11 / 133
麗しきケーキ王国の王女
しおりを挟む
ケーキ王国から王子と王女がやって来た!
2人ともモカ色の髪が甘い、華やかな美男美女。
ケーキ王国のメルヴェイユ王子は、ケーキ王国の下水道整備や交通路整備もリードした技術者でもあるし、ティラ王女はそんなお兄様をサポートしている才女なんだよ。
才色兼備ですごいよねぇ。
「ティラミスにお願いしたから、来てくれたんだよお!これでスパイス王国も整備できますぞ!」
きゃっきゃとしていたら、血相を変えたアニス様が飛んできた。
「カモミール団長から連絡がありました、二人は明日こちらへ来るそうですが、今日は今から歓迎会だそうです!お二人ともソルトに会いたいそうですよ!」
「そりゃそうでしょ、僕がお願いして来ていただいたんだから。」
じゃ、行きましょうかね~と椅子から立ち上がる。
「ちょっと待ちなさい。たとえ、相手方が許したとしても、仮にも一国の王子王女と会うのに、その格好じゃダメですよ?」
むんずと首根っこを捕まえられる。
ヒェッ。
助けてぇ~!とナス課長とキュウリ先輩を見たけれど、敬礼されたぁ!
スパイス王国よりも豊かで技術の進んだ大国、ケーキ王国。
その王子・王女ともなれば、衣装も豪華絢爛でかつ洗練されて嫌味がない。
たっぷりと同色の糸で刺繍された藍色のドレスを身にまとった王女は、モカ色の髪に薔薇色の瞳が映え、口元のほくろとぽってりとした唇がセクシーだ。
たれ目がちのパッチリした目元は濃い睫毛で縁取られている。
これだけの美女でありながら、才女という王女。
クミンは母親に付き添われながら、内心ごくりと喉を鳴らした。
しかし、彼女の隣には、彼女とよく似た兄王子がともにいて、クミンを警戒するようにじっと見ていた。
「王子殿下王女殿下にはご機嫌麗しゅう。はじめてお目にかかります、私、スパイス王国の第一王子、クミンと申します。ようこそ、我がスパイス王国へ。」
「………初めまして。」
「スパイス王国は香辛料がよく採れまして。美食の国と言われているんですよ。殿下たちのために今日は城の者が腕によりをかけておりますので、お楽しみください。」
「まあ、それは楽しみですわ。私、スパイス王国のお食事は気に入ってますの。」
「そうですか!」
「ほほほ。それほど我が国の食をお気に召していただいているのでしたら、王女のような素敵な方がクミンの妃になっていただければ、どれ程素晴らしいか…。クミンも、王女に一目ぼれをしたようですのよ…。」
「あら、王子にはマドレーヌ様がいらっしゃるでしょうに。」
「ま、まあ。聞き及んでおりましたか。…実は、あの子は王子妃教育についていけませんで…。」
「ふふふ。いやですわ、初めからあの方がついていけないことなど、分かっていたではないですか。」
側妃も、クミンも頭の上にハテナが飛びまわっている。
なんで、この王女はこの国の者ではないのに、自分とマドレーヌのことをよく知っているんだろう。
とにかく、なにか悪い予感だけはする……!
