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「ダダ洩れだわ、俺」
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*侑利side*
「あ~~っ、明日からまたバイトだぁ~」
帰りの車で慶がこぼす。
チェックアウトを済ませ、土産も買って、車に乗って帰路についたとこ。
「はは、俺もだし」
慶との初めての旅行は誕生日兼ねてたってのもあって、ほんとに良かった。
だからこそ、また明日からの日常が…ちょっとな、ってのはある。
でも、まぁ、1泊の旅行ぐらいならこうやっていつでも来れる訳だし。
また、来れば良いじゃん。
昨日渡したネックレスは、あれからずっと慶の首にかかってる。
今朝も、着替える時嬉しそうにしてたのを慶の気付かない所で俺も見てる。
今だって、車のガラスに映ってる自分の首元を見て、ちょっと嬉しそうにしてるしさ。
「ネックレス…いつの間に買ってたの?」
そんな事を思ってたら、やっぱり聞いて来た。
「あー…ちょっと家早く出た日」
「……あーっ、料理の事で早く行くって言った日?」
「そう」
「嘘吐いたなーっ」
業とらしく怒って見せる。
「だってさ、休みは一緒に居るし、それ以外は仕事だし、仕事終わってからじゃ店閉まってるし、ってなったら仕事前に買うしかねぇだろ」
「……それはそうだね、あはは」
でも、ほんとによく似合ってるよ。
実際着けるとよく分かる。
「これって、侑利くんがいつも着けてるネックレスと同じブランド?」
「あぁ、そう。俺のはプレートだけど、雰囲気似てんだろ?」
「うん。……侑利くん、1人で買いに行ったの?」
「うん」
「プレゼントって?」
「うん」
「男物を?」
「そう」
「………ありがと」
恥ずかしそうな小さな声。
別に、苦でも何でもねぇよ、そんな事。
俺が誰に何をプレゼントしようが、俺の勝手じゃねぇか。
「侑利くん、カッコいいから、俺自慢だなぁ~」
ん?何だ、急に。
「何だそれ」
「…侑利くん……多分一番カッコいいよ」
「…どこで」
「うーん…全世界で」
「広っ」
全世界の頂点極めたぞ。
まぁ、でも、慶の目にそう見えるんならそれで良い。
付き合ってんだしさ……それぐらいじゃねぇとな。
「今まで誕生日って嫌いだったけど……侑利くんが居たら、好きになりそう」
不意にそんな事を言う。
今までは…嫌な思い出しか無かった誕生日だもんな…。
俺が居る事でそんな風に思ってくれるんだったら、俺も嬉しいよ。
「俺は好きだよ、お前の誕生日」
えへへ、と少し笑って俯いた頭を撫でてやる。
俺は慶に超が100個付くくらい甘いからな…。
「侑利くんの誕生日、楽しみにしててねっ」
「あー、期待してるわ。…って夏だけどな」
すんげぇ先だよ。
*光side*
純の家に向かう途中、晩ご飯持参のためにいつものスーパーに寄った。
自分の分と純の分の晩ご飯とデザートをカゴに入れてレジに向かう。
今日はこのスーパーのポイント5倍の日だけあって、いつも夕方は混んでるけど今日は更に一段と混雑してる。
どのレジも長蛇の列。
ほとんどの人がカートの上下にカゴを置いて山盛り買い物してるから、時間かかるのも仕方ないか……。
「……ぅわぁ……」
列が短そうな所を探すけど、どこもさほど変わりは無い。
適当に近い所に並ぼうと思った矢先……視線の先の列の最後に……俺の想い人の後ろ姿がある事に気付く。
(え、久我さん?)
