義理の家族に虐げられている伯爵令息ですが、気にしてないので平気です。王子にも興味はありません。

竜鳴躍

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あなたはそのままでいいです

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パチン。


パチン。





パチン!


「シン様!薔薇の花を摘んでいますよ!」


爺やに言われてはっとなる。

気分転換にスティーブと一緒に庭の手入れをしていたが、うっかり薔薇のつぼみを切り落としていたようだ。



「心ここにあらず、ですか…。」




「ロイが僕のために性教育の再教育を受けてるらしいんだけど……。どう思う?」


「将来のためには必要なことだと存じます。シン様も、婚約者らしくキスや軽いボディタッチくらいはしてほしいのですよね?」


「……そうだけど。そうなんだけど。なんだかもやもやっとするというか。」

シャツの胸のあたりをかき寄せる。


恋愛事ではヘタレなロイ。

あの純朴なところが可愛いって言うか。

こっちが誘惑してどぎまぎしてるのも。



「本、で勉強するくらいだったらいいよ?でも、誰かが相手になって実戦するのは嫌だ。」


こんな気持ち、初めてだ!

僕って、こんなふうにロイに独占欲を持ってたっけ?



ふぁさっ。


「!!?」

「ぷはっ!」


植え込みからロイが現れる。

「ロイ!?」



「ごめん、情けない男でごめんっ。立派な大人の男になるって誓ったのに……!!!」



「ロイ様!どうして逃げるんですか!」

三角眼鏡でひっつめ髪のおばさんがキョロキョロしている。


僕はロイを茂みの中に隠した。



「いらっしゃいませ。確かあなたはロイの教育係のロッテンマイヤー様でしたね。」

「これは、オレリアン公爵。こちらへロイ殿下が逃げ込んだようなのですが、お会いになられませんでしたか?」


「ええ。最近、ロイは僕との結婚に向けて、大人の男になるために勉学に励んでいると。文は来ますが、最近はめっきり会えませんね。いよいよ再来週にこちらで親族を集めてのパーティを開くので、その時には会う予定です。」

どうなされましたか?としれっと首を傾げて見せると、ロッテンマイヤーさんは深いため息をついた。



「本での閨の教育は終わりましたので、実物を見に行こうと、見世物小屋に連れて行ったのです。」

「見世物小屋、ですか?」

「ええ。先日、王女と公爵を拉致し、処罰された西の王子たちですよ。」

「あの王子は女の子になったんですよね。」


「とはいっても、前が機能しなくなってタマがなくなっただけで、形は男ですからね。彼がカナタたちに抱かれているのを見せようかと思ったのですが…。すぐに真っ青な顔になってお逃げになって。」


うあぁ。それは、ロイじゃなくても逃げると思う。
怖いもの見たさの人とかじゃなければ。


「最後に実物は絶対に見せないといけないものなんですか?」


「実践よりは見るだけの方がいいかと思ったのです。知識として備わっても、どのくらい解せばいいのかとか、感覚で知っていただく必要がありますので。」



ふ、と自分の足元のロイを見た。


「ロッテンマイヤー様。人には個人差がありましょう。ロイの教育は僕の体でやった方がいいと思いますよ。」

ね、ロイ。



と、僕はロイの体を茂みから引っ張り上げた。
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