万分の一の確率でパートナーが見つかるって、そんな事あるのか?

Gai

文字の大きさ
1,094 / 1,103

傲慢になってた

しおりを挟む
SIDE ラガス

「はぁ~~~~~…………」

「本当に日光浴が好きですね、ラガス坊ちゃま」

「まぁ、そうだな」

潮風の心地よさもあって、凄く気分が良い。

昨日まである問題について考えてたからってのもあるだろうけど。

「…………」

「どうした? 昨日の……ストーカーに関することを考えてるのか?」

「っ……えぇ、そうですね。私であれば自分でどうにかすることが出来ますが、基本的にそうでない方たちが狙われるでしょう」

「そうだろうな」

前世でも……ストーカーだけじゃなくて、ぶつかりおじさんだっけ? そういう人たちも自分より弱いっていうか、反撃してこなさそうな人を狙ってぶつかってたんだっけ?

この世界だと、逆に返り討ちに合う可能性もあるだろうから、より必然的に力がない人が狙われるだろうな。

……そう考えると、そういう人だけ狙うって中々に屑だな。
いや、そもそも優しくしてくれるのが物理的な力のない女性たちだからか?

「これに関しては、俺が衛兵さんたちに伝えた内容をパイラーデスの領主様が実行するか否か……他の街の領主たちが実行するか否か。俺たちがどうこう出来る領域じゃない」

「えぇ、それは勿論解っています」

…………解ってはいるんだろうな。

別に、俺もメリルがその現状に思うところがあるという部分に対して、あれこれ思うことはない。
寧ろ同性だからこそ、どうにかしたいって思いが強く沸き上がるのだろう。

ただ、俺たち個人の問題じゃなくて、国が抱える問題……根本を辿れば、人間が抱える問題か?

多分俺が考えた解決案を実行した街があったとしても、完全にストーカー問題がゼロになるとは思えないしな。

「……メリル、騎士にでもなるか?」

「っ」

「いや、騎士じゃそういう活動は出来ないか。てなると、カロウス兄さんみたいな遊撃手系の特例騎士か? 街中で起こるそういった問題を解決するのが専門の仕事……っていう感じの騎士になれないことはないと思うけど」

「…………ラガス坊ちゃまは、私がそういった選択肢を取ることを、お許しになるのですか」

「お前が傍からいなくなるのは嫌だよ」

「っっ!!」

ぶっちゃけ、俺からすればメリルは家族よりも常に隣にいる存在って感じだからな。

いざ離れるって思うと、怖いというか寂しいというか……うん、寂しくなるんだろうな。
どういう寂しさかっていわれると上手く言葉に出来ないけど。

「けどさ、お前だっていずれは結婚して家庭を持って、母親になるだろ? っていうのを考えると、いつまでも隣にいるってわけじゃない……それに、そういうのがお前のやりたい事なら、俺としてもその気持ちを押さえつけてまで傍にいてほしいとは言えないしな」

「ラガス坊ちゃま……」

「メリルが傍を離れて自分の道を行きたいって言っても、俺は止めないよ」

「…………」

「つっても、俺の従者だったんだし……うん、そうだな。そういった仕事で死なないと誓えるならってところかな」

メリルだけじゃなくてシュラにも思ってることだけど、やっぱり従者たちには幸せになってほしい。

そういった道を選んだことが幸せだと感じ、死ぬときに幸せだったと思えるならいいけど……まだ俺が主なんだから、そこら辺は約束してほしいもんだな。

「……………………大丈夫ですよ、ラガス坊ちゃま。私が当分の間、あなたの傍から離れることはありませんので」

「そうか?」

「えぇ……ラガス坊ちゃまの傍で活動することで、私は確かに強くなりました。それで、少し傲慢になっていたようです」

「……別に、俺はそうは思わないけどな」

問題が人間の感情そのものにある以上、完全に原因をどうこうすることは出来ないだろうけど、誰かが未然に防ごうとしなければ問題を潰せないわけだし。

「ありがとうございます。それでも、私は思いあがっていました。変わらず、これからもラガス坊ちゃまをお支えします」

「そっか……頼りにしてるよ」

ホッとしてるのは……やっぱり俺の本心なんだろうな。
しおりを挟む
感想 128

あなたにおすすめの小説

落ちこぼれの【無属性】魔術師、実は属性そのものを定義する「概念魔法」の創始者だった

風船色
ファンタジー
「魔法とは才能(血筋)ではなく、記述されるべき論理(ロジック)である」 王立魔導学院で「万年最下位」の烙印を押された少年、アリスティア・レイロード。属性至上主義のこの世界で、火すら出せない彼は「無属性のゴミ」と蔑まれ、ついに卒業試験で不合格となり国外追放を言い渡される。 しかし、彼を嘲笑う者たちは知らなかった。アリスティアが、既存の属性魔法など比較にならないほど高次の真理――世界の現象を数式として捉え、前提条件から書き換える『概念魔法(コンセプト・マジック)』の使い手であることを。 追放の道中、彼は石ころに「硬度:無限」の概念を付与し、デコピン一つで武装集団を粉砕。呪われた最果ての森を「快適な居住空間」へと再定義し、封印されていた銀嶺竜の少女・ルナを助手にして、悠々自適な研究生活をスタートさせる。 一方、彼を捨てた王国は、属性魔法が通用しない未知の兵器を操る帝国の侵攻に直面していた。「助けてくれ」と膝をつくかつての同級生や国王たちに対し、アリスティアは冷淡に告げる。 「君たちの誇りは、僕の昼寝より価値があるのか?」 これは、感情に流されない徹底した合理主義者が、己の知的好奇心のために世界の理を再構築していく、痛快な魔導ファンタジー。

【完結】魔法大戦 〜失われた古代魔法で無双する!〜

加瀬 一葉
ファンタジー
 王立魔法学校。高等部に編入してきた冴えない生徒ラフィト。エリートが集うこの学校で、辺境出身のラフィトは落ちこぼれの劣等生なのだが……。  実は彼は、失われたはずの古代魔法を操る一族の末裔。魔族の脅威が増す時代に、ラフィトは人類を救うことができるのか?  過去と現在が交錯する、魔法ファンタジー。

この度異世界に転生して貴族に生まれ変わりました

okiraku
ファンタジー
地球世界の日本の一般国民の息子に生まれた藤堂晴馬は、生まれつきのエスパーで透視能力者だった。彼は親から独立してアパートを借りて住みながら某有名国立大学にかよっていた。4年生の時、酔っ払いの無免許運転の車にはねられこの世を去り、異世界アールディアのバリアス王国貴族の子として転生した。幸せで平和な人生を今世で歩むかに見えたが、国内は王族派と貴族派、中立派に分かれそれに国王が王位継承者を定めぬまま重い病に倒れ王子たちによる王位継承争いが起こり国内は不安定な状態となった。そのため貴族間で領地争いが起こり転生した晴馬の家もまきこまれ領地を失うこととなるが、もともと転生者である晴馬は逞しく生き家族を支えて生き抜くのであった。

幻獣保護センター廃棄処理係の私、ボロ雑巾のような「ゴミ幻獣」をこっそり洗ってモフっていたら、実は世界を喰らう「終焉の獣」だった件について

いぬがみとうま🐾
ファンタジー
「魔力なしの穀潰し」――そう蔑まれ、幻獣保護センターの地下で廃棄幻獣の掃除に明け暮れる少女・ミヤコ。 実のところ、その施設は「価値のない命」を無慈悲に殺処分する地獄だった。 ある日、ミヤコの前に運ばれてきたのは、泥と油にまみれた「ボロ雑巾」のような正体不明の幻獣。 誰の目にもゴミとしか映らないその塊を、ミヤコは放っておけなかった。 「こんなに汚れたままなんて、かわいそう」 彼女が生活魔法を込めたブラシで丹念に汚れを落とした瞬間、世界を縛る最凶の封印が汚れと一緒に「流されてしまう。 現れたのは、月光を纏ったような美しい銀狼。 それは世界を喰らうと恐れられる伝説の災厄級幻獣『フェンリル・ヴォイド』だった……。

転生したら『塔』の主になった。ポイントでガチャ回してフロア増やしたら、いつの間にか世界最強のダンジョンになってた

季未
ファンタジー
【書き溜めがなくなるまで高頻度更新!♡٩( 'ω' )و】 気がつくとダンジョンコア(石)になっていた。 手持ちの資源はわずか。迫りくる野生の魔物やコアを狙う冒険者たち。 頼れるのは怪しげな「魔物ガチャ」だけ!? 傷ついた少女・リナを保護したことをきっかけにダンジョンは急速に進化を始める。 罠を張り巡らせた塔を建築し、資源を集め、強力な魔物をガチャで召喚! 人間と魔族、どこの勢力にも属さない独立した「最強のダンジョン」が今、産声を上げる!

世の中は意外と魔術で何とかなる

ものまねの実
ファンタジー
新しい人生が唐突に始まった男が一人。目覚めた場所は人のいない森の中の廃村。生きるのに精一杯で、大層な目標もない。しかしある日の出会いから物語は動き出す。 神様の土下座・謝罪もない、スキル特典もレベル制もない、転生トラックもそれほど走ってない。突然の転生に戸惑うも、前世での経験があるおかげで図太く生きられる。生きるのに『隠してたけど実は最強』も『パーティから追放されたから復讐する』とかの設定も必要ない。人はただ明日を目指して歩くだけで十分なんだ。 『王道とは歩むものではなく、その隣にある少しずれた道を歩くためのガイドにするくらいが丁度いい』 平凡な生き方をしているつもりが、結局騒ぎを起こしてしまう男の冒険譚。困ったときの魔術頼み!大丈夫、俺上手に魔術使えますから。※主人公は結構ズルをします。正々堂々がお好きな方はご注意ください。

異世界に転生した俺は英雄の身体強化魔法を使って無双する。~無詠唱の身体強化魔法と無詠唱のマジックドレインは異世界最強~

北条氏成
ファンタジー
宮本 英二(みやもと えいじ)高校生3年生。 実家は江戸時代から続く剣道の道場をしている。そこの次男に生まれ、優秀な兄に道場の跡取りを任せて英二は剣術、槍術、柔道、空手など様々な武道をやってきた。 そんなある日、トラックに轢かれて死んだ英二は異世界へと転生させられる。 グランベルン王国のエイデル公爵の長男として生まれた英二はリオン・エイデルとして生きる事に・・・ しかし、リオンは貴族でありながらまさかの魔力が200しかなかった。貴族であれば魔力が1000はあるのが普通の世界でリオンは初期魔法すら使えないレベル。だが、リオンには神話で邪悪なドラゴンを倒した魔剣士リュウジと同じ身体強化魔法を持っていたのだ。 これは魔法が殆ど使えない代わりに、最強の英雄の魔法である身体強化魔法を使いながら無双する物語りである。

ラストアタック!〜御者のオッサン、棚ぼたで最強になる〜

KeyBow
ファンタジー
第18回ファンタジー小説大賞奨励賞受賞 ディノッゾ、36歳。職業、馬車の御者。 諸国を旅するのを生き甲斐としながらも、その実態は、酒と女が好きで、いつかは楽して暮らしたいと願う、どこにでもいる平凡なオッサンだ。 そんな男が、ある日、傲慢なSランクパーティーが挑むドラゴンの討伐に、くじ引きによって理不尽な捨て駒として巻き込まれる。 捨て駒として先行させられたディノッゾの馬車。竜との遭遇地点として聞かされていた場所より、遥か手前でそれは起こった。天を覆う巨大な影―――ドラゴンの襲撃。馬車は木っ端微塵に砕け散り、ディノッゾは、同乗していたメイドの少女リリアと共に、死の淵へと叩き落された―――はずだった。 腕には、守るべきメイドの少女。 眼下には、Sランクパーティーさえも圧倒する、伝説のドラゴン。 ―――それは、ただの不運な落下のはずだった。 崩れ落ちる崖から転落する際、杖代わりにしていただけの槍が、本当に、ただ偶然にも、ドラゴンのたった一つの弱点である『逆鱗』を貫いた。 その、あまりにも幸運な事故こそが、竜の命を絶つ『最後の一撃(ラストアタック)』となったことを、彼はまだ知らない。 死の淵から生還した彼が手に入れたのは、神の如き規格外の力と、彼を「師」と慕う、新たな仲間たちだった。 だが、その力の代償は、あまりにも大きい。 彼が何よりも愛していた“酒と女と気楽な旅”―― つまり平和で自堕落な生活そのものだった。 これは、英雄になるつもりのなかった「ただのオッサン」が、 守るべき者たちのため、そして亡き友との誓いのために、 いつしか、世界を救う伝説へと祭り上げられていく物語。 ―――その勘違いと優しさが、やがて世界を揺るがす。

処理中です...