一気に顔が熱くなった。
久我さんの前には、いつものあの人が居る…。
……完璧にキレイな、久我さんの恋人…。
それでも、久我さんに会えた嬉しさで、気が付いたら急いでその列に並んでた。
「久我さんっ、」
「え、」
後ろから声をかけると、驚いたように久我さんが振り返った。
「おぉ、」
「こんばんは、また会っちゃいましたね」
恋人さんも、こっちを見てる。
ほんとにキレイ。
目が合ってお辞儀すると、恋人さんも礼をしてくれる。
「すっごい混んでますね」
「あー、かなり」
「今日ポイント5倍ですよっ」
「だな」
「久我さん、ポイントカード持ってるんですか?」
久我さんとポイントカードが何となく繋がらなくて聞いてみた。
「ポイントカードっていうか、クレジットだから勝手に貯まってんじゃねぇの?」
何か……大人~~~カッコいい~~~。
俺なんか何ポイント貯まってんのか気になって仕方ないのに……
「昨日お店行ったんですけど、久我さん連休だって黒瀬さんに聞きました」
「そう、連休してた」
……2人でどこか行ってたのかな…。
単純に、羨ましい…。
「あっ、牛乳買ってないっ」
久我さんの向こうで恋人さんが言った。
「え、牛乳ねぇの?」
「ないない、無かった。昨日の朝無くなったじゃん」
「あー、そうだったな、」
「ちょっと、俺、取って来る」
「あ、じゃあ頼む」
恋人さんは、俺の後ろにすでに長く出来ている列の端っこを申し訳無さそうに通りながら、牛乳の陳列棚の方へ小走りで消えて行った。
一緒に住んでるからこその会話……聞いちゃったよ……。
やっぱ……恋人同士なんだなって思い知らされる。
「いつもほんとに、すんごいキレイですよね」
「え、あ、あいつ?」
あいつ、とか……言われてさ。
「あぁ、まぁ、」
うん、とも、ううん、ともつかない返事だけど……キレイだって認めてるって事は伝わる。
こんな風に言われてみたいよ、俺だって…。
「連休、どこか行ってたんですか?」
「あー、ちょっと行ってた」
「旅行ですか?」
「うん」
……オフモードの久我さんかぁ……いいなぁ…。
「久我さんと旅行出来るなんて…恋人さんが羨ましいです」
「……………」
思わず言ってしまったけど……久我さんが返事に困ってる。
そりゃ、困るよな……そんな事言われても……
それも、自分を好きだって言ってる相手から…。
「あ、す、すみませんっ、変な事言って、」
「あぁ、いや、別に良いけど、」
久我さんは優しい。
俺を傷つけないように言葉を選んでくれる。
いつも。
「お店に行ったり、指名したりするの……迷惑じゃないですか?」
「それは全然、思った事ない」
久我さんならそう言うってくれるって分かってた…。
分かってて……敢えてそう言って欲しかっただけだ。
俺が久我さんに会えるのは、BIRTHだけだから。
恋人さんは、ずっと一緒に居られるんだから……その数時間くらい、俺が会ってたって良いじゃないかっ……
とか……諦めないといけないのに……そんな事ばっかり考えてしまう…。
2人で居るとこを見た時は特に…。
「間にあったぁ~」
超可愛い笑顔で恋人さんが帰って来た。
元の位置に立ち、当たり前の様に久我さんが持ってるカゴに牛乳を入れる。
「コレだっけ?」
「…や、これじゃねぇけど」
「えっ、侑利くんこれ買って無かった?」
「前に買った事もあるけど、最近はこれじゃねぇ」
「えー……」
今、久我さんの事を「侑利くん」って呼んだ。
聞き慣れない呼び方で……何故か俺がドキドキしてしまった。
「良いよ別に、拘ってねぇし」
そう言って、やっと巡って来た順番に、カゴをレジ台に置いて少し前へ進む。
チラッと見ると、晩ご飯的な惣菜が何点か、と、朝用と思われるパン、あとお酒…。
レジ係の人がバーコードを通し終わったカゴに袋を入れると…
「慶、これ、入れてて」
「はぁい」
…………もう……何か……切ないよ、俺。
ここに並んだのは自分だけど…。
恋人さん…「慶」って名前なんだ…。
……また、慶さんを羨ましがる自分が居て……なんかもうすごく惨め…。
久我さんの会計が終わって、俺の番。
先に慶さんが袋詰めをしてたから、もう全部入れ終わってる感じで……2人は帰る雰囲気。
「じゃあ、また」
久我さんが声をかけてくれた。
「はいっ、お店…行きますね」
「どうぞ」
俺の好きな、男前丸出しの顔で二ッと笑う。
「じゃな」
「はいっ」
