63 / 74
「あはは、僕の慶ちゃん愛は強いからな~」
しおりを挟む
「侑利くん侑利くん大変大変っ」
慶が携帯を持ってキッチンの俺に駆け寄って来たのは、昨日の昼過ぎ。
「何だよ」
「これ見てっ」
慶が俺に見せて来たのは奏太からのLINEの内容。
『明日、大丈夫ならランチ行かない?…彼氏抜きで』
…お。
ランチの誘いじゃん。
彼氏抜きで、のとこが気になるけどさ…。
「どうしようっ」
「何が」
「行っても良いっ?」
「行きてぇんだろ?」
コクコクと直ぐに頷く。
「行って来いよ」と言ってやると、絵に描いたように嬉しそうな笑顔を俺に向ける。
お前、ほんとに、奏太好きだよな…。
早速返事してるし。
まぁ、楽しそうな慶を見るのは、俺だってそれだけで嬉しくなるから良いんだけどさ。
~~~~~~~~
って事で、今日。
慶は今、奏太が迎えに来るのをマンションの下でソワソワしながら待っている。
約束の時間の10分前に下へ降りた。
1人で待たせるのも不安だから、俺も一緒に。
「緊張すんなよ」
「う、うん」
いやいや、してんじゃん。
「奏太はもう慣れただろ?」
「でも、2人だけでどっか行くなんて初めてだしっ…」
確かにな。
今までは俺や天馬が居たもんな。
「あ、来たぞ」
奏太らしい、小さくて見た目重視な車。
慶は初めてだな、奏太が運転してるとこ見んの。
「お待たせ~」
俺らの前で止まった車から、天馬が降りて来た。
まぁ、お互い相手が出かけるって事で、俺らは必然的に余る訳だし……じゃあ俺らも飯行くかってなった。
「じゃあ少し慶ちゃん借りますね」
奏太が俺に向かってそう言うと「お願いしますっ」といつもの緊張モードで慶が奏太にお辞儀した。
「はは、慶ちゃん、気楽にね」
天馬が慶に声をかける。
慶は丁寧にドアを開けて、助手席へ乗り込んだ。
「じゃあね、天馬」
「お~」
助手席を見ると、慶が笑顔で俺に手を振ってる。
可愛いんだよ、お前は、いちいち。
手を振って応えてやると、奏太はゆっくり車を発進させた。
「…どういう会話すんのか気になるわ~」
天馬が車を見送りながらしみじみ言う。
「…確かに」
ま、でも、奏太ならきっと大丈夫だろうな、って思える。
「慶、奏太の事すんげぇ好きみたい」
「マジで?奏太に言っとくわ、アイツも慶ちゃん慶ちゃん言ってるからさ」
慶にとって…初めての友達だからさ。
慶は大事にしたいんだろう。
「両想いじゃん」
「俺ら、捨てられるかもな」
「どうすんの、そしたら」
「……付き合おうぜ」
天馬に軽くパンチをお見舞いして歩き出す。
「いてぇ、何で」
「お前とは付き合えねぇよ」
「何でだよ~」
「…巴流に殺される」
そう言って、可笑しくなって2人でちょっと笑った。
*奏太side*
「ここ、ここ」
お目当ての店の前。
慶ちゃんは、車の中で最初は緊張してたけど、だんだん僕と2人って事に慣れて来たみたいだった。
平日だから、駐車場も空いててラッキー。
週末に来たら入口の所で並んでるくらいの人気店だけど、今日はすんなり入れそう。
「俺…こういう店来た事ないです…ランチも侑利くんとしか行った事ないし…」
慶ちゃんらしい発言。
ほんとに色んな事が初体験なんだな、慶ちゃんって……その見た目からは想像出来ないよ。
「大丈夫大丈夫、ここ、ずっと前に1回だけ来たけど店内も広くて落ち着ける感じだったよ。ゆっくり食べてさぁ、愚痴大会しようよ~」
久我さんに対して、不満とか無さそうだけどね、慶ちゃん。
何でも良いんだ、慶ちゃんにもっと気楽に僕と打ち解けて欲しいな、って思ったんだ…。
僕は慶ちゃんともっと仲良くなりたいって思ってるからさ。
店内は、お昼だけど照明を落とした大人な雰囲気で、きっと有名な曲なんだろうなって感じのジャズが流れてて、この感じだけで気分が良い。
店員さんに勧められたメインが魚のランチを、僕も慶ちゃんも注文した。
慶ちゃんはメニューが分からな過ぎて「奏太さんと同じもので」とか言うから、ちょっと可笑しくなって笑っちゃったよ。
「今頃、天馬たちも何か食べに行ってるだろうね」
「そうですね」
ふふ、と笑う顔は本当に美人。
慶ちゃんって、こうやって見るとほんとに一般人離れしてる。
僕たちは慶ちゃん=久我さんの恋人、ってのがあって…僕と同じ…その…男女で言えば女側だから……慶ちゃんの事はカッコいいと言うよりは美人と表現したくなるけど、世間一般にはきっと「超イケメン」って事になるんだろうな……
店内の女子がチラチラ見てるしさ。
まぁ、それに全く気付かない緩い慶ちゃんが僕は好きなんだけど。
「それにしてもさ~…年明けは、慶ちゃん大変だったね」
「え、あ…はい」
「行き成り家に来たんでしょ?」
「初詣行こうって言ってて、出かけようとしてたら玄関のドアが開いたからビックリしました」
「……それは…ビックリだよ」
行き成り親が来るとか……同じ立場なら、天馬は何て言うかな…。
「ビックリしすぎて、俺…友達のフリして…帰るとこです、とか言っちゃって…」
「えっ?」
それは、知らなかった。
「侑利くんが追いかけて来て、めっちゃ突っ込まれました、あはは」
「そりゃ久我さんも突っ込むよ~、どうなったの?」
「…でも、言っちゃったし……それに……行き成りは顔合わせられなくて……」
「そうだよね…」
「最初は、外で時間潰してました。侑利くんに…家族でちゃんと話して貰いたくて」
分かるよ、すごく。
僕だってその場には居られないよ…。
「待ってる間、色んな事考えちゃって…すごく落ち込んでたんですけど……侑利くんの両親は……何か、すごく……気持ちが…大きな人で……普通は俺なんか認めて貰えないと思うんですけど………」
そこまで喋ると、慶ちゃんは黙った。
きっと言葉に詰まってるんだ…。
「久我さん……慶ちゃんの事、すごく大事にしてるもんね。きっと、そういうのが伝わったんじゃないかな」
慶ちゃんは、僕の言葉を聞いて…うん、と頷くと顔を上げてキレイな笑顔を見せた。
「お待たせしました」と、店員が2人分のランチを運んで来て、話は一旦中断。
目の前に置かれたランチを、2人して携帯で撮って天馬と久我さんにそれぞれ送信。
「美味しそうだね、前に来た時はパスタだったからこれ楽しみ~。早く食べよ~」
…慶ちゃんにそう言ったら、
「…奏太さん…すごく可愛いですね」
って言われてびっくりした。
慶ちゃんから「可愛い」なんて言われると思って無かったし!
「え~っ、何急に、どうしたの?」
「急じゃないです、初めて会った時からずっと思ってます」
初めて会ったのは、久我さんが風邪引いて買い物に困った時。
スーパーの入口で僕たちを待ってる慶ちゃんを見て「すっごいキレイ」って思った。
そう言えば、後から天馬に「慶ちゃんが奏太の事、可愛いって言ってたぞ」って言われたな。
慶ちゃんにそんな事言って貰えたら、けっこう自慢だなぁ~~。
僕が出会って来た人の中で、男女混ぜても慶ちゃんは一番キレイ。
「俺の事…こんな風に誘ってくれて…友達だって言ってくれて…ほんとに嬉しいです」
「僕だって、慶ちゃんがそういう風に言ってくれたら嬉しいよ。慶ちゃんは……今まですごく辛かったと思うから…もう、これからは嫌な事考えたりしないで居て欲しいって思ってるんだ」
感動屋の慶ちゃんの目に、少し涙が溜まるのが分かる。
天馬からは、詳しく聞いてる訳じゃないけど……きっと…友達も居なかったんじゃないかな……
誰にも頼れずに…1人でなんて……僕だったら絶対無理だよ…。
「久我さんから始まってさ、僕たちとも出会ったんだし……そうなると、もう……意地でも慶ちゃんに辛い思いさせたくないって思うんだ~」
あ、ヤバい、慶ちゃんが泣いちゃう。
「はいっ、とりあえず食べよっか、ねっ」
泣きそうになってた慶ちゃんがハッとしたように、指先で軽く目尻を拭う。
「はい」と言って微笑んだ慶ちゃんは、本当にキレイで気を抜いたら見惚れちゃいそうになるけど……とりあえず、2人揃って目の前の美味しそうなランチを食べ始めた。
「はい、慶ちゃん」
「す…すみません」
食後にコーヒーでもって事で、今はコーヒーショップでテイクアウトしたカフェオレを2人で車で飲もうとしてるとこ。
なんとなく奢ったら、すごく恐縮してる。
そんなに気にしなくて良いんだけど、きっと慶ちゃんに気にするなって言ってもダメなんだろうなぁ~。
次は慶ちゃんが奢るって事で、何とか頷いた。
「あのさぁ、」
「はい、」
カフェオレをふぅふぅしてた慶ちゃんに……今までずっと思ってたけど、言えて無かったことを言ってみる。
「慶ちゃんと僕は友達でしょ?」
「え…は、はい…」
すごく不安そうな顔……何言われるんだろう、って思ってんだろうな…。
「じゃあ…敬語、止める?」
「えっ、…」
慶ちゃんが黙っちゃった。
何か…緊張が取れないのも、敬語だからじゃないかなぁ~とか思ってた。
歳だって1個しか違わないんだし……天馬に言わせたら僕の方が幼く見えるみたいだし……やっぱり堅苦しいし。
「え、でも…それは…」
ボソボソ言って、かなり困ってる。
「友達なんだからその方が良いよっ、ねっ、今から」
「えっ、今からですかっ?」
「それっ、敬語っ」
「…や、もう始まってるんですか?」
「始まるとかじゃないから、終わりはないから、これからずっとだからっ」
「…………」
慶ちゃんが僕に圧倒されてる…。
「…はい、…分かりました…」
「それ、敬語だし」
「あ、…」
「…ぷっ、」
可笑しくなって2人で笑う。
「じゃあ、もう敬語ナシね」
「はい………あ………うん」
慶ちゃん……可愛いよね、ほんと。
「良いっ、うん、とか良いじゃ~ん、一気に近付いた感じするよ」
褒めて伸ばしてみる。
慶ちゃんは完全に困惑してるけど、そこは無視だっ。
「そうだ、慶ちゃん聞いてくれる?」
「え、う、うん」
はは、新鮮。
「年末、天馬と初めてケンカしたんだ~」
「えっ、そうなんですかっ?……あ、…そ、そうなの…?」
「あははっ、慶ちゃん、面白いよ」
「…………」
慣れだよ、慣れ。
「ちょっとしたケンカですぐ仲直りしたんだけどね、初めてだったから戸惑っちゃった」
「…俺も…年末…侑利くんと大喧嘩した…」
「えっ?そうなのっ?」
意外。
久我さんと慶ちゃんの大喧嘩なんて想像つかないけどな~。
「何かね、たまに来るお客さんで来た時は僕とカウンターで話する人が居るんだけどね、天馬はその人の事が前から気になってるみたいでさ、その人が僕の事気に入ってるって言うんだ」
「…嫉妬?」
「そうっ!それでねっ、仕事中はそんなでもないけど、終わってからめっちゃ色々言われてさぁ、指名でも無いのに話してる時間が長すぎるとか、僕が相手してない時でも僕の事見てるとか、」
天馬は仕事中、僕の事をすごく見てるみたい。
僕が好きになって付き合い始めて、その頃よりも今はもっと僕は天馬の事が好きだから、そうやって気にして見ててくれるのはすごく嬉しいんだけど、その時は、やってない事や言ってない事まで心配されて言われたから、僕もちょっとムカついちゃって……それでケンカになった。
「色んな店の話とかしてたら、よく行く店を簡単に教えんな、って。住んでる場所推測されたら困る…とか。話するのは良いけど、相手が喜ぶような事ばっか言うな、とか。そんなつもりないのに言われたからちょっと僕も言い返しちゃって…」
天馬は、普段割とそういう嫉妬的な部分を見せないから、きっと溜めてたのが出たんだろうなって思うけど……でも、そんなに言われた事無くて、すごく辛くなった。
「天馬はね、昔BIRTHに来てたお客さんにストーカーされた事があるんだ」
「えっ、」
慶ちゃんがびっくりしてる。
「女の人でね、天馬の大ファンだったんだけど…多分ファンじゃ収まらなくなったんだろうね、連日来るようになって、最初は店で話しかける程度だったんだけど、だんだん仕事上がりを待ってたり、車も覚えて付いて来てたみたいで家まで付き止められて……あの時、天馬、すごく悩んでて警察に相談するか、までなってたんだ」
外に出ようとすると頭痛がする、とか言ってて……けっこう精神的に追い込まれてた。
「その辺りからなんだ~、僕が天馬を好きになったの」
それまでも、カッコいいなって思ってたけど、それは久我さんや宮永さんや上杉さんにも同じ様に思ってた。
だけど、ストーカーの事ですごく落ちてるのを見て……何か、力になりたいって思ったのが最初。
「帰る時にね、その日もやっぱり天馬は外に出るまで時間かかっちゃって、何て言うか、体が拒否反応みたいな感じになってて…皆に先行って貰って1人で気分が落ち着くまで休憩室で残ってたんだ。…僕、何かほっとけなくて……『車まで一緒に出ましょう』って言ったんだ」
あの時、天馬すごく驚いた顔してたな~…それまでそんなに絡んだ事無かった後輩が行き成りそんな事言ったから。
でも、それに対しての天馬の答えは『ストーカーするような相手だから、どんな思考してんのか分かんねぇし、お前に何かされても嫌だから遠慮しとく。…でも、心配してくれてありがとな』だった。
その言葉を言われてから…急激に天馬の事が気になり始めて……気が付いたら、ものすごく好きになってたんだ。
ストーカーは最終的には天馬と付き合いたいって言って来て、何とか刺激しないように時間をかけて断って……やっと、ヤバい事にならずに終わった。
その事を話してる間、慶ちゃんは終始もの凄く心配そうな顔してた。
久我さんからも聞いてなかったんだ、この話。
「何か……僕が守ってあげなきゃって思っちゃったんだ~」
「奏太さん…やっぱり可愛いですね」
「あっ、敬語っ」
慶ちゃんがハッとした顔してて、可笑しくなる。
「でも、その経験があるから、僕の事もすごく心配してくれてるんだと思うんだ。すごく嬉しいんだけど…何か…あの時は、腹が立っちゃって……それで、ケンカになった」
「天馬さんも…怒るの?」
「怒るよ~っ、僕も怒っちゃって、天馬んちだったんだけど『もう帰るっ』とか言って飛び出したもん」
「えぇ~~っ」
放っとかれるって思ったのに、直ぐに追いかけて来てくれた時は……嬉しかったな…。
「僕は結構、嫉妬したりして顔に出ちゃうんだけど…天馬はあんまりそういう感じじゃないから…そんな風に思ってくれてるってその時初めて知ったんだ。僕から好きになって付き合い始めたから…僕の方が気持ちが強いんだろうなって思ってたけど、あのケンカで…天馬も僕の事、大事に思ってくれてるんだって分かって……ケンカした事はすごく辛かったけど、結果的に前より好きになっちゃって……あはは」
結果オーライってやつだよ、ほんと。
「天馬さん…奏太さんの事、すごく好きだと思う。侑利くんがよく言ってる」
「えっ、何て?」
「天馬さんが奏太さんにハマってる、って」
………………ヤバい……
嬉しいじゃんっ!!
「ほんとにっ?」
多分、すごく嬉しそうな顔してんだろうな、僕…。
「ふふ、」
慶ちゃんに笑われてるし。
でも…嬉しいもんは嬉しい。
また……好きになっちゃうな、天馬の事…。
「慶ちゃんは?」
「え?」
僕の、結局惚気話みたいなのを散々慶ちゃんに聞かせてしまったけど……さっき慶ちゃんも、サラッと久我さんとケンカしたって言ってた。
「久我さんと大喧嘩、って…大丈夫だったの?」
「あ……」
「聞いても良い?」
「うん、」
一口、カフェオレを飲んで、慶ちゃんは話し始めた。
…けど、
正直……慶ちゃんの話してくれたケンカの内容が衝撃的すぎて、今僕はすごくビックリしてる。
もう、仲直りしてるのに、何かドキドキしちゃって……だって、何か、ドラマみたいな展開だしっ!
