貴方の傍に幸せがないのなら

「みすぼらしいな……」

 戦地に向かった騎士でもある夫––ルーベル。
 彼の帰りを待ち続けた私––ナディアだが、帰還した彼が発した言葉はその一言だった。

 彼を支えるために、寝る間も惜しんで働き続けた三年。
 望むままに支援金を送って、自らの生活さえ切り崩してでも支えてきたのは……また彼に会うためだったのに。

 なのに、なのに貴方は……私を遠ざけるだけではなく。
 妻帯者でありながら、この王国の姫と逢瀬を交わし、彼女を愛していた。
 そこにはもう、私の居場所はない。

 なら、それならば。
 貴方の傍に幸せがないのなら、私の選択はただ一つだ。 

 


    ◇◇◇◇◇◇


 設定ゆるめです。
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