穏やかに生きたい(隠れ)夢魔の俺が、癖強イケメンたちに執着されてます。〜平穏な学園生活はどこにありますか?〜

春凪アラシ

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番外編

番外編②クロードの休日

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 7月の期末試験前の休日
 試験対策で朝から殺気立ってる寮内の談話室に勉強をする為立ち寄った俺は、その中に見慣れた濃茶色を見つけて声をかける。

「クロードもここで勉強?珍しいね」
「ああ、寮生に頼まれてな」
「寮生……?」

 クロードの答えを聞いた後改めて俺が彼の周囲を見ると、彼の同級生が死屍累々といった有様で床に転がっていた。

「もしかして徹夜?」
「そうでもしないと間に合わないと泣きつかれてしまって、実技と合わせてさっきまでは頑張っていたが限界が来たみたいだ」

 なるほど、うちの学校の試験は実技と筆記だけど、その対策を一気にやったならこの惨状も理解できる。ここまで話を聞いて俺はあることに気がついた。

「てことはクロードも徹夜してたんだよね?」
「ああ、久しぶりにしたな。この後少し鍛錬してから自分の対策をするつもりだ」

 この談話室に集まってる寮生は皆試験対策に追われて、身嗜みなんて二の次の修羅の形相になっている。かくいう俺もここ数日はヘアケアする時間が取れなくて少し髪が跳ねてしまっている。そんな中周りに頼まれて自分の時間を削って徹夜までしてるクロードは、俺と同じ条件かそれより大変なはずなのに

「なんでクロードそんなにかっちりしてるの」
「え?」

彼はしっかりと髪を上げ、皺一つない服に身を包んでいる。徹夜明けなのに清潔感さえ感じるその姿に俺は軽く慄いていた。

「徹夜と言っても合間にシャワーは浴びたから……かな?」
「え、じゃあその後髪あげ直したの?」

 俺の質問に疑問符を浮かべながら答えるクロードに俺はさらに問いかけた。クロードはいつも騎士らしくしっかり髪を纏め上げてるけど、休日の、それも徹夜の日でもそれを徹底してるのは凄いというかなんかこだわりを感じる。

「そんなに手間でもないからな」
「そうかもだけど、本当クロードってちゃんとしてるよね」

 俺なんて今日は髪の跳ねを誤魔化すためにラフに纏めてるのになぁ……
 そんな事を考えていた俺は試験からの現実逃避も兼ねてある事を思いついた。

「ねえ、たまにはクロードも髪型変えてみない?」

 クロードが返事を返す前に俺は軽く彼の前髪に手を触れる。やっぱり休日だから纏めてはいてもいつもよりは固め方が柔らかい。これなら結構簡単にできそう。流石に同じ寮内で生活してたら夜に髪下ろしてるのは見るけど、オフのそれとしっかりアレンジするのとでは全然違う。

「ね?ちょっとだけいいでしょ?」
「か、構わないが……お手柔らかに頼むな」
「任せて!」

 すっかりやる気になった俺はダッシュでヘアケア用品を部屋から取ってくる。
 どんなアレンジにしようかな?クロードはかっこいいからどんな髪型でも似合いそう。

 ◇

「じゃじゃーん!どう?」

 数分の格闘の後、完成した髪型を見てもらうため俺はクロードに手鏡を渡す。

「前髪があるのは少し落ち着かないな……ん、これって」

 クロードが少し所在なさげに前髪に触れながら俺を振り向く。

「そう!俺とお揃い!どう?いい感じじゃない?かっこいいよクロード!」
「うん、そうだな。ありがとう。今日はこれで過ごそうかな」

 俺と同じ片寄の下ろした前髪越しに優しい海色の瞳が見える。クロードのいつもの真っ直ぐ視線が見えるスタイルもいいけど、こういうのも似合うよね。

「クロードまだここで勉強する?俺も一緒にしていい?」
「いいぞ。わからない所があったら教えるよ」
「わーい!ありがと!助かる」

 俺達はお揃いの前髪で机に並んで座って勉強を始める。ちょっとした事だけどなんだかそれが嬉しい。今度は俺がサプライズで前髪あげてみようかな?あんまり上げたことないからクロードがどんな反応をするのか今から楽しみ。
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