笑顔で見送ったけど………もう、何か……何回もまとめて振られた気分。
レジでお金を払いながら、純の家に行ったら泣かせて貰おうとか考えてる。
*侑利side*
「明日…忘年会の出欠…マルして良い?」
帰宅して、買ったもので晩飯を済ませて、疲れたし早く休もうって事で早々に風呂も済ませて9時頃には布団に入ったんだけど、どうしても俺の欲求が満たされなくて、寝る体勢に入ってた慶を欲望のままに2回も攻めてしまい、今軽く怒られたところだ。
ちょっと忘れてた慶の会社の忘年会の事。
「あー……」
正直なところ、思いっきりバツにして欲しいとこだけど……
「新人の歓迎会兼てんだよな」
「うん」
「…じゃあ…マルするしかねぇじゃん」
「…うん」
俺の居ない酒の席に慶が参加するなんて……心配性な俺の身が持たねぇ。
「……あの人、居るんでしょ?」
俺の推測では、きっとお前を好きであろう…
「…工藤さん?」
「うん」
そう、そいつ。
「うん、居るよ」
……嫌だ。
でも、慶の立場もあるだろうし、俺の我儘で行かせないってのも何か違うしな……
「まぁ、良いよ、行って来いよ」
「良いの?」
「嫌だけど、良いよ」
「どっちだよ~」
慶にフフッと笑われる。
「嫌だよ。…でも、まぁ、仕方ねぇから良いよ」
「何だよぉ~、それ~」
軽く俺の額を小突きながら言う。
「…その日さぁ…送って良い?」
「…うん、良いよ」
「迎えも行って良い?」
「うん、良い」
慶が腕を伸ばして俺を引き寄せる。
「心配してくれてありがと」
軽くキス。
「マジで心配…ほんとに」
「…心配性」
「…仕方ねぇ」
「ふふ」
「ふふ、じゃねぇし」
慶に頭をよしよしされる。
ガキ扱いしやがって…。
「二次会とかあんの?」
「え、分かんない」
「…聞いといて」
「あったらどうしよう」
「…場所とメンツによる」
しっとりしたバーなんかに、工藤を交えた少人数で行くとかだとマジで無理。
工藤じゃなくても、変な気起こす奴が居るかも知れないし。
「聞いとくね」
「……」
「気にしてる?」
「……気にならねぇ方法があるなら教えて欲しいわ」
「侑利くん…」
大好き、と言って抱き付いて来る。
「侑利くんが俺の事そう言う風に思ってくれる度に、俺、何か変な気持ちになる」
「何、変な気持ちって」
「……例えて言うとね……………キュンとする」
「……恥ずぅ」
「俺も恥ずいけどっ………でも……好きすぎて、大変なんだ」
「どしたの、お前」
「分かんないけど……侑利くんが俺の事そうやって思ってくれるの、俺、すごく嬉しいよ。大事にされてるなぁって感じるし……侑利くんが可愛くてどうしようもない」
やっぱり、ガキ扱いじゃねぇか。
「可愛いって……俺のが4つも上だ」
「今は3つです~」
あーそっか。
21歳だもんな。
「でもほんとに……好きな気持ちが溢れちゃって、止まらなくなる事ってあるんだね」
真剣な顔して言われるとすげぇ恥ずかしいんですけど。
「あるよ」
「ね?侑利くんも?」
「ダダ洩れだわ、俺」
また、「大好き」と言って抱き付かれる。
きっと、俺らって……今、自分らしか見えてなくて、完全に2人の世界で、最高にバカなんだろうな……。
*光side*
「でさぁ~~~、侑利くん、とか言っちゃってさぁ~~~ううぅ~~~~っ」
1本チューハイを飲んだだけで、俺は軽く酔っている。
弱いのは自分でも分かってる。
でも、もう、今日は純ちに泊めてもらう事にしたから気が緩んでしまった。
泣いても良いか確認とったし、了解も貰った。
切な過ぎて惨め過ぎて……もう、泣くしかない。
あんなの見ちゃったら…。
「ちょっと光、明日起きれなくなるよ?朝一の授業受けないとヤバいんでしょ?」
2本目を手に取ろうとしたけど、全力で純に止められた。
「授業なんか出る気分じゃないよぉ~」
「まぁ、そうだろうけど…でも、単位落としたらヤバいじゃん」
「…ううぅ~~~っ」
このやるせない気持ちをどこにぶつけたら良いのか分からず、純が差し出して来たコップに入った水を一気に飲んだ。
「光さぁ……新堂くんはどうなってるの?」
「え?」
新堂くん、というのは、同じ学年の新堂 翔真(しんどう しょうま)の事。
学科は違うんだけど、選択してる講義が同じのがあって、それで知り合った。
7~8ヶ月前だったかな………
