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魔女の最期と邪悪な王
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(あぁあ、どうして!どうしてこんなことに!私の顔、私の顔が!こんなの人間の顔じゃないわ!魔法も使えやしない!)
「どこから入ったんだ!この魔物め!」
近衛騎士たちが私を追いかけてくる。
(いやよ、助けて!アクア、アクアなら私だって分かってくれるわよね!)
弓が私に向けて射られる。
ヒールを脱ぎ捨てて、私は必死に駆け上がった。
陛下をお守りしている私の愛する夫と息子のもとへと。
なのに――――――。
「ひぃい!化け物!!!」
「それはお母様のドレス!なんということだ、お母様は化け物とすり替わっていたのか!」
ガタガタと震える腕で、剣を握って私を睨みつけている二人……。
おねがい、気づいて。私よ。
ちょっと顔が変わったくらいで、なんで気づいてくれないの…!
こんな顔で一生過ごすなんていやぁああ!
後から近衛騎士の剣に貫かれて。
私は、『魔物』として一生を終えた。
「さぁ、フレックス。先王及び先の王妃、ダグラス王太子殿下を惨殺し、血に塗れて不当に玉座を奪った罪。国内のみならず、周辺諸国まで手を伸ばし、悪逆の限りを尽くしてきた償いを果たしてもらう。」
『魔物』の亡骸は王宮の魔術師が処分し、近衛騎士らが道を開ける。
エドワードの側にはティア。
そして、後ろにはタイガーとスネイク。
魔女であった王妃を失い、二人目の魔女も消え、フレックスはがっくりと肩を落として首が折れるほど俯いた。
最後までフレックスの側にいたアクアとドラゴもまた、何が何だかわからないまま、フレックスとともに貴族牢に入れられることとなり、こうしてようやく―――――――――。
エドワードもティアも大願を果たしたのだった。
「ティア……。」
「エディ。これからは王様になったエディのサポートをするね。僕に何ができるのか分からないけど…。」
「ティアさえよければ、このまま私の妃に……、この国の王妃になってもらいたい。ティアが私のことをそんなふうに見られない、というなら………断ってもいい…。」
「エディ、男の子は世継ぎを産めないんだよ……って、フェニックス殿下が産めるようにしてあげるって言ってくれてたんだった。」
……でも大丈夫なんだろうか。エディはトラウマになってエッチなことができないんじゃなかったかしら。
「兄上も幸せに暮らしてた。私も前を向きたい。」
「うん!一緒に頑張ろうね!僕、エディの御妃様になる!」
二人で少しずつ、前を向いて行こう。
やることはたくさんある。
無理やりに併合した国々の解放。
税率の引き下げ。
フレックスの処刑。
フレックスの子どもたちや僕のお父様と弟?の処遇を決めること。
エディのトラウマの改善。
だけどきっと、これからみんな、幸せになれるよね。
僕は忘れてた。
忘れていたというより、あまり深刻に考えていなかったのかもしれない。
隣の大国・ドラゴニア王国では、邪悪な王が僕の存在に気付いていた。
「……あの女…、やはり兄上から王の竜を継承していたのか…!よくも我を謀りおって!分かっておれば他国になど出さず、息子の妃にでもしていたものを………。ああ、邪魔だ邪魔だ…。あの女の息子など。よそに真の王位継承者がいるなど、都合が悪くてかなわん……。」
ゆうに2メートルはある巨体にぶあつい筋肉。
逆立つような濃紺の髪に紫色の瞳。
威圧感のある美丈夫は、手を組んで、一睨みした。
その息からは、毒のような気体が噴出され、侍従が三人倒れた。
またか、と耐性のある王子が自分の前髪を弄びながら眺める。
「では、私がちょっと行ってきて、一刺ししましょうか。」
「まあ待て。アレは強い。行くなら十分に準備していけ。」
「は。」
リュージュを迫害していた従兄弟のカリスは、あまり興味がなさそうに、だが、父王のために恭しく承った。
「どこから入ったんだ!この魔物め!」
近衛騎士たちが私を追いかけてくる。
(いやよ、助けて!アクア、アクアなら私だって分かってくれるわよね!)
弓が私に向けて射られる。
ヒールを脱ぎ捨てて、私は必死に駆け上がった。
陛下をお守りしている私の愛する夫と息子のもとへと。
なのに――――――。
「ひぃい!化け物!!!」
「それはお母様のドレス!なんということだ、お母様は化け物とすり替わっていたのか!」
ガタガタと震える腕で、剣を握って私を睨みつけている二人……。
おねがい、気づいて。私よ。
ちょっと顔が変わったくらいで、なんで気づいてくれないの…!
こんな顔で一生過ごすなんていやぁああ!
後から近衛騎士の剣に貫かれて。
私は、『魔物』として一生を終えた。
「さぁ、フレックス。先王及び先の王妃、ダグラス王太子殿下を惨殺し、血に塗れて不当に玉座を奪った罪。国内のみならず、周辺諸国まで手を伸ばし、悪逆の限りを尽くしてきた償いを果たしてもらう。」
『魔物』の亡骸は王宮の魔術師が処分し、近衛騎士らが道を開ける。
エドワードの側にはティア。
そして、後ろにはタイガーとスネイク。
魔女であった王妃を失い、二人目の魔女も消え、フレックスはがっくりと肩を落として首が折れるほど俯いた。
最後までフレックスの側にいたアクアとドラゴもまた、何が何だかわからないまま、フレックスとともに貴族牢に入れられることとなり、こうしてようやく―――――――――。
エドワードもティアも大願を果たしたのだった。
「ティア……。」
「エディ。これからは王様になったエディのサポートをするね。僕に何ができるのか分からないけど…。」
「ティアさえよければ、このまま私の妃に……、この国の王妃になってもらいたい。ティアが私のことをそんなふうに見られない、というなら………断ってもいい…。」
「エディ、男の子は世継ぎを産めないんだよ……って、フェニックス殿下が産めるようにしてあげるって言ってくれてたんだった。」
……でも大丈夫なんだろうか。エディはトラウマになってエッチなことができないんじゃなかったかしら。
「兄上も幸せに暮らしてた。私も前を向きたい。」
「うん!一緒に頑張ろうね!僕、エディの御妃様になる!」
二人で少しずつ、前を向いて行こう。
やることはたくさんある。
無理やりに併合した国々の解放。
税率の引き下げ。
フレックスの処刑。
フレックスの子どもたちや僕のお父様と弟?の処遇を決めること。
エディのトラウマの改善。
だけどきっと、これからみんな、幸せになれるよね。
僕は忘れてた。
忘れていたというより、あまり深刻に考えていなかったのかもしれない。
隣の大国・ドラゴニア王国では、邪悪な王が僕の存在に気付いていた。
「……あの女…、やはり兄上から王の竜を継承していたのか…!よくも我を謀りおって!分かっておれば他国になど出さず、息子の妃にでもしていたものを………。ああ、邪魔だ邪魔だ…。あの女の息子など。よそに真の王位継承者がいるなど、都合が悪くてかなわん……。」
ゆうに2メートルはある巨体にぶあつい筋肉。
逆立つような濃紺の髪に紫色の瞳。
威圧感のある美丈夫は、手を組んで、一睨みした。
その息からは、毒のような気体が噴出され、侍従が三人倒れた。
またか、と耐性のある王子が自分の前髪を弄びながら眺める。
「では、私がちょっと行ってきて、一刺ししましょうか。」
「まあ待て。アレは強い。行くなら十分に準備していけ。」
「は。」
リュージュを迫害していた従兄弟のカリスは、あまり興味がなさそうに、だが、父王のために恭しく承った。
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