ほのぼの学園百合小説 キタコミ!

水原渉

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Chit-Chat! 16

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<作者より>
2021年8月~9月のツイートをまとめた、短いトーク集です。
時事ネタや場所などの固有名詞、小説本編とは矛盾する内容もあります。
実際にあるようなないような、曖昧な設定でお楽しみください。
また、画像がないと意味がわからないものもあります。

  1

涼夏「雨が止まぬ」
絢音「劇調だね」
涼夏「雨が止まない理由は?」
絢音「天の怒りじゃない?」
涼夏「天は何に怒ってるの?」
絢音「冷蔵庫のプリンを勝手に食べられたとか」
涼夏「それは怒る」
絢音「わかる」
千紗都「わからないなぁ」

  2

千紗都「風が気持ちいいね」
絢音「いい天気だし」
千紗都「たまには体を動かさないと」
絢音「ダイエット」
千紗都「涼夏、大丈夫?」
涼夏「ぜぇ、ぜぇ……。登山なんて、文明人のすることじゃない」
絢音「野生に帰ろう」
千紗都「たまにはいいねー」
涼夏「頂きは……頂きはまだか……」

  3

千紗都「ボタンくらいつけれるようになろう」
涼夏「そうだね」
千紗都「うん。涼夏と一緒に暮らす時、ご飯も洗濯もお部屋の掃除もお風呂の掃除も涼夏がしてくれるから、せめてボタンが取れた時くらい、自分でつけれるようにって思って」
涼夏「……」
千紗都「褒めて」
涼夏「偉いねー」

  4

千紗都「殷周東周春秋戦国~♪」
奈都「今日はご機嫌だね」
千紗都「そうだね。まあ、高校に入ってから、大体機嫌いいけどね」
奈都「中学の時は私しかいなかったから、あんまりご機嫌じゃなかった」
千紗都「っていうか、その奈都も部活でほとんどいなかった説が」
奈都「まあそうだね。放置プレイ」

  5

千紗都「私は友達なしではもう生きていけない。そのことがいつか、涼夏や絢音の重荷になりはしないか」
涼夏「家族の域まで達したら大丈夫じゃない?」
千紗都「それはもう友達じゃない」
涼夏「難しい会話をしてる?」
千紗都「そうかなぁ。そうかも」

  6

千紗都「次の千紗都は誰になるんだろ」
絢音「……」
涼夏「……」
千紗都「千紗都っていうのは、概念なんだよ。わかる?」
絢音「残念だけど、まったく」
涼夏「絢音にわからないものは、私にはわからない」
千紗都「私も」
涼夏「いや、言ったの、千紗都だから」
千紗都「その千紗都って、私?」

  7

千紗都「遊びも、しっかり準備した方が楽しめる」
奈都「そうだね」
千紗都「果たしてそれは、遊びと呼んでもいいのだろうか」
奈都「いいと思うよ」
千紗都「念入りな下調べと入念な準備」
奈都「念入りと入念って違うの?」
千紗都「イカとカイくらい違う」
奈都「別物だね」

  8

千紗都「涼夏にとって、青春って何?」
涼夏「私、いきなり遠い目で変なこと言い出す千紗都、好き」
千紗都「あっ、そういうのはいいから」
涼夏「なんだそりゃ。友達と遊んで、バイトして、毎日が楽しく過ごせたらそれでいいかな」
千紗都「それじゃあ、私と同レベルだから!」
涼夏「ダメなの?」

  9

千紗都「涼夏は、私に全幅の信頼を置いてることとかある?」
涼夏「基本的にはいつも信頼してるけど」
千紗都「私も。結婚しよう」
涼夏「『全幅の』って、『信頼』以外に使うことある?」
千紗都「全幅のパスタ」
涼夏「全幅の……パスタ?」
千紗都「美味しいことが約束されてる」

  10

絢音「全幅のパスタは、無意識に信頼が包含されてると思う」
千紗都「それは言える」
絢音「『全幅』自体は、『いっぱい』って意味しか持ってない」
千紗都「見渡す限り、全幅の森林」
絢音「すごい違和感。用例として正しいのかも判断できない」
千紗都「信頼専用ってことで。昭和の『昭』と同じ」

  11

涼夏「千紗都は、私の最も好きな女の子だよ」
千紗都「私も。涼夏は、私の最も好きな女の子の一人だよ」
涼夏「今、微妙に違わなかった?」
千紗都「そう? 気付かなかったけど」

  12

涼夏「千紗都は、美人なのに性格もいい」
千紗都「いい性格してるって言った?」
涼夏「言ってない。普通、千紗都みたいな美人って、性格悪いキャラじゃん?」
千紗都「じゃあ、美人じゃないんじゃない?」
涼夏「それはない」
千紗都「涼夏こそ本当に可愛くて、本当に性格もいいじゃん」
涼夏「うん」

  13

涼夏「千紗都と奈都は、どっちも都がつくじゃん?」
千紗都「そうだね。京都と東京みたいな感じだね」
涼夏「東京のどこに都がつくの?」
千紗都「雰囲気?」
涼夏「千紗都って、結構テキトーに生きてるよね」
千紗都「相手のレベルに合わせて喋ってる」
涼夏「それはどういう意味かな?」

  14

涼夏「思い出の場所を作ろう」
千紗都「思い出の場所」
涼夏「将来、懐かしんだり、通りがかるたびに話題にするような」
千紗都「それは自然にできるもので、意図的に作るものじゃない気がする」
涼夏「それを意図的に作る遊び」
千紗都「遊びって言われるとやりたくなる、帰宅部マインド」

  15

千紗都「はぁ……」
奈都「どうしたの?」
千紗都「今日はやる気がない。やる気のスイッチ押して」
奈都「どこにあるんだろう。ここかな……」
千紗都「ひえっ! そんなとこにはないから!」
奈都「いや、ありそうだった」
千紗都「ないし!」
奈都「……」
千紗都「指を見つめてうっとりしない!」

  16

絢音「歩道橋を駆け上がると、夏の青い空がすぐそこにあった」
千紗都「僕は嫌だ!」
絢音「違う曲だから。何も嫌じゃないから」
千紗都「そう?」
絢音「面白かった」
涼夏「私が見た中で、ベスト5に入る可愛い千紗都だった」
絢音「もう1回言って」
涼夏「動画に撮る」
千紗都「恥ずかしいから嫌」

  17

絢音「涼夏くらい可愛いと、歩いてるだけでジロジロ見られる」
涼夏「そうだね。別に話しかけてこないなら、好きにしてくれていいよ」
絢音「強メンタル。私もたまに不躾に見られるけど、ちょっと嫌だなって思う」
涼夏「千紗都クラスが歩いてたら、私だって見る」
絢音「あー、見るね」

  18

奈都「チサは今日も可愛いなぁ」
千紗都「I'm not sure」
奈都「えっ? なんで突然英語?」
千紗都「feeling」
奈都「無駄にいい発音。で、なんて意味?」
千紗都「さぁ、知らんなぁ」
奈都「涼夏っぽい」
千紗都「奈都も可愛いよ」
奈都「I disagree with you」
千紗都「難しい単語を使ってきたね」

  19

千紗都「日常会話に英語を取り入れることで、点数アップ」
奈都「I agree with you」
千紗都「agree好きなの?」
奈都「To tell you the truth」
千紗都「そんな重々しい感じで言うことでもないでしょ」
奈都「To remember」
千紗都「You should make a habit of using the subject」
奈都「えっ?」

  20

千紗都「汗を流したい」
奈都「岩盤浴でも行く?」
千紗都「そういうのじゃなくて!」
奈都「じゃあ……えっ? そ、そういうの?」
千紗都「どういうの?」
奈都「ベッドで……」
千紗都「全然違くて」
奈都「……」
千紗都「スポーツだよ!」
奈都「ああ、スポーツですか」

  21

涼夏「とにかく可愛い千紗都」
千紗都「響きが芸人っぽい」
涼夏「何か面白いこと言って」
千紗都「昔々あるところに、お兄ちゃんとお姉ちゃんが住んでいました」
涼夏「うん」
千紗都「……」
涼夏「どした?」
千紗都「展開を考えてる」
涼夏「即席頑張って」

  22

涼夏「千紗都。アリスのコスプレして」
千紗都「えっ? 何? アリス?」
涼夏「そう。青いふわふわワンピにカチューシャつけて」
千紗都「金髪は?」
涼夏「そこはまあ、いいや」
千紗都「じゃあ、涼夏はピーターパンね」
涼夏「何故?」
千紗都「似合いそう」

  23

千紗都「私はもしかしたら生き急いでいるのかもしれない」
涼夏「生き急いでるのかはわからんけど、中学時代に友達と遊べなかったのを、今取り戻そうとしてるのは感じるね」
千紗都「えっ? そう?」
涼夏「自分でそう思わない?」
千紗都「そうか。そうかもしれない」
涼夏「うん」

  24

奈都「私たちを、勇者、戦士、僧侶、魔法使いに分けます」
千紗都「私、僧侶かな。後ろの方で回復役でサポートするよ」
奈都「勇者じゃないんだ」
千紗都「どう考えてもそんな柄じゃない。案外絢音が勇者とか面白そう」
奈都「本人は魔法使いをやりたがりそう」
千紗都「ちょっとわかる」

  25

千紗都「涼しくなってきたね」
涼夏「いよいよ私の季節が始まる」
千紗都「まあ、秋はみんな好きだね」
涼夏「愛してる」
千紗都「涼夏は、冬になったら『寒いの無理』とか言ってそう」
涼夏「寒いのは無理でしょ」
千紗都「ああ、うん」
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