無理です!僕は絶対にこんな屑駄目王子の嫁になりませんからね?

竜鳴躍

文字の大きさ
28 / 32

ホワイトタイガー王国?の陛下たちの戸惑い

しおりを挟む
社会勉強とお金稼ぎを兼ねて冒険者にしたミラーが別人のようになって帰って来た。

お城では、陛下妃殿下の困惑が続く。



「ハーネス、あーん♡おいしい?僕頑張って作ったのぉ。」

「ミラーは料理の才能があったんだな。おいしいよ。」


城には使用人がいない。

だから、掃除や洗濯は私がばばっと魔法でやっているのだが、最近になってミラーが料理を担当してくれるようになった。


冒険者をしていた先で、ピンクスライムに襲われておかしくなったところで、この辺境伯家の二男に助けられ、なりゆきで番になったらしい。


王妃は、ミラーがΩだということを隠し、疑似βになるよう薬を盛っていたらしい。
ミラーが立派な男として、可愛い妃を貰うことを夢見ていた王妃は、ショックで二日間寝込んだ。
だが、私に言わせれば、そんなことをしないほうが良かっただろう。
聞けばハーネスもαでありながら番が疑似βをやっているせいでα性が発現せず、疑似βだったようだし、最初からミラーをΩとして婿を探していれば、もっと早くに二人は出会えていただろう。

こうなるのは、運命だったのだ。




それに、Ωのミラーは可愛い。

多少我儘ではあるが、番のαの言うことは素直に聞く。傲慢さがない。
これなら………王国が破滅するまではいかなかったんじゃないの?

私たちはグレーに苦手意識があって避けていたから、グレーの方を王太子にすることはなかったかもしれないが、出来の悪いミラーを支えてくれたのかもしれない。



はぁ…。


ため息をつくと、ハーネスがこちらをまっすぐ見た。


「陛下。」


「なんだね。」


「提案があるのですが、私はベーカリー家の二男ですので、こちらに婿入りすることは可能です。私が取りなしますので、ホワイトタイガーの姓をタイガーにでも変えて、公爵家として神聖ホワイトタイガー王国へ加入しませんか。」


「えっ…。それは願ってもないが、あの子や周りは許してくれるだろうか。」

「陛下が直轄地を自ら運営されているのも、ミラーを社会勉強に出したのも、みんな知っています。今思えば、ミラーの横暴さも、服薬の副作用だったのかもしれないですから、誠心誠意謝罪を尽くせば受け入れてもらえますよ。」


誠心誠意…。

王妃をちらっとみる。

やっぱり、アレ、だよねぇ。


「承知した。タイガーに変えて、当主をハーネスにする。王妃は塔への幽閉。私は隠居しよう。」


王妃がギャーギャー騒ぎ始めた。


正直、私の王妃への愛はもうない。流石にね。
私の知らないところでいろいろやりすぎた。



「では、今後のことですが、この城は公爵家の館としては広すぎますので、美術館や博物館にして観光地にしましょう。新しい館を隣接した場所に建てます。先祖代々の王家の貴重なものなどがあれば、神聖ホワイトタイガー王国の城の方に移します。使用人は私の名で呼べば集まるでしょう。つなぎでベーカリー家から派遣してもらいます。」


おお。やったー、ハーネス君は優秀な婿だ!

