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第二章 粗野な者たち ※ギャグ多めです
第24話 調印式、宴、温泉、そして、恋バナ!?
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以前、スライム族が建設した野球上のマウンド付近に、一つの簡素な長机が据えられていた。
その周囲には、スライム族とゴブリン族の代表者たち――そして見守る村人たちの姿がある。
今日、この地で、ふたつの種族が正式に手を取り合う。
――和平協定の調印式である。
その簡素な机の上には、スライム族の職人が丁寧に用意した調印文が広げられていた。
筆が運ばれ、まずはゼルミスが、そしてエメルダが交互にそれぞれの印を押す。
「……これにて、和平は成立だ」
ゼルミスがゆっくりと口にした瞬間、広場に拍手が広がった。
エメルダは腕を組んだまま、ふっと鼻を鳴らす。
「ま、形だけじゃなく、ちゃんと行動でも示してくれよな」
「ふむ。わしらも、その覚悟だ」
二人が正面から視線を交わし、やがて互いにわずかにうなずいた。
その様子を見て、ビーノとゴッチは思わず感慨深げに呟く。
「……ほんとに、こんな日が来るとはなぁ……」
「もう、あの胃が痛くなるような魔素回収をしなくてよくなる……」
二人は揃って、そっと自分の腹をさすった。
そして――
式の終了とともに、村の広場には香ばしい匂いと、湯気と、にぎやかな音が満ち始めた。
―――
フィリアの森の恵み。
スライム族が、フィリアの森で採れた食材を調理し、それを味わう“宴”が開かれた。
野球場の中央には大鍋が置かれ、周囲には焼き台や樽、山盛りの果実と香草。
子どもたちは走り回り、大人たちは肩を並べて酒を酌み交わす。
「うおぉぉ! この肉! なにこの柔らかさッ!」
「うひゃああっ! こっちのきのこ汁、魔素回復量バグってんだけど!?」
「ちょ、誰か踊りだしたぞ!?」
ビーノとゴッチは、酒をぐいぐいと注いで回る。
「姉御、ほらっ、ルノアさんのとこから貰ったやつ!」
「……うまいじゃねぇかこれ」
それは、まさに――
言葉よりも、何倍も早く心を通わせる「宴」だった。
宴の中心で、アマトはやや離れた木陰から、その光景をぼんやりと眺めていた。
「……にぎやかだな」
横で腰を下ろしていたゼルミスが、ふっと笑う。
「にぎやかでよい。戦で血を流すより、こうして酒で顔を赤くする方が、何倍もよいものですわい」
「……まあな」
アマトは気だるそうにそう答えながら、杯を持ったまま空を見上げた。
日が沈み、星がひとつ、またひとつと瞬きはじめる。
そしてこの夜は、まだ――続いていた。
―――
宴が終わり、夜はさらに更けていく。
フィリアの森にある「フィリアの聖泉《おんせん》」が、この日に向けて整備され、男女別の温泉が作られていた。
男湯では、ゴブリンとスライムの男たちが湯に浸かり、肩を並べて談笑していた。
「ぬおおお~……この泉、魔素がじんわり染みてくる感じがたまんねぇ……」
「ほんとに混浴じゃないのが悔やまれるな……」
「でもさ、ミィナちゃんとか来たら、オレ心の魔素が暴走するわ……」
そんなバカ話に混じって、ビーノとゴッチも肩まで湯に浸かりながら気持ちよさそうにしていた。
そのとき――
女湯から、よく通る声が響いた。
「ミィナ姉ちゃんって、やっぱりすごいよね! でっか……!」
男湯の空気が、ピタリと止まる。
――そして、神託のごとく澄んだ声色で、男湯の空気を貫いた。
「ふふっ、そんなことないわよ、ネトちゃん。女の子は中身の方が大事なの」
ピシッ。男湯の湯舟が氷で凍てつく――
――そして次の瞬間。
「ネトォォォォォ!!」
ビーノが絶叫。
ゴッチが目を剥き、咆哮する。
「てめぇ、なんでそっちにいやがるっ!! こんなことのために助けたんじゃねぇぞ!! 恩をあだで返すのか!!」
「俺の……俺のミィナちゃんがあああ……っ!!」
「俺らは何も見てねぇってのに!!」
「今、触ってねぇだろうなっ!?」
怒りと絶望、嫉妬と本能が混ざり合い、男湯は一気に戦闘態勢に突入する。
「行くぞ、野郎ども!!」
ビーノとゴッチの号令に、男たちは一斉に立ち上がる。
「おうっ!!」
――全会一致。
風呂場の裏手、脱衣所の木塀の陰へ、男どもはなだれ込んだ。
「よし、ノゾキ穴はこのへん……」
「急げ……!」
「ネトが見たなら、俺たちも平等に見せてもらわねぇと……!」
ギラつく目。忍ぶ足取り。
その場には、もはや一切の理性は存在していなかった。
だがその時――
スッ……と、塀の向こうから一本の棍棒が音もなく突き出される。
ゴンッ!!
「ブベェッ!!?」
先頭のビーノとゴッチが、脳天に直撃を食らい、回転しながら吹き飛んだ。
「どこ見てんだコラァァァァ!!」
怒号。地鳴りのような声。
ノゾキ穴の向こうに現れたのは、鬼の形相のエメルダだった。
その姿に、男たちは一斉に凍りつく。
――のぞき隊、全滅。
そして、男湯からはおよそ生命反応らしきものが一切感じられなくなった。
―――
のぞき騒動から数分後――
女湯には、湯気と共に静けさが戻っていた。
エメルダは湯縁に肘を乗せながら、軽く鼻をすすった。
「……まったく、何が“平等に見せてもらわねぇと”だ。ぶっ飛ばすぞ」
その横で、ルノアがくすくすと笑う。
「ま、もうぶっ飛ばしてたけどな」
「……手加減してやったがな」
「はいはい」
と軽く流しながら、ルノアはちらりとミィナを見る。
そのミィナは、肩までお湯に浸かり、頬をほのかに染めながら黙っていた。
「……でもなんか不思議ですね。さっきまで騒がしかったのに、今はすごく静かで……」
ぽつりとつぶやいたミィナの声に、ふと空気が柔らかくなる。
ルノアは湯に肩まで沈めながら、意味ありげな笑みを浮かべた。
「……で、正直に聞こうじゃない。
ミィナ、アマト様のこと、好きでしょ?」
「っ……!」
ミィナは湯の中に沈みかけるが、すぐに顔を出し、真っ赤な頬のまま小さくうつむいた。
「……その、えっと……はい。たぶん、す……好きです……」
「たぶん、じゃないでしょ」
ルノアが笑いながら突っ込む。
ミィナは慌てて湯の中に顔を沈め、ぶくぶくと泡を立てた。
「……アマト様は、誰にでも優しいしな。惚れる気持ちは、わからんでもない」
エメルダがややぶっきらぼうに言う。
「ってことは、エメルダもってこと?」
ルノアがすかさず切り込む。
「なっ……!? ち、ちが……う…ぞ…!」
エメルダは湯気の中で目を泳がせ、耳まで真っ赤に染まっていた。
「じゃあ、あの鼻血は何だったのさ?」
「いや、あれは、ちが……違うぞ……!」
「ふーん?」
ルノアがにやにやと笑い、ミィナも思わずくすりと笑う。
しばしの沈黙が湯の表面に波紋のように広がった。
そして――
「……やっぱ、ライバルか」
「……ですね」
「……まぁ、殺しはしないよ」
三人の声が、不思議と同時に重なった。
湯けむりの中、三人の間に妙な一体感が生まれていく。
恋と誇りと、そして友情――
それは、確かに、女湯の中で静かに芽生えはじめていた。
そんな中、ルノアがふっと口元を緩める。
「だけど、俺は一歩リードだな!」
「は? なんでさ?」とエメルダが眉をひそめる。
「アマト様から……アマト様の前世の記憶の話、聞いたんだぜ?」
どや顔で湯の縁に肘をかけるルノア。
「えっ……」
ミィナの目が見開かれ、その声は湯気にかき消された。
「なんだとぉぉ!? おれにも聞かせろっ!」