とにかく、その、職場の工藤って人の事で今すごく悩んでるみたい…。
久我さんも…きっと気が気じゃないんだろうな……
「…前みたいに戻りたいって言ったけど………もしかしたら、もう無理なのかなってどっかで思ってて……何かお互いよそよそしいのが……すごく気まずくて……」
「う~ん…それは、しんどいよね……」
慶ちゃんの魅力にやられるのは仕方ないと思う。
そもそも、やられない人の方が少ないでしょ、慶ちゃんが職場に居たら…。
僕だったら絶対、一目惚れだよ…。
「侑利くんはすごく心配してて、しんどいならバイト変わったら良いって言うんだけど…」
「うん…僕もそう思うよ」
「……俺、今の仕事の前に2回クビになってて…次は、ちゃんと…頑張んなきゃって思って決めたから……ほんとは、続けたいって思ってる……」
「分かるよ。…でも、僕は、久我さんの気持ちも分かるな~。相手がさ、まだ慶ちゃんへの気持ちが進行形って分かってたら……やっぱり、近くに居て欲しくないって思うのは普通だと思うし。…頑張りたいって言う慶ちゃんの気持ちもすごく分かるよ?でも、ほんとに……何かあってからじゃ遅いし…その人……やっぱり…僕もちょっと警戒した方が良いと思う……悪い人じゃないと思うけど……慶ちゃんへの気持ちが抑えきれなくなったら、歯止め効かなくなるタイプじゃないかなぁ…」
不安がらせるつもりは無いけど、話を聞く限りではそういう印象…。
だって、思わず抱きしめたり…キスを迫って来たりって………だいぶ、本気だよ…。
「とにかく、何かちょっとでも不安に思う事があったら、すぐに久我さんに言うんだよっ」
「うん、」
「自分だけでどうにかしようとしたらダメだよっ」
「…うん」
「もし、無理矢理慶ちゃんに何かして来たら、久我さんじゃないけど僕だって黙ってらんないからねっ」
僕はとにかく、慶ちゃんが好きなんだ。
何でそんなに好きなのかは自分でも分からないけど、…好きなタイプなんだから仕方ない。
可愛くて、キレイで、スタイル良くて、控え目で、ちょっと天然で……ほんと憧れるよ…。
「侑利くんが2人居るみたい、あはは」
と笑う。
「あはは、僕の慶ちゃん愛は強いからな~」
だいぶ僕にも、敬語じゃない喋りにも少し慣れて来た感じ。
久我さん、驚くだろうな…。
ランチ誘って良かった。
すごく距離が縮まった感じがする。
慶ちゃんも同じように思ってくれてると良いんだけど…。
慶が携帯を持ってキッチンの俺に駆け寄って来たのは、昨日の昼過ぎ。
「何だよ」
「これ見てっ」
慶が俺に見せて来たのは奏太からのLINEの内容。
『明日、大丈夫ならランチ行かない?…彼氏抜きで』
…お。
ランチの誘いじゃん。
彼氏抜きで、のとこが気になるけどさ…。
「どうしようっ」
「何が」
「行っても良いっ?」
「行きてぇんだろ?」
コクコクと直ぐに頷く。
「行って来いよ」と言ってやると、絵に描いたように嬉しそうな笑顔を俺に向ける。
お前、ほんとに、奏太好きだよな…。
早速返事してるし。
まぁ、楽しそうな慶を見るのは、俺だってそれだけで嬉しくなるから良いんだけどさ。
~~~~~~~~
って事で、今日。
慶は今、奏太が迎えに来るのをマンションの下でソワソワしながら待っている。
約束の時間の10分前に下へ降りた。
1人で待たせるのも不安だから、俺も一緒に。
「緊張すんなよ」
「う、うん」
いやいや、してんじゃん。
「奏太はもう慣れただろ?」
「でも、2人だけでどっか行くなんて初めてだしっ…」
確かにな。
今までは俺や天馬が居たもんな。
「あ、来たぞ」
奏太らしい、小さくて見た目重視な車。
慶は初めてだな、奏太が運転してるとこ見んの。
「お待たせ~」
俺らの前で止まった車から、天馬が降りて来た。
まぁ、お互い相手が出かけるって事で、俺らは必然的に余る訳だし……じゃあ俺らも飯行くかってなった。
「じゃあ少し慶ちゃん借りますね」
奏太が俺に向かってそう言うと「お願いしますっ」といつもの緊張モードで慶が奏太にお辞儀した。
「はは、慶ちゃん、気楽にね」
天馬が慶に声をかける。
慶は丁寧にドアを開けて、助手席へ乗り込んだ。
「じゃあね、天馬」
「お~」
助手席を見ると、慶が笑顔で俺に手を振ってる。
可愛いんだよ、お前は、いちいち。
手を振って応えてやると、奏太はゆっくり車を発進させた。