人気の先生の講義って分かってたのに、ギリギリに行ったせいでポツポツ空いてるところに純とも離れて座らないといけない感じになって……その時、俺が座った席で隣に居たのが翔真だ。
最初から気さくな奴で、初対面の俺に何かと話しかけて来た。
俺も、割と打ち解けるのは早い方で、翔真が話かけて来るのも別にイヤじゃなかったから、話しかけられるままに受け答えしてたら、初対面なのに何だか話が合って、何故かそのまま純と3人で学食行ったりして、急激に仲良くなった。
そして、もう1つ言うなら、翔真は俺の事が好きらしい。
本人が言ってるから、間違いない。
俺が……女の子に興味無いって翔真はすぐに見抜いた。
純もその傾向にあるから、2人で居るのを見てたら分かるのかな…。
翔真は、普通に女の子と付き合って来た奴だけど、男から告白された事も過去にはあるらしい。
その時は付き合わなかったけど、断ったのも相手が男だったからって言うのじゃなくて、女の子から告白されても付き合わない事もあるように、そういう普通の感覚で断ったらしい。
まぁ……久我さんに比べたら断然落ちるけどっ……でも、翔真単体で見るとそこそこイケメンかな、って思うから……彼女に困る事も無いんだろう。
それで何故俺の事を好きになったのかと言えば……
実は、俺が……翔真の前で泣いた事があって……
理由は……今日と同じ…………久我さんの事。
久我さんをあのスーパーで見かけたのは、あの日……俺が携帯番号を無理矢理渡した日が最初じゃなかった。
その前から、何回か見かけてたんだけど……話しかける勇気が無くて、遠くから見てるだけだった。
でも、見てるだけを卒業したくて…次会ったら絶対話しかけようって思って、会ったのがあの日…。
突然、目が覚めるようなキレイな人を連れて買い物に来てた……。
挫けそうになったけど……でも……何か……今ここで行かないと、久我さんがあの人のモノになってしまう…って……俺なんかじゃ到底敵わないけど、ライバル心みたいなのが芽生えて……それで、勢いで話しかけた…。
あの日の夜、俺は翔真とご飯に行く約束をしてた。
その帰り、翔真がドライブして帰ろうって言うから連れてって貰ったんだけど、スーパーで見た久我さんが、慶さんを気に入ってる感じが分かって……何だか…すごく辛くなった俺は……堪え切れずに翔真の車の助手席で泣いてしまった…。
翔真はすごく驚いて急いで車を停めると、俺にどこか痛いのか、とか、気分でも悪いのか、とか、色んな事を聞いて来た。
翔真に、久我さんの事を話して無かったし、その時も話す気にはなれなかった。
ただ、止められなくてわんわん泣いちゃって……困り果てた翔真は、それでも泣き止むまでずっと抱きしめてくれてた。
理由も聞いて来なかった。
「俺、お前のそんな顔、見たくない。……何があったか知らないし、話したくないなら聞かないけど…………誰かに、辛い目に合わされてんだとしたら……俺、ソイツの事許せないかも」
なんてセリフを言ったかと思ったら……
「俺は……このままだときっと、お前を好きになる」
……とか言うもんだから、久我さんの事で頭も胸もいっぱいいっぱいの俺には…その言葉は重過ぎて……
「……今は翔真に向き合えない……ごめん」
って言うのか精一杯だった。
なのに、翔真が言った言葉は…
「今は?……なら、向き合うまで待つから、俺の事好きになってくれる?」
だった。
それから、3ヶ月が経とうとしてるけど、翔真は今でも俺を好きだと言って来る。
実は昨日も言われたばかりだ。
「どうもなってないよ」
「でも、新堂くんは光の事ずっと好きなままでしょ?」
「………そうみたいだけど…」
翔真を待たせてるみたいで、何だかすごく罪悪感もあって……でも、久我さんがダメなら翔真に、なんて……ムシが良すぎてなんか嫌な奴だし……
でも……久我さんを諦められたら、次に進むためにも向き合いたいって思ってるのは本当。
だけど俺はまだ……久我さんに振られる心の準備が出来てない…。
久我さんには…慶さんが居て……俺がどうこう出来る余地は無いって事も分かってるんだけど……
やっぱり…久我さんが好きで……諦められる気がしない……
「新堂くんの事、好きじゃないの?」
「え、そりゃ、好きだけど……それは…友達としてで…」
「じゃあ、やっぱり本命は久我さん?」
「………」
確かに本命だけど……
どストライクだし、もう、完全に落ちちゃってるけど………
「……俺が…どう頑張ったって、どうにもならない事は分かってる」
だけど……後は振られるだけなんてさ……辛いじゃん。
「気持ち、伝えないの?」
「……もう伝わってるよ……ほとんど、告白したのと同じだし……」
「でも、ちゃんと言ってないんでしょ?」
「……そうだけど…」
このままで居られるとは思って無い…。
「新堂くんの事だって……いつまでも待たせておく訳にもいかないでしょ?」
「…待ってて、って頼んでる訳じゃないよ…」
「そうだけど……待ってたら好きになってくれるかって質問には、答えてないんでしょ?」
俺は、あの時、何も答えられなかった。
そんな俺に翔真は「断らないって事は、ちょっとは望みあるんだって思って良いって事だよな。……じゃ、勝手に待ってるよ」…と言った。
俺は……ずるいんだろうか…。
「久我さんに…気持ち伝えてみたら?」
純にそう言われて、心臓がドキドキして来た。
「最近の光、何か…辛そうだもん」
純は良い奴。
俺から見ても、守ってあげたくなるタイプ。
「気持ち切り替えないと、辛いままだよ、きっと」
それは多分……告白して……出し切って……次へ進めって事だよな……
分かってる……
このままじゃいけないって事くらい……。
「あ~~っ、明日からまたバイトだぁ~」
帰りの車で慶がこぼす。
チェックアウトを済ませ、土産も買って、車に乗って帰路についたとこ。
「はは、俺もだし」
慶との初めての旅行は誕生日兼ねてたってのもあって、ほんとに良かった。
だからこそ、また明日からの日常が…ちょっとな、ってのはある。
でも、まぁ、1泊の旅行ぐらいならこうやっていつでも来れる訳だし。
また、来れば良いじゃん。
昨日渡したネックレスは、あれからずっと慶の首にかかってる。
今朝も、着替える時嬉しそうにしてたのを慶の気付かない所で俺も見てる。
今だって、車のガラスに映ってる自分の首元を見て、ちょっと嬉しそうにしてるしさ。
「ネックレス…いつの間に買ってたの?」
そんな事を思ってたら、やっぱり聞いて来た。
「あー…ちょっと家早く出た日」
「……あーっ、料理の事で早く行くって言った日?」
「そう」
「嘘吐いたなーっ」
業とらしく怒って見せる。
「だってさ、休みは一緒に居るし、それ以外は仕事だし、仕事終わってからじゃ店閉まってるし、ってなったら仕事前に買うしかねぇだろ」
「……それはそうだね、あはは」
でも、ほんとによく似合ってるよ。
実際着けるとよく分かる。
「これって、侑利くんがいつも着けてるネックレスと同じブランド?」
「あぁ、そう。俺のはプレートだけど、雰囲気似てんだろ?」
「うん。……侑利くん、1人で買いに行ったの?」
「うん」
「プレゼントって?」
「うん」
「男物を?」
「そう」
「………ありがと」
恥ずかしそうな小さな声。
別に、苦でも何でもねぇよ、そんな事。
俺が誰に何をプレゼントしようが、俺の勝手じゃねぇか。
「侑利くん、カッコいいから、俺自慢だなぁ~」
ん?何だ、急に。
「何だそれ」
「…侑利くん……多分一番カッコいいよ」
「…どこで」
「うーん…全世界で」
「広っ」
全世界の頂点極めたぞ。
まぁ、でも、慶の目にそう見えるんならそれで良い。
付き合ってんだしさ……それぐらいじゃねぇとな。
「今まで誕生日って嫌いだったけど……侑利くんが居たら、好きになりそう」
不意にそんな事を言う。
今までは…嫌な思い出しか無かった誕生日だもんな…。
俺が居る事でそんな風に思ってくれるんだったら、俺も嬉しいよ。
「俺は好きだよ、お前の誕生日」
えへへ、と少し笑って俯いた頭を撫でてやる。
俺は慶に超が100個付くくらい甘いからな…。
「侑利くんの誕生日、楽しみにしててねっ」
「あー、期待してるわ。…って夏だけどな」
すんげぇ先だよ。
*光side*
純の家に向かう途中、晩ご飯持参のためにいつものスーパーに寄った。
自分の分と純の分の晩ご飯とデザートをカゴに入れてレジに向かう。
今日はこのスーパーのポイント5倍の日だけあって、いつも夕方は混んでるけど今日は更に一段と混雑してる。
どのレジも長蛇の列。
ほとんどの人がカートの上下にカゴを置いて山盛り買い物してるから、時間かかるのも仕方ないか……。
「……ぅわぁ……」
列が短そうな所を探すけど、どこもさほど変わりは無い。
適当に近い所に並ぼうと思った矢先……視線の先の列の最後に……俺の想い人の後ろ姿がある事に気付く。
(え、久我さん?)
