虐げられても最強な僕。白い結婚ですが、将軍閣下に溺愛されているようです。

竜鳴躍

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初めて会う

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「ようこそいらっしゃいました。」

人のよさそうな青年。
だが、鍛えられた肉体には隙がない。

これが、この国の王。騎士団長として数々の戦場で武勲を上げ続けた男。

プラチナブロンドに近い、薄い金色の髪。
コバルトブルーに近いような、青い瞳。



「こちらこそ急に申しましたのに、歓迎いただき感謝いたします。」

長い前髪を真ん中で横に分けて、髪を編み込んだカリスは一見人畜無害な貴公子に見える。

その見た目を活かして、人のよさそうな笑顔でエドワードと握手を交わした。


「妃のティアです。この国の侯爵家に嫁いだリュージュ王女の子息になります。」

「初めまして…。母から、そちらの国でのことはよく聞いております。」


ぴりりとした緊張が走る。


「リュージュ様には悪いことをしました。他の王族はどう思っているか知りませんが、私は反省しております。リュージュ様はとても美しく、賢く、気高い方でした。貴方はお母様に瓜二つですね。…………貴方を見ていると、なぜ、私は父を諭せなかったのか…。影ながらお助けできなかったのかと……今さらですが、思い出しては枕を濡らすばかりです。」

「向こうでの母はどんな暮らしをしていたのですか…?」


「私の父が王位を簒奪した後、リュージュ様は美しかったのと、王女でしたので、何かしらの道具に使えるだろうと生かされはしましたが、住んでいた宮から追い出され、薄汚れた廃宮へ移されました。政略結婚の道具としたかったので、王女としての教育は施されましたが、誰からも相手をされず、社交に出ることもなく、ただひっそりとそこで暮らして…。彼女はなるべく目立たないようにしていましたが、なにせあの美貌と知性ですからね。嫉妬した僕らは、彼女の持つ僅かな形見の品を奪ったり壊したり、髪をつかんで引きずり回し、ざんばらに切ってしまったり。大けがにならない程度の暴力をふるっていました。」

「そうですか。」


「………今ではやるべきことではなかったと、反省しております。」


信頼関係を構築するためには、非は素直に認め、正直に言うことだ。
はらはらする部下を視線で諫める。


「過去はもう変わりません。未来を見ましょう。ドラゴニア王国とよき隣人になれるよう、願います。」


「ありがとうございます。それでは、本来であればリュージュ様にお返しするべきだったのですが、結婚の祝いとして、貴方のおばあ様が身に着けていた宝玉をお贈りします。」


恭しく、うずらの卵くらいの大きさのオパールを進呈する。


「リュージュ様も大事にされておりました。お返しすることはかないませんでしたが、貴方に継承されれば、リュージュ様もお喜びになるでしょう。」








―――――――――ティアという従甥にエドワード陛下。


早く俺を信用しろ…。
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