転生してきた令嬢、婚約破棄されたけど、冷酷だった世界が私にだけ優しすぎる話

タマ マコト

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第8話 悪役の椅子

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王都の空は、あの日からずっと曇っていた。
雪の白が街を綺麗に見せても、雲の灰色が気分まで引きずり下ろす。
人々は口では「殿下の英断」と囁きながら、心の奥では別のものを嗅ぎ取っていた。

――なんか、おかしくない?

異変は、静かに始まった。
静かに始まるものほど、気づいたときには手遅れになる。

王城の礼拝堂。
白い大理石の床。祈りの香。聖画の前の燭台。
“聖女”マリア・エルシェは、その中央で膝をつき、両手を胸の前で組んでいた。

彼女の白いドレスは今日も完璧で、髪は丁寧に結われ、頬は薄桃色に整えられている。
周囲の神官たちも貴族たちも、息を飲んでその姿を見守る。
この国の希望は、今、彼女の細い肩に乗っている――という物語を、皆が信じたがっている。

「……どうか、雨を」

マリアの声は震えていた。
震えは祈りに見える。
震えは純真に見える。
震えは、見ている者の「守りたい」を刺激する。

だが、天井の高窓の向こうは静かだった。
雲は動かない。
風もない。
ただ、乾いた冬の空気だけが冷たく漂う。

「……聖女様?」

神官の一人が、そっと声をかけた。
マリアは息を吸い、もう一度祈る。
額に汗が浮かび、肩が小さく震える。
それでも――何も起きない。

ざわり。
礼拝堂の空気が揺れる。
“起きない”という事実が、人の心を最も不安にする。

「……おかしい」

誰かが呟く。
その一言が、火種になる。

王太子クラウス・フォン・エーベルハインは、礼拝堂の後方でその光景を見つめていた。
演説台の上では完璧な笑顔を作れる男が、今は笑えない。
口元は強張り、眉間に薄い皺が寄る。

――マリアは聖女だ。
――彼女は国を救う光だ。
――だから僕の決断は正しい。

自分の正しさを支える柱が、今、音もなく軋んでいる。
クラウスの中で、焦りがどろりと広がった。

礼拝堂を出た後、王太子の執務室は熱気を帯びた。
貴族、神官、役人。
責任を持ちたくない者ほど、声がでかい。

「聖女様がお疲れなのです!」
「無理な祈りを続けさせているのでは?」
「熱病が広がっております。癒しが間に合わない!」
「雨が降らなければ、春の作付けが――!」

言葉が飛び交う。
誰もが不安で、誰もが責任から逃げたがっている。
不安の矛先は、いつも“誰か”へ向かう。

クラウスは机に手をついて立ち上がった。
「落ち着け。……マリアは聖女だ。力が衰えるはずがない」

「では、なぜ……!」

誰かが言いかけた瞬間、別の誰かが答えを出す。
人は答えが欲しい。
正確な答えじゃなくて、今すぐ握れる答えが欲しい。

「……妨害されているのでは?」

その言葉が落ちた瞬間、空気が一気に“その方向”へ流れた。
妨害。敵。黒幕。
物語の便利な道具。

神官が頷く。
「神の力は、穢れに弱い。もし邪が近くにあれば……」

貴族が食いつく。
「邪、ですか……。最近の不吉な出来事、全部つながりますな」

役人が顔色を変える。
「熱病の広がりも、雨の不作も……偶然ではないと?」

クラウスの喉が鳴った。
嫌な予感がする。
でも、その予感に逆らうには、彼はもう遅すぎた。
彼は自分の正しさを守るために、便利な答えを欲しがってしまう。

「……誰が妨害しているというんだ」

その問いは、探すための問いじゃない。
すでに答えが決まっている問い。

沈黙。
視線が交差する。
そして誰かが、言った。

「追放された……セレフィーナ嬢が」

その名が出た瞬間、空気が“落ち着いた”。
落ち着くのだ。
原因が見つかったというだけで、人は安心する。
たとえそれが、嘘でも。

「やはり……あの令嬢、恨んでいるのでは?」
「婚約破棄されたのですぞ。恨みがないほうがおかしい」
「辺境へ送られたのも、屈辱でしょう」
「聖女様の力が不安定なのは、その呪い……!」