一気に顔が熱くなった。
久我さんの前には、いつものあの人が居る…。
……完璧にキレイな、久我さんの恋人…。
それでも、久我さんに会えた嬉しさで、気が付いたら急いでその列に並んでた。
「久我さんっ、」
「え、」
後ろから声をかけると、驚いたように久我さんが振り返った。
「おぉ、」
「こんばんは、また会っちゃいましたね」
恋人さんも、こっちを見てる。
ほんとにキレイ。
目が合ってお辞儀すると、恋人さんも礼をしてくれる。
「すっごい混んでますね」
「あー、かなり」
「今日ポイント5倍ですよっ」
「だな」
「久我さん、ポイントカード持ってるんですか?」
久我さんとポイントカードが何となく繋がらなくて聞いてみた。
「ポイントカードっていうか、クレジットだから勝手に貯まってんじゃねぇの?」
何か……大人~~~カッコいい~~~。
俺なんか何ポイント貯まってんのか気になって仕方ないのに……
「昨日お店行ったんですけど、久我さん連休だって黒瀬さんに聞きました」
「そう、連休してた」
……2人でどこか行ってたのかな…。
単純に、羨ましい…。
「あっ、牛乳買ってないっ」
久我さんの向こうで恋人さんが言った。
「え、牛乳ねぇの?」
「ないない、無かった。昨日の朝無くなったじゃん」
「あー、そうだったな、」
「ちょっと、俺、取って来る」
「あ、じゃあ頼む」
恋人さんは、俺の後ろにすでに長く出来ている列の端っこを申し訳無さそうに通りながら、牛乳の陳列棚の方へ小走りで消えて行った。
一緒に住んでるからこその会話……聞いちゃったよ……。
やっぱ……恋人同士なんだなって思い知らされる。
「いつもほんとに、すんごいキレイですよね」
「え、あ、あいつ?」
あいつ、とか……言われてさ。
「あぁ、まぁ、」
うん、とも、ううん、ともつかない返事だけど……キレイだって認めてるって事は伝わる。
こんな風に言われてみたいよ、俺だって…。
「連休、どこか行ってたんですか?」
「あー、ちょっと行ってた」
「旅行ですか?」
「うん」
……オフモードの久我さんかぁ……いいなぁ…。
「久我さんと旅行出来るなんて…恋人さんが羨ましいです」
「……………」
思わず言ってしまったけど……久我さんが返事に困ってる。
そりゃ、困るよな……そんな事言われても……
それも、自分を好きだって言ってる相手から…。
「あ、す、すみませんっ、変な事言って、」
「あぁ、いや、別に良いけど、」
久我さんは優しい。
俺を傷つけないように言葉を選んでくれる。
いつも。
「お店に行ったり、指名したりするの……迷惑じゃないですか?」
「それは全然、思った事ない」
久我さんならそう言うってくれるって分かってた…。
分かってて……敢えてそう言って欲しかっただけだ。
俺が久我さんに会えるのは、BIRTHだけだから。
恋人さんは、ずっと一緒に居られるんだから……その数時間くらい、俺が会ってたって良いじゃないかっ……
とか……諦めないといけないのに……そんな事ばっかり考えてしまう…。
2人で居るとこを見た時は特に…。
「間にあったぁ~」
超可愛い笑顔で恋人さんが帰って来た。
元の位置に立ち、当たり前の様に久我さんが持ってるカゴに牛乳を入れる。
「コレだっけ?」
「…や、これじゃねぇけど」
「えっ、侑利くんこれ買って無かった?」
「前に買った事もあるけど、最近はこれじゃねぇ」
「えー……」
今、久我さんの事を「侑利くん」って呼んだ。
聞き慣れない呼び方で……何故か俺がドキドキしてしまった。
「良いよ別に、拘ってねぇし」
そう言って、やっと巡って来た順番に、カゴをレジ台に置いて少し前へ進む。
チラッと見ると、晩ご飯的な惣菜が何点か、と、朝用と思われるパン、あとお酒…。
レジ係の人がバーコードを通し終わったカゴに袋を入れると…
「慶、これ、入れてて」
「はぁい」
…………もう……何か……切ないよ、俺。
ここに並んだのは自分だけど…。
恋人さん…「慶」って名前なんだ…。
……また、慶さんを羨ましがる自分が居て……なんかもうすごく惨め…。
久我さんの会計が終わって、俺の番。
先に慶さんが袋詰めをしてたから、もう全部入れ終わってる感じで……2人は帰る雰囲気。
「じゃあ、また」
久我さんが声をかけてくれた。
「はいっ、お店…行きますね」
「どうぞ」
俺の好きな、男前丸出しの顔で二ッと笑う。
「じゃな」
「はいっ」
笑顔で見送ったけど………もう、何か……何回もまとめて振られた気分。
レジでお金を払いながら、純の家に行ったら泣かせて貰おうとか考えてる。
*侑利side*
「明日…忘年会の出欠…マルして良い?」
帰宅して、買ったもので晩飯を済ませて、疲れたし早く休もうって事で早々に風呂も済ませて9時頃には布団に入ったんだけど、どうしても俺の欲求が満たされなくて、寝る体勢に入ってた慶を欲望のままに2回も攻めてしまい、今軽く怒られたところだ。
