義理の家族に虐げられている伯爵令息ですが、気にしてないので平気です。王子にも興味はありません。

竜鳴躍

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カタルシスらと悪女

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カタルシスさんと愉快な仲間たちは、小高い山の採掘場で今日も暮らしていた。

ここには、現場監督と同じように鉱山送りになった人たちもいる。



熊みたいだったカタルシスさんは、男性機能を失って、すっかり女性のようになってしまった。

身長が高いのは変わりないものの、ひげが生えなくなり、体毛が薄くなり、最初の頃より幾分か女性化して美しくなり、ぱっと見、カタルシスだとは分からない。

それは、カナタをはじめとする4人の夫が代わる代わる愛してくれているからにほかならなかった。

鉱山送りになった他の者にカタルシスを穢されたくはない一心で、4人が独占しているのだ。

だって、鉱山には女はいない。
孕める男が来たら、もう、どうなるかは分かるというもの。


「あっ、ぴくって今動いた気がするぅ♡」

「カタルシスはゆっくりしててください。その分、俺たちが働いてくるんで!カナタ、俺たちがいない間、お守りしろよ!」

「任せてください!」



「ああ、素敵です。カタルシス様。あなたがこんなにかわいくなるなんて…。あなたは僕たちの奥さんですよ。ずっと、ずっと僕たちの腕の中で踊ってくださいね。」

「う、うん…♡」


カタルシスのお腹には、今、4人の誰かの子がいる。



カタルシスが子を産んだら、4人の実家が子の父親を判定後、その子を引き取ることになっていることを4人は知らない。








そして、彼らにこんな顛末を与えるきっかけになった悪女は、今、ブリザード王国へ渡ろうとしていた。

ローザの金を狙って。



「あーあ。王子様のお妃になれると思ってたのに…。なんで私が修道院に行かなきゃいけないのよ。」

宿の外で涼みながら星を見上げていると、鈴の音のような声が聞こえてくる。


「本当よねぇ。」


「あなたは誰?」


赤いワンピースを着た綺麗な人。長い黒髪を下ろして、白い肌に真っ赤な唇。夜の闇のような真っ黒な瞳。


「私は、ステラ=ミレニアム。この国の男爵令嬢だったのだけど、王太子に見初められて、結婚するはずだった。だけど、私は捨てられて、修道院に連れていかれて…。でも、今は娼婦をさせられているのよ。分かる?この意味。あなたも私と同じよね?」

修道院の生活が苦しくて逃げだしたが、生活費がなく勝手に娼婦に堕ちたのに、さも修道院の陰謀があるかのように悪女はローザに囁いた。


「ねえ、あなたはまだお金を持っているんでしょう?修道院に行けば、寄付金とか支度金とか性根を入れ替えたら返すだとか体のいいこと言って盗られるわ。逃げるなら今のうち。私はこのあたりに住んで長いから、地理に利がある。一緒に逃げましょう。北の国に行けば、私たちは自由よ。」

ローザはごくりと唾をのんで。





悪女の手を取った。

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