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3年1学期
91話: 夏の海での大騒動 ⑥
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「カイ、どうしちゃったんだろう」
海魔との戦闘を労う為マッサージしてたのに、カイは急に海に飛び込んでしまった。それを遠目に見ながら俺は首を傾げる。あれだけ泳いだのにまだ泳ぎ足りないなんて余程海が好きなのかもしれない。
俺は海に入れないけど、入れたらそんなに楽しいのかな?ちょっと気になって、俺は浜辺に近づき、靴を脱いで片足だけ浸してみる。
確かにひんやりとした波が肌を撫でる感覚は夏の暑さを忘れるようで気持ちがいい。
「フレンさん、今日は大変な目に遭わせてしまってごめんなさいね」
そうやって浜辺で波と遊んでいたら、いつの間にかクリスフィアさんが近くに来ていた。
「いえ、クリスフィアさんのせいじゃないですし、無事に解決できてよかったです」
自然現象は仕方ないと思う。だけどこうして声をかけてくれるところに彼女の誠実さを感じた。
「貴方達がいなかったら、どうなっていたかわからないわ。また今度改めてお礼をさせてね」
俺がそれを断る前に、彼女は念押しするように優美な笑みを浮かべた。それを見て俺は察する。きっと彼女の立場ではこういう時、こうするのが1番正しくて落ち着くんだろう。だから俺はその気遣いを受け取る事にして口を開いた。
「俺ここに来れて良かったです。海に来れたの初めてだし、すごく綺麗でした。今日はありがとうございました!」
「そう言ってもらえて嬉しいわ。まだ時間はあるから楽しんでらしてね。」
真っ白な髪を優雅に靡かせて歩く彼女の背中を見送りつつ俺は置いたままだった荷物の所に向かった。
色々あって忘れてたけど、今日やっておきたいことが後一つだけ残ってるんだよね。
◇
「エリオ君、ちょっといい?」
探していた姿は割とすぐ見つかった。
俺は、木陰でドリンクを飲んでいるエリオ君の横に立って声をかける。
「せ、先輩?ぼ……僕に何かご用ですか?」
「うん、ちょっとね。今何してたの?忙しい?」
そのまま俺はエリオ君から背中が見えないようにして、隣に腰掛ける。
「い、いえ少し疲れたので休憩してただけです」
「そっか、さっきはお疲れ様!じゃあこれ、少し早いけど……」
俺は背中に隠していた包みをエリオ君に差し出した。竜族が好む空色の包装で包まれたそれを首を傾げながら受け取るエリオ君に俺は言葉を続ける。
「誕生日そろそろだよね?この間のお返し。開けてみて」
「え……!ありがとうございます!」
俺に言われて包みを開けたエリオ君が目を丸くする。
「本……?」
「うん!これ、妖精族の羽についての本なんだけど、妖精族の中でしか流通してないからまだ読んだ事ないかなって」
妖精族にとっての羽根の意味とか、種類とかが詳しく載ってるちょっとニッチな種族特徴解説本。エリオ君は俺が貸した本も全部しっかり読んでくれたから珍しいものを渡したくてこれを選んだ。
「表紙も綺麗でしょ?妖精族の伝統模様なんだよ、それ」
「すごく、嬉しいです。大切にします!!フレン先輩!」
大事そうに本を抱きしめてお礼の言葉をかけてくれたエリオ君を見て、俺はこのプレゼントにして良かったと思った。
潮風に包まれながら、俺は何事もなかったかのように輝いてる海を眺める。
最初はなかなか凄い性格の子だなぁと思っていたけど、関わっていくうちに根は素直で頑張り屋さんな事を知った。少しプライドが高いけど優しい、可愛い俺の後輩と過ごす浜辺での時間は夏らしい素敵なものだと、そう思った。
海魔との戦闘を労う為マッサージしてたのに、カイは急に海に飛び込んでしまった。それを遠目に見ながら俺は首を傾げる。あれだけ泳いだのにまだ泳ぎ足りないなんて余程海が好きなのかもしれない。
俺は海に入れないけど、入れたらそんなに楽しいのかな?ちょっと気になって、俺は浜辺に近づき、靴を脱いで片足だけ浸してみる。
確かにひんやりとした波が肌を撫でる感覚は夏の暑さを忘れるようで気持ちがいい。
「フレンさん、今日は大変な目に遭わせてしまってごめんなさいね」
そうやって浜辺で波と遊んでいたら、いつの間にかクリスフィアさんが近くに来ていた。
「いえ、クリスフィアさんのせいじゃないですし、無事に解決できてよかったです」
自然現象は仕方ないと思う。だけどこうして声をかけてくれるところに彼女の誠実さを感じた。
「貴方達がいなかったら、どうなっていたかわからないわ。また今度改めてお礼をさせてね」
俺がそれを断る前に、彼女は念押しするように優美な笑みを浮かべた。それを見て俺は察する。きっと彼女の立場ではこういう時、こうするのが1番正しくて落ち着くんだろう。だから俺はその気遣いを受け取る事にして口を開いた。
「俺ここに来れて良かったです。海に来れたの初めてだし、すごく綺麗でした。今日はありがとうございました!」
「そう言ってもらえて嬉しいわ。まだ時間はあるから楽しんでらしてね。」
真っ白な髪を優雅に靡かせて歩く彼女の背中を見送りつつ俺は置いたままだった荷物の所に向かった。
色々あって忘れてたけど、今日やっておきたいことが後一つだけ残ってるんだよね。
◇
「エリオ君、ちょっといい?」
探していた姿は割とすぐ見つかった。
俺は、木陰でドリンクを飲んでいるエリオ君の横に立って声をかける。
「せ、先輩?ぼ……僕に何かご用ですか?」
「うん、ちょっとね。今何してたの?忙しい?」
そのまま俺はエリオ君から背中が見えないようにして、隣に腰掛ける。
「い、いえ少し疲れたので休憩してただけです」
「そっか、さっきはお疲れ様!じゃあこれ、少し早いけど……」
俺は背中に隠していた包みをエリオ君に差し出した。竜族が好む空色の包装で包まれたそれを首を傾げながら受け取るエリオ君に俺は言葉を続ける。
「誕生日そろそろだよね?この間のお返し。開けてみて」
「え……!ありがとうございます!」
俺に言われて包みを開けたエリオ君が目を丸くする。
「本……?」
「うん!これ、妖精族の羽についての本なんだけど、妖精族の中でしか流通してないからまだ読んだ事ないかなって」
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