ちょっと忘れてた慶の会社の忘年会の事。
「あー……」
正直なところ、思いっきりバツにして欲しいとこだけど……
「新人の歓迎会兼てんだよな」
「うん」
「…じゃあ…マルするしかねぇじゃん」
「…うん」
俺の居ない酒の席に慶が参加するなんて……心配性な俺の身が持たねぇ。
「……あの人、居るんでしょ?」
俺の推測では、きっとお前を好きであろう…
「…工藤さん?」
「うん」
そう、そいつ。
「うん、居るよ」
……嫌だ。
でも、慶の立場もあるだろうし、俺の我儘で行かせないってのも何か違うしな……
「まぁ、良いよ、行って来いよ」
「良いの?」
「嫌だけど、良いよ」
「どっちだよ~」
慶にフフッと笑われる。
「嫌だよ。…でも、まぁ、仕方ねぇから良いよ」
「何だよぉ~、それ~」
軽く俺の額を小突きながら言う。
「…その日さぁ…送って良い?」
「…うん、良いよ」
「迎えも行って良い?」
「うん、良い」
慶が腕を伸ばして俺を引き寄せる。
「心配してくれてありがと」
軽くキス。
「マジで心配…ほんとに」
「…心配性」
「…仕方ねぇ」
「ふふ」
「ふふ、じゃねぇし」
慶に頭をよしよしされる。
ガキ扱いしやがって…。
「二次会とかあんの?」
「え、分かんない」
「…聞いといて」
「あったらどうしよう」
「…場所とメンツによる」
しっとりしたバーなんかに、工藤を交えた少人数で行くとかだとマジで無理。
工藤じゃなくても、変な気起こす奴が居るかも知れないし。
「聞いとくね」
「……」
「気にしてる?」
「……気にならねぇ方法があるなら教えて欲しいわ」
「侑利くん…」
大好き、と言って抱き付いて来る。
「侑利くんが俺の事そう言う風に思ってくれる度に、俺、何か変な気持ちになる」
「何、変な気持ちって」
「……例えて言うとね……………キュンとする」
「……恥ずぅ」
「俺も恥ずいけどっ………でも……好きすぎて、大変なんだ」
「どしたの、お前」
「分かんないけど……侑利くんが俺の事そうやって思ってくれるの、俺、すごく嬉しいよ。大事にされてるなぁって感じるし……侑利くんが可愛くてどうしようもない」
やっぱり、ガキ扱いじゃねぇか。
「可愛いって……俺のが4つも上だ」
「今は3つです~」
あーそっか。
21歳だもんな。
「でもほんとに……好きな気持ちが溢れちゃって、止まらなくなる事ってあるんだね」
真剣な顔して言われるとすげぇ恥ずかしいんですけど。
「あるよ」
「ね?侑利くんも?」
「ダダ洩れだわ、俺」
また、「大好き」と言って抱き付かれる。
きっと、俺らって……今、自分らしか見えてなくて、完全に2人の世界で、最高にバカなんだろうな……。
*光side*
「でさぁ~~~、侑利くん、とか言っちゃってさぁ~~~ううぅ~~~~っ」
1本チューハイを飲んだだけで、俺は軽く酔っている。
弱いのは自分でも分かってる。
でも、もう、今日は純ちに泊めてもらう事にしたから気が緩んでしまった。
泣いても良いか確認とったし、了解も貰った。
切な過ぎて惨め過ぎて……もう、泣くしかない。
あんなの見ちゃったら…。
「ちょっと光、明日起きれなくなるよ?朝一の授業受けないとヤバいんでしょ?」
2本目を手に取ろうとしたけど、全力で純に止められた。
「授業なんか出る気分じゃないよぉ~」
「まぁ、そうだろうけど…でも、単位落としたらヤバいじゃん」
「…ううぅ~~~っ」
このやるせない気持ちをどこにぶつけたら良いのか分からず、純が差し出して来たコップに入った水を一気に飲んだ。
「光さぁ……新堂くんはどうなってるの?」
「え?」
新堂くん、というのは、同じ学年の新堂 翔真(しんどう しょうま)の事。
学科は違うんだけど、選択してる講義が同じのがあって、それで知り合った。
7~8ヶ月前だったかな………
人気の先生の講義って分かってたのに、ギリギリに行ったせいでポツポツ空いてるところに純とも離れて座らないといけない感じになって……その時、俺が座った席で隣に居たのが翔真だ。
最初から気さくな奴で、初対面の俺に何かと話しかけて来た。
俺も、割と打ち解けるのは早い方で、翔真が話かけて来るのも別にイヤじゃなかったから、話しかけられるままに受け答えしてたら、初対面なのに何だか話が合って、何故かそのまま純と3人で学食行ったりして、急激に仲良くなった。
そして、もう1つ言うなら、翔真は俺の事が好きらしい。
本人が言ってるから、間違いない。
俺が……女の子に興味無いって翔真はすぐに見抜いた。
純もその傾向にあるから、2人で居るのを見てたら分かるのかな…。
翔真は、普通に女の子と付き合って来た奴だけど、男から告白された事も過去にはあるらしい。
