【完結】王子様たちに狙われています。本気出せばいつでも美しくなれるらしいですが、どうでもいいじゃないですか。

竜鳴躍

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あなたがライバルで良かった

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「よお。」

馴染みのバーは、お忍びでよく訪れる。

口の硬い店主は、元々王家に仕えてくれていた侍従だった。

先に一杯、店主のオススメの甘いカクテルを嗜み、アニスは入口から入ってきたカモミールを見た。


「今日はありがとうございます。私が奢りますよ。」

「マスター。俺にはウイスキーを。」

「畏まりました。」


「あなたのお陰でソルトは無事でした。ありがとうございます。ですが、よく気づきましたね。」

「最近、詰め所で妙な視線を感じていたからな。それに、大体アッサムは俺に茶を出すような気が利く男じゃない。」


「あはは、それは疑わしい。」


「あいつ、アホ王子の側近候補だしな。念の為、見てない隙にカップをすり替えたら、苦しみだして。媚薬を抜こうと自分からシャワールームに行ったから閉じ込めて人払いしたんだよ。ソルトに汚いもん見せたくなかったし。」


「………ありがとうございます。あえて媚薬の力を借りて、ソルトを手に入れることもできたのに。さすが、私のライバル。あなたがライバルで良かった。」

「当たり前だろう?そんなんで手に入れても、嬉しくないさ。」



店内は貸し切りで、静寂にカランという氷の音が響く。



「そういえば、アニス殿下。」

急に、ライバルから騎士団長の顔になった男は、ニヤリと口の端を曲げた。


「あれでも、アッサムは優秀な男ですよ。家も侯爵家ですし、クミン殿下はアホですが素直ではありますからね。アッサム次第では、第一王子派も勢力を伸ばすでしょう。頑張ってください?」
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