「…どういう会話すんのか気になるわ~」
天馬が車を見送りながらしみじみ言う。
「…確かに」
ま、でも、奏太ならきっと大丈夫だろうな、って思える。
「慶、奏太の事すんげぇ好きみたい」
「マジで?奏太に言っとくわ、アイツも慶ちゃん慶ちゃん言ってるからさ」
慶にとって…初めての友達だからさ。
慶は大事にしたいんだろう。
「両想いじゃん」
「俺ら、捨てられるかもな」
「どうすんの、そしたら」
「……付き合おうぜ」
天馬に軽くパンチをお見舞いして歩き出す。
「いてぇ、何で」
「お前とは付き合えねぇよ」
「何でだよ~」
「…巴流に殺される」
そう言って、可笑しくなって2人でちょっと笑った。
*奏太side*
「ここ、ここ」
お目当ての店の前。
慶ちゃんは、車の中で最初は緊張してたけど、だんだん僕と2人って事に慣れて来たみたいだった。
平日だから、駐車場も空いててラッキー。
週末に来たら入口の所で並んでるくらいの人気店だけど、今日はすんなり入れそう。
「俺…こういう店来た事ないです…ランチも侑利くんとしか行った事ないし…」
慶ちゃんらしい発言。
ほんとに色んな事が初体験なんだな、慶ちゃんって……その見た目からは想像出来ないよ。
「大丈夫大丈夫、ここ、ずっと前に1回だけ来たけど店内も広くて落ち着ける感じだったよ。ゆっくり食べてさぁ、愚痴大会しようよ~」
久我さんに対して、不満とか無さそうだけどね、慶ちゃん。
何でも良いんだ、慶ちゃんにもっと気楽に僕と打ち解けて欲しいな、って思ったんだ…。
僕は慶ちゃんともっと仲良くなりたいって思ってるからさ。
店内は、お昼だけど照明を落とした大人な雰囲気で、きっと有名な曲なんだろうなって感じのジャズが流れてて、この感じだけで気分が良い。
店員さんに勧められたメインが魚のランチを、僕も慶ちゃんも注文した。
慶ちゃんはメニューが分からな過ぎて「奏太さんと同じもので」とか言うから、ちょっと可笑しくなって笑っちゃったよ。
「今頃、天馬たちも何か食べに行ってるだろうね」
「そうですね」
ふふ、と笑う顔は本当に美人。
慶ちゃんって、こうやって見るとほんとに一般人離れしてる。
僕たちは慶ちゃん=久我さんの恋人、ってのがあって…僕と同じ…その…男女で言えば女側だから……慶ちゃんの事はカッコいいと言うよりは美人と表現したくなるけど、世間一般にはきっと「超イケメン」って事になるんだろうな……
店内の女子がチラチラ見てるしさ。
まぁ、それに全く気付かない緩い慶ちゃんが僕は好きなんだけど。
「それにしてもさ~…年明けは、慶ちゃん大変だったね」
「え、あ…はい」
「行き成り家に来たんでしょ?」
「初詣行こうって言ってて、出かけようとしてたら玄関のドアが開いたからビックリしました」
「……それは…ビックリだよ」
行き成り親が来るとか……同じ立場なら、天馬は何て言うかな…。
「ビックリしすぎて、俺…友達のフリして…帰るとこです、とか言っちゃって…」
「えっ?」
それは、知らなかった。
「侑利くんが追いかけて来て、めっちゃ突っ込まれました、あはは」
「そりゃ久我さんも突っ込むよ~、どうなったの?」
「…でも、言っちゃったし……それに……行き成りは顔合わせられなくて……」
「そうだよね…」
「最初は、外で時間潰してました。侑利くんに…家族でちゃんと話して貰いたくて」
分かるよ、すごく。
僕だってその場には居られないよ…。
「待ってる間、色んな事考えちゃって…すごく落ち込んでたんですけど……侑利くんの両親は……何か、すごく……気持ちが…大きな人で……普通は俺なんか認めて貰えないと思うんですけど………」
そこまで喋ると、慶ちゃんは黙った。
きっと言葉に詰まってるんだ…。
「久我さん……慶ちゃんの事、すごく大事にしてるもんね。きっと、そういうのが伝わったんじゃないかな」
慶ちゃんは、僕の言葉を聞いて…うん、と頷くと顔を上げてキレイな笑顔を見せた。
「お待たせしました」と、店員が2人分のランチを運んで来て、話は一旦中断。
目の前に置かれたランチを、2人して携帯で撮って天馬と久我さんにそれぞれ送信。
「美味しそうだね、前に来た時はパスタだったからこれ楽しみ~。早く食べよ~」
…慶ちゃんにそう言ったら、
「…奏太さん…すごく可愛いですね」
って言われてびっくりした。
慶ちゃんから「可愛い」なんて言われると思って無かったし!
