虐げられても最強な僕。白い結婚ですが、将軍閣下に溺愛されているようです。

竜鳴躍

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魔女との戦い

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「もうすぐ城につく。」


歓声の中、エドワードはティアの耳にささやいた。


「城の中からイヤな気配がするね。」

スネイクは舌を出して、その細い目を見開いた。

蛇の聖獣は肌で気配を感じることが出来る。


「城の中に入ったら、影で幕を張る。今のところ民衆は普通だ。城の中でとどめよう。」

「もし人が操られていたら?」

「なるべく倒したくないが、やむを得ない場合は仕方ない。フェニックス殿下に頭を下げるしかないな。」

「ダグラスを奪ったんだから、そのくらいやるだろ!」



門番もいない城の扉を開けて、素早く中に入る。

一番見たくない顔の人が、そこにいた。


黒いドレスで、禍々しい。





「ほほほ、さぁ、傀儡ちゃんたち!やっておしまい!」

「リュージュ=シャワーズ…。侯爵夫人。だが、ちがう!ローズ、魔女のローズだな!」

「はははっ。ローズ??違うわね。」

「……………ロゼ。むかし、酒場のおばさんがお母さまと言ってた。あなたはロゼ。ローズの妹で美貌の舞姫であった姉を妬み、姉の顔を奪って成り代わった魔女、悪い魔女!そうでしょう。実の姉を殺して、おばさんも、お母様も!許せない!」


「ふふふ、そんな証拠どこにあるのかしらぁ?」


「僕が証拠だ!少なくともお前はリュージュお母様ではない!なぜならお母さまから生まれた僕こそが、ドラゴニアの聖獣の権能を使えるのだから!」

「ティア、あまり感情的になるな。向こうの思うつぼだ。過ぎる感情は失敗を産む。冷静に。」

「チッ。なんだ、あなたたち無理やりくっつけられたのに、意外と仲良くやってるのね。でもおままごと臭い。本当の意味で夫婦にはなってないんでしょ?そりゃあそうよねえ、子どもの頃に尊敬しているお兄様がレイプされるところを見せられちゃったらね!トラウマよねー!あんた、できないんでしょ!」


「……そんな、そんなことがっ…??」

冷静なんかなれない。どうしよう。

あのお兄様にそんなことしたの?
どうしてそんな酷いことができるの?

悪い魔女ってどうして――――――。



息を吸って、吐く。

扉の向こうが無事のように、スネイクさんは動けない。

他のみんなで絶対に、この魔女を倒すのだ。


僕のお母様の仇でもあるこの魔女を。





ねえ、ロゼ。


貴方は甘く見たね。僕の力を。


僕はもう、ドラゴニア王国に僕の力がばれたって、構いやしないんだ。

そんなことより大事なことがあるから。
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