ぎゅっ。

桜花(sakura)

文字の大きさ
22 / 43

『勇気』と『ありがとう』

しおりを挟む
 みんなで、ようやく安心《あんしん》してね。    

  気がつくとね。お昼《ひる》になっていたんです。  

 二つのピクニックシートを並《な》らべてね。   みんなで。  

 お弁当《べんとう》を食《た》べることにしたんです。

  「あのね。がっこうのせんせいがね。デイジーちゃんの、おみみ。についてるのが、おみみ。なんだよって」  

 ル-ナが、病院《びょういん》のお友達《ともだち》も、補聴器《ほちょうき》をしているよって。   

  「おや、ボウヤ。良《よ》く知《し》っているね。これはね、補聴器《ほちょうき》っていうんだよ。デイジーは、ちいちゃな音《おと》しこえないんだけど。補聴器《ほちょうき》をつけるとね。ハッキリと聞《き》こえる。デイジーを助《たす》けてくれるモノなんだ」   

  って、デイジーちゃんのパパ。

  「ぼくたちの、おみみ。とおなじ。デイジーちゃんの、おみみ。なんだね」


   補聴器《ほちょうき》が、デイジーちゃんの、お耳《みみ》。なんだね。   

  ってヴィント。 

 「ぼくと、ヴィントにぃちや、ルーナにぃちゃ、ブー二ャのおはなち、きこえるのね?」

    って。ベルク。


   「うん。パパとママのこえもきこえるよ!」 

  デイジーちゃんにも、笑顔《えがお》が戻《もど》ってニコニコって。  

 可愛《かわい》らしく、笑《わら》っています。   

    みんなも。 

  ニコニコ、笑《わら》っています。 


 「『たすけてマーク』をみかけたら『なにか。お手伝《てつだ》いをしましょうか? 』って。声《こえ》を、かけることが大切《たいせつ》なのね」


   って、ヴィントとルーナとベルクのママ。


 「とっても、勇気《ゆうき》がいるわよね。でも、今日《きょう》みたいに。デイジーが困《こま》っていたら……いえ『たすけてマーク』をつけている人《ひと》たち、みんなに。同《おな》 じように、声《こえ》をかけてくださったら。本当《ほんとう》にありがたいわ」    

  デイジーちゃんのママが、オメメをうるませていました。    


 「勇気《ゆうき》。をだして。 デイジーに話《はなし》かけてくださって、本当《ほんとう》にありがとうございました」  


 デイジーちゃんのパパの、オメメにも。涙《なみだ》が浮《う》かんでいます。


   「ありがとう。ヴィントくん。ルーナくん。ベルクちゃん。ブーリャちゃん」  

 デイジーちゃんは、きちんと。 

 「ありがとう」 


  が言《い》えました。

   「デイジーちゃん『ありがとう』が言《い》えてえらいね。いい子だね」

   って。  


 ヴィントと、ルーナと、ベルクのパパが、明《あか》るく言《い》いました。


   「ぼく、ベルクくんよ。おとこのこだもん」    

  ベルクはね、じぶんだけ、ベルクちゃんて、呼《よ》ばれたのが……


  「あはは! ベルクちゃん。って、かわいいのにね」 


  ヴィントがちょっと、ベルクをからかっちゃいました。

  「おとこのこでも。ベルクちゃんでもいいんだよ」  

 ルーナも、いつもより。ちょっとイジワルです。 

 「むー」 

  いっちょまえに。ムーって。お口《くち》をとがらせて。

   すねてしまったべルク。  

 デイジーちゃんは、お話《はな》しをしているみんなの。   

   お口《くち》をね。しっかりみつめています。  

「ベルクくんあいがと!」

   デイジーちゃんが、そう言《い》うと。

  「 デイジーちゃんは、おともらちらもん!」   

 ベルクはうれしそうに、ニッコリしました 。   


   デイジーちゃんもうれしそうに、ニッコリしました 。  

 「キャンキャン!」   

  ブーリャも。  

「ボクも、おともだちだよ!」  

 って鳴《な》きました。
























しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

ちょっと大人な物語はこちらです

神崎 未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない ちょっと大人な短編物語集です。 日常に突然訪れる刺激的な体験。 少し非日常を覗いてみませんか? あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ? ※本作品ではGemini PRO、Pixai.artで作成した生成AI画像ならびに  Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。 ※不定期更新です。 ※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。

降っても晴れても

凛子
恋愛
もう、限界なんです……

盗み聞き

凛子
恋愛
あ、そういうこと。

JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――

のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」 高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。 そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。 でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。 昼間は生徒会長、夜は…ご主人様? しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。 「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」 手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。 なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。 怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。 だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって―― 「…ほんとは、ずっと前から、私…」 ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。 恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

あるフィギュアスケーターの性事情

蔵屋
恋愛
この小説はフィクションです。 しかし、そのようなことが現実にあったかもしれません。 何故ならどんな人間も、悪魔や邪神や悪神に憑依された偽善者なのですから。 この物語は浅岡結衣(16才)とそのコーチ(25才)の恋の物語。 そのコーチの名前は高木文哉(25才)という。 この物語はフィクションです。 実在の人物、団体等とは、一切関係がありません。

屈辱と愛情

守 秀斗
恋愛
最近、夫の態度がおかしいと思っている妻の名和志穂。25才。仕事で疲れているのかとそっとしておいたのだが、一か月もベッドで抱いてくれない。思い切って、夫に聞いてみると意外な事を言われてしまうのだが……。

愛しているなら拘束してほしい

守 秀斗
恋愛
会社員の美夜本理奈子(24才)。ある日、仕事が終わって会社の玄関まで行くと大雨が降っている。びしょ濡れになるのが嫌なので、地下の狭い通路を使って、隣の駅ビルまで行くことにした。すると、途中の部屋でいかがわしい行為をしている二人の男女を見てしまうのだが……。

処理中です...