その時は付き合わなかったけど、断ったのも相手が男だったからって言うのじゃなくて、女の子から告白されても付き合わない事もあるように、そういう普通の感覚で断ったらしい。
まぁ……久我さんに比べたら断然落ちるけどっ……でも、翔真単体で見るとそこそこイケメンかな、って思うから……彼女に困る事も無いんだろう。
それで何故俺の事を好きになったのかと言えば……
実は、俺が……翔真の前で泣いた事があって……
理由は……今日と同じ…………久我さんの事。
久我さんをあのスーパーで見かけたのは、あの日……俺が携帯番号を無理矢理渡した日が最初じゃなかった。
その前から、何回か見かけてたんだけど……話しかける勇気が無くて、遠くから見てるだけだった。
でも、見てるだけを卒業したくて…次会ったら絶対話しかけようって思って、会ったのがあの日…。
突然、目が覚めるようなキレイな人を連れて買い物に来てた……。
挫けそうになったけど……でも……何か……今ここで行かないと、久我さんがあの人のモノになってしまう…って……俺なんかじゃ到底敵わないけど、ライバル心みたいなのが芽生えて……それで、勢いで話しかけた…。
あの日の夜、俺は翔真とご飯に行く約束をしてた。
その帰り、翔真がドライブして帰ろうって言うから連れてって貰ったんだけど、スーパーで見た久我さんが、慶さんを気に入ってる感じが分かって……何だか…すごく辛くなった俺は……堪え切れずに翔真の車の助手席で泣いてしまった…。
翔真はすごく驚いて急いで車を停めると、俺にどこか痛いのか、とか、気分でも悪いのか、とか、色んな事を聞いて来た。
翔真に、久我さんの事を話して無かったし、その時も話す気にはなれなかった。
ただ、止められなくてわんわん泣いちゃって……困り果てた翔真は、それでも泣き止むまでずっと抱きしめてくれてた。
理由も聞いて来なかった。
「俺、お前のそんな顔、見たくない。……何があったか知らないし、話したくないなら聞かないけど…………誰かに、辛い目に合わされてんだとしたら……俺、ソイツの事許せないかも」
なんてセリフを言ったかと思ったら……
「俺は……このままだときっと、お前を好きになる」
……とか言うもんだから、久我さんの事で頭も胸もいっぱいいっぱいの俺には…その言葉は重過ぎて……
「……今は翔真に向き合えない……ごめん」
って言うのか精一杯だった。
なのに、翔真が言った言葉は…
「今は?……なら、向き合うまで待つから、俺の事好きになってくれる?」
だった。
それから、3ヶ月が経とうとしてるけど、翔真は今でも俺を好きだと言って来る。
実は昨日も言われたばかりだ。
「どうもなってないよ」
「でも、新堂くんは光の事ずっと好きなままでしょ?」
「………そうみたいだけど…」
翔真を待たせてるみたいで、何だかすごく罪悪感もあって……でも、久我さんがダメなら翔真に、なんて……ムシが良すぎてなんか嫌な奴だし……
でも……久我さんを諦められたら、次に進むためにも向き合いたいって思ってるのは本当。
だけど俺はまだ……久我さんに振られる心の準備が出来てない…。
久我さんには…慶さんが居て……俺がどうこう出来る余地は無いって事も分かってるんだけど……
やっぱり…久我さんが好きで……諦められる気がしない……
「新堂くんの事、好きじゃないの?」
「え、そりゃ、好きだけど……それは…友達としてで…」
「じゃあ、やっぱり本命は久我さん?」
「………」
確かに本命だけど……
どストライクだし、もう、完全に落ちちゃってるけど………
「……俺が…どう頑張ったって、どうにもならない事は分かってる」
だけど……後は振られるだけなんてさ……辛いじゃん。
「気持ち、伝えないの?」
「……もう伝わってるよ……ほとんど、告白したのと同じだし……」
「でも、ちゃんと言ってないんでしょ?」
「……そうだけど…」
このままで居られるとは思って無い…。
「新堂くんの事だって……いつまでも待たせておく訳にもいかないでしょ?」
「…待ってて、って頼んでる訳じゃないよ…」
「そうだけど……待ってたら好きになってくれるかって質問には、答えてないんでしょ?」
俺は、あの時、何も答えられなかった。
そんな俺に翔真は「断らないって事は、ちょっとは望みあるんだって思って良いって事だよな。……じゃ、勝手に待ってるよ」…と言った。
俺は……ずるいんだろうか…。
「久我さんに…気持ち伝えてみたら?」
純にそう言われて、心臓がドキドキして来た。
「最近の光、何か…辛そうだもん」
純は良い奴。
俺から見ても、守ってあげたくなるタイプ。
「気持ち切り替えないと、辛いままだよ、きっと」
それは多分……告白して……出し切って……次へ進めって事だよな……
分かってる……
このままじゃいけないって事くらい……。
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