15 / 77
冒険者ギルド経由の呪いの手紙
しおりを挟む
離宮の朝は早い。
まさかね~。
自分を助けてくれる使用人たちがお城の使用人さんたちだと思わないじゃない…。
妃…。
妃ねぇ。
柄じゃないなぁ。
世界中を冒険したり、モンスターを退治したり、転生者チートでぶいぶいしたいなぁ。
この国の精錬技術上げて、オリハルコンの武器とかロマンだし…。
おトイレはやっぱり水洗にしたいし。
日本の食事は最高だったから、美味しいものでいっぱいにしたい…。
あれ?
考えたら、僕がやりたいことって王族の権力使った方が早く実現しちゃったりする?
んー。
でも、カナリアは第三王子だけど、ゆくゆくはどうするつもりなんだろ。
小さい時から殆ど僕のところに入り浸ってた気がするけど、王子教育とか大丈夫だったんだろうか。
「王子教育なら大丈夫だよ。王子教育も王子妃教育も大体同じなんだ。だからほら、一緒に受けていたじゃない?」
「わぁ!!」
王子様の格好をしたカナリアが隣に突然現れたからびっくりしちゃった。
「もしかして僕、声に出てた?」
「うん。全部出てた。」
はっっずかしい!!!
卵液を入れたボウルをかちゃかちゃ混ぜて誤魔化しちゃう!
せっかくの素晴らしいキッチンで、僕は朝ごはんを作っていたところなのだった。
ふわふわ半熟オムレツに茹でたブロッコリーとプチトマト、あらびきのウインナーをグリル!
「私の今後だけど……。王太子はアルカナお兄様でいいよね、ってルナリアお兄様とも話をしてるから確定。ルナリアお兄様は隣国の王女様の女王配になる予定。だから臣籍に下って主にこの国の防衛を任されることになってる。つまりさ。」
「………なんとなくわかって来た。」
「これまで通り、ミリオンとこの世界を守るのが仕事ってこと。」
そうそう、とカナリアの右手が上着の内ポケットに入る。
そうこうしている間にオムレツが良い感じになり、皿に盛りつけた。
手紙を差し出したカナリアの視線は少し険しい。
「冒険者ギルド経由で届いた。マチルダとドライド=フィッシュの結婚式だ。これから先破滅しか見えない二人だし、あの叔母やルイーダも来る。私は、あの二人……特にルイーダは好きになれない。………気を付けた方が良いと思う。どうする?」
「うーん。多少は支援してやらないと寝覚めが悪いし、出るよ。」
面と向かってお別れしてないしなぁ。
「よし、分かった。じゃあ私がエスコートするよ。うんと、彼らに後悔させてやろう。」
もう、カナリアったら。
まさかね~。
自分を助けてくれる使用人たちがお城の使用人さんたちだと思わないじゃない…。
妃…。
妃ねぇ。
柄じゃないなぁ。
世界中を冒険したり、モンスターを退治したり、転生者チートでぶいぶいしたいなぁ。
この国の精錬技術上げて、オリハルコンの武器とかロマンだし…。
おトイレはやっぱり水洗にしたいし。
日本の食事は最高だったから、美味しいものでいっぱいにしたい…。
あれ?
考えたら、僕がやりたいことって王族の権力使った方が早く実現しちゃったりする?
んー。
でも、カナリアは第三王子だけど、ゆくゆくはどうするつもりなんだろ。
小さい時から殆ど僕のところに入り浸ってた気がするけど、王子教育とか大丈夫だったんだろうか。
「王子教育なら大丈夫だよ。王子教育も王子妃教育も大体同じなんだ。だからほら、一緒に受けていたじゃない?」
「わぁ!!」
王子様の格好をしたカナリアが隣に突然現れたからびっくりしちゃった。
「もしかして僕、声に出てた?」
「うん。全部出てた。」
はっっずかしい!!!
卵液を入れたボウルをかちゃかちゃ混ぜて誤魔化しちゃう!
せっかくの素晴らしいキッチンで、僕は朝ごはんを作っていたところなのだった。
ふわふわ半熟オムレツに茹でたブロッコリーとプチトマト、あらびきのウインナーをグリル!