「え~っ、何急に、どうしたの?」
「急じゃないです、初めて会った時からずっと思ってます」
初めて会ったのは、久我さんが風邪引いて買い物に困った時。
スーパーの入口で僕たちを待ってる慶ちゃんを見て「すっごいキレイ」って思った。
そう言えば、後から天馬に「慶ちゃんが奏太の事、可愛いって言ってたぞ」って言われたな。
慶ちゃんにそんな事言って貰えたら、けっこう自慢だなぁ~~。
僕が出会って来た人の中で、男女混ぜても慶ちゃんは一番キレイ。
「俺の事…こんな風に誘ってくれて…友達だって言ってくれて…ほんとに嬉しいです」
「僕だって、慶ちゃんがそういう風に言ってくれたら嬉しいよ。慶ちゃんは……今まですごく辛かったと思うから…もう、これからは嫌な事考えたりしないで居て欲しいって思ってるんだ」
感動屋の慶ちゃんの目に、少し涙が溜まるのが分かる。
天馬からは、詳しく聞いてる訳じゃないけど……きっと…友達も居なかったんじゃないかな……
誰にも頼れずに…1人でなんて……僕だったら絶対無理だよ…。
「久我さんから始まってさ、僕たちとも出会ったんだし……そうなると、もう……意地でも慶ちゃんに辛い思いさせたくないって思うんだ~」
あ、ヤバい、慶ちゃんが泣いちゃう。
「はいっ、とりあえず食べよっか、ねっ」
泣きそうになってた慶ちゃんがハッとしたように、指先で軽く目尻を拭う。
「はい」と言って微笑んだ慶ちゃんは、本当にキレイで気を抜いたら見惚れちゃいそうになるけど……とりあえず、2人揃って目の前の美味しそうなランチを食べ始めた。
「はい、慶ちゃん」
「す…すみません」
食後にコーヒーでもって事で、今はコーヒーショップでテイクアウトしたカフェオレを2人で車で飲もうとしてるとこ。
なんとなく奢ったら、すごく恐縮してる。
そんなに気にしなくて良いんだけど、きっと慶ちゃんに気にするなって言ってもダメなんだろうなぁ~。
次は慶ちゃんが奢るって事で、何とか頷いた。
「あのさぁ、」
「はい、」
カフェオレをふぅふぅしてた慶ちゃんに……今までずっと思ってたけど、言えて無かったことを言ってみる。
「慶ちゃんと僕は友達でしょ?」
「え…は、はい…」
すごく不安そうな顔……何言われるんだろう、って思ってんだろうな…。
「じゃあ…敬語、止める?」
「えっ、…」
慶ちゃんが黙っちゃった。
何か…緊張が取れないのも、敬語だからじゃないかなぁ~とか思ってた。
歳だって1個しか違わないんだし……天馬に言わせたら僕の方が幼く見えるみたいだし……やっぱり堅苦しいし。
「え、でも…それは…」
ボソボソ言って、かなり困ってる。
「友達なんだからその方が良いよっ、ねっ、今から」
「えっ、今からですかっ?」
「それっ、敬語っ」
「…や、もう始まってるんですか?」
「始まるとかじゃないから、終わりはないから、これからずっとだからっ」
「…………」
慶ちゃんが僕に圧倒されてる…。
「…はい、…分かりました…」
「それ、敬語だし」
「あ、…」
「…ぷっ、」
可笑しくなって2人で笑う。
「じゃあ、もう敬語ナシね」
「はい………あ………うん」
慶ちゃん……可愛いよね、ほんと。
「良いっ、うん、とか良いじゃ~ん、一気に近付いた感じするよ」
褒めて伸ばしてみる。
慶ちゃんは完全に困惑してるけど、そこは無視だっ。
「そうだ、慶ちゃん聞いてくれる?」
「え、う、うん」
はは、新鮮。
「年末、天馬と初めてケンカしたんだ~」
「えっ、そうなんですかっ?……あ、…そ、そうなの…?」
「あははっ、慶ちゃん、面白いよ」
「…………」
慣れだよ、慣れ。
「ちょっとしたケンカですぐ仲直りしたんだけどね、初めてだったから戸惑っちゃった」
「…俺も…年末…侑利くんと大喧嘩した…」
「えっ?そうなのっ?」
意外。
久我さんと慶ちゃんの大喧嘩なんて想像つかないけどな~。
「何かね、たまに来るお客さんで来た時は僕とカウンターで話する人が居るんだけどね、天馬はその人の事が前から気になってるみたいでさ、その人が僕の事気に入ってるって言うんだ」
「…嫉妬?」
「そうっ!それでねっ、仕事中はそんなでもないけど、終わってからめっちゃ色々言われてさぁ、指名でも無いのに話してる時間が長すぎるとか、僕が相手してない時でも僕の事見てるとか、」
天馬は仕事中、僕の事をすごく見てるみたい。
僕が好きになって付き合い始めて、その頃よりも今はもっと僕は天馬の事が好きだから、そうやって気にして見ててくれるのはすごく嬉しいんだけど、その時は、やってない事や言ってない事まで心配されて言われたから、僕もちょっとムカついちゃって……それでケンカになった。
「色んな店の話とかしてたら、よく行く店を簡単に教えんな、って。住んでる場所推測されたら困る…とか。話するのは良いけど、相手が喜ぶような事ばっか言うな、とか。そんなつもりないのに言われたからちょっと僕も言い返しちゃって…」
天馬は、普段割とそういう嫉妬的な部分を見せないから、きっと溜めてたのが出たんだろうなって思うけど……でも、そんなに言われた事無くて、すごく辛くなった。
「天馬はね、昔BIRTHに来てたお客さんにストーカーされた事があるんだ」
「えっ、」
慶ちゃんがびっくりしてる。
「女の人でね、天馬の大ファンだったんだけど…多分ファンじゃ収まらなくなったんだろうね、連日来るようになって、最初は店で話しかける程度だったんだけど、だんだん仕事上がりを待ってたり、車も覚えて付いて来てたみたいで家まで付き止められて……あの時、天馬、すごく悩んでて警察に相談するか、までなってたんだ」
外に出ようとすると頭痛がする、とか言ってて……けっこう精神的に追い込まれてた。
「その辺りからなんだ~、僕が天馬を好きになったの」
それまでも、カッコいいなって思ってたけど、それは久我さんや宮永さんや上杉さんにも同じ様に思ってた。
だけど、ストーカーの事ですごく落ちてるのを見て……何か、力になりたいって思ったのが最初。
「帰る時にね、その日もやっぱり天馬は外に出るまで時間かかっちゃって、何て言うか、体が拒否反応みたいな感じになってて…皆に先行って貰って1人で気分が落ち着くまで休憩室で残ってたんだ。…僕、何かほっとけなくて……『車まで一緒に出ましょう』って言ったんだ」
あの時、天馬すごく驚いた顔してたな~…それまでそんなに絡んだ事無かった後輩が行き成りそんな事言ったから。
でも、それに対しての天馬の答えは『ストーカーするような相手だから、どんな思考してんのか分かんねぇし、お前に何かされても嫌だから遠慮しとく。…でも、心配してくれてありがとな』だった。
その言葉を言われてから…急激に天馬の事が気になり始めて……気が付いたら、ものすごく好きになってたんだ。
ストーカーは最終的には天馬と付き合いたいって言って来て、何とか刺激しないように時間をかけて断って……やっと、ヤバい事にならずに終わった。
その事を話してる間、慶ちゃんは終始もの凄く心配そうな顔してた。
久我さんからも聞いてなかったんだ、この話。
「何か……僕が守ってあげなきゃって思っちゃったんだ~」
「奏太さん…やっぱり可愛いですね」
「あっ、敬語っ」
慶ちゃんがハッとした顔してて、可笑しくなる。
「でも、その経験があるから、僕の事もすごく心配してくれてるんだと思うんだ。すごく嬉しいんだけど…何か…あの時は、腹が立っちゃって……それで、ケンカになった」
「天馬さんも…怒るの?」
「怒るよ~っ、僕も怒っちゃって、天馬んちだったんだけど『もう帰るっ』とか言って飛び出したもん」
「えぇ~~っ」
放っとかれるって思ったのに、直ぐに追いかけて来てくれた時は……嬉しかったな…。
「僕は結構、嫉妬したりして顔に出ちゃうんだけど…天馬はあんまりそういう感じじゃないから…そんな風に思ってくれてるってその時初めて知ったんだ。僕から好きになって付き合い始めたから…僕の方が気持ちが強いんだろうなって思ってたけど、あのケンカで…天馬も僕の事、大事に思ってくれてるんだって分かって……ケンカした事はすごく辛かったけど、結果的に前より好きになっちゃって……あはは」
結果オーライってやつだよ、ほんと。
「天馬さん…奏太さんの事、すごく好きだと思う。侑利くんがよく言ってる」
「えっ、何て?」
「天馬さんが奏太さんにハマってる、って」
………………ヤバい……
嬉しいじゃんっ!!
「ほんとにっ?」
多分、すごく嬉しそうな顔してんだろうな、僕…。
「ふふ、」
慶ちゃんに笑われてるし。
でも…嬉しいもんは嬉しい。
また……好きになっちゃうな、天馬の事…。
「慶ちゃんは?」
「え?」
僕の、結局惚気話みたいなのを散々慶ちゃんに聞かせてしまったけど……さっき慶ちゃんも、サラッと久我さんとケンカしたって言ってた。
「久我さんと大喧嘩、って…大丈夫だったの?」
「あ……」
「聞いても良い?」
「うん、」
一口、カフェオレを飲んで、慶ちゃんは話し始めた。
…けど、
正直……慶ちゃんの話してくれたケンカの内容が衝撃的すぎて、今僕はすごくビックリしてる。
もう、仲直りしてるのに、何かドキドキしちゃって……だって、何か、ドラマみたいな展開だしっ!
とにかく、その、職場の工藤って人の事で今すごく悩んでるみたい…。
久我さんも…きっと気が気じゃないんだろうな……
「…前みたいに戻りたいって言ったけど………もしかしたら、もう無理なのかなってどっかで思ってて……何かお互いよそよそしいのが……すごく気まずくて……」
「う~ん…それは、しんどいよね……」
慶ちゃんの魅力にやられるのは仕方ないと思う。
そもそも、やられない人の方が少ないでしょ、慶ちゃんが職場に居たら…。
僕だったら絶対、一目惚れだよ…。
「侑利くんはすごく心配してて、しんどいならバイト変わったら良いって言うんだけど…」
「うん…僕もそう思うよ」
「……俺、今の仕事の前に2回クビになってて…次は、ちゃんと…頑張んなきゃって思って決めたから……ほんとは、続けたいって思ってる……」
「分かるよ。…でも、僕は、久我さんの気持ちも分かるな~。相手がさ、まだ慶ちゃんへの気持ちが進行形って分かってたら……やっぱり、近くに居て欲しくないって思うのは普通だと思うし。…頑張りたいって言う慶ちゃんの気持ちもすごく分かるよ?でも、ほんとに……何かあってからじゃ遅いし…その人……やっぱり…僕もちょっと警戒した方が良いと思う……悪い人じゃないと思うけど……慶ちゃんへの気持ちが抑えきれなくなったら、歯止め効かなくなるタイプじゃないかなぁ…」
不安がらせるつもりは無いけど、話を聞く限りではそういう印象…。
だって、思わず抱きしめたり…キスを迫って来たりって………だいぶ、本気だよ…。
「とにかく、何かちょっとでも不安に思う事があったら、すぐに久我さんに言うんだよっ」
「うん、」
「自分だけでどうにかしようとしたらダメだよっ」
「…うん」
「もし、無理矢理慶ちゃんに何かして来たら、久我さんじゃないけど僕だって黙ってらんないからねっ」
僕はとにかく、慶ちゃんが好きなんだ。
何でそんなに好きなのかは自分でも分からないけど、…好きなタイプなんだから仕方ない。
可愛くて、キレイで、スタイル良くて、控え目で、ちょっと天然で……ほんと憧れるよ…。
「侑利くんが2人居るみたい、あはは」
と笑う。
「あはは、僕の慶ちゃん愛は強いからな~」
だいぶ僕にも、敬語じゃない喋りにも少し慣れて来た感じ。
久我さん、驚くだろうな…。
ランチ誘って良かった。
すごく距離が縮まった感じがする。
慶ちゃんも同じように思ってくれてると良いんだけど…。
1
あなたにおすすめの小説
僕の恋人は、超イケメン!!
八乙女 忍
BL
僕は、普通の高校2年生。そんな僕にある日恋人ができた!それは超イケメンのモテモテ男子、あまりにもモテるため女の子に嫌気をさして、偽者の恋人同士になってほしいとお願いされる。最初は、嘘から始まった恋人ごっこがだんだん本気になっていく。お互いに本気になっていくが・・・二人とも、どうすれば良いのかわからない。この後、僕たちはどうなって行くのかな?
【完結済】俺のモノだと言わない彼氏
竹柏凪紗
BL
「俺と付き合ってみねぇ?…まぁ、俺、彼氏いるけど」彼女に罵倒されフラれるのを寮部屋が隣のイケメン&遊び人・水島大和に目撃されてしまう。それだけでもショックなのに壁ドン状態で付き合ってみないかと迫られてしまった東山和馬。「ははは。いいねぇ。お前と付き合ったら、教室中の女子に刺されそう」と軽く受け流した。…つもりだったのに、翌日からグイグイと迫られるうえ束縛まではじまってしまい──?!
■青春BLに限定した「第1回青春×BL小説カップ」最終21位まで残ることができ感謝しかありません。応援してくださった皆様、本当にありがとうございました。
三ヶ月だけの恋人
perari
BL
仁野(にの)は人違いで殴ってしまった。
殴った相手は――学年の先輩で、学内で知らぬ者はいない医学部の天才。
しかも、ずっと密かに想いを寄せていた松田(まつだ)先輩だった。
罪悪感にかられた仁野は、謝罪の気持ちとして松田の提案を受け入れた。
それは「三ヶ月だけ恋人として付き合う」という、まさかの提案だった――。
日本一のイケメン俳優に惚れられてしまったんですが
五右衛門
BL
月井晴彦は過去のトラウマから自信を失い、人と距離を置きながら高校生活を送っていた。ある日、帰り道で少女が複数の男子からナンパされている場面に遭遇する。普段は関わりを避ける晴彦だが、僅かばかりの勇気を出して、手が震えながらも必死に少女を助けた。
しかし、その少女は実は美男子俳優の白銀玲央だった。彼は日本一有名な高校生俳優で、高い演技力と美しすぎる美貌も相まって多くの賞を受賞している天才である。玲央は何かお礼がしたいと言うも、晴彦は動揺してしまい逃げるように立ち去る。しかし数日後、体育館に集まった全校生徒の前で現れたのは、あの時の青年だった──
モテる兄貴を持つと……(三人称改訂版)
夏目碧央
BL
兄、海斗(かいと)と同じ高校に入学した城崎岳斗(きのさきやまと)は、兄がモテるがゆえに様々な苦難に遭う。だが、カッコよくて優しい兄を実は自慢に思っている。兄は弟が大好きで、少々過保護気味。
ある日、岳斗は両親の血液型と自分の血液型がおかしい事に気づく。海斗は「覚えてないのか?」と驚いた様子。岳斗は何を忘れているのか?一体どんな秘密が?
【完結・BL】俺をフッた初恋相手が、転勤して上司になったんだが?【先輩×後輩】
彩華
BL
『俺、そんな目でお前のこと見れない』
高校一年の冬。俺の初恋は、見事に玉砕した。
その後、俺は見事にDTのまま。あっという間に25になり。何の変化もないまま、ごくごくありふれたサラリーマンになった俺。
そんな俺の前に、運命の悪戯か。再び初恋相手は現れて────!?
地味メガネだと思ってた同僚が、眼鏡を外したら国宝級でした~無愛想な美人と、チャラ営業のすれ違い恋愛
中岡 始
BL
誰にも気づかれたくない。
誰の心にも触れたくない。
無表情と無関心を盾に、オフィスの隅で静かに生きる天王寺悠(てんのうじ・ゆう)。
その存在に、誰も興味を持たなかった――彼を除いて。
明るく人懐こい営業マン・梅田隼人(うめだ・はやと)は、
偶然見た「眼鏡を外した天王寺」の姿に、衝撃を受ける。
無機質な顔の奥に隠れていたのは、
誰よりも美しく、誰よりも脆い、ひとりの青年だった。
気づいてしまったから、もう目を逸らせない。
知りたくなったから、もう引き返せない。
すれ違いと無関心、
優しさと孤独、
微かな笑顔と、隠された心。
これは、
触れれば壊れそうな彼に、
それでも手を伸ばしてしまった、
不器用な男たちの恋のはなし。
不器用に惹かれる
タッター
BL
月影暖季は人見知りだ。そのせいで高校に入って二年続けて友達作りに失敗した。
といってもまだ二年生になって一ヶ月しか経っていないが、悲観が止まらない。
それは一年まともに誰とも喋らなかったせいで人見知りが悪化したから。また、一年の時に起こったある出来事がダメ押しとなって見事にこじらせたから。
怖い。それでも友達が欲しい……。
どうするどうすると焦っていれば、なぜか苦手な男が声をかけてくるようになった。
文武両道にいつも微笑みを浮かべていて、物腰も声色も優しい見た目も爽やかイケメンな王子様みたいな男、夜宮。クラスは別だ。
一年生の頃、同じクラスだった時にはほとんど喋らず、あの日以降は一言も喋ったことがなかったのにどうして急に二年になってお昼を誘ってくるようになったのか。
それだけじゃない。月影君月影君と月影攻撃が止まない。
にこにことした笑顔になんとか愛想笑いを返し続けるも、どこか夜宮の様子がおかしいことに気づいていく。
そうして夜宮を知れば知るほどーー
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる