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第五章 切望を 叶えた者と 挑む者
第70話 僕と会話して、 願い事を決めるんだ
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神という存在の凄さに改めて驚きつつ、本題である俺の悩みを相談することにした。
ソフィアにも相談したように、、この世界で出会った皆と別れたくないこと、でも元いた世界でお世話になった人へ恩返しをしたい、といった事を説明した。
「……それでな。ソフィアが言うには、願いに応じた試練を達成できれば神様がその願いを叶えてくれる、って話を聞いたんだ」
「それで、ソフィアが僕にリンフォンで連絡してきた、ということだね。まずは、結論から言わせてもらうと、もちろん可能だとも。この世界にいる限りは、すべての存在がその資格を有しているからね」
……よかった。
とりあえず、俺の願いを叶えてもらえる、っていうのは可能みたいだ。
もちろん、試練の内容次第では難しいかもだけど。
それと、この世界の存在ってことは動物とか魔物でも可能ってことなのか?
いや、魔物が教会に来て願いを叶えてください、なんて言うわけないか。
……いや、流石の異世界でもないよな?
「ああ、ハクトくんの疑問ももっともだね。実はね、動物や魔物の願いを叶えたこともあるのさ!」
え、まさか本当に!?
というか、普段はあまり読まないようにしているといいつつ、今もがっつり読んでるんすね……。
「ああ、すまない。……最近は天界でソフィアと話すことが多いのだけれど、彼女との会話は心を読みながらすることが多くてね。今のは無意識に読んでしまったみたいだ。ああ、もちろんソフィアからは許可をもらっているよ」
イズレに続いて、二人目の無意識なやつだ。
まさか、それが神様になるとは思わなかったけど。
「最近は、って言っていたけど、もしかして俺が異世界から来たからか?」
「まあ、そういうことだね。異世界からのお客さんが快適に過ごせているか、何か問題はなかったか、みたいな内容を確認しているのさ。ああ、君はもちろん問題ないけど、異世界に悪い影響を与えていないか、なんていうのも確認しているよ」
まあ、普通はこちらについて色々報告するよな。
俺は、この世界からしたら明らかな異分子だし。
というかむしろ、こんなに色々やってるのに何も言われなくて、それで大丈夫なのかと心配になるくらいだ。
「ああ、それでね。君もよく経験しているように、彼女はとても愉快な結論を導きだすじゃないか。だから、彼女とは心を読みながら会話しているのさ。途中まではきちんと考えているのに、急に明後日の方向へ思考がいったと思ったら、さらに飛躍した結論を導き出したりして、いつも笑ってしまうよ」
ソフィアが笑いながら訂正してくれる、って言っていたけど、面白がっていたからなのね。
「おっと。つい話がそれてしまったようだ。……ハクトくん。元の世界にいる人への恩返しと、この世界で出合った人たちと別れたくないという悩み。それを解決するために、君は僕に何を願うんだい?」
……何を願うか、か。
あまり複雑なことを願うと、試練を達成するのが難しくなる。
かといって、適当に決めてしまうと後々後悔してしまいそうだ。
「申し訳ないけど、色々と考えさせてほしい。……まさか、こんな機会があるとは思ってなかったから、何も考えてなかったよ」
「もちろんいいともさ。それなら、悩んでいる間は心を読ませてもらってもいいかい? それによってこちら提案する、ということもできるから、ね」
「そうしてもらえた方が助かるかな。……というか、もう自由に読んでもらっていいかな。神様って、そういうものだってイメージもあるし。……ただ、変なことを考えても無視してほしい」
変な事を考えたって いいじゃないか 人間だもの はくと。
「……それじゃ、具体的に考えてみるよ」
まずは、恩返しについてだ。
お世話になった二人、父方の祖父、祖母には本当に感謝してもしきれない。
度々お礼は言っているんだけど、その度に健康でいてくれたらいい、としか言わないんだよな。
……そうだ。
お礼は色々考えていたけど、まずは立派に社会人として独り立ちして、二人を安心させたいって思っていたんだ。
でもそれは、元の世界に帰ることになり皆とお別れをしないといけない。
とはいえ、この世界に残る場合には向こうの世界の人とお別れすることになる。
……一度元の世界に戻った後で、空間に穴が空いたタイミングでこちらの世界へ転移してもらう、っていうのはどうだろう?
