彼女にも愛する人がいた

まるまる⭐️

文字の大きさ
15 / 36

宰相アルドベリク④

しおりを挟む
 今日、ジルハイムによって2度目のビラが撒かれた。私は直ぐに王都に近隣する領地に遣いを出した。

 すると驚いた事に、今回近隣する領地にはビラは撒かれていなかったのだ。つまり、今回ビラが撒かれたのは王都に限定されていたと言う事だ。

 《 ロマーナ国の民達よ。

 そろそろ我が国が、今までどれ程この国の為に尽くして来たか、ご理解頂けたのではないだろうか? 災害で疲弊したロマーナを支援し、その後ろ盾となった我が国の王女は、嫁いで僅か2年で亡くなった。

 親としてこれがどれだけ悔しく辛い事か、君達に分かるかい?

 ロマーナは娘の死は感染症による病死だと発表したそうだが、考えてみてくれ。あの頃、国に感染症など流行っていたかい? 市囲で流行していないものが王宮でだけ流行るのかい? どう考えても可笑しいだろう。明らかに娘の死の原因は他にあると我が国は思っている。今回、周辺国もまた、その事実を重く受け止め我が国に協力してくれたのだよ。

 だがね、残念な事に王宮と言う閉鎖された空間で起こった事だ。証拠がないんだよ。

 だからね、取引をしようじゃないか? 王女の死の真相を明らかにしてくれ。そうすれば代わりに我が国からの支援の再開を約束しよう。勿論、他国にも掛け合ってロマーナへの物流も再開してくれる様、我が国が責任を持って説得しようじゃないか。

 因みにだが、君達国民が我が娘を貶めてまで陛下の側妃にと望んだイヴァンナの実家シルベール家。筆頭公爵にも関わらず、国からの支援の要請に答えていない様だね。

 では、君達が今度こそ、選択を間違えない事を私は心より祈っているよ   ジルハイム国王 ユリウス2世 》

「ここで動かれたか…」

 相変わらず、民に語りかけるような言葉で記されたそのビラを見ながら、私は執務室で1人呟いた。

 
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

切りが良いので今回は短いですが、お詫びに夜、もう1話、更新します。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

【完結】貴方の傍に幸せがないのなら

なか
恋愛
「みすぼらしいな……」  戦地に向かった騎士でもある夫––ルーベル。  彼の帰りを待ち続けた私––ナディアだが、帰還した彼が発した言葉はその一言だった。  彼を支えるために、寝る間も惜しんで働き続けた三年。  望むままに支援金を送って、自らの生活さえ切り崩してでも支えてきたのは……また彼に会うためだったのに。  なのに、なのに貴方は……私を遠ざけるだけではなく。  妻帯者でありながら、この王国の姫と逢瀬を交わし、彼女を愛していた。  そこにはもう、私の居場所はない。  なら、それならば。  貴方の傍に幸せがないのなら、私の選択はただ一つだ。        ◇◇◇◇◇◇  設定ゆるめです。  よろしければ、読んでくださると嬉しいです。

結婚後、訳もわからないまま閉じ込められていました。

しゃーりん
恋愛
結婚して二年、別邸に閉じ込められていたハリエット。 友人の助けにより外に出ることができ、久しぶりに見た夫アルバートは騎士に連行されるところだった。 『お前のせいだ!』と言われても訳がわからなかった。 取り調べにより判明したのは、ハリエットには恋人がいるのだとアルバートが信じていたこと。 彼にその嘘を吹き込んだのは、二人いたというお話です。

言い訳は結構ですよ? 全て見ていましたから。

紗綺
恋愛
私の婚約者は別の女性を好いている。 学園内のこととはいえ、複数の男性を侍らす女性の取り巻きになるなんて名が泣いているわよ? 婚約は破棄します。これは両家でもう決まったことですから。 邪魔な婚約者をサクッと婚約破棄して、かねてから用意していた相手と婚約を結びます。 新しい婚約者は私にとって理想の相手。 私の邪魔をしないという点が素晴らしい。 でもべた惚れしてたとか聞いてないわ。 都合の良い相手でいいなんて……、おかしな人ね。 ◆本編 5話  ◆番外編 2話  番外編1話はちょっと暗めのお話です。 入学初日の婚約破棄~の原型はこんな感じでした。 もったいないのでこちらも投稿してしまいます。 また少し違う男装(?)令嬢を楽しんでもらえたら嬉しいです。

愛しの婚約者は王女様に付きっきりですので、私は私で好きにさせてもらいます。

梅雨の人
恋愛
私にはイザックという愛しの婚約者様がいる。 ある日イザックは、隣国の王女が私たちの学園へ通う間のお世話係を任されることになった。 え?イザックの婚約者って私でした。よね…? 二人の仲睦まじい様子を見聞きするたびに、私の心は折れてしまいました。 ええ、バッキバキに。 もういいですよね。あとは好きにさせていただきます。

つまらない妃と呼ばれた日

柴田はつみ
恋愛
公爵令嬢リーシャは政略結婚で王妃に迎えられる。だが国王レオニスの隣には、幼馴染のセレスが“当然”のように立っていた。祝宴の夜、リーシャは国王が「つまらない妃だ」と語る声を聞いてしまい、心を閉ざす。 舞踏会で差し出された手を取らず、王弟アドリアンの助けで踊ったことで、噂は一気に燃え上がる――「王妃は王弟と」「国王の本命は幼馴染」と。 さらに宰相は儀礼と世論を操り、王妃を孤立させる策略を進める。監視の影、届かない贈り物、すり替えられた言葉、そして“白薔薇の香”が事件現場に残る冤罪の罠。 リーシャは微笑を鎧に「今日から、王の隣に立たない」と決めるが、距離を取るほど誤解は確定し、王宮は二人を引き裂いていく。 ――つまらない妃とは、いったい誰が作ったのか。真実が露わになった時、失われた“隣”は戻るのか。

立派な王太子妃~妃の幸せは誰が考えるのか~

矢野りと
恋愛
ある日王太子妃は夫である王太子の不貞の現場を目撃してしまう。愛している夫の裏切りに傷つきながらも、やり直したいと周りに助言を求めるが‥‥。 隠れて不貞を続ける夫を見続けていくうちに壊れていく妻。 周りが気づいた時は何もかも手遅れだった…。 ※設定はゆるいです。

砕けた愛

篠月珪霞
恋愛
新婚初夜に男に襲われた公爵令嬢エヴリーヌは、不義密通の罪を被せられた。反逆罪に問われた彼女の一族は処刑されるが、気付くと時間が巻き戻っていた。 あなたへの愛? そんなものとうに、砕け散ってしまいました。

遡ったのは君だけじゃない。離縁状を置いて出ていった妻ーー始まりは、そこからだった。

沼野 花
恋愛
私は、夫にも子供にも選ばれなかった。 その事実だけを抱え、離縁を突きつけ、家を出た。 そこで待っていたのは、最悪の出来事―― けれど同時に、人生の扉がひらく瞬間でもあった。 夫は愛人と共に好きに生きればいい。 今さら「本当に愛していたのは君だ」と言われても、裏切ったあなたを許すことはできない。 でも、子供たちの心だけは、必ず取り戻す。 妻にも母にもなれなかった伯爵夫人イネス。 過去を悔いながらも、愛を手に入れることを決めた彼女が辿り着いた先には――

処理中です...