バシャッと湯を跳ねさせながら、エメルダが勢いよく立ち上がる。
だが、ルノアは勝ち誇ったようにふんぞり返る。
「教えるわけねぇだろ。これはオレとアマト様の一生の秘密だ。絶対、誰にもはなさねぇ!」
「ヌヌヌゥゥ……」
エメルダが唸りながらも、肩を落とす。
そんなやり取りを横目に、ミィナは言葉を失っていた。
小さく湯の中で縮こまりながら、どこか寂しげに視線を落とす。
その様子に気づいたルノアが、ニヤリと悪戯な笑みを浮かべる。
「ミィナには……こんな話、聞いてないだろ?」
その挑発めいた口ぶりに、ミィナは顔を上げたが――
「わ、私だって……アマト様に、はだ……!?」
(……か……を見られた……)
脳裏にあのときの光景と感情が交錯し、顔が一気に真っ赤になる。
ミィナは言葉の続きを飲み込むと、パシャッと小さな水音を立てて湯の中にうつむいた。
「えっ、なんだって? “はだ”……?」
ルノアが身を乗り出して尋ねるも――
ミィナはぷいっと背中を向けたまま、沈黙。
「なんだよぉ、冗談だってば~。怒るなよぉ」
ルノアが苦笑まじりに声をかけると――
「お、怒ってないっ」
ミィナが少しだけ声を張って言い返す。
でも、その背中はどこかぎこちなく、湯の中で小さく肩を震わせていた。
(……アマト様の、前世の記憶……)
心の奥で、その言葉が何度も繰り返される。
胸の奥が、少しだけ、締めつけられるような気がした。
(私には、話してくれなかったのに?……どうして?)
その周囲には、スライム族とゴブリン族の代表者たち――そして見守る村人たちの姿がある。
今日、この地で、ふたつの種族が正式に手を取り合う。
――和平協定の調印式である。
その簡素な机の上には、スライム族の職人が丁寧に用意した調印文が広げられていた。
筆が運ばれ、まずはゼルミスが、そしてエメルダが交互にそれぞれの印を押す。
「……これにて、和平は成立だ」
ゼルミスがゆっくりと口にした瞬間、広場に拍手が広がった。
エメルダは腕を組んだまま、ふっと鼻を鳴らす。
「ま、形だけじゃなく、ちゃんと行動でも示してくれよな」
「ふむ。わしらも、その覚悟だ」
二人が正面から視線を交わし、やがて互いにわずかにうなずいた。
その様子を見て、ビーノとゴッチは思わず感慨深げに呟く。
「……ほんとに、こんな日が来るとはなぁ……」
「もう、あの胃が痛くなるような魔素回収をしなくてよくなる……」
二人は揃って、そっと自分の腹をさすった。
そして――
式の終了とともに、村の広場には香ばしい匂いと、湯気と、にぎやかな音が満ち始めた。
―――
フィリアの森の恵み。
スライム族が、フィリアの森で採れた食材を調理し、それを味わう“宴”が開かれた。
野球場の中央には大鍋が置かれ、周囲には焼き台や樽、山盛りの果実と香草。
子どもたちは走り回り、大人たちは肩を並べて酒を酌み交わす。
「うおぉぉ! この肉! なにこの柔らかさッ!」
「うひゃああっ! こっちのきのこ汁、魔素回復量バグってんだけど!?」
「ちょ、誰か踊りだしたぞ!?」
ビーノとゴッチは、酒をぐいぐいと注いで回る。
「姉御、ほらっ、ルノアさんのとこから貰ったやつ!」
「……うまいじゃねぇかこれ」
それは、まさに――
言葉よりも、何倍も早く心を通わせる「宴」だった。
宴の中心で、アマトはやや離れた木陰から、その光景をぼんやりと眺めていた。
「……にぎやかだな」
横で腰を下ろしていたゼルミスが、ふっと笑う。
「にぎやかでよい。戦で血を流すより、こうして酒で顔を赤くする方が、何倍もよいものですわい」
「……まあな」
アマトは気だるそうにそう答えながら、杯を持ったまま空を見上げた。
日が沈み、星がひとつ、またひとつと瞬きはじめる。
そしてこの夜は、まだ――続いていた。
―――
宴が終わり、夜はさらに更けていく。
フィリアの森にある「フィリアの聖泉《おんせん》」が、この日に向けて整備され、男女別の温泉が作られていた。
男湯では、ゴブリンとスライムの男たちが湯に浸かり、肩を並べて談笑していた。
「ぬおおお~……この泉、魔素がじんわり染みてくる感じがたまんねぇ……」
「ほんとに混浴じゃないのが悔やまれるな……」
「でもさ、ミィナちゃんとか来たら、オレ心の魔素が暴走するわ……」
そんなバカ話に混じって、ビーノとゴッチも肩まで湯に浸かりながら気持ちよさそうにしていた。
そのとき――
女湯から、よく通る声が響いた。
「ミィナ姉ちゃんって、やっぱりすごいよね! でっか……!」
男湯の空気が、ピタリと止まる。
――そして、神託のごとく澄んだ声色で、男湯の空気を貫いた。
「ふふっ、そんなことないわよ、ネトちゃん。女の子は中身の方が大事なの」
ピシッ。男湯の湯舟が氷で凍てつく――
――そして次の瞬間。
「ネトォォォォォ!!」
ビーノが絶叫。
ゴッチが目を剥き、咆哮する。
「てめぇ、なんでそっちにいやがるっ!! こんなことのために助けたんじゃねぇぞ!! 恩をあだで返すのか!!」
「俺の……俺のミィナちゃんがあああ……っ!!」
「俺らは何も見てねぇってのに!!」
「今、触ってねぇだろうなっ!?」
怒りと絶望、嫉妬と本能が混ざり合い、男湯は一気に戦闘態勢に突入する。
「行くぞ、野郎ども!!」
ビーノとゴッチの号令に、男たちは一斉に立ち上がる。
「おうっ!!」
――全会一致。
風呂場の裏手、脱衣所の木塀の陰へ、男どもはなだれ込んだ。
「よし、ノゾキ穴はこのへん……」
「急げ……!」
「ネトが見たなら、俺たちも平等に見せてもらわねぇと……!」
ギラつく目。忍ぶ足取り。
その場には、もはや一切の理性は存在していなかった。
だがその時――
スッ……と、塀の向こうから一本の棍棒が音もなく突き出される。
ゴンッ!!
「ブベェッ!!?」
先頭のビーノとゴッチが、脳天に直撃を食らい、回転しながら吹き飛んだ。
「どこ見てんだコラァァァァ!!」
怒号。地鳴りのような声。
ノゾキ穴の向こうに現れたのは、鬼の形相のエメルダだった。
その姿に、男たちは一斉に凍りつく。
――のぞき隊、全滅。
そして、男湯からはおよそ生命反応らしきものが一切感じられなくなった。
―――
のぞき騒動から数分後――
女湯には、湯気と共に静けさが戻っていた。
エメルダは湯縁に肘を乗せながら、軽く鼻をすすった。
「……まったく、何が“平等に見せてもらわねぇと”だ。ぶっ飛ばすぞ」
その横で、ルノアがくすくすと笑う。
「ま、もうぶっ飛ばしてたけどな」
「……手加減してやったがな」
「はいはい」
と軽く流しながら、ルノアはちらりとミィナを見る。
そのミィナは、肩までお湯に浸かり、頬をほのかに染めながら黙っていた。
「……でもなんか不思議ですね。さっきまで騒がしかったのに、今はすごく静かで……」
ぽつりとつぶやいたミィナの声に、ふと空気が柔らかくなる。
ルノアは湯に肩まで沈めながら、意味ありげな笑みを浮かべた。
「……で、正直に聞こうじゃない。
ミィナ、アマト様のこと、好きでしょ?」
「っ……!」
ミィナは湯の中に沈みかけるが、すぐに顔を出し、真っ赤な頬のまま小さくうつむいた。
「……その、えっと……はい。たぶん、す……好きです……」
「たぶん、じゃないでしょ」
ルノアが笑いながら突っ込む。
ミィナは慌てて湯の中に顔を沈め、ぶくぶくと泡を立てた。
「……アマト様は、誰にでも優しいしな。惚れる気持ちは、わからんでもない」
エメルダがややぶっきらぼうに言う。
「ってことは、エメルダもってこと?」
ルノアがすかさず切り込む。
「なっ……!? ち、ちが……う…ぞ…!」
エメルダは湯気の中で目を泳がせ、耳まで真っ赤に染まっていた。
「じゃあ、あの鼻血は何だったのさ?」
「いや、あれは、ちが……違うぞ……!」
「ふーん?」
ルノアがにやにやと笑い、ミィナも思わずくすりと笑う。
しばしの沈黙が湯の表面に波紋のように広がった。
そして――
「……やっぱ、ライバルか」
「……ですね」
「……まぁ、殺しはしないよ」
三人の声が、不思議と同時に重なった。
湯けむりの中、三人の間に妙な一体感が生まれていく。
恋と誇りと、そして友情――
それは、確かに、女湯の中で静かに芽生えはじめていた。
そんな中、ルノアがふっと口元を緩める。
「だけど、俺は一歩リードだな!」
「は? なんでさ?」とエメルダが眉をひそめる。
「アマト様から……アマト様の前世の記憶の話、聞いたんだぜ?」
どや顔で湯の縁に肘をかけるルノア。
「えっ……」
ミィナの目が見開かれ、その声は湯気にかき消された。
「なんだとぉぉ!? おれにも聞かせろっ!」
バシャッと湯を跳ねさせながら、エメルダが勢いよく立ち上がる。
だが、ルノアは勝ち誇ったようにふんぞり返る。
「教えるわけねぇだろ。これはオレとアマト様の一生の秘密だ。絶対、誰にもはなさねぇ!」
「ヌヌヌゥゥ……」
エメルダが唸りながらも、肩を落とす。
そんなやり取りを横目に、ミィナは言葉を失っていた。
小さく湯の中で縮こまりながら、どこか寂しげに視線を落とす。
その様子に気づいたルノアが、ニヤリと悪戯な笑みを浮かべる。
「ミィナには……こんな話、聞いてないだろ?」
その挑発めいた口ぶりに、ミィナは顔を上げたが――
「わ、私だって……アマト様に、はだ……!?」
(……か……を見られた……)
脳裏にあのときの光景と感情が交錯し、顔が一気に真っ赤になる。
ミィナは言葉の続きを飲み込むと、パシャッと小さな水音を立てて湯の中にうつむいた。
「えっ、なんだって? “はだ”……?」
ルノアが身を乗り出して尋ねるも――
ミィナはぷいっと背中を向けたまま、沈黙。
「なんだよぉ、冗談だってば~。怒るなよぉ」
ルノアが苦笑まじりに声をかけると――
「お、怒ってないっ」
ミィナが少しだけ声を張って言い返す。
でも、その背中はどこかぎこちなく、湯の中で小さく肩を震わせていた。
(……アマト様の、前世の記憶……)
心の奥で、その言葉が何度も繰り返される。
胸の奥が、少しだけ、締めつけられるような気がした。
(私には、話してくれなかったのに?……どうして?)
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