ただ、いつこっちの世界に来るかを考えないとか。
「なるほど。……だけどね。その方法では、君が望んでいる結果を得られないかもしれない。ソフィアから聞いた内容を覚えているかい? この世界と君がいた世界では、時間が同じように流れていないってことを」
「そういえば、前に聞いたような……」
「つまりだね。君が次に戻ってきたときには、すでにこちらでは何百年も経過している、という可能性もあるわけなのさ」
……そうか。
そうなった場合、魔皇はともかく他の皆とは会えない可能性もあるんだな……。
「もちろん、その逆にほとんど時間が経過していない、という可能性もある。最近は大きく時間の差がある、ってことがないようでね。このままいけば、もしかしたら大丈夫かもしれない。……ただ、一度空間が繋ると、それより過去に繋がることはないんだ」
つまり、今回繋がったのはかなり未来だから次の機会に、みたいなこともできないのか。
……どうしよう。
「そこでだ、ハクトくん。君に一つ、提案したいことがある。この世界と元居た世界。君の望むように自由に行き来できるようにする、という願いはどうだろう? もちろん、時間も自由に決められる、という条件でね。ああ、流石に過去に行くことはできないけどね」
……え?
ああいや。
ここに来る前にも、ちょっとは考えた。
けど、物語みたいに自由に行き来できるっていうのは流石に無理だと思った。
それに、時間の話を聞いてからは余計に無理だろうと思ったのに、それが可能なのだろうか?
「というかそれって、俺一人の為に世界の法則が変わってないか? そんなことができるのか。いや、そもそもそんなことしていいのか?」
「もちろん問題ないさ。現に今も、君が帰る時間を調整しているからね」
あっ、そういえばそうだ。
ソフィアからも、ほとんど時間が経過せずに元に戻れる、って聞いたな。
色々調整が必要とも聞いたけど、そういうことだったのか。
「あ、でも、それって一時的なものだよな? それに、俺がもう一度世界の間を移動するのに六か月の調整が必要なのに、自由に移動できるとはいっても、毎回調整が大変なんじゃないか?」
「実はそうでもないんだ。……そもそも、君のいた世界でもこの世界でも、神と言うのは概念的な存在でしかなかったんだ。それが、偶然にも、いや、あるいは必然だったのかな? まあともかく、僕という自我をもつ神が生まれたのさ」
「つまり、本来であれば創造神という存在はいないってことか? それなら、俺たちの世界がこっちの世界みたいに外部から干渉されたらまずいんじゃないか?」
「結論だけ言うと、それは大丈夫だ。とりあえず、その話辺りの話は後にしておこう。……まそんな理由もあって、僕は自分に一つの制約を課したのさ。世界のルールを変更する理由がなければ、それを変えてはいけない。また、その理由が消失した場合には元の形に戻す、ってね」
うーん。
それを俺に適用して考えると……、
「今は俺が問題なく帰るために、時間のずれがないように調整している。それで、俺が元の世界に帰ったらそれをやめる、ってことか?」
「ちょっと惜しいね。むしろ、元の法則に戻すために調整が必要なのさ。そうだね、例えば粘土で作られた物に手を加えるのと、それを元の形に寸分違わず元に戻すのとでは、後者の方が大変、といえばわかるかな?」
「なるほどな。確かにそれは大変そうだ」
しかもそれが世界レベルとなると、スケールがでかすぎて想像もつかない。
「それとね。そうすることは僕にも好都合なのさ。ソフィアが収集している漫画があるだろう? それの続きが気になっても、次に空間が繋がった時に出版されているかわからないのさ。でも、そのためにルールを変更することは自分に課した制約に反するのさ。それと、天使も僕の身内って扱いだから、その制約の範囲内なのさ。だから、ソフィアが希望した時もルールを変えるわけにはいかなくてね」
神様がいう好都合っていうから、またすごい内容なのかと思ったのに、なんだか急に話のスケールが小さくなったな……。
……というか、それが本命とかじゃないよな?
