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好きな人に
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彩世はそのまま那月の体をぎゅっと抱き締めた。完全に体を預けている状態になった那月は、身動きが取れないまま胸に顔を埋める。
「…っせ、先輩、」
「俺、ずるいんだよ」
「…へ」
「正直、自信が少しも無かった訳じゃない。でも好かれてるかもって自信と、男同士だし断られるかもって不安が半々で…。やっぱり返事を聞くってなったらすごい緊張してて…」
一一一先輩の胸、シャツ越しにすごいドクドクいってる…。それに体が熱くて、この匂い…。出会った時にカーディガンをかけてくれた時と同じ。安心するいい匂いだ…。
「…っでも、あの子の告白を見守ってたのも、多少期待してたからだと思う。ナツくんは俺を選んでくれるかなって…。だからすごくずるいし、嫌な奴だよね」
「…っそんなこと!」
「ナツくんのことになると…俺、優しくて良い奴だけではいられないかも。少しのことで一喜一憂するし、俺のものにしたいってずるくもなっちゃう」
「…先輩、」
腕の力強さを感じて、彩世も緊張しているんだろうということが伝わってくる。那月は涙を拭い、体は抱き締められたままゆっくり顔を上げた。
「…え、あ、あの。さっき僕の気持ちも聞いて…?」
「あ…、えっと、うん…」
「!!えええっ、いや、直接言うつもりだったんです!返事する時にちゃんと言おうって…!」
一一一あんな熱弁聞かれてたなんて恥ずかしすぎる!!なんで人に話してるの聞かれる方が、こんなに恥ずかしいんだ!!
「うん。だから…今聞かせて?返事」
「…っあ」
「このまま聞きたい」
すぐ近くに、目の前に彩世の顔がある。優しく微笑みかけてくるその表情は今までで1番かもしれない。
一一一いや、前言撤回。こっちの方が何倍も恥ずかしいかも…。
「……あ、あの。ぼ、僕」
「うん」
「…~~~っい、彩世先輩のこと!!」
「うん」
「す、す、好きです!!僕も好きです!」
那月は顔を真っ赤にして目を潤ませながら大きな声を出した。
「…うん、ありがとう。じゃあ、俺と付き合ってくれる?」
「!!はっ、は、は、はい…!よろしくお願いします!!」
「…っはぁーーー、よかったぁ!」
一一一言えた…言えたんだ。先輩に好きって言えた!!付き合うって…僕と先輩は、今から恋人になったってこと…だよね。先輩と…両思いになれたんだ…!
それでも、嬉しそうに微笑み合う2人。那月にとっては人生で初めての告白で、「好き」と伝えるだけでも緊張は計り知れない。
また力が入らない足をカクカクと震わせて、彩世の体にもたれるように捕まった。
「だ、大丈夫?足震えてるよ」
「すいません…、緊張が解けて…足に力が…」
「ああ、そっか…。じゃあ俺にそのまま捕まって」
「………へ?えっ!!?うわぁあ!?」
彩世は少し体勢を変えて、那月の体をお姫様抱っこで軽々と抱き上げた。突然宙に浮いた那月は訳が分からず、必死に彩世にしがみつく。
「えええっ、あ、あの!!先輩、僕重いから…!」
「重くないよ。軽すぎ」
「ひぃぃ!!あの、ど、どこに!!?」
「んー、ナツくんが落ち着くまで2人きりになれる所行こうと思って。そんな状態でみんなの目につく所戻せないし」
「ぅえええ!?」
2人がやって来たのは、いつも昼に会っている中庭。グラウンドの近くでもあって、太鼓や笛の音、生徒達の声は微かに聞こえてくる。
那月をベンチに降ろし、彩世はその隣に腰掛けた。
「…っせ、先輩、」
「俺、ずるいんだよ」
「…へ」
「正直、自信が少しも無かった訳じゃない。でも好かれてるかもって自信と、男同士だし断られるかもって不安が半々で…。やっぱり返事を聞くってなったらすごい緊張してて…」
一一一先輩の胸、シャツ越しにすごいドクドクいってる…。それに体が熱くて、この匂い…。出会った時にカーディガンをかけてくれた時と同じ。安心するいい匂いだ…。
「…っでも、あの子の告白を見守ってたのも、多少期待してたからだと思う。ナツくんは俺を選んでくれるかなって…。だからすごくずるいし、嫌な奴だよね」
「…っそんなこと!」
「ナツくんのことになると…俺、優しくて良い奴だけではいられないかも。少しのことで一喜一憂するし、俺のものにしたいってずるくもなっちゃう」
「…先輩、」
腕の力強さを感じて、彩世も緊張しているんだろうということが伝わってくる。那月は涙を拭い、体は抱き締められたままゆっくり顔を上げた。
「…え、あ、あの。さっき僕の気持ちも聞いて…?」
「あ…、えっと、うん…」
「!!えええっ、いや、直接言うつもりだったんです!返事する時にちゃんと言おうって…!」
一一一あんな熱弁聞かれてたなんて恥ずかしすぎる!!なんで人に話してるの聞かれる方が、こんなに恥ずかしいんだ!!
「うん。だから…今聞かせて?返事」
「…っあ」
「このまま聞きたい」
すぐ近くに、目の前に彩世の顔がある。優しく微笑みかけてくるその表情は今までで1番かもしれない。
一一一いや、前言撤回。こっちの方が何倍も恥ずかしいかも…。
「……あ、あの。ぼ、僕」
「うん」
「…~~~っい、彩世先輩のこと!!」
「うん」
「す、す、好きです!!僕も好きです!」
那月は顔を真っ赤にして目を潤ませながら大きな声を出した。
「…うん、ありがとう。じゃあ、俺と付き合ってくれる?」
「!!はっ、は、は、はい…!よろしくお願いします!!」
「…っはぁーーー、よかったぁ!」
一一一言えた…言えたんだ。先輩に好きって言えた!!付き合うって…僕と先輩は、今から恋人になったってこと…だよね。先輩と…両思いになれたんだ…!
それでも、嬉しそうに微笑み合う2人。那月にとっては人生で初めての告白で、「好き」と伝えるだけでも緊張は計り知れない。
また力が入らない足をカクカクと震わせて、彩世の体にもたれるように捕まった。
「だ、大丈夫?足震えてるよ」
「すいません…、緊張が解けて…足に力が…」
「ああ、そっか…。じゃあ俺にそのまま捕まって」
「………へ?えっ!!?うわぁあ!?」
彩世は少し体勢を変えて、那月の体をお姫様抱っこで軽々と抱き上げた。突然宙に浮いた那月は訳が分からず、必死に彩世にしがみつく。
「えええっ、あ、あの!!先輩、僕重いから…!」
「重くないよ。軽すぎ」
「ひぃぃ!!あの、ど、どこに!!?」
「んー、ナツくんが落ち着くまで2人きりになれる所行こうと思って。そんな状態でみんなの目につく所戻せないし」
「ぅえええ!?」
2人がやって来たのは、いつも昼に会っている中庭。グラウンドの近くでもあって、太鼓や笛の音、生徒達の声は微かに聞こえてくる。
那月をベンチに降ろし、彩世はその隣に腰掛けた。
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