………何だ……ちょっと感動すんじゃん。


「まぁ……正確には……好きなんだと思う、って。……すんげぇ可愛い子に好きだって言われても、踏み切れないなんて今までの俺には無かったし………その子と付き合うって事は、大和との時間が減るんだなって思ったら……どうしても無理で……何か、大事にしたかったのはそっちだった」


巴流を……無性に褒めてやりたい気分だ…。

「大和はそれ聞いて何て言ったの?」

そこで巴流は、盛大に溜息を吐く。

「……そこなんだよ…………や、聞いてすぐはさ、びっくりしてたよ。え…って、固まってた。……でさ……ありがとう、ちょっと色々考えたい……って」

大和が静かにパニクってんのが何か分かる…。
大和はクールでスマートで……あんまり取り乱したりしないから……この巴流の告白は、焦ったんだろうな…。

「それから、無言だよ……俺、超凹んでさぁ……」

大げさに頭を抱え込んで俯く。

「お前、よく言ったよ」
「……そん時は勢いで言ったけどさぁ……1人んなってよくよく考えたら……親友だと思ってた奴が自分の事好きだった、とかさぁ……何か、拒否されたらどうしようってそればっっか考えててさ」

好きだからそう思うんだよ。
真面目に好きだからさ…。

「大和だって今、考えてるよ。きっと今、それしか考えらんねぇと思うよ?」

俯いてた巴流が少し顔を上げた。

「巴流はさぁ……後悔してんの?大和に好きだって言った事」

オープンまであと少し。
巴流の気持ちが聞きたいとこだけど……きっと、あーだこーだ考えてて……とっ散らかってんだろうな、今…。

「後悔は……してない。……やっぱり……天馬や侑利の事見てるから……何か……背中押された感じ」

ちょっと恥ずかしい感じがして……小さく咳払いをする。

「でも、どんな返事されんのか……気になって」

確かに……待ってる方は何とも言えない気持ちだろうな…
今まで、親友として付き合って来た奴に、好きだって言ったんだもんな…。

「大和の事だからさぁ……巴流が真面目に気持ちを伝えたんだから、きっと、ちゃんと考えてるよ。…そりゃぁ…どんな返事が来るかは俺にも分かんねぇけど、どんな答えを出したとしても、ちゃんと真剣に伝えてくれると思う……そういう奴だと思う」

きっと伝わってるよ。

「俺は……良い返事が来るように、心底願ってる」
「…侑利」

巴流が悩んでるのがすげぇ分かる。
コイツがこんな風に凹んでんのって、俺は初めて見るかも知れない。

無責任な事は言えないけど……

俺からしたら、巴流と大和はコンビって感じで……巴流には大和、大和には巴流…っていうのが何となく定位置で……

巴流の気持ちを聞いた時、それは自然に上手く行くんじゃないかって頭の隅っこで思った。

「お前の事は…大和に対しての感情とは違うけど………好きで堪んねぇわ」

えっと……真面目に告白されたな、今…。

「複雑だわ…俺、何て返せば良いんだよ」
「俺も巴流が好き、ってほら、」
「言わねぇよ」
「何で、言ってみな」
「うるせぇ、もう行くぞ」

先に立ち上がった俺を見て、巴流も続いて立ち上がる。

「上手く行ったら飯でも行こうぜ、奢ってやるよ」
「上手く行かなかったら?」
「そん時も、飯だな。そうなったら慰めてやるよ」
「侑利、マジ愛してるわ」

時計はオープン5分前。

やっぱり絡まって来る巴流を押し退けながら、店内へ戻った。


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