11 / 23
石像、目覚める
11
しおりを挟む
博覧強記などという言葉では生ぬるい知識欲の権化、一人総合大学とも揶揄される領域を問わない学識の持ち主で、取得していない博士号を数えた方が早い『西塔の天使』、魔法鉱物学の権威であるアーネストは、出会った時から子供の姿で過ごしていた。
入門時ギルバートは十歳、見た目は同じくらいの年の少年に弟子入りしたのである。
ギルバートを高名な魔法使いに弟子入りさせて、その魔力を開花させる──というのは一割にも満たない建前。アーネストに人間らしい生活をさせるために、ハウスキーパーを送り込むのが九割の目的だったのでは、と疑ったこともあるほど、師は仕事以外では完璧な役立たずだった。
それでもギルバートが弟子入りした頃は、以前に比べればはるかにマシになったのだ、と師匠を紹介してくれた恩人はため息をついていたのだが。
その彼も、アーネストの目覚めに気がついているだろう。
百年前、書き置き一つで突然眠りに就いてしまった師の扱いについて、ギルバートは一悶着を起こしていた。
アーネストが書き置きを残していたのは、三名。
その一人がもうすぐ訪れるであろう恩人で、師は彼に自身の事後を託していた。しかし、ギルバートは弟子の立場を盾に一歩も譲らず、師の面倒を見るのは自分の役目だと強く主張し続けた。
入門時ギルバートは十歳、見た目は同じくらいの年の少年に弟子入りしたのである。
ギルバートを高名な魔法使いに弟子入りさせて、その魔力を開花させる──というのは一割にも満たない建前。アーネストに人間らしい生活をさせるために、ハウスキーパーを送り込むのが九割の目的だったのでは、と疑ったこともあるほど、師は仕事以外では完璧な役立たずだった。
それでもギルバートが弟子入りした頃は、以前に比べればはるかにマシになったのだ、と師匠を紹介してくれた恩人はため息をついていたのだが。
その彼も、アーネストの目覚めに気がついているだろう。
百年前、書き置き一つで突然眠りに就いてしまった師の扱いについて、ギルバートは一悶着を起こしていた。
アーネストが書き置きを残していたのは、三名。
その一人がもうすぐ訪れるであろう恩人で、師は彼に自身の事後を託していた。しかし、ギルバートは弟子の立場を盾に一歩も譲らず、師の面倒を見るのは自分の役目だと強く主張し続けた。
45
あなたにおすすめの小説
執着
紅林
BL
聖緋帝国の華族、瀬川凛は引っ込み思案で特に目立つこともない平凡な伯爵家の三男坊。だが、彼の婚約者は違った。帝室の血を引く高貴な公爵家の生まれであり帝国陸軍の将校として目覚しい活躍をしている男だった。
伝説のS級おじさん、俺の「匂い」がないと発狂して国を滅ぼすらしいい
マンスーン
BL
ギルドの事務職員・三上薫は、ある日、ギルドロビーで発作を起こしかけていた英雄ガルド・ベルンシュタインから抱きしめられ、首筋を猛烈に吸引。「見つけた……俺の酸素……!」と叫び、離れなくなってしまう。
最強おじさん(変態)×ギルドの事務職員(平凡)
世界観が現代日本、異世界ごちゃ混ぜ設定になっております。
竜帝陛下の愛が重すぎて身代わりの落ちこぼれ薬師は今日も腰が砕けそうです 〜呪いを解いたら一生離さないと宣言されました〜
レイ
BL
「死ぬ覚悟はできています。でも、その前に……お口、あーんしてください」
魔力を持たない「無能」として実家で虐げられていた薬師のエリアン。
彼に下されたのは、触れるものすべてを焼き尽くす「死の竜帝」ヴァレリウスへの、身代わりの婚姻だった。
お腹いっぱい、召し上がれ
砂ねずみ
BL
料理研究家でαの藤白蒼は幼なじみで10個下のΩ晃と番になった。そんな二人の間に産まれた照は元気いっぱいな男の子。泣いたり、笑ったり、家族の温かみを感じながら藤白家の日常が穏やかに進んでいく。
そんな愛する妻と愛する息子、大切な家族のお腹いっぱい喜ぶ顔が見たいから。蒼は今日も明日もその先も、キッチンに立って腕を振るう。
さあ、お腹いっぱい、召し上がれ。
俺の婚約者は小さな王子さま?!
大和 柊霞
BL
「私の婚約者になってくれますか?」
そう言い放ったのはこの国の王子さま?!
パミュロン王国で次期国王候補の第1王子アルミスから婚約を求められたのは、公爵家三男のカイルア。公爵家でありながら、長男のように頭脳明晰でもなければ次男のように多才でもないカイルアは自由気ままに生きてかれこれ22年。
今の暮らしは性に合っているし、何不自由ない!人生は穏やかに過ごすべきだ!と思っていたのに、まさか10歳の王子に婚約を申し込まれてしまったのだ。
「年の差12歳なんてありえない!」
初めはそんな事を考えていたカイルアだったがアルミス王子と過ごすうちに少しづつ考えが変わっていき……。
※不定期更新です
冤罪で堕とされた最強騎士、狂信的な男たちに包囲される
マンスーン
BL
王国最強の聖騎士団長から一転、冤罪で生存率0%の懲罰部隊へと叩き落とされたレオン。
泥にまみれてもなお気高く、圧倒的な強さを振るう彼に、狂った執着を抱く男たちが集結する。
従僕に溺愛されて逃げられない
大の字だい
BL
〈従僕攻め×強気受け〉のラブコメ主従BL!
俺様気質で傲慢、まるで王様のような大学生・煌。
その傍らには、当然のようにリンがいる。
荷物を持ち、帰り道を誘導し、誰より自然に世話を焼く姿は、周囲から「犬みたい」と呼ばれるほど。
高校卒業間近に受けた突然の告白を、煌は「犬として立派になれば考える」とはぐらかした。
けれど大学に進学しても、リンは変わらず隣にいる。
当たり前の存在だったはずなのに、最近どうも心臓がおかしい。
居なくなると落ち着かない自分が、どうしても許せない。
さらに現れた上級生の熱烈なアプローチに、リンの嫉妬は抑えきれず――。
主従なのか、恋人なのか。
境界を越えたその先で、煌は思い知らされる。
従僕の溺愛からは、絶対に逃げられない。
ヤンデレ王子と哀れなおっさん辺境伯 恋も人生も二度目なら
音無野ウサギ
BL
ある日おっさん辺境伯ゲオハルトは美貌の第三王子リヒトにぺろりと食べられてしまいました。
しかも貴族たちに濡れ場を聞かれてしまい……
ところが権力者による性的搾取かと思われた出来事には実はもう少し深いわけが……
だって第三王子には前世の記憶があったから!
といった感じの話です。おっさんがグチョグチョにされていても許してくださる方どうぞ。
濡れ場回にはタイトルに※をいれています
おっさん企画を知ってから自分なりのおっさん受けってどんな形かなって考えていて生まれた話です。
この作品はムーンライトノベルズでも公開しています。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる