穏やかに生きたい(隠れ)夢魔の俺が、癖強イケメンたちに執着されてます。〜平穏な学園生活はどこにありますか?〜

春凪アラシ

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番外編

番外編④ジンとの翌日

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 冬月祭の翌日、俺はジンから勝手に渡されたプレゼントのお返しをするためにジンを街に呼び出してアイスを奢ることにした。
 本当はその場でアイスを食べさせて解散したかったけど、立ったままでは食べづらいとジンに言われて俺は仕方なく公園に来ていた。

 そして今、俺はベンチに腰掛けたジンがアイスを食べ終わるのを待ってるんだけど――

「フレンも隣に座って欲しいな」
「はぁ!?なんで俺が……、ってなにこの視線!?」

 その正当性のないジンの要求に言い返しかけた途中で、俺は妙に周りの視線が俺達に集まっていることに気がつく。特に周りの女の子達が何やらヒソヒソしている。

「ああ、俺達少し目立っちゃってるかもね」

 ジンに言われて、俺はようやくこの悪目立ちしてる状況に気がついた。ジンは性格はともかく見た目だけはモデルみたいにいい。そして俺も自慢じゃないけど、割と目を引く見た目をしている。
 そんな中、ジンがアイスを俺に買わせて、彼が座る横で俺だけが立たされてるみたいに見えるこの状況は嫌な意味で周りの注目を集めてしまうシチュエーションらしい。

「……っ、変なことしたらすぐ帰るから」

 結局俺は周りの圧力に負け、仕方なくジンの隣に座ることにする。せめてもの防御壁として2人の間に鞄を置くことにした。

「フレンが隣にいるとそれだけで美味しくなるなぁ」

 そんな必死の抵抗を無視して、俺の嫌がってる態度まで楽しみながらアイスを口に運ぶジンの姿を見て、やっぱり性格が最悪だと思った。俺はその無駄に綺麗な作りの顔を精一杯睨みつけて抗議してみたけど、全く手応えがない。

 ◇

「……寒っ」

 ジンの横で嫌々ながら会話をしつつ座っていたら、だんだんと体が冷えてきた。12月も終わりだから外で座ったままだと体温は下がる一方だ。
 そうして少しでも温まろうと俺が腕を擦っていたら、急に首元が暖かくなった。

「え?」
「フレン寒いんでしょ、これで少しは暖かくなったかな?」

 気がつくと俺の首にはジンのマフラーが巻いてあった。いい素材でできてるのかすごく暖かい。

「あ、ありがと……」

 ジンっていつもは性格が悪いのに、こういう時だけ行動がスマートだからそのギャップに戸惑ってしまう。冬月祭のプレゼントもさりげなく渡されたし、ジンといると調子が狂いっぱなしだ。

「俺も冷えちゃったし、この後お茶でもどう?今の季節にぴったりのおすすめがあるんだよね」
「……俺もうお金ないし、ジンに奢られるのも嫌なんだけど」

 ずっと外に出てたから喉は乾いてるけど、冬月祭の出費で俺のお財布はすっからかんだし、ジンに借りを作るのも怖い。

「冬月祭の催しで同伴者の無料サービスがあるんだけど、これならどう?」
「それならまぁ、いいけど……」

 ジンの提案に俺は少し迷った後返事を返す。
 まあこれなら奢りではないし、ジンとの会話の内容が丁度続きの気になる所だったし、マフラーをしてても冷えた体はまだ寒かったから。今すぐ帰らずに少し寄り道する理由は本当にそれだけ……な筈。

 冷たい冬風を凌ぐため、顔を埋めたマフラーからは上品な良い香りがする。いつもジンからしているその匂いに包まれながら俺はジンに腕を引かれてエスコートされる。

 冬月祭のイレギュラーな翌日はこうしてゆっくりと過ぎていった。
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