「私の今後だけど……。王太子はアルカナお兄様でいいよね、ってルナリアお兄様とも話をしてるから確定。ルナリアお兄様は隣国の王女様の女王配になる予定。だから臣籍に下って主にこの国の防衛を任されることになってる。つまりさ。」
「………なんとなくわかって来た。」
「これまで通り、ミリオンとこの世界を守るのが仕事ってこと。」
そうそう、とカナリアの右手が上着の内ポケットに入る。
そうこうしている間にオムレツが良い感じになり、皿に盛りつけた。
手紙を差し出したカナリアの視線は少し険しい。
「冒険者ギルド経由で届いた。マチルダとドライド=フィッシュの結婚式だ。これから先破滅しか見えない二人だし、あの叔母やルイーダも来る。私は、あの二人……特にルイーダは好きになれない。………気を付けた方が良いと思う。どうする?」
「うーん。多少は支援してやらないと寝覚めが悪いし、出るよ。」
面と向かってお別れしてないしなぁ。
「よし、分かった。じゃあ私がエスコートするよ。うんと、彼らに後悔させてやろう。」
もう、カナリアったら。
236
あなたにおすすめの小説
白い結婚を夢見る伯爵令息の、眠れない初夜
西沢きさと
BL
天使と謳われるほど美しく可憐な伯爵令息モーリスは、見た目の印象を裏切らないよう中身のがさつさを隠して生きていた。
だが、その美貌のせいで身の安全が脅かされることも多く、いつしか自分に執着や欲を持たない相手との政略結婚を望むようになっていく。
そんなとき、騎士の仕事一筋と名高い王弟殿下から求婚され──。
◆
白い結婚を手に入れたと喜んでいた伯爵令息が、初夜、結婚相手にぺろりと食べられてしまう話です。
氷の騎士と呼ばれている王弟×可憐な容姿に反した性格の伯爵令息。
サブCPの軽い匂わせがあります。
ゆるゆるなーろっぱ設定ですので、細かいところにはあまりつっこまず、気軽に読んでもらえると助かります。
◆
2025.9.13
別のところでおまけとして書いていた掌編を追加しました。モーリスの兄視点の短い話です。
BLゲームの展開を無視した結果、悪役令息は主人公に溺愛される。
佐倉海斗
BL
この世界が前世の世界で存在したBLゲームに酷似していることをレイド・アクロイドだけが知っている。レイドは主人公の恋を邪魔する敵役であり、通称悪役令息と呼ばれていた。そして破滅する運命にある。……運命のとおりに生きるつもりはなく、主人公や主人公の恋人候補を避けて学園生活を生き抜き、無事に卒業を迎えた。これで、自由な日々が手に入ると思っていたのに。突然、主人公に告白をされてしまう。
婚約破棄されてヤケになって戦に乱入したら、英雄にされた上に美人で可愛い嫁ができました。
零壱
BL
自己肯定感ゼロ×圧倒的王太子───美形スパダリ同士の成長と恋のファンタジーBL。
鎖国国家クルシュの第三王子アースィムは、結婚式目前にして長年の婚約を一方的に破棄される。
ヤケになり、賑やかな幼馴染み達を引き連れ無関係の戦場に乗り込んだ結果───何故か英雄に祭り上げられ、なぜか嫁(男)まで手に入れてしまう。
「自分なんかがこんなどちゃくそ美人(男)を……」と悩むアースィム(攻)と、
「この私に不満があるのか」と詰め寄る王太子セオドア(受)。
互いを想い合う二人が紡ぐ、恋と成長の物語。
他にも幼馴染み達の一抹の寂寥を切り取った短篇や、
両想いなのに攻めの鈍感さで拗れる二人の恋を含む全四篇。
フッと笑えて、ギュッと胸が詰まる。
丁寧に読みたい、大人のためのファンタジーBL。
他サイトでも公開しております。
ぼくの婚約者を『運命の番』だと言うひとが現れたのですが、婚約者は変わらずぼくを溺愛しています。
夏笆(なつは)
BL
公爵令息のウォルターは、第一王子アリスターの婚約者。
ふたりの婚約は、ウォルターが生まれた際、3歳だったアリスターが『うぉるがぼくのはんりょだ』と望んだことに起因している。