しおりを挟む
感想 5

あなたにおすすめの小説

婚約破棄された令息の華麗なる逆転劇 ~偽りの番に捨てられたΩは、氷血公爵に愛される~

なの
BL
希少な治癒能力と、大地に生命を呼び戻す「恵みの魔法」を持つ公爵家のΩ令息、エリアス・フォン・ラティス。 傾きかけた家を救うため、彼は大国アルビオンの第二王子、ジークフリート殿下(α)との「政略的な番契約」を受け入れた。 家のため、領民のため、そして―― 少しでも自分を必要としてくれる人がいるのなら、それでいいと信じて。 だが、運命の番だと信じていた相手は、彼の想いを最初から踏みにじっていた。 「Ωの魔力さえ手に入れば、あんな奴はもう要らない」 その冷たい声が、彼の世界を壊した。 すべてを失い、偽りの罪を着せられ追放されたエリアスがたどり着いたのは、隣国ルミナスの地。 そこで出会ったのは、「氷血公爵」と呼ばれる孤高のα、アレクシス・ヴァン・レイヴンだった。 人を寄せつけないほど冷ややかな瞳の奥に、誰よりも深い孤独を抱えた男。 アレクシスは、心に傷を抱えながらも懸命に生きようとするエリアスに惹かれ、次第にその凍てついた心を溶かしていく。 失われた誇りを取り戻すため、そして真実の愛を掴むため。 今、令息の華麗なる逆転劇が始まる。

学園の俺様と、辺境地の僕

そらうみ
BL
この国の三大貴族の一つであるルーン・ホワイトが、何故か僕に構ってくる。学園生活を平穏に過ごしたいだけなのに、ルーンのせいで僕は皆の注目の的となってしまった。卒業すれば関わることもなくなるのに、ルーンは一体…何を考えているんだ? 【全12話になります。よろしくお願いします。】

前世で恋人だった騎士様の愛がこんなに重いなんて知りませんでした

よしゆき
BL
前世で恋人だった相手を現世で見つける。しかし前世では女だったが、男に生まれ変わってしまった。平凡な自分では釣り合わない。前世はただの思い出として、諦めようとするけれど……。

さかなのみるゆめ

ruki
BL
発情期時の事故で子供を産むことが出来なくなったオメガの佐奈はその時のアルファの相手、智明と一緒に暮らすことになった。常に優しくて穏やかな智明のことを好きになってしまった佐奈は、その時初めて智明が自分を好きではないことに気づく。佐奈の身体を傷つけてしまった責任を取るために一緒にいる智明の優しさに佐奈はいつしか苦しみを覚えていく。

【完結】選ばれない僕の生きる道

谷絵 ちぐり
BL
三度、婚約解消された僕。 選ばれない僕が幸せを選ぶ話。 ※地名などは架空(と作者が思ってる)のものです ※設定は独自のものです ※Rシーンを追加した加筆修正版をムーンライトノベルズに掲載しています。

オメガなのにムキムキに成長したんだが?

未知 道
BL
オメガという存在は、庇護欲が湧く容姿に成長する。 なのに俺は背が高くてムキムキに育ってしまい、周囲のアルファから『間違っても手を出したくない』と言われたこともある。 お見合いパーティーにも行ったが、あまりに容姿重視なアルファ達に「ざっけんじゃねー!! ヤルことばかりのくそアルファ共がぁああーーー!!」とキレて帰り、幼なじみの和紗に愚痴を聞いてもらう始末。 発情期が近いからと、帰りに寄った病院で判明した事実に、衝撃と怒りが込み上げて――。 ※攻めがけっこうなクズです。でも本人はそれに気が付いていないし、むしろ正当なことだと思っています。 同意なく薬を服用させる描写がありますので、不快になる方はブラウザバックをお願いします。

アルファのアイツが勃起不全だって言ったの誰だよ!?

モト
BL
中学の頃から一緒のアルファが勃起不全だと噂が流れた。おいおい。それって本当かよ。あんな完璧なアルファが勃起不全とかありえねぇって。 平凡モブのオメガが油断して美味しくいただかれる話。ラブコメ。 ムーンライトノベルズにも掲載しております。

あなたと過ごせた日々は幸せでした

蒸しケーキ
BL
結婚から五年後、幸せな日々を過ごしていたシューン・トアは、突然義父に「息子と別れてやってくれ」と冷酷に告げられる。そんな言葉にシューンは、何一つ言い返せず、飲み込むしかなかった。そして、夫であるアインス・キールに離婚を切り出すが、アインスがそう簡単にシューンを手離す訳もなく......。

処理中です...