______________________________________
この世界の設定などを出しましたが、わけがわからないよ、なんて言われないか心配です……。
ソフィアにも相談したように、、この世界で出会った皆と別れたくないこと、でも元いた世界でお世話になった人へ恩返しをしたい、といった事を説明した。
「……それでな。ソフィアが言うには、願いに応じた試練を達成できれば神様がその願いを叶えてくれる、って話を聞いたんだ」
「それで、ソフィアが僕にリンフォンで連絡してきた、ということだね。まずは、結論から言わせてもらうと、もちろん可能だとも。この世界にいる限りは、すべての存在がその資格を有しているからね」
……よかった。
とりあえず、俺の願いを叶えてもらえる、っていうのは可能みたいだ。
もちろん、試練の内容次第では難しいかもだけど。
それと、この世界の存在ってことは動物とか魔物でも可能ってことなのか?
いや、魔物が教会に来て願いを叶えてください、なんて言うわけないか。
……いや、流石の異世界でもないよな?
「ああ、ハクトくんの疑問ももっともだね。実はね、動物や魔物の願いを叶えたこともあるのさ!」
え、まさか本当に!?
というか、普段はあまり読まないようにしているといいつつ、今もがっつり読んでるんすね……。
「ああ、すまない。……最近は天界でソフィアと話すことが多いのだけれど、彼女との会話は心を読みながらすることが多くてね。今のは無意識に読んでしまったみたいだ。ああ、もちろんソフィアからは許可をもらっているよ」
イズレに続いて、二人目の無意識なやつだ。
まさか、それが神様になるとは思わなかったけど。
「最近は、って言っていたけど、もしかして俺が異世界から来たからか?」
「まあ、そういうことだね。異世界からのお客さんが快適に過ごせているか、何か問題はなかったか、みたいな内容を確認しているのさ。ああ、君はもちろん問題ないけど、異世界に悪い影響を与えていないか、なんていうのも確認しているよ」
まあ、普通はこちらについて色々報告するよな。
俺は、この世界からしたら明らかな異分子だし。
というかむしろ、こんなに色々やってるのに何も言われなくて、それで大丈夫なのかと心配になるくらいだ。
「ああ、それでね。君もよく経験しているように、彼女はとても愉快な結論を導きだすじゃないか。だから、彼女とは心を読みながら会話しているのさ。途中まではきちんと考えているのに、急に明後日の方向へ思考がいったと思ったら、さらに飛躍した結論を導き出したりして、いつも笑ってしまうよ」
ソフィアが笑いながら訂正してくれる、って言っていたけど、面白がっていたからなのね。
「おっと。つい話がそれてしまったようだ。……ハクトくん。元の世界にいる人への恩返しと、この世界で出合った人たちと別れたくないという悩み。それを解決するために、君は僕に何を願うんだい?」
……何を願うか、か。
あまり複雑なことを願うと、試練を達成するのが難しくなる。
かといって、適当に決めてしまうと後々後悔してしまいそうだ。
「申し訳ないけど、色々と考えさせてほしい。……まさか、こんな機会があるとは思ってなかったから、何も考えてなかったよ」
「もちろんいいともさ。それなら、悩んでいる間は心を読ませてもらってもいいかい? それによってこちら提案する、ということもできるから、ね」
「そうしてもらえた方が助かるかな。……というか、もう自由に読んでもらっていいかな。神様って、そういうものだってイメージもあるし。……ただ、変なことを考えても無視してほしい」
変な事を考えたって いいじゃないか 人間だもの はくと。
「……それじゃ、具体的に考えてみるよ」
まずは、恩返しについてだ。
お世話になった二人、父方の祖父、祖母には本当に感謝してもしきれない。
度々お礼は言っているんだけど、その度に健康でいてくれたらいい、としか言わないんだよな。
……そうだ。
お礼は色々考えていたけど、まずは立派に社会人として独り立ちして、二人を安心させたいって思っていたんだ。
でもそれは、元の世界に帰ることになり皆とお別れをしないといけない。
とはいえ、この世界に残る場合には向こうの世界の人とお別れすることになる。
……一度元の世界に戻った後で、空間に穴が空いたタイミングでこちらの世界へ転移してもらう、っていうのはどうだろう?
ただ、いつこっちの世界に来るかを考えないとか。
「なるほど。……だけどね。その方法では、君が望んでいる結果を得られないかもしれない。ソフィアから聞いた内容を覚えているかい? この世界と君がいた世界では、時間が同じように流れていないってことを」
「そういえば、前に聞いたような……」
「つまりだね。君が次に戻ってきたときには、すでにこちらでは何百年も経過している、という可能性もあるわけなのさ」
……そうか。
そうなった場合、魔皇はともかく他の皆とは会えない可能性もあるんだな……。
「もちろん、その逆にほとんど時間が経過していない、という可能性もある。最近は大きく時間の差がある、ってことがないようでね。このままいけば、もしかしたら大丈夫かもしれない。……ただ、一度空間が繋ると、それより過去に繋がることはないんだ」
つまり、今回繋がったのはかなり未来だから次の機会に、みたいなこともできないのか。
……どうしよう。
「そこでだ、ハクトくん。君に一つ、提案したいことがある。この世界と元居た世界。君の望むように自由に行き来できるようにする、という願いはどうだろう? もちろん、時間も自由に決められる、という条件でね。ああ、流石に過去に行くことはできないけどね」
……え?
ああいや。
ここに来る前にも、ちょっとは考えた。
けど、物語みたいに自由に行き来できるっていうのは流石に無理だと思った。
それに、時間の話を聞いてからは余計に無理だろうと思ったのに、それが可能なのだろうか?
「というかそれって、俺一人の為に世界の法則が変わってないか? そんなことができるのか。いや、そもそもそんなことしていいのか?」
「もちろん問題ないさ。現に今も、君が帰る時間を調整しているからね」
あっ、そういえばそうだ。
ソフィアからも、ほとんど時間が経過せずに元に戻れる、って聞いたな。
色々調整が必要とも聞いたけど、そういうことだったのか。
「あ、でも、それって一時的なものだよな? それに、俺がもう一度世界の間を移動するのに六か月の調整が必要なのに、自由に移動できるとはいっても、毎回調整が大変なんじゃないか?」
「実はそうでもないんだ。……そもそも、君のいた世界でもこの世界でも、神と言うのは概念的な存在でしかなかったんだ。それが、偶然にも、いや、あるいは必然だったのかな? まあともかく、僕という自我をもつ神が生まれたのさ」
「つまり、本来であれば創造神という存在はいないってことか? それなら、俺たちの世界がこっちの世界みたいに外部から干渉されたらまずいんじゃないか?」
「結論だけ言うと、それは大丈夫だ。とりあえず、その話辺りの話は後にしておこう。……まそんな理由もあって、僕は自分に一つの制約を課したのさ。世界のルールを変更する理由がなければ、それを変えてはいけない。また、その理由が消失した場合には元の形に戻す、ってね」
うーん。
それを俺に適用して考えると……、
「今は俺が問題なく帰るために、時間のずれがないように調整している。それで、俺が元の世界に帰ったらそれをやめる、ってことか?」
「ちょっと惜しいね。むしろ、元の法則に戻すために調整が必要なのさ。そうだね、例えば粘土で作られた物に手を加えるのと、それを元の形に寸分違わず元に戻すのとでは、後者の方が大変、といえばわかるかな?」
「なるほどな。確かにそれは大変そうだ」
しかもそれが世界レベルとなると、スケールがでかすぎて想像もつかない。
「それとね。そうすることは僕にも好都合なのさ。ソフィアが収集している漫画があるだろう? それの続きが気になっても、次に空間が繋がった時に出版されているかわからないのさ。でも、そのためにルールを変更することは自分に課した制約に反するのさ。それと、天使も僕の身内って扱いだから、その制約の範囲内なのさ。だから、ソフィアが希望した時もルールを変えるわけにはいかなくてね」
神様がいう好都合っていうから、またすごい内容なのかと思ったのに、なんだか急に話のスケールが小さくなったな……。
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