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宰相アルドベリク⑤
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アルテーシア様が王宮内で蔑ろにされる様になったのは、やはり、イヴァンナが側妃として娶られてからだろう。
陛下はイヴァンナを寵愛し、それに比例する様にアルテーシア様はその立場を失っていった。
そのイヴァンナが側妃として娶られる為に、背中を押したのが民意だ。
シルヴィア様は今、この国の民にどれ程の怒りを感じておられるのだろう。
だが、どんなに恨みに思っていても、彼女はやはり自分の祖国の民達を、完膚なきまでに痛めつける事は出来なかった様だ。
かなり強めのお灸…そう言ったところか…。
だが、これでシルベールとイヴァンナがアルテーシア様に行った非道は間違いなく炙り出されるだろう。
援助の再開。そして何より物流の再開がかかっているのだ。
民達はジルハイムから当たり前に行われていた、その善意の本当の価値を知った。飢えに苦しむ民達は間違いなく、王妃の死の真相を求めるだろう。そしてそんな領民を抱える貴族達もまた、今度こそ間違いなく彼らを追及するはずだ。
2年前、シルベールは世論を形成し、イヴァンナを側妃へと押し上げた。そして陛下のイヴァンナへの寵愛をいい事に、王宮内でその勢力を更に強めていった。
今ではそれこそ陛下でさえ、彼らにおいそれとは逆らえない程に…。
エラルド様、ジュリアス様。2代に渡って意のままに国を操って来たのだ。だが今度はそうはいかない。お前達が利用した世論。その世論によってお前達は破滅への道を進む。
私はビラを片手に執務室を後にした。これから今現在、王都にいる有力貴族達を集めた、緊急の対策会議が行われる。
私は会議室へ向かう前に陛下の執務室を訪れた。会議前に陛下と打ち合わせをするためだが、今回、この問題に選択の余地は無かった。
陛下の執務室をノックし扉を開けると、彼はまるで檻の中の獣の様にウロウロと部屋の中を歩き回っていた。
頭を抱えながらぶつぶつを1人事を呟いているせいで、私が部屋に入って来た事にさえ気付いていない様だ。
「陛下、会議室に貴族達が集まっているそうです。陛下の到着を皆が待っていると連絡がありましたのでお迎えにあがりました」
漸く私に気付いたジュリアスは私を縋る様な目で見た。
「……アルドベリク…。俺はどうしたら良いだろう…」そう情けない声を上げながら。
王として余りにも未熟…。国王ジュリアスをそう評した伯母の言葉を思い出す。
「…どう…とは?」
「王妃は餓死したのだぞ! そんな事が知れればジルハイムは許さないだろう?」
冷静に問いかけた私に彼は声を荒げた。
今更何を言っている? 全ての元凶は王として正しい判断さえ出来なかったお前ではないか!
「私はあの時聞いたはずです。罪を償わさなくて良いのかと。だが、それを拒んだのは王である貴方だ。それに、許されないからどうすると言うのですか? また隠蔽するのですか!? それともまた違う新しい理由を考えるのですか? それでジルハイムは納得すると思いますか? 真実を正直に話し詫びる。もはやそれしか道はございません」
怒りを覚えた私は、語気を強めきっぱりと言い切った。
「…そ…そうだな」
そんな私に彼は躊躇いがちに頷いた。
私と陛下が着くと、会議室はもう既に混乱を極めていた。
勿論、侍女長が悲鳴をあげ、あれだけの騒ぎになったのだ。アルテーシア様の死の本当の原因を知っている者もいた。
だが、直ぐに王による緘口令が引かれた事で、知らない者の方が圧倒的に多かった。
陛下を待つこの僅かな時間で、その知らなかった者達が知っている者達から真実を聞いたのだろう。
陛下の顔を見るなり何人もの貴族達が陛下に詰め寄った。
「陛下、王妃様は本当は餓死だったと!? それは真の事ですか!?」
陛下はその問いに頷く。
「皆、すまない…」
そう言って声を震わせながら…。
「どうするおつもりです! 王妃様が餓死なんて…。信じられない! そんな真実を話せば、ジルハイムの怒りは更に増すばかりでしょう!?」
「シルベールと側妃様には死んで貰う他ありませんな。こうなった以上、ジルハイムに2人の首を差し出し、精神誠意詫びるしか道はありませぬ」
「ふ…2人を処刑するのか…」
彼らの言い分に陛下は驚いた様に目を見開く。
「何を驚いておられるのです! 王妃様はジルハイムの王女ですよ。然も腹には陛下の子を宿しておられたと言うではありませんか!? 王族を殺めたのです! 当たり前ではありませんか!」
今までシルベールの持つ権力を恐れて、何も言えなかった者達が、皆、ここぞとばかりにシルベールとイヴァンナに対して罵詈雑言を繰り返す。
ふっ。現金な者だな。揃いも揃って責任逃れか…。私は溢れ出る笑いを噛み殺すのに必死だった。ここまでシルベールを付け上がらせたのは、奴の顔色ばかり伺っていたお前達ではないか…と。
それに処刑? 首を差し出す? 甘いな。そんな簡単に死なせる訳がないだろう? 処刑は最後の最後だ。それまで彼らにはたっぷりと苦しんで貰う。
アルテーシア様はお腹に子を宿しながら、何日もの間、満足に食事すら出来ずに亡くなったんだぞ。その間の彼女の絶望はどれ程のものだったかを思い知って貰う。
エリスだってそうだ。いつも侍女達から陰口をたたかれ、無視されていた。それ以外にも態と水をかけられたり、物が上から落ちて来たり、部屋を荒らされていた事だってあった。俺が知っているだけでこれだ。一体彼女がどれ程の嫌がらせを受けていたか計り知れない。
その挙句、イヴァンナの命により、手にアルテーシア様の食事を持ち、満足に受け身も取れない状況だった彼女は背中を押され、階段から転落した。
その時、誰かが漸く気付いた様だ。
「そう言えばシルベールは何処にいる! 陛下、彼を何処かに捕らえておられるのですか?」
「いや…。私は知らぬが…」
陛下が戸惑いながら答える。筆頭公爵である彼にもまた、会議の呼び出しはかかっていたはずだ。
それなのにシルベールの姿がない。
「もしや、逃げたのではないでしょうな」
誰かのその言葉で、公爵家のタウンハウスに遣いを出した。
暫くして遣いの者が慌てて帰って来た。
「陛下! 公爵は領地へとお戻りになられたそうです! その折、イヴァンナ様も同行されておられたとか」
「…そんな…」
報告を聞いて呆然とする陛下に大臣の1人が詰め寄った。彼は王妃様が亡くなった時、王宮にいて一部始終を見ていた男だ。
「まさか…陛下が逃したのではありますまいな?」
「そんなっ! 俺がそんな事、する訳がないではないか!?」
陛下は激昂して叫んだ。
「ですが王妃様がお亡くなりにになった時、貴方は宰相の言葉に逆らってまで、彼女を守ったではありませんか? あの時、宰相の言葉通り彼らを処罰していればこんな事にはならなかった…」
大臣はそう言って悔しそうに唇を噛んだが、お前にそれを言う資格はない! あの時、そばに居ながら口を噤んだ。お前はその1人ではないか…。
だが、陛下は本当に何も知らない。
実は彼に逃げる様に唆したのは私だ。
私はシルベールの耳元でそっと囁いた。
「ここだけの話しですがね。今回ビラが配られたのは王都だけのようですよ。領地の民達は誰も知らない…。逃げるなら今しか無い。会議が終われば貴方達は拘束されるでしょう。捕まれば極刑は免れない」
私は嘘は吐いていない。事実を教えてあげただけだ。だが、案の定2人は逃げ出した。
私は笑いを堪えるのに必死だった。全て思い通りだ。
「セオドリク様、後はお任せします」
私は呟いた。
セオドリク・ウィルターン
王妃アルテーシア様の元婚約者であり、エリスの兄でもある彼は、今回シルヴィア様に2人の私刑を強く願い出たと、伯母から手渡された手紙に書いてあった。
シルヴィア様もそれに頷いたと…。
既に彼はシルベールの領地に入っていると聞く。今頃、領地で2人の帰りを待ち侘びている事だろう。
陛下はイヴァンナを寵愛し、それに比例する様にアルテーシア様はその立場を失っていった。
そのイヴァンナが側妃として娶られる為に、背中を押したのが民意だ。
シルヴィア様は今、この国の民にどれ程の怒りを感じておられるのだろう。
だが、どんなに恨みに思っていても、彼女はやはり自分の祖国の民達を、完膚なきまでに痛めつける事は出来なかった様だ。
かなり強めのお灸…そう言ったところか…。
だが、これでシルベールとイヴァンナがアルテーシア様に行った非道は間違いなく炙り出されるだろう。
援助の再開。そして何より物流の再開がかかっているのだ。
民達はジルハイムから当たり前に行われていた、その善意の本当の価値を知った。飢えに苦しむ民達は間違いなく、王妃の死の真相を求めるだろう。そしてそんな領民を抱える貴族達もまた、今度こそ間違いなく彼らを追及するはずだ。
2年前、シルベールは世論を形成し、イヴァンナを側妃へと押し上げた。そして陛下のイヴァンナへの寵愛をいい事に、王宮内でその勢力を更に強めていった。
今ではそれこそ陛下でさえ、彼らにおいそれとは逆らえない程に…。
エラルド様、ジュリアス様。2代に渡って意のままに国を操って来たのだ。だが今度はそうはいかない。お前達が利用した世論。その世論によってお前達は破滅への道を進む。
私はビラを片手に執務室を後にした。これから今現在、王都にいる有力貴族達を集めた、緊急の対策会議が行われる。
私は会議室へ向かう前に陛下の執務室を訪れた。会議前に陛下と打ち合わせをするためだが、今回、この問題に選択の余地は無かった。
陛下の執務室をノックし扉を開けると、彼はまるで檻の中の獣の様にウロウロと部屋の中を歩き回っていた。
頭を抱えながらぶつぶつを1人事を呟いているせいで、私が部屋に入って来た事にさえ気付いていない様だ。
「陛下、会議室に貴族達が集まっているそうです。陛下の到着を皆が待っていると連絡がありましたのでお迎えにあがりました」
漸く私に気付いたジュリアスは私を縋る様な目で見た。
「……アルドベリク…。俺はどうしたら良いだろう…」そう情けない声を上げながら。
王として余りにも未熟…。国王ジュリアスをそう評した伯母の言葉を思い出す。
「…どう…とは?」
「王妃は餓死したのだぞ! そんな事が知れればジルハイムは許さないだろう?」
冷静に問いかけた私に彼は声を荒げた。
今更何を言っている? 全ての元凶は王として正しい判断さえ出来なかったお前ではないか!
「私はあの時聞いたはずです。罪を償わさなくて良いのかと。だが、それを拒んだのは王である貴方だ。それに、許されないからどうすると言うのですか? また隠蔽するのですか!? それともまた違う新しい理由を考えるのですか? それでジルハイムは納得すると思いますか? 真実を正直に話し詫びる。もはやそれしか道はございません」
怒りを覚えた私は、語気を強めきっぱりと言い切った。
「…そ…そうだな」
そんな私に彼は躊躇いがちに頷いた。
私と陛下が着くと、会議室はもう既に混乱を極めていた。
勿論、侍女長が悲鳴をあげ、あれだけの騒ぎになったのだ。アルテーシア様の死の本当の原因を知っている者もいた。
だが、直ぐに王による緘口令が引かれた事で、知らない者の方が圧倒的に多かった。
陛下を待つこの僅かな時間で、その知らなかった者達が知っている者達から真実を聞いたのだろう。
陛下の顔を見るなり何人もの貴族達が陛下に詰め寄った。
「陛下、王妃様は本当は餓死だったと!? それは真の事ですか!?」
陛下はその問いに頷く。
「皆、すまない…」
そう言って声を震わせながら…。
「どうするおつもりです! 王妃様が餓死なんて…。信じられない! そんな真実を話せば、ジルハイムの怒りは更に増すばかりでしょう!?」
「シルベールと側妃様には死んで貰う他ありませんな。こうなった以上、ジルハイムに2人の首を差し出し、精神誠意詫びるしか道はありませぬ」
「ふ…2人を処刑するのか…」
彼らの言い分に陛下は驚いた様に目を見開く。
「何を驚いておられるのです! 王妃様はジルハイムの王女ですよ。然も腹には陛下の子を宿しておられたと言うではありませんか!? 王族を殺めたのです! 当たり前ではありませんか!」
今までシルベールの持つ権力を恐れて、何も言えなかった者達が、皆、ここぞとばかりにシルベールとイヴァンナに対して罵詈雑言を繰り返す。
ふっ。現金な者だな。揃いも揃って責任逃れか…。私は溢れ出る笑いを噛み殺すのに必死だった。ここまでシルベールを付け上がらせたのは、奴の顔色ばかり伺っていたお前達ではないか…と。
それに処刑? 首を差し出す? 甘いな。そんな簡単に死なせる訳がないだろう? 処刑は最後の最後だ。それまで彼らにはたっぷりと苦しんで貰う。
アルテーシア様はお腹に子を宿しながら、何日もの間、満足に食事すら出来ずに亡くなったんだぞ。その間の彼女の絶望はどれ程のものだったかを思い知って貰う。
エリスだってそうだ。いつも侍女達から陰口をたたかれ、無視されていた。それ以外にも態と水をかけられたり、物が上から落ちて来たり、部屋を荒らされていた事だってあった。俺が知っているだけでこれだ。一体彼女がどれ程の嫌がらせを受けていたか計り知れない。
その挙句、イヴァンナの命により、手にアルテーシア様の食事を持ち、満足に受け身も取れない状況だった彼女は背中を押され、階段から転落した。
その時、誰かが漸く気付いた様だ。
「そう言えばシルベールは何処にいる! 陛下、彼を何処かに捕らえておられるのですか?」
「いや…。私は知らぬが…」
陛下が戸惑いながら答える。筆頭公爵である彼にもまた、会議の呼び出しはかかっていたはずだ。
それなのにシルベールの姿がない。
「もしや、逃げたのではないでしょうな」
誰かのその言葉で、公爵家のタウンハウスに遣いを出した。
暫くして遣いの者が慌てて帰って来た。
「陛下! 公爵は領地へとお戻りになられたそうです! その折、イヴァンナ様も同行されておられたとか」
「…そんな…」
報告を聞いて呆然とする陛下に大臣の1人が詰め寄った。彼は王妃様が亡くなった時、王宮にいて一部始終を見ていた男だ。
「まさか…陛下が逃したのではありますまいな?」
「そんなっ! 俺がそんな事、する訳がないではないか!?」
陛下は激昂して叫んだ。
「ですが王妃様がお亡くなりにになった時、貴方は宰相の言葉に逆らってまで、彼女を守ったではありませんか? あの時、宰相の言葉通り彼らを処罰していればこんな事にはならなかった…」
大臣はそう言って悔しそうに唇を噛んだが、お前にそれを言う資格はない! あの時、そばに居ながら口を噤んだ。お前はその1人ではないか…。
だが、陛下は本当に何も知らない。
実は彼に逃げる様に唆したのは私だ。
私はシルベールの耳元でそっと囁いた。
「ここだけの話しですがね。今回ビラが配られたのは王都だけのようですよ。領地の民達は誰も知らない…。逃げるなら今しか無い。会議が終われば貴方達は拘束されるでしょう。捕まれば極刑は免れない」
私は嘘は吐いていない。事実を教えてあげただけだ。だが、案の定2人は逃げ出した。
私は笑いを堪えるのに必死だった。全て思い通りだ。
「セオドリク様、後はお任せします」
私は呟いた。
セオドリク・ウィルターン
王妃アルテーシア様の元婚約者であり、エリスの兄でもある彼は、今回シルヴィア様に2人の私刑を強く願い出たと、伯母から手渡された手紙に書いてあった。
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