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実力は認めた
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「サンダーチェーン」
「あぐっ!?」
イーリスの心の油断を突いた瞬間にリングから突き飛ばし、そのまま雷の鎖を巻き付けた。
(これで多分……終わる)
それは確信に近い感覚だった。
スタミナは既にゼロに近く、魔力も殆ど残っていない。
雷の鎖を引き千切るには鎖に込められた魔力以上の魔力を放出するか、腕力で無理矢理壊すかの二つ。
だが、今のイーリスにそれが行えるだけの力は残っていない。
そしてカウントはそのまま進んで行き……テンカウントでセルシアの勝利が決まった。
それと同時にセルシアはサンダーチェーンを解いた。
「今日、私はイーリスに勝った」
力尽きているイーリスの前まで移動し、今の結果を伝える。
「そう……ね。私の負けよ」
「でも、そんな私よりラガスは、強い。もっと……もっと上の高みに、立っている」
二人が幼い頃から努力を重ねていなかった訳ではない。
ただ、二人と比べるにはあまりにラガスは圧倒的なスピードで前へ前へと進んでいた。
「そして、今も進み続けている」
「・・・・・・」
「だから、ラガスは間違いなく、イーリスより強い。卑怯な手を使ってる訳じゃなく、純粋に、強い」
「そう、みたいね」
イーリスのラガスの強さを存在を認めたくないという嫉妬の塊が少しではあるが溶けていた。
「解ってくれた、みたいだね。それじゃ」
言いたい事を言い終えたイーリスは入口へと戻っていく。
イーリスはまだ残っている力を振り絞り、無理矢理立ち上がった。
そして去って行くセルシアに告げる。
「確かに今日はあなたに負けたわ。今のままじゃあの男にも勝てない。でも……絶対に越えてみせるわっ!!!」
「……楽しみに、待ってる」
正直なところ、ラガスへの嫌悪感が全て消えたわけではない。
だが、その実力を認めなければ決して前には進めない。
それが解っただけでも大きな収穫を得たと言えるだろう。
「お疲れ様」
「どう、だった」
「咄嗟に上に跳べてたし、問題無かったと思うぞ。なぁ」
「そうだな。魔力が暴走したっていう予想がいな攻撃だったにも拘わらず瞬時に対応したんだ。あれを即座に躱せる奴はそうそういないだろ」
「アリクなどうした?」
「俺な……剣に火の魔力を纏ってぶった斬っていたな」
アリクらしい解答であったが、それが間違った対応ではない。
そしてラガスから納得のいく感想を聞けて、セルシアは頬を緩ませる。
ただ、直ぐにずっと心に残っていた疑問が浮かび上がった。
「ねぇ、なんで……イーリスはラガスのことを、あんなに嫌ってたんだろう」
「なんでって……そりゃあ、自分を負かした相手だからじゃないか?」
「それなら、私も負かした。でも、そんな感情は、感じなかった、よ」
(そりゃそうだろう。セルシアが俺のパートナーになった事に不満を持ってるんだ。セルシアに不満や嫌悪感があるわけじゃない)
ラガスの多くの部分に不満を持っていた。
良くも悪くもイーリスは貴族脳なので、そんな価値観を持っている者からすれば、ラガスはまず好かれる存在ではない。
「あぁ……あいつの言葉通りだろ。俺がセルシアの隣で立つには相応しくないって思ってたんだろ」
「本気で、そう思ってた、のかな?」
「本気だろうな。じゃなきゃ、あそこまで食い下がらないだろ。まっ、セルシアにボコボコにやられたせいでちょっとそういう気持ちが薄れた……そう思いたいけどな」
「ラガス……夜道は背中に気を付けておいた方が良いんじゃないか?」
「止めろ、マジで怖いだろ」
セルシアは元々身分に興味が無いので、やはりイーリスが何故ラガスを否定していたのか解らなかった。
(……偶に良く解らない、人もいる。イーリスも、人にはあまり解らない、感情を持っていた……そういうこと、なのかな)
理不尽な嫉妬。
その感情をまだまだセルシアは理解出来なかった。