そこへ、ソルトが到着した。
「わぁっ!ティラ=ミス~!!久しぶりぃ!」
「きゃあ!ソルト!やあねえ、お互いこんな格好嫌なのにやらないといけないなんて!」
王女はぱっと立ち上がり、ソルトの手をとってきゃっきゃと飛び跳ねた。
「ティラ……、ミス?」
茫然とした顔でクミンは首を傾げる。
王女は侍従から眼鏡を受け取ると、顔に掲げてみせた。
「そうです、がり勉で色気がなくてブスだから、あなたとの婚約が決まりかけていたけれど破談になったティラミスですわ!」
隣の兄王子が膝を叩きながら笑い転げている。
「お兄さま、笑いすぎです!」
「いやぁ、お前、ほんっとこんな奴と婚約しなくて正解だったわ!」
「ななななななななななんでっ!!侯爵家の娘では…!?」
「タルト侯爵家は母の実家ですもの。この国に留学するにあたって、目立たないように母の実家の籍を借りていたのですわ。私の本名は、ティラ=ミス=ケーキです。すぐ調べればわかったことでしたのに。」
「なんで、ソルトといい、君といい、素晴らしい美貌を隠すんだよ!!!!」
「見た目だけで評価するような男は願い下げですわ。それに、私たちは自分をそれ程美しいと思ってませんもの。毎日鏡で見ている自分の顔を美しいって思う人ってナルシストしかいないんじゃないかしら。勉強は好きです。好きなものにわき目もふらず真面目に取り組んでいたら、自分のことがちょっと後回しになっただけじゃないですか。」
ネー、とソルトと2人意気投合している。
「あの、クミン様?ですから、一度婚約を取り消した私と、婚約できると思ったら大間違いですよ。それに、私、他の国の方々とも交友が深くて、世界中にお友達が多いので。クミン様から受けた仕打ちはお友達に愚痴らせていただいておりますわ!だから、マドレーヌ様を大切になさいませ?あの方を逃したら、貴方と結婚してくださるような奇特な女性はおりませんよ。あの方より劣るような方なら、まだいらっしゃるかもしれないですけどね。」
ガクッとクミンは肩を落とした。
2人ともモカ色の髪が甘い、華やかな美男美女。
ケーキ王国のメルヴェイユ王子は、ケーキ王国の下水道整備や交通路整備もリードした技術者でもあるし、ティラ王女はそんなお兄様をサポートしている才女なんだよ。
才色兼備ですごいよねぇ。
「ティラミスにお願いしたから、来てくれたんだよお!これでスパイス王国も整備できますぞ!」
きゃっきゃとしていたら、血相を変えたアニス様が飛んできた。
「カモミール団長から連絡がありました、二人は明日こちらへ来るそうですが、今日は今から歓迎会だそうです!お二人ともソルトに会いたいそうですよ!」
「そりゃそうでしょ、僕がお願いして来ていただいたんだから。」
じゃ、行きましょうかね~と椅子から立ち上がる。
「ちょっと待ちなさい。たとえ、相手方が許したとしても、仮にも一国の王子王女と会うのに、その格好じゃダメですよ?」
むんずと首根っこを捕まえられる。
ヒェッ。
助けてぇ~!とナス課長とキュウリ先輩を見たけれど、敬礼されたぁ!
スパイス王国よりも豊かで技術の進んだ大国、ケーキ王国。
その王子・王女ともなれば、衣装も豪華絢爛でかつ洗練されて嫌味がない。
たっぷりと同色の糸で刺繍された藍色のドレスを身にまとった王女は、モカ色の髪に薔薇色の瞳が映え、口元のほくろとぽってりとした唇がセクシーだ。
たれ目がちのパッチリした目元は濃い睫毛で縁取られている。
これだけの美女でありながら、才女という王女。
クミンは母親に付き添われながら、内心ごくりと喉を鳴らした。
しかし、彼女の隣には、彼女とよく似た兄王子がともにいて、クミンを警戒するようにじっと見ていた。
「王子殿下王女殿下にはご機嫌麗しゅう。はじめてお目にかかります、私、スパイス王国の第一王子、クミンと申します。ようこそ、我がスパイス王国へ。」
「………初めまして。」
「スパイス王国は香辛料がよく採れまして。美食の国と言われているんですよ。殿下たちのために今日は城の者が腕によりをかけておりますので、お楽しみください。」
「まあ、それは楽しみですわ。私、スパイス王国のお食事は気に入ってますの。」
「そうですか!」
「ほほほ。それほど我が国の食をお気に召していただいているのでしたら、王女のような素敵な方がクミンの妃になっていただければ、どれ程素晴らしいか…。クミンも、王女に一目ぼれをしたようですのよ…。」
「あら、王子にはマドレーヌ様がいらっしゃるでしょうに。」
「ま、まあ。聞き及んでおりましたか。…実は、あの子は王子妃教育についていけませんで…。」
「ふふふ。いやですわ、初めからあの方がついていけないことなど、分かっていたではないですか。」
側妃も、クミンも頭の上にハテナが飛びまわっている。
なんで、この王女はこの国の者ではないのに、自分とマドレーヌのことをよく知っているんだろう。
とにかく、なにか悪い予感だけはする……!
