万分の一の確率でパートナーが見つかるって、そんな事あるのか?

Gai

文字の大きさ
309 / 1,103

激情のトリガー

しおりを挟む
「向こうは、盛り上がってる、みたいだ、ね」

「よそ見なんて随分余裕ね!!!」

カレア・デーリスルとのタイマン勝負中、ボレアス・ドランガットがどれほど強いのか気になっていたセルシアはちょいちょい二人の戦いを横目で見ていた。

「……どうだろう?」

「ッ!! 焦ってる奴は、そんな余裕そうな表情しないのよ!!!!」

特にセルシアの表情は普段と比べて変わらない。
ただ、その態度から余裕を保っているのは解る。

お互いに拳と脚を使いながら攻撃しているが、どちらもヒットは無し。
しかし二人の表情を見るからに、どちらが有利に勝負を進めているのかが解ってしまう。

「そう、でも……私の相手は、あなたで良かった、かも」

「そう言ってくれるのは嬉しいけど、何をもってそう判断したのかし、らッ!!」

鋭い右ストレートを放つ、セルシアを羽の様にひらりと躱す。
体術は専門という訳では無いセルシアだがある程度訓練は積んでおり、日々の訓練相手が良い実力者ということもあって着実にその力は伸びている。

それに加え、タイプはソウスケと同じくスピード系。
速い攻撃に目が慣れているという事もあって、カレア・デーリスルの攻撃は今のところ問題無く避けられている。
因みに両者とも身体強化のアビリティは既に使用済み。

「彼は、ハッキリ言ってそこまで強くない。大剣を使っている、から……多分私も、剣を使って戦う、けど……正直、話になら無い、と思う」

それは紛れもなく、ボレアス・ドランガットの剣技を見た結果の感想だった。
セルシアは攻めの剣術も行う、どちらかと言えば柔の剣術で攻撃に対応する。

そしてボレアス・ドランガットの剣は剛の剣。
基本的に押せ押せのパワーブレイク。それが悪いとはセルシアも思っていない。
しかし二人の力量を考えれば、ボレアス・ドランガットがセルシアの柔を突破することは……まずあり得ない。

可能性がゼロ、とは言えない。だが・・・・・・それは圧倒的にゼロに近く、まずボレアス・ドランガットの年齢では発現出来ない力。

(やっぱり、あの男と、戦ってみたかった、な)

思い出すはラガスが二回戦目で戦ったクロウザ。
セルシアは速攻でクロウザのパートナーである女の子を倒してしまった。
そしてリングの端っこで二人の戦いを眺めていたのだが……やはり闘争心が疼いた。

しかし今、隣で戦っているラガスとクロウザの戦いぶりを見ても……特に闘争心は疼かない。
それどころか、一ミリも戦ってみたいとは思わない。

セルシアにとって、ボレアス・ドランガットはそこら辺の一貴族と大して変わらない印象だった。
精々目立つのはその手に持つ魔剣だけ。目を見張る点は無い。

ただ……それがカレア・デーリスルの激情を引くトリガーとなった。

「ふッ、ざけんじゃないよわよ!!!! あいつが、あいつがどれ程努力を重ねているのかも知らないで……そんなふざけた言葉を吐くなッッッ!!!!!!」

「? 別に、ふざけてない、よ。思った事を、そのまま言った、だけ」

思った事をそのまま言った、それは事実であり……セルシアの偽りの無い感想。
しかしカレア・デーリスルの逆鱗に触れてしまい、急激にギアが加速していく。

「あいつは父親に、兄達に認められる為に、必死に努力してるんだ!!!! そんなあいつを、あいつを……馬鹿にする奴は、私が許さない!!!」

「馬鹿にしてない……よ」

そんなつもりは一切無いセルシアだが、カレア・デーリスルのあまりの剣幕にもしかしたら自分に非があったのかと思う。

だが、自分の言葉を振り返ってもそれらしい言葉は無いと判断。

(なんでそんなに、怒ってる、のかな? でも……さっきより、強くなってる。それは、良い事、だね)

何故相手の選手が怒ったのか解らなかったので、それは後でラガスに尋ねると決めた。
そして先ずは目の前の戦いに集中し直し、自身のギアも上げていく。
しおりを挟む
感想 128

あなたにおすすめの小説

転生したら領主の息子だったので快適な暮らしのために知識チートを実践しました

SOU 5月17日10作同時連載開始❗❗
ファンタジー
不摂生が祟ったのか浴槽で溺死したブラック企業務めの社畜は、ステップド騎士家の長男エルに転生する。 不便な異世界で生活環境を改善するためにエルは知恵を絞る。 14万文字執筆済み。2025年8月25日~9月30日まで毎日7:10、12:10の一日二回更新。

【㊗️受賞!】神のミスで転生したけど、幼児化しちゃった!〜もふもふと一緒に、異世界ライフを楽しもう!〜

一ノ蔵(いちのくら)
ファンタジー
※第18回ファンタジー小説大賞にて、奨励賞を受賞しました!投票して頂いた皆様には、感謝申し上げますm(_ _)m ✩物語は、ゆっくり進みます。冒険より、日常に重きありの異世界ライフです。 【あらすじ】 神のミスにより、異世界転生が決まったミオ。調子に乗って、スキルを欲張り過ぎた結果、幼児化してしまった!   そんなハプニングがありつつも、ミオは、大好きな異世界で送る第二の人生に、希望いっぱい!  事故のお詫びに遣わされた、守護獣神のジョウとともに、ミオは異世界ライフを楽しみます! カクヨム(吉野 ひな)にて、先行投稿しています。