呪い。
誰も見たことがないのに、誰もが信じる言葉。
呪いは便利だ。
説明できない不幸を、説明した気にしてくれる。

クラウスの胸の奥で、何かがひゅっと縮んだ。
セレフィーナの顔が浮かぶ。
舞踏会で、一礼して去ったあの横顔。
泣かない、怒らない、何も言わない。
ただ静かに受け入れた――ように見えた。

「……彼女が、そんなことをすると思うか?」

クラウスの口から出た言葉は、自分でも意外だった。
ほんの一瞬、彼の中に“人間としての記憶”が残っていたのかもしれない。

だが周囲は待っていない。
待ってしまえば、責任が自分に戻るから。

神官が言う。
「殿下、あの令嬢は感情が読めません。冷たい心は、邪と通じやすい」

貴族が言う。
「殿下の英断を恨んで、国を呪う。……あり得る話です」

役人が言う。
「民衆も不安がっております。原因を示さねば、暴動が起きます」

原因を示す。
つまり、スケープゴートを差し出せ。

クラウスは言葉を失った。
不安が、怒りに変わる前に、誰かを吊るす。
王都はそうやって秩序を保ってきた。
クラウスもその一部だった。
彼は正義を語りながら、いつの間にか“正義の装置”になっていた。

「……調べろ」

絞り出すように言う。
「辺境の状況を。セレフィーナの動きを。……もし本当に不穏な兆しがあるなら、対策を」

その言葉が、王都における“狩り”の始まりだった。

同じ頃、王都の街角では噂が雪の上を滑るように広がっていた。

「聞いた? 聖女様の祈りが効かないらしい」
「え、なんで?」
「呪いだって」
「呪い?」
「追放されたあの令嬢が、恨んでるんだってさ」
「えぇ……怖っ」
「だから言ったじゃない、あの子、冷たい目してたもん」
「愛がない顔って、呪いそうだよね」

――顔で呪いを決める。
――表情で罪を決める。
王都の“物語”は、いつも手軽だ。

そしてその噂は、風に乗って辺境へ届く。

辺境伯領の屋敷。
夕方の食堂。
湯気の立つスープ、黒パン、煮込み。
セレフィーナは匙を口に運びかけて、手を止めた。

エドガーが持ってきた封書。
王都からの便。
内容は簡素で、しかし毒がある。

『王都にて不穏な噂あり。
 聖女マリア・エルシェの力が不安定。
 原因として、セレフィーナ嬢の呪いが囁かれ始めている。
 警戒されたし』

読み終わった瞬間、指先が冷えた。
暖炉の火のそばにいるのに、指先だけが凍る。
あの感覚。
王都の廊下で感じていた、足元から這い上がる冷え。

リリアが顔色を変える。
「お嬢さま……これ……」

ユリウスが黙って封書を受け取り、目を通した。
彼の表情は変わらない。
でも、空気が少し重くなる。
怒りというより、警戒の匂い。

「……王都は相変わらずだな」

ユリウスが低く言う。
セレフィーナはスプーンを置いた。
金属が器に当たって、小さく鳴る。
その音が、やけに大きく響いた。

「呪い、って」

声が自分のものじゃないみたいに遠い。
笑って否定したいのに、笑えない。
怒って壊したいのに、怒れない。
胸の奥で、冷たい納得がまた落ちてくる。

――ほらね。
――やっぱり。
――私は悪役にされる。

リリアが震えた声で言う。
「そんなの……お嬢さまが何をしたっていうんですか。むしろ、お嬢さまは……」

「何もしてない。だからちょうどいいのよ」

セレフィーナは自分でも驚くほど冷静に言った。
何もしていない人間は、何でも背負わされる。
反論しないから。
声が小さいから。
沈黙するから。

ユリウスが眉をひそめる。
「ちょうどいい、とは」

セレフィーナは唇を噛んだ。
言いたくない。
言うと、また“哀れな役”になる。
でも、ここで黙ったら、また鎧を厚くするだけだ。

「王都は、原因が欲しいだけ。誰かの不幸に原因を与えれば、自分たちは無罪になれるから」

言いながら、自分の声が少し震えるのが分かった。
冷静なふりをしても、心は冷静じゃない。

「……やっぱり世界は、私を悪役にしたいんだ」

その言葉が落ちた瞬間、リリアが泣きそうな顔になる。
でも泣かない。
彼女もこの数日で学んだのだ。
泣きたいときほど、まず息をする。

ユリウスは、椅子の背に肘を置いた。
考えている。
戦場の癖なのか、彼は結論を急がない。
急げば死ぬことを知っている人間の間。

「……悪役の椅子を、渡すな」

「え」

ユリウスの声は低い。
「王都が用意した椅子に座ったら、終わりだ。立ち上がれなくなる」

セレフィーナの胸がちくりと痛む。
座ったら終わり。
それは分かっている。
分かっているのに、怖い。
悪役にされるのは、苦しい。
でも悪役にされると、ある意味で楽でもある。
“私は悪いから”で全部片付く。
傷ついた理由も、捨てられた理由も、説明がつく。
自分を守る言い訳になる。

ユリウスは続ける。
「俺は、あなたが何もしていないことを知っている。領民も知っている。……ここで起きていることを、見ているから」

見ている。
あの言葉。
領地の帳簿を見た日に胸に刺さった言葉が、今度は背中を支える。

リリアが拳を握りしめた。
「私も知ってます! お嬢さまは呪いなんて――」

「リリア、落ち着いて」

セレフィーナが言うと、リリアは頷いたが、目は怒っている。
怒りは、愛だ。
それを向けられるのが、怖くて嬉しい。

ユリウスが封書を机に置き、淡々と言う。
「対策はする。警戒もする。だが、王都の噂に飲まれるな。……あなたの心まで、王都に持っていかれる」

セレフィーナは息を吸った。
薬草の香りが、肺に入る。
暖炉の火が、頬を撫でる。
ここには、王都の匂いがない。
それが救いだった。

でも、王都の言葉は匂いみたいにしつこい。
一度嗅いだら、頭の奥に残る。
“冷たい令嬢”
“愛なき氷”
“呪い”

セレフィーナは自分の指先を見た。
さっきからずっと冷たい。
冷たいのは、王都の言葉が触れているからだ。
言葉は見えないのに、身体を冷やす。

「……私、反論してもいいのかな」

小さく言うと、リリアが即答する。
「いいに決まってます!」

ユリウスは短く頷いた。
「いい。だが、反論のために自分を削るな。……あなたは、王都でそれをやってきた」

その一言で、セレフィーナの胸が痛んだ。
見られている。
理解されている。
だからこそ、逃げられない。
でも逃げたくない。

食堂の外で風が鳴る。
窓が少し震える。
冬は厳しい。
でも、ここには火がある。
人がいる。

セレフィーナはスープをもう一度口に運んだ。
温かい。
温かいものが、喉を通って胸に落ちる。

――悪役の椅子を、渡すな。

その言葉を胸の中で反芻する。
王都が作った脚本に、私はもう乗らない。
乗ったら終わり。
私はここで、ちゃんと息をする。

「ユリウス様」

「何だ」

「……王都が何を言っても、ここで起きていることを、私は見続けます」

自分で言って、自分の声の強さに驚いた。
強がりじゃない。
決意に近い音。

ユリウスは一瞬だけ目を細め、短く言う。
「それでいい」

リリアが小さく息を吐く。
その息に、震えが混じっていた。
怖い。
でも怖いまま、前を向く。
それが今の彼女たちの選択。

王都では、噂が剣になる。
辺境では、現実が盾になる。
セレフィーナはまだ、完全には信じきれない。
けれど、少しだけ分かってきた。

世界が冷酷なのではない。
冷酷な“物語”を選び続ける場所が、王都なのだ。

そしてその物語の中で、彼女はいつも悪役にされる。
悪役の椅子は、いつだって用意されている。
座りさえすれば、皆が安心する。

――だからこそ、座らない。

セレフィーナはスープを飲み干し、指先の冷えがほんの少しだけ引いた気がした。
火のそばにいる自分を、世界が認めている。
その感覚が、まだ小さいけれど確かに、彼女の背骨になり始めていた。
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