「とりあえず、次はアリクの番だったが」
「おう、さくっと勝ってくる」
「あんまり虐め過ぎてヒールになるなよ」
「……おう、一応気を付けておく」
なんだかんだ言って世の中、女性に甘い部分がある。
男だから女だからといった理由は関係無い戦いだが、アリクがアウェイな状況に立つ可能性は十分にある。
「あぐっ!?」
イーリスの心の油断を突いた瞬間にリングから突き飛ばし、そのまま雷の鎖を巻き付けた。
(これで多分……終わる)
それは確信に近い感覚だった。
スタミナは既にゼロに近く、魔力も殆ど残っていない。
雷の鎖を引き千切るには鎖に込められた魔力以上の魔力を放出するか、腕力で無理矢理壊すかの二つ。
だが、今のイーリスにそれが行えるだけの力は残っていない。
そしてカウントはそのまま進んで行き……テンカウントでセルシアの勝利が決まった。
それと同時にセルシアはサンダーチェーンを解いた。
「今日、私はイーリスに勝った」
力尽きているイーリスの前まで移動し、今の結果を伝える。
「そう……ね。私の負けよ」
「でも、そんな私よりラガスは、強い。もっと……もっと上の高みに、立っている」
二人が幼い頃から努力を重ねていなかった訳ではない。
ただ、二人と比べるにはあまりにラガスは圧倒的なスピードで前へ前へと進んでいた。
「そして、今も進み続けている」
「・・・・・・」
「だから、ラガスは間違いなく、イーリスより強い。卑怯な手を使ってる訳じゃなく、純粋に、強い」
「そう、みたいね」
イーリスのラガスの強さを存在を認めたくないという嫉妬の塊が少しではあるが溶けていた。
「解ってくれた、みたいだね。それじゃ」
言いたい事を言い終えたイーリスは入口へと戻っていく。
イーリスはまだ残っている力を振り絞り、無理矢理立ち上がった。
そして去って行くセルシアに告げる。
「確かに今日はあなたに負けたわ。今のままじゃあの男にも勝てない。でも……絶対に越えてみせるわっ!!!」
「……楽しみに、待ってる」
正直なところ、ラガスへの嫌悪感が全て消えたわけではない。
だが、その実力を認めなければ決して前には進めない。
それが解っただけでも大きな収穫を得たと言えるだろう。
「お疲れ様」
「どう、だった」
「咄嗟に上に跳べてたし、問題無かったと思うぞ。なぁ」
「そうだな。魔力が暴走したっていう予想がいな攻撃だったにも拘わらず瞬時に対応したんだ。あれを即座に躱せる奴はそうそういないだろ」
「アリクなどうした?」
「俺な……剣に火の魔力を纏ってぶった斬っていたな」
アリクらしい解答であったが、それが間違った対応ではない。
そしてラガスから納得のいく感想を聞けて、セルシアは頬を緩ませる。
ただ、直ぐにずっと心に残っていた疑問が浮かび上がった。
「ねぇ、なんで……イーリスはラガスのことを、あんなに嫌ってたんだろう」
「なんでって……そりゃあ、自分を負かした相手だからじゃないか?」
「それなら、私も負かした。でも、そんな感情は、感じなかった、よ」
(そりゃそうだろう。セルシアが俺のパートナーになった事に不満を持ってるんだ。セルシアに不満や嫌悪感があるわけじゃない)
ラガスの多くの部分に不満を持っていた。
良くも悪くもイーリスは貴族脳なので、そんな価値観を持っている者からすれば、ラガスはまず好かれる存在ではない。
「あぁ……あいつの言葉通りだろ。俺がセルシアの隣で立つには相応しくないって思ってたんだろ」
「本気で、そう思ってた、のかな?」
「本気だろうな。じゃなきゃ、あそこまで食い下がらないだろ。まっ、セルシアにボコボコにやられたせいでちょっとそういう気持ちが薄れた……そう思いたいけどな」
「ラガス……夜道は背中に気を付けておいた方が良いんじゃないか?」
「止めろ、マジで怖いだろ」
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その感情をまだまだセルシアは理解出来なかった。
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