転生したみたいなので異世界生活を楽しみます

さっちさん
ファンタジー
又々、題名変更しました。 内容がどんどんかけ離れていくので… 沢山のコメントありがとうございます。対応出来なくてすいません。 誤字脱字申し訳ございません。気がついたら直していきます。 感傷的表現は無しでお願いしたいと思います😢 ↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓ ありきたりな転生ものの予定です。 主人公は30代後半で病死した、天涯孤独の女性が幼女になって冒険する。 一応、転生特典でスキルは貰ったけど、大丈夫か。私。 まっ、なんとかなるっしょ。

【連載】リサイクルは異世界で?転生したら捨てられた悪役令嬢でしたが、そもそも価値が分からない男は不要です

Nekoyama
ファンタジー
どこにでも居そうな陰キャ系OL。それが私、間根 綺羅(まね きらら)の表の顔。でもその実は株式取引で総資産10億円突破している隠れ富豪。これを元手に、社畜は卒業して、ゆるーく楽しく暮らしていこうと思ったその矢先に、真っ白な世界に!! あなたにはスキル「リサイクル」を授けましょう。世界をキレイにするために異世界で頑張ってくださいね。 そんな声が聞こえた気がする。え、私のお金は?鬼か!?

異世界転生旅日記〜生活魔法は無限大!〜

一ノ蔵(いちのくら)
ファンタジー
 農家の四男に転生したルイ。   そんなルイは、五歳の高熱を出した闘病中に、前世の記憶を思い出し、ステータスを見れることに気付き、自分の能力を自覚した。  農家の四男には未来はないと、家族に隠れて金策を開始する。  十歳の時に行われたスキル鑑定の儀で、スキル【生活魔法 Lv.∞】と【鑑定 Lv.3】を授かったが、親父に「家の役には立たない」と、家を追い出される。   家を追い出されるきっかけとなった【生活魔法】だが、転生あるある?の思わぬ展開を迎えることになる。   ルイの安寧の地を求めた旅が、今始まる! 見切り発車。不定期更新。 カクヨム(吉野 ひな)にて、先行投稿しています。

血染めの世界に花は咲くか

巳水
ファンタジー
 かつて英雄に憧れ、裏切られ、奪われ、復讐にとりつかれた果てに、ひとつの国を血に沈めた。そして「血塗れ夜王」は、敬愛する師匠によってその生を終えた。  しかし、滅びたはずの魂は再び生れ落ちる――すべての記憶を抱えたままに。  新たな名と姿でこの世界に生を受けた彼は、前世の記憶と力、罪業を背負い、少年として新たな人生を歩み始める。  その先あるのは贖いか、それともさらなる血の罪か。二度目の命に意味はあるのか――。 本作品は「小説家になろう」にも投稿しております。

バーンズ伯爵家の内政改革 ~10歳で目覚めた長男、前世知識で領地を最適化します

namisan
ファンタジー
バーンズ伯爵家の長男マイルズは、完璧な容姿と神童と噂される知性を持っていた。だが彼には、誰にも言えない秘密があった。――前世が日本の「医師」だったという記憶だ。 マイルズが10歳となった「洗礼式」の日。 その儀式の最中、領地で謎の疫病が発生したとの凶報が届く。 「呪いだ」「悪霊の仕業だ」と混乱する大人たち。 しかしマイルズだけは、元医師の知識から即座に「病」の正体と、放置すれば領地を崩壊させる「災害」であることを看破していた。 「父上、お待ちください。それは呪いではありませぬ。……対処法がわかります」 公衆衛生の確立を皮切りに、マイルズは領地に潜む様々な「病巣」――非効率な農業、停滞する経済、旧態依然としたインフラ――に気づいていく。 前世の知識を総動員し、10歳の少年が領地を豊かに変えていく。 これは、一人の転生貴族が挑む、本格・異世界領地改革(内政)ファンタジー。

悪役令嬢は永眠しました

詩海猫(8/29書籍発売)
ファンタジー
「お前のような女との婚約は破棄だっ、ロザリンダ・ラクシエル!だがお前のような女でも使い道はある、ジルデ公との縁談を調えてやった!感謝して公との間に沢山の子を産むがいい!」 長年の婚約者であった王太子のこの言葉に気を失った公爵令嬢・ロザリンダ。 だが、次に目覚めた時のロザリンダの魂は別人だった。 ロザリンダとして目覚めた木の葉サツキは、ロザリンダの意識がショックのあまり永遠の眠りについてしまったことを知り、「なぜロザリンダはこんなに努力してるのに周りはクズばっかりなの?まかせてロザリンダ!きっちりお返ししてあげるからね!」 *思いつきでプロットなしで書き始めましたが結末は決めています。暗い展開の話を書いているとメンタルにもろに影響して生活に支障が出ることに気付きました。定期的に強気主人公を暴れさせないと(?)書き続けるのは不可能なようなのでメンタル状態に合わせて書けるものから書いていくことにします、ご了承下さいm(_ _)m

処理中です...