そうして生まれてすぐアリスターの婚約者となったウォルターも、やがて18歳。
初めての発情期を迎えようかという年齢になった。
これまで、大切にウォルターを慈しみ、その身体を拓いて来たアリスターは、やがて来るその日を心待ちにしている。
しかし、そんな幸せな日々に一石を投じるかのように、アリスターの運命の番を名乗る男爵令息が現れる。
男性しか存在しない、オメガバースの世界です。
改定前のものが、小説家になろうに掲載してあります。
※蔑視する内容を含みます。
兄様の親友と恋人期間0日で結婚した僕の物語
サトー
BL
スローン王国の第五王子ユリアーネスは内気で自分に自信が持てず第一王子の兄、シリウスからは叱られてばかり。結婚して新しい家庭を築き、城を離れることが唯一の希望であるユリアーネスは兄の親友のミオに自覚のないまま恋をしていた。
ユリアーネスの結婚への思いを知ったミオはプロポーズをするが、それを知った兄シリウスは激昂する。
兄に縛られ続けた受けが結婚し、攻めとゆっくり絆を深めていくお話。
受け ユリアーネス(19)スローン王国第五王子。内気で自分に自信がない。
攻め ミオ(27)産まれてすぐゲンジツという世界からやってきた異世界人。を一途に思っていた。
※本番行為はないですが実兄→→→→受けへの描写があります。
※この作品はムーンライトノベルズにも掲載しています。
義理の家族に虐げられている伯爵令息ですが、気にしてないので平気です。王子にも興味はありません。
竜鳴躍
BL
性格の悪い傲慢な王太子のどこが素敵なのか分かりません。王妃なんて一番めんどくさいポジションだと思います。僕は一応伯爵令息ですが、子どもの頃に両親が亡くなって叔父家族が伯爵家を相続したので、居候のようなものです。
あれこれめんどくさいです。
学校も身づくろいも適当でいいんです。僕は、僕の才能を使いたい人のために使います。
冴えない取り柄もないと思っていた主人公が、実は…。
主人公は虐げる人の知らないところで輝いています。
全てを知って後悔するのは…。
☆2022年6月29日 BL 1位ありがとうございます!一瞬でも嬉しいです!
☆2,022年7月7日 実は子どもが主人公の話を始めてます。
囚われの親指王子が瀕死の騎士を助けたら、王子さまでした。https://www.alphapolis.co.jp/novel/355043923/237646317
転生したら同性の婚約者に毛嫌いされていた俺の話
鳴海
BL
前世を思い出した俺には、驚くことに同性の婚約者がいた。
この世界では同性同士での恋愛や結婚は普通に認められていて、なんと出産だってできるという。
俺は婚約者に毛嫌いされているけれど、それは前世を思い出す前の俺の性格が最悪だったからだ。
我儘で傲慢な俺は、学園でも嫌われ者。
そんな主人公が前世を思い出したことで自分の行動を反省し、行動を改め、友達を作り、婚約者とも仲直りして愛されて幸せになるまでの話。
【完結】悪妻オメガの俺、離縁されたいんだけど旦那様が溺愛してくる
古井重箱
BL
【あらすじ】劣等感が強いオメガ、レムートは父から南域に嫁ぐよう命じられる。結婚相手はヴァイゼンなる偉丈夫。見知らぬ土地で、見知らぬ男と結婚するなんて嫌だ。悪妻になろう。そして離縁されて、修道士として生きていこう。そう決意したレムートは、悪妻になるべくワガママを口にするのだが、ヴァイゼンにかえって可愛らがれる事態に。「どうすれば悪妻になれるんだ!?」レムートの試練が始まる。【注記】海のように心が広い攻(25)×気難しい美人受(18)。ラブシーンありの回には*をつけます。オメガバースの一般的な解釈から外れたところがあったらごめんなさい。更新は気まぐれです。アルファポリスとムーンライトノベルズ、pixivに投稿。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる