破滅フラグから逃げたくて引きこもり聖女になったのに「たぶんこれも破滅ルートですよね?」

氷雨そら

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SS 卒業式と騎士団長と誕生日

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 三年生の卒業式当日。

 ランドルフ先輩と、徐々に咲き始めた薄桃色の花が咲く木の下に立っていた。

「これで、学校で会うのも最後だな。ディルフィール」

 微笑むランドルフ先輩は、首席での卒業だ。
 卒業後は、騎士団長候補として騎士団に入ることが決まっている。

「ディルフィールと会ってから、毎日が目まぐるしかったよ。まさか、卒業と同時に騎士団長候補になるのは人生の予定になかったけど。ディルフィールには人生を変えられてしまったな。まあ、それと同じくらいフリード殿がうざいほどに絡んできていたが」

「……卒業と、騎士団入団おめでとうございます。ランドルフ様」

 天才的な剣の才能を持っている上に、兄と同じ修行をやり切ったランドルフ先輩なら、すばらしい騎士団長になると思います。

 ただ、兄との訓練を騎士団に取り入れるのはやめてあげてほしいです。
 最近どんどんエスカレートしている、兄と先輩の修行が普通だと思ってはいけませんよ?
 副団長さんにも、いざという時は二人を止めてほしいとお願いされているんですよ?私……。

「そろそろ時間かな?このあと一緒に来てほしいところがあるんだけど」

「ランドルフ様?」

 手を差しのべてきたランドルフ先輩。ディオ様や兄と比べてしまうとなんとなくキャラが薄いのだが、いい人すぎて本当に兄妹ともにお世話になりっぱなしだ。

 私の体感では、特に兄がお世話になっていると思う。

 騎士団では、今後兄の上役になるお方なので、これからもよろしくお願いしますの意味を込めて、ランドルフ先輩の手を取る。

 手を引かれていった先は、なぜか禁書庫だった。

(おや?これは去年に引き続き……まさか)

 案の定、入ってみると去年よりもさらに豪華な飾りつけが待っていた。
 あれ?禁書庫にシャンデリアなんてあったっけ?

「リアナ!ランドルフがちゃんと引き留めてくれていたみたいで良かったよ」

 兄が禁書庫で出迎えてくれた。
 なぜか、執事っぽい恰好をしている。
 少し釣り目のクール系の執事。いいですね。好きです。

「リアナ?今日はキミは座っていればいいから」

 フローラとミルフェルト様は、メイド姿だ。もちろん、裾が広がっているミニスカートの方……。
 私の好みをよく理解していると思う。

 ディオ様とライアス様まで執事の格好をしている。

 ディオ様の天使のような笑顔。こんな執事がそばにいたら間違いなくお嬢様は恋に落ちてしまって、他家にお嫁に行けなくなりますね。
 ライアス様は、執事なのに二人っきりになるとお嬢様にダメ出しをしてくる俺様系執事でしょうか……。

 え?……全部いい。

 そして次から次に運ばれてくるお菓子にアフタヌーンティーのセット。
 そこに載っているケーキは、あのアップルパイがおいしいお店のたぶん新作のケーキ。

「リアナのために、新作をたくさん作ってもらったんだ」

「……ディオ様!」

「うれしそうなリアナを見ていると俺もうれしいです」

 天使のようなその笑顔が最高のプレゼントです!

 いつの間にか、ランドルフ先輩まで執事服に着替えてきている。

「おめでとう。ディルフィール」

 ……本当に執事として雇うなら、断然ランドルフ先輩ですね。

「リアナ様!お誕生日おめでとうございます」

 フローラはめずらしくピンクブロンドの髪の毛をツインテールにして、ヘッドドレスをつけている。
 さすがヒロインだ、そんな格好もとても様になっている。

 なんだか、すごい光景だわ。……なんのイベントだったかしら。
 ん?私の誕生日って言ってた?こんな豪華でいいのかしら。

「……とりあえずディオ様と兄とランドルフ先輩とライアス様。並んでもらえますか」

 素晴らしい光景だ。永久保存の心のアルバムにしまっておこう。

 振り返ると、お揃いのツインテールのミルフェルト様とフローラのメイド服姿。

「これもいい……」

「ふふ。たぶんリアナは高価なプレゼントよりもこういうの好きだと思ったんだよね?気に入ってもらえた?」

「ありがとうございます!未来永劫忘れないです」

 17歳の誕生日は、最高の記念日になった。
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