そこへ、ソルトが到着した。
「わぁっ!ティラ=ミス~!!久しぶりぃ!」
「きゃあ!ソルト!やあねえ、お互いこんな格好嫌なのにやらないといけないなんて!」
王女はぱっと立ち上がり、ソルトの手をとってきゃっきゃと飛び跳ねた。
「ティラ……、ミス?」
茫然とした顔でクミンは首を傾げる。
王女は侍従から眼鏡を受け取ると、顔に掲げてみせた。
「そうです、がり勉で色気がなくてブスだから、あなたとの婚約が決まりかけていたけれど破談になったティラミスですわ!」
隣の兄王子が膝を叩きながら笑い転げている。
「お兄さま、笑いすぎです!」
「いやぁ、お前、ほんっとこんな奴と婚約しなくて正解だったわ!」
「ななななななななななんでっ!!侯爵家の娘では…!?」
「タルト侯爵家は母の実家ですもの。この国に留学するにあたって、目立たないように母の実家の籍を借りていたのですわ。私の本名は、ティラ=ミス=ケーキです。すぐ調べればわかったことでしたのに。」
「なんで、ソルトといい、君といい、素晴らしい美貌を隠すんだよ!!!!」
「見た目だけで評価するような男は願い下げですわ。それに、私たちは自分をそれ程美しいと思ってませんもの。毎日鏡で見ている自分の顔を美しいって思う人ってナルシストしかいないんじゃないかしら。勉強は好きです。好きなものにわき目もふらず真面目に取り組んでいたら、自分のことがちょっと後回しになっただけじゃないですか。」
ネー、とソルトと2人意気投合している。
「あの、クミン様?ですから、一度婚約を取り消した私と、婚約できると思ったら大間違いですよ。それに、私、他の国の方々とも交友が深くて、世界中にお友達が多いので。クミン様から受けた仕打ちはお友達に愚痴らせていただいておりますわ!だから、マドレーヌ様を大切になさいませ?あの方を逃したら、貴方と結婚してくださるような奇特な女性はおりませんよ。あの方より劣るような方なら、まだいらっしゃるかもしれないですけどね。」
ガクッとクミンは肩を落とした。
116
あなたにおすすめの小説
悪役令息物語~呪われた悪役令息は、追放先でスパダリたちに愛欲を注がれる~
トモモト ヨシユキ
BL
魔法を使い魔力が少なくなると発情しちゃう呪いをかけられた僕は、聖者を誘惑した罪で婚約破棄されたうえ辺境へ追放される。
しかし、もと婚約者である王女の企みによって山賊に襲われる。
貞操の危機を救ってくれたのは、若き辺境伯だった。
虚弱体質の呪われた深窓の令息をめぐり対立する聖者と辺境伯。
そこに呪いをかけた邪神も加わり恋の鞘当てが繰り広げられる?
エブリスタにも掲載しています。
魔王に転生したら、イケメンたちから溺愛されてます
トモモト ヨシユキ
BL
気がつくと、なぜか、魔王になっていた俺。
魔王の手下たちと、俺の本体に入っている魔王を取り戻すべく旅立つが・・
なんで、俺の体に入った魔王様が、俺の幼馴染みの勇者とできちゃってるの⁉️
エブリスタにも、掲載しています。
転生したら本でした~スパダリ御主人様の溺愛っぷりがすごいんです~
トモモト ヨシユキ
BL
10000回の善行を知らないうちに積んでいた俺は、SSSクラスの魂として転生することになってしまったのだが、気がつくと本だった‼️
なんだ、それ!
せめて、人にしてくれよ‼️
しかも、御主人様に愛されまくりってどうよ⁉️
エブリスタ、ノベリズムにも掲載しています。
タチですが異世界ではじめて奪われました
雪
BL
「異世界ではじめて奪われました」の続編となります!
読まなくてもわかるようにはなっていますが気になった方は前作も読んで頂けると嬉しいです!
俺は桐生樹。21歳。平凡な大学3年生。
2年前に兄が死んでから少し荒れた生活を送っている。
丁度2年前の同じ場所で黙祷を捧げていたとき、俺の世界は一変した。
「異世界ではじめて奪われました」の主人公の弟が主役です!
もちろんハルトのその後なんかも出てきます!
ちょっと捻くれた性格の弟が溺愛される王道ストーリー。
不遇の第七王子は愛され不慣れで困惑気味です
新川はじめ
BL
国王とシスターの間に生まれたフィル・ディーンテ。五歳で母を亡くし第七王子として王宮へ迎え入れられたのだが、そこは針の筵だった。唯一優しくしてくれたのは王太子である兄セガールとその友人オーティスで、二人の存在が幼いフィルにとって心の支えだった。
フィルが十八歳になった頃、王宮内で生霊事件が発生。セガールの寝所に夜な夜な現れる生霊を退治するため、彼と容姿のよく似たフィルが囮になることに。指揮を取るのは大魔法師になったオーティスで「生霊が現れたら直ちに捉えます」と言ってたはずなのに何やら様子がおかしい。
生霊はベッドに潜り込んでお触りを始めるし。想い人のオーティスはなぜか黙ってガン見してるし。どうしちゃったの、話が違うじゃん!頼むからしっかりしてくれよぉー!
【BLーR18】箱入り王子(プリンス)は俺サマ情報屋(実は上級貴族)に心奪われる
奏音 美都
BL
<あらすじ>
エレンザードの正統な王位継承者である王子、ジュリアンは、城の情報屋であるリアムと秘密の恋人関係にあった。城内でしか逢瀬できないジュリアンは、最近顔を見せないリアムを寂しく思っていた。
そんなある日、幼馴染であり、執事のエリックからリアムが治安の悪いザード地区の居酒屋で働いているらしいと聞き、いても立ってもいられず、夜中城を抜け出してリアムに会いに行くが……
俺様意地悪ちょいS情報屋攻め×可愛い健気流され王子受け
異世界転移してΩになった俺(アラフォーリーマン)、庇護欲高めα騎士に身も心も溶かされる
ヨドミ
BL
もし生まれ変わったら、俺は思う存分甘やかされたい――。
アラフォーリーマン(社畜)である福沢裕介は、通勤途中、事故により異世界へ転移してしまう。
異世界ローリア王国皇太子の花嫁として召喚されたが、転移して早々、【災厄のΩ】と告げられ殺されそうになる。
【災厄のΩ】、それは複数のαを番にすることができるΩのことだった――。
αがハーレムを築くのが常識とされる異世界では、【災厄のΩ】は忌むべき存在。
負の烙印を押された裕介は、間一髪、銀髪のα騎士ジェイドに助けられ、彼の庇護のもと、騎士団施設で居候することに。
「αがΩを守るのは当然だ」とジェイドは裕介の世話を焼くようになって――。
庇護欲高め騎士(α)と甘やかされたいけどプライドが邪魔をして素直になれない中年リーマン(Ω)のすれ違いラブファンタジー。
※Rシーンには♡マークをつけます。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる