今さら「間違いだった」? ごめんなさい、私、もう王子妃なんですけど

有賀冬馬

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私はすっかり、王宮での生活に慣れていた。リアムとの結婚は、私の人生を大きく変えてくれた。毎日が充実していて、たくさんの学びがあった。隣国の妃として、この国の発展のために尽くせること。そして、何よりもリアムの隣で、彼を支えることができる喜び。それは、かつての私が想像もできなかった、かけがえのない幸せだった。

王宮の中庭で、リアムと二人で散歩をしていた時のことだった。ちょうど、朝の光が差し込んで、花壇の花々がきらきらと輝いている。

「サラ、最近は本当に頼もしくなったね。もう、僕がいなくても大丈夫なくらいだ」

リアムが、からかうようにそう言うと、私は頬を膨らませた。

「そんなことありません! リアムがいなければ、私は何もできませんよ」

私がそう言うと、リアムは優しく笑って、私の頭を撫でてくれた。

「君は、僕が誇りに思う妃だよ」

彼の温かい言葉に、私の心は満たされていった。この幸せが、ずっと続けばいいのに。心からそう願った。

そんな穏やかな日々が続いていたある日、王宮に衝撃的な報せが届いた。リアムの執務室で、彼と二人きりで書類の整理をしていた時のことだった。いつもは落ち着いている文官たちが、慌てた様子で駆け込んできたのだ。

「陛下! 大変でございます! ディアルド王国より、緊急の書状が届きました!」

文官が差し出した書状を受け取ったリアムの顔が、みるみるうちに険しくなった。ディアルド王国。それは、ラミエル様が住む国だった。私の心が、ざわめき始めた。

「……何だと?」

書状を読み終えたリアムの声が、低く響いた。

「ディアルド王国が、戦争で劣勢に立たされていると……。 そして、我々の国に援軍を要請してきた、と?」

その言葉を聞いた瞬間、私の背筋に冷たいものが走った。戦争……。そして、ディアルド王国。ラミエル様の国が、困っている?

リアムはすぐに、重臣たちを集めて会議を開いた。私も、リアムの隣でその会議に参加した。会議室に集まった皆の顔は、誰もが深刻な表情をしていた。

「ディアルド王国は、我々の隣国でございます。もし、このまま彼らが敗北すれば、我が国にも影響が出かねません」

一人の老臣が、重々しい声で言った。

「しかし、安易に援軍を送るわけにもいきません。我が国の兵士たちの命を危険に晒すことになります」

別の将軍が、腕を組んで眉をひそめた。

議論は白熱した。どちらの意見も、国のことを思ってのことだ。私は、黙って皆の言葉に耳を傾けていた。その間にも、私の頭の中では、様々な考えが渦巻いていた。

もし、ディアルド王国に援軍を送ることになれば、外交の場が設けられるはずだ。そして、その場には、ディアルド王国の代表者が現れるだろう。

もしかしたら……ラミエル様と、再会することになるのかもしれない。

私の心臓が、ドクン、と大きく跳ねた。あの男に、もう一度会うことになるなんて。あの時の屈辱が、鮮やかに蘇る。でも、私はもう、あの頃の私ではない。弱くて、泣いてばかりいた、商人の娘ではないのだ。

会議が終わり、リアムと二人きりになった時、彼は私の顔を心配そうに覗き込んだ。

「サラ、君の故郷の国だから、複雑な気持ちだろう?」

私が頷くと、リアムは私の手を取った。

「僕は、君に無理はさせたくない。もし、君がその外交の場に立つのが辛いなら、僕が一人で行こう」

リアムの優しい言葉に、私は胸がいっぱいになった。彼は、いつも私の気持ちを一番に考えてくれる。

「いいえ、リアム。私も行きます」

私は、リアムの目を見て、はっきりと言った。

「私は、もうあの日の私ではありません。そして、ディアルド王国は、私の故郷の国。もし、私がこの国の妃として、少しでも役に立てることがあるのなら、喜んでその場に立ちます」

私の言葉に、リアムは少し驚いた顔をした。そして、すぐに優しい笑顔を浮かべた。

「そうか。サラがそう決めるなら、僕も安心だ」

彼は、私の手をぎゅっと握りしめた。彼の温かい手に、私は勇気をもらった。

ラミエル様と再会することは、きっと私にとって、試練になるだろう。でも、私はもう逃げない。過去の自分と、そして、彼と向き合う時が来たのだ。




数日後、ディアルド王国の使節団が、私たちの国に到着した。王宮の広間は、厳かな空気に包まれていた。私は、リアムの隣に立ち、使節団の到着を待っていた。

今日のために特別に仕立てられた、美しいドレスを身につけていた。濃い青色の生地には、繊細な銀の刺繍が施され、私の髪には、きらめく宝石をあしらった髪飾りが飾られている。平民だった頃の私には、想像もできないほど豪華な装いだった。

広間の扉がゆっくりと開かれ、ディアルド王国の使節団が入場してきた。彼らは皆、疲労困憊しているように見えた。その中に、見慣れた顔を見つけた時、私の心臓が大きく跳ねた。

ラミエル様だった。

彼の顔は、以前の精悍な面影は残っているものの、どこかやつれて見えた。額には深い皺が刻まれ、瞳の輝きも失われているように見える。彼は、王宮の広間の豪華さに圧倒されているのか、どこか落ち着かない様子だった。

彼の隣には、あの高慢な貴族令嬢がいた。彼女もまた、以前のような華やかさはなく、どこか憔悴しているように見えた。

ラミエル様は、私の方に視線を向けた。そして、私を一目見た途端、彼の顔は驚きに染まり、目を見開いた。まるで、幽霊でも見たかのような顔をしていた。

彼の視線は、私のドレス、髪飾り、そして私の顔へとゆっくりと移動した。そして、彼の口が、まるで呼吸を忘れたかのように、半開きになったまま固まっている。

彼は、私が誰なのか、すぐに理解したようだった。信じられない、という表情で、彼は何度も瞬きを繰り返した。

その隣の貴族令嬢も、私の方を見た。彼女もまた、私を見て、目を見開き、信じられないというように口元を押さえた。私を蔑んだあの時の記憶が、彼女の脳裏にも鮮明に蘇ったのだろうか。

私は、一切の感情を顔に出さなかった。ただ、冷めた目でラミエル様を見つめ返した。かつての私を捨てた男が、今、私の目の前で、信じられないという顔をしている。

リアムは、私の変化に気づいたのか、そっと私の腰に手を回し、安心させるように軽く撫でた。私は、彼の温かい手に、静かに感謝した。

外交交渉の席に着き、会議が始まった。ディアルド王国の代表者が、自国の窮状を話し始めた。彼らの言葉は、切羽詰まっていて、いかに戦争で追い詰められているかが伝わってきた。

その間も、ラミエル様は、何度も私に視線を送ってきた。彼の瞳には、驚きと、そして後悔のような感情が入り混じっているように見えた。かつて、平民だと蔑んだ私が、今や隣国の妃として、彼らの未来を左右する場所にいる。その事実に、彼は戸惑っているのだろう。

私の心は、驚くほど冷静だった。かつての悲しみや怒りは、もうそこにはなかった。ただ、目の前の現実を、静かに受け止めていた。





外交交渉は、予想通り、厳しいものになった。ディアルド王国の代表者たちは、自国の劣勢を必死に訴え、私たちからの援軍を懇願した。彼らの顔は、誰もが疲労困憊していて、藁にもすがるような必死さが伝わってくる。

その中で、ラミエル様が口を開いた時、私の心臓が小さく音を立てた。彼は、私をまっすぐに見つめた。

「サラ……いや、妃殿下」

彼の声は、あの頃の自信に満ちた響きとは違い、どこか震えているように聞こえた。彼は、私に助けを求めるように、必死な顔で訴え始めた。

「妃殿下。貴女は、かつて我々の国で暮らしていた。そして、私と婚約を……」

彼がそこまで言った時、私は静かに彼を遮った。私の声は、会議室に響き渡るほど、はっきりと、そして冷たく響いた。

「ラミエル様。この場は、外交の席です。個人の感情や、過去のしがらみは、一切関係ありません」

私の言葉に、ラミエル様はハッと息をのんだ。彼の顔に、驚きと、そして後悔の色が浮かぶのが分かった。あの時の私なら、きっと泣き出していただろう。でも、今の私は違う。この国の妃として、毅然としていなければならない。

私は、ラミエル様の言葉を無視して、冷静に続けた。

「私たちは、あくまでこの国の国益を優先します。もし、ディアルド王国に援軍を送るとなれば、それ相応の条件が必要となります」

私の言葉に、ディアルド王国の代表者たちの顔が青ざめる。ラミエル様の隣に座っていた貴族令嬢も、私を睨みつけるような目で見ていたけれど、何も言えずに唇を噛みしめていた。

リアムが、私の手元にそっと置かれた書類を指し示した。私はそれを見て、ゆっくりと口を開いた。

「まず、援軍を派遣する対価として、国境付近の鉱山採掘権を、我が国に譲渡していただきます」

その言葉に、ディアルド王国の代表者たちがざわめいた。鉱山採掘権は、国にとって重要な資源だ。それを譲渡するということは、彼らにとって大きな痛手になる。

「さらに、戦後の復興支援として、多額の賠償金を支払っていただきます」

私の言葉は、一切の容赦がなかった。冷たいほどに、冷静だった。

ラミエル様は、まるで私という存在が、理解できないかのように、ただ呆然と私を見つめていた。彼の瞳には、あの時、私を蔑んだ傲慢さは、もうどこにも見当たらない。ただ、ひれ伏す寸前のような、弱々しい感情が揺れているだけだった。

私は、彼の瞳の奥に、かつての自分を見た気がした。あの時、彼に裏切られ、絶望の淵に立たされた、みじめな私を。

「平民の私を選ばなかった、あなたの見る目が残念でしたね」

私は、心の中でそう呟いた。そして、その言葉を、会議室に響き渡る声で、はっきりと口にした。

「平民の私を選ばなかった、あなたの見る目が残念でしたね」

私の言葉が、会議室に重く響き渡った。ラミエル様の顔から、血の気が引いていくのが分かった。彼は、まるで全身の力が抜けたかのように、椅子に深く沈み込んだ。その隣の貴族令嬢は、顔を真っ青にして、震える手で口元を覆っている。

ラミエル様は、ゆっくりと顔を上げた。彼の瞳は、私に懇願するように、そして、心の底から後悔しているように見えた。

「サラ……本当に、すまないことをした……どうか、どうか……」

彼は、私に許しを請うように、手を差し伸べようとした。しかし、私はその手を冷たく見下ろした。

「もう、手遅れです」

私の言葉は、彼の心を深く抉る。彼の目に、絶望の色が浮かんだのが分かった。彼は、私という存在を、完全に失ってしまったのだと、今、この瞬間、理解したのだろう。

外交交渉は、その後も続いたけれど、ラミエル様はもう、何も話すことができなかった。彼の国の代表者が、私たちの提示した条件を飲むしかない、という結論に至った。彼らは、戦争で国が滅びる寸前なのだから、拒否する選択肢などなかった。

会議が終わり、ディアルド王国の使節団が退席していく。ラミエル様は、最後まで私に視線を送っていたけれど、私はもう彼を見ることはなかった。彼は、私を軽んじた代償を、これから国全体で払っていくことになるだろう。



会議室を出ると、リアムが私の手を握ってくれた。

「お疲れ様、サラ。よく頑張ったね」

彼の優しい声に、私の心の奥底にあった、張り詰めていた糸が、プツンと切れたような気がした。私は、リアムに寄りかかり、小さく息を吐いた。

「ありがとう、リアム。あなたの隣にいられたから、頑張れました」

彼がいてくれたからこそ、私はあの場に、強く立つことができたんだ。

私たちは、二人きりで王宮の庭園を散歩した。夕日が沈み始め、空が茜色に染まっている。オレンジ色の光が、私の心を温かく包んでくれるようだった。

「これで、ディアルド王国も、我が国の支配下に入ったようなものだね」

リアムが、少し複雑な表情で言った。

「彼らにとっては、辛い選択だったでしょう。でも、これが最善の道だったはずです」

私は、そう答えた。決して、彼らを苦しめたくて厳しい条件を突きつけたわけではない。この国の未来のために、そして、国民の安全を守るために、必要なことだった。

「サラは、本当に立派だ。あの時の君は、誰よりも強く、美しかったよ」

リアムは、私の手を握りしめ、私の目を真っすぐに見つめた。彼の瞳には、私への深い愛情と、尊敬の気持ちが満ち溢れているのが分かった。

「私を信じてくれて、ありがとう、リアム」

私は、リアムの腕の中に飛び込んだ。彼の温かい腕が、私を優しく包み込む。彼の胸に顔を埋めると、彼の心臓の音が、トクン、トクン、と穏やかに響いてきた。

ラミエル様との婚約破棄は、私にとって、想像を絶する苦しみだった。あの時は、もう二度と幸せになれないんじゃないかと、心から絶望した。でも、あの経験があったからこそ、私はリアムと出会い、本当の愛と、自分自身の強さを見つけることができたんだ。

「これからは、もっと忙しくなるかもしれないね」

リアムが、私の髪を優しく撫でながら言った。

「ええ。でも、リアムと一緒なら、どんなことでも乗り越えられます」

私は、彼の胸の中で、顔を上げた。私の瞳には、もう過去の悲しみは映っていない。ただ、未来への希望と、リアムへの深い愛情だけが輝いている。

ディアルド王国は、私たちの提示した条件を受け入れ、どうにか国を立て直していくことになった。ラミエル様は、二度と私の前に姿を現すことはなかった。彼が、あの後どうなったのか、私は知ろうとも思わなかった。私にとって、彼はもう、過去の存在に過ぎなかった。

私は、リアムと共に、この国の未来を築いていく。国民に寄り添い、彼らの幸せのために尽くす。そして、リアムの隣で、永遠の愛を育んでいく。

私は、もう振り返らない。私の前には、リアムという光が、いつでも輝いているのだから。
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