【完結】王子様たちに狙われています。本気出せばいつでも美しくなれるらしいですが、どうでもいいじゃないですか。

竜鳴躍

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遅れてきた思春期(中)

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僕たちは、持ってきた缶詰をあけて、簡単な夕飯をとった後、交代でお風呂に入った。

二人が僕に先に入ることを勧めるから、先に入っちゃった。


僕の後にどちらが入るかで揉めて、二人一緒に入ったけど、あんな体のおおきな団長と二人なんて狭くないかしら。



僕の婚約者候補になった二人だけど、どうして僕なんだろう。

僕は、スキがよくわからない。

どんな現象が起きるものなんだろう。

心拍数はどのくらい早くなるの?

甘酸っぱいって、味覚でも変わるの?

いつかは答えを出さないと失礼だ。
さすがに、僕のペースでいつまでも待たせるわけにはいかない。



お風呂から帰ってきた二人は、いつもと違ってラフでかっこ良くて、団長はすごく筋肉質のかっこいい体をして大人の色気がダダ漏れだったし、アニス様はすごく綺麗でかっこよかった。


寝袋でコロコロ転がったけど、何故かよく寝られなかった。




聖獣様のいる山頂まであと少し。

山の斜面は急で、足場も悪い。

先に団長が行き、杭を刺して登りやすくしてくれた。

僕やアニス様に差し出される手は大きくて、頼もしい。


この手に守られたら、幸せなんだろうな。

考えていたら、少し胸が苦しくなった。






『人の子よ、何のようだね?』


登りきった先の洞穴を進むと、白銀の鱗を持つドラゴンがそこにはいた。

ルビー色の瞳がきれい。

「神獣様。突然訪れて申し訳ありません。失礼ながら、浄化の石を分けていただきたく参りました。」


僕は、なるべく丁寧に答えた。


『なんに使う。』


「………えっと、ケーキ王国みたいに下水道整備に。」

どうしよう、神獣様が睨んでる。
うまく説明できないよ!

「私が代わりに説明します。私は、スパイス王国第二王子のアニス=シード=スパイスです。我が国には疫病があります。そして、犠牲になるのは、民。貧しい者ほど犠牲になります。公費で国中の下水道整備を進めておりますが、下水の浄化には、どうしても石が必要なのです。お願い致します。代わりに何かをと仰られるなら、我々にできることなら何でも致します!」


「アニスさま………」

真剣な顔で神獣様と向き合う。

胸がまた苦しくなった。


僕、何か病気かしら。



『ほう、面白い。ならば、お前のその美しい青い目を一つ、貰おうか。』


え?


「いいでしょう。」


えっ。


「待って、何か他のものを」


僕が止めようとするけど、アニス様は自分の目を抉ろうとした。


『待て、目はいらない。』

神獣様が止める。

『お前の本気を見たかっただけだ。そこのでかいの。私の鱗を一枚、剥がすといい。お前が一番うまそうだ。できるだけ痛くないように剥がせ。それが求めていたものだ。』


「ありがとうございます!」

団長が一枚剥がす。



『………っ。代わりにといってはなんだが、麓に一度連れて行け。久しぶりに山を降りたくなった。』


そういうと、神獣様は白銀の髪